🍘77〗ー5ー名古屋アジア大会は競技大会として成功したが運営としては失敗した。~No.218 

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 競技大会に成功し運営に失敗するのは、2021年の東京五輪頃から始まっている。
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 2026年10月27日 Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE「【ヤフコメで話題】「アジア大会運営ミスへの批判と責任論」「愛知・名古屋の連携不足や今後の開催地選定に波及」 - 組織委員会の対応と地域行政の課題に注目集まる
 なにがあった?
 アジア大会の運営ミスや不手際について、Yahoo!ニュースのコメント欄で話題になっています。
 コメントでは、国歌流し間違いなどの運営ミスに対し、委託業者だけでなく組織委員会の責任や準備不足を指摘する声がありました。また、愛知県や名古屋市の連携不足が大会運営の不評につながったとの意見も見られます。
さらに、こうした失態が今後の大規模イベントの開催地選定や地域行政の信頼性に影響するのではないかという懸念や、責任の所在を曖昧にする姿勢への批判も寄せられています。
 みんなの反応

  • アジア大会の運営ミスは組織委員会の準備不足が原因だという意見がありました。
  • 愛知や名古屋の連携不足が大会の不評につながったとの指摘も見受けられます。
  • 今後の大規模イベント開催地選定に今回の失態が影響するのではと心配する声もありました。

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 この記事は、投稿されたコメント情報をもとにAIが作成しています。 参照したコメント情報は、【関連記事】内の「『アジア大会』についてのみんなの反応」をご覧ください。
 ※経過によりキーワードに関連するコメントが表示されない可能性があります。
 ※本機能は試験的な導入です。内容に関しては関連記事やコメント内容と併せてご確認ください。
 【関連リンク】
 「アジア大会」についてのみんなの反応
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🍘80〗ー1ー中国製ロボットを嗤って衰退するモノ作り日本、造り続けて成功する中国。~No.223No.224 

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 2026年10月24日 MicrosoftStartニュース プレジデントオンライン「転ぶ中国ロボットを冷笑している場合か…「使えない」と断じる日本企業が失う"取り返しのつかないもの"
 2026年8月25日、5対5大型ロボットサッカー準決勝に臨む清華大学火神チームの人型ロボット(赤服)
 © PRESIDENT Online
 転んで起き上がれない。シュートを外す。中国のヒューマノイドが失敗する映像が、日本でも繰り返し流れた。だが、昨年世界で出荷された約2万台のヒューマノイドのうち、約95%は中国メーカー製だった(バンク・オブ・アメリカの調査部門)。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「『まだこの程度か』と笑っていると、日本企業がやるべきものを見失う」と指摘する。10月20日刊行の新著『古典で読み解く! 10年後の未来 何が世界を動かしているのか』(朝日新聞出版)より、一部を紹介する――。(第9回)
 シュートを外したロボットは失敗作ではない
 8月下旬、北京で第2回の世界人型ロボット運動会が開かれた。16の国と地域から、666チーム、2000体を超えるロボットが集まった大会である。日本でも、転倒する姿や、ぎこちない動きの映像が、テレビやSNSで目を引いた。中国のヒューマノイドが転び、ボールを扱いそこねる姿を見て、「まだこの程度か」と思った人もいるだろう。
 ところが、この大会の51種目のうち4割を超える種目は、競技ではなく実務の課題だった。工場での組み立て、物流、飲食店での給仕、家事、災害への対応。笑いを誘う場面の隣で、ロボットたちは働く場面の試験を受けていたのである。
 転んだ映像から、10年後の日本の工場で誰のロボットが働いているかまで判断できるだろうか。今日うまく動かないことと、明日の競争相手にならないことは、同じではない。ロボットを見るとき、私たちは「いま何ができるか」に目を奪われがちだ。しかし、本当に