🍞7〗ー2ー日本農業の限界がやって来る。日本人農家の消滅の危機。~No.38 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本人農家は、伝統的文化的宗教的歴史的な世襲制である。
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 2023年10月14日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「日本農業の「限界」がいよいよやってくる…多くが70歳以上になる農家の「厳しすぎる現実」
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。
 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 農家の多くが70歳以上になる
 人口減少は、人々が生きていくための基礎である農業も厳しくしていく。農林水産省の「2020年農林業センサス」によれば、農業経営体は2015年の前回調査と比べて30万2000少なくなり、107万6000だ(21.9%減)。
 中でも激減したのが、家族経営の「個人経営体」である。22.6%も少ない103万7000に落ち込んだ。個人経営体の減少はそこで働く基幹的農業従事者(主な仕事が農業という人)の減少に直結するが、39万4000人減って136万3000人となった。新規就農者が減る一方で、高齢化に伴う引退者が増加したためだ。基幹的農業従事者の平均年齢は0.8歳上昇し67.8歳となった。
 むろん基幹的農業従事者だけが高齢化するわけではなく、雇用者を含む「農業就業者」全体を見ても引退する人は多い。農水省の別資料は、農業就業者が2010年の219万人から、2035年には142万人へと約35%減ると推計している。
 規模の縮小もさることながら、注目すべきはその年齢構成だ。142万人のうち49歳以下は31万人にとどまり、70歳以上が61万人を占める。
 農林水産政策研究所の「農村地域人口と農業集落の将来予測」(2019年)によれば、農業地域の人口減少は著しい。2045年には、平地農業地域は31.6%減、中間農業地域も41.6%減と、都市部の10.7%減に比べて大きく下落する。高齢化率(65歳以上)も「平地」が43.3%、「中間」は46.9%だ。
 農業集落レベルで見ると、さらに深刻な実情が浮き彫りになる。1集落あたり平均世帯数は50戸だが、このうち販売農家(経営耕地面積が30a以上または農産物販売金額が50万円以上の農家)は6戸に過ぎない。調査年前の5年間で8割以上の集落において人口が減り、中山間地域では空き家が激増した。
 農業を営む世帯が減ると「寄り合い」の開催が少なくなり、用排水路の保全・管理といった集落活動そのものが停滞する。とりわけ「9人以下」になると集落活動の著しい低下を招くが、こうした集落が2045年には全体の8.8%(山間農業地域は25.0%)を占めると予想されているのだ。
 同研究所は、人口が9人以下で、しかも高齢者が過半数を占める集落を「存続危惧集落」と位置付けているが、全国に約14万ヵ所ある農業集落のうち2015年には2353ヵ所だった。これが、2045年には9667ヵ所へ4.1倍に膨らむというのだ。その9割は中山間地域に位置する。農業集落に占める「存続危惧集落」の割合で比較すると、約20%となる北海道をはじめ、石川、和歌山、島根、山口、徳島、愛媛、高知、大分の各県で10%を超える見通しだ。
 こうした集落では農業生産はもとより、農地を取り囲む地域社会そのものの維持が見通せなくなる。ところが、農水省の対策は相変わらず水路や農道の維持管理や機械・設備の共同利用、鳥獣被害の抑制など農地をどうするかといった「産業政策」にとらわれている。これでは遠からず日本農業は限界を迎える。
 「生産性向上」という道
 写真:現代ビジネス
 いま問われているのは農業を続けられるかどうかではなく、子供の通学や年老いた親の通院など農業就業者を取り巻く日常生活自体が成り立ち得るかどうかである。「産業政策」から「地域政策」への転換が急がれる。
 農業就業者の減少が避けられない以上、農業ビジネスモデルの転換は避けられない。経営規模が拡大するほど面積あたりの経費は低減することを考えれば、就業者の減少をカバーするには米国のように機械やAIを活用してスケールメリットを図ることだ。自動操舵システムやドローンによる農薬散布で作業時間を大幅短縮した事例も登場している。同時に、収益性の高い作物への転換を徹底することである。大規模化に向かない中山間地域の農地では、とりわけ収益性が重要となる。その上で、流通業や小売業を含むサプライチェーン全体としての生産性向上に取り組むことが必要だ。
 農林業センサスを見ると、引退者の増加もあり法人を含む団体経営体は1000増えて3万8000(2.8%増)となった。団体経営体が増加するにつれて大規模化も進むため、1経営体あたりの耕地面積は3.1ヘクタールと、前回調査より20.4%増えた。耕地面積別に経営体の増減率を見ると、北海道では100ヘクタール以上が17.5%増えている。残る46都府県は50~100ヘクタールが34.5%増だ。
 ただし、規模が拡大するにつれて収益性よりも補助金交付額の大きい作物を優先するようになるため、農業経費は一定規模に達すると低減しにくくなる。個人経営体の農地を統合する形で耕地面積の拡大を図るため、農地が分散してしまい非効率となることもマイナス要因だ。
 こうした克服点も残っているが、成果は現れ始めている。財務省の資料によれば、1経営体あたりの農業所得は平均174万円だが、主業農家は662万円(2018年)で、この10年間で58%増となった。農産物価格の上昇もあるが、経営規模の拡大によるところが大きい。
 河合 雅司(作家・ジャーナリスト)
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 2022年12月6日 現代新書編集部「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」
 2020年、女性の半数が50歳を超える。2024年、全国民の3人に1人以上が65歳以上になる。2033年、3戸に1戸が空き家になる。2040年、自治体の半数が消滅する――人口カレンダーで人口減少ニッポンの「不都合な真実」を暴いた累計100万部突破のベストセラー『未来の年表』シリーズ。
 待望の最新作『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』の刊行を前に、著者の河合雅司氏が「日曜日の初耳学」に出演。大きな反響が寄せられているその内容とは?
 100万部突破のシリーズ最新作『未来の年表 業界大変化』
 2030年には百貨店も銀行も地方から消える
 「日曜日の初耳学」では、林修氏の熱烈オファーにより、人口減少問題の第一人者として河合氏が登場。少子高齢化による人口減少で沈没の危機にある日本社会の未来とその解決策について語り合った。
 まず、『未来の年表』では未来をどう予測しているのか――。2030年には百貨店も銀行も老人ホームも地方から消えることや、今後東京で高齢者が増えることで手術が半年待ちになることが紹介された。
 「人口は予測ではない、過去に行ったことの投影なんです。だから、外れる外れないではなくて、過去を見ればわかるんです」(河合氏)
 この国の出生数が100万人を切ったのが2016年のこと。それから急激なペースで減り、今年上半期の出生数は38万人となり、1年間では75万人ほどになるのではないかとも言われる。これは国の予想より11年前倒しで少子化が進行していることになる。
 「ポツンと5軒家」はやめるべき
 東京一極集中が進み、「地方消滅」が叫ばれている。政府は過疎地域への移住を推奨し、空き家を安く貸すなどの対応をしている。
 だが、「こうした移住政策はやめるべき」だと河合氏は言う。さらには、「この先、『ポツンと5軒家』はやめるべきだ」と主張する。どういうことだろうか。
 山里に行くと90代1人暮らしの人だらけという光景が珍しくない。そこに30代の家族が移住したとする。10年後には高齢者が亡くなり、若い移住者だけが残ることになる。
 「ポツンと5軒家」から「ポツンと1軒家」の状態になるのだ。すると、わざわざ1軒のために、電気やガスや水道を提供しないといけなくなり、他地域のインラフの料金もアップする。実際、2043年には水道代が1.4倍以上になるという予測も出ている。
 「地方集住」という可能性
 しかし、地方移住にも希望はあると河合氏は言う。
 現状の移住政策では一極集中を是正できていないが、「地方集住」という形であれば可能性があるのではないか、と。
 人が住む地域と住まない地域を明確に分けることができれば、そこには民間事業を残すことができるという。最低10万人の商圏を維持できれば、そのエリアは持続可能と言われている。
 番組では秋田県が例として取り上げられた。2015年には約102万人だった人口が2045年には約60万人に減少。60万人ということは10万人の商圏が6つしかない。
 そうした状況となる秋田県の生き残り策は「秋田市に全部移住するか」「秋田県秋田市と名乗るか」だという。
 仙台と並ぶ100万都市にするために、多少の痛みを伴ってでも大胆な変化をしていかないとこの先の変化には対応していけない。
 ショッピングモールの閉店ラッシュ
 人口減少による影響は、生活に欠かせない場所にすでに現れている。
 具体的には、「2030年には大型ショッピングモールは維持できなくなる」という事態が起こる。
 見込んだお客さんが来ず、場所によっては閉店が始まっており、今年だけで25店が閉店しているという。想定以上に人口減少が進んでいるのだろう。
 これから何が起きるのかといえば、既存の商店街が壊滅し、ショッピングモールが閉店し、地方には何も残らない未来の到来だ。
 しかし、政治(家)は解決してくれなさそうだ。人口減少は10年単位で取り組まなければいけない問題なのだが、票にならない政策は食いつきが悪いのだという。それでも、今からやれば、正しく対応すれば、豊かな日本は続けられると河合氏は語った。
 高品質なものを高付加価値で売る
 日本では2042年から本格的な人口減少が始まる。
 人口を増加させることは難しいため、人口減少を前提にどうしていくのかを考えなければいけない。人口減少時代において、生産性・成長を維持していく経済モデルを作ることが大事になってくる。
 「まだ日本が経済大国でいられるうちに、戦略的に縮める必要があります。これまでの産業を維持していこうと思うと、どこの分野も人材不足になってきて維持できません。日本は各分野に産業があるので、捨てるものは捨てて残すものは徹底してよくしていくべきでしょう」(河合氏)
 具体的には、日本より人口が少ないドイツやフランスなどのヨーロッパ型を目指すべきだと河合氏は提言する。例として挙げるのは、自動車会社フォルクスワーゲンのポルシェというブランドだ。
 ポルシェの昨年の売り上げは約28万台で約50億ユーロの営業利益があった一方、フォルクスワーゲンの売り上げは約457万台で営業利益は約25億ユーロだった。フォルクスワーゲンがポルシェと同じ利益を生み出すには、900万台近く売らねばならない。
 ここから言えることは何か。
 生産量も労働者も消費者も激減する日本にとって、「高品質なものを高付加価値で売る」というモデルを築き上げることが急務となるということだ。
 シリーズ最新作となる『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した必読の1冊だ。
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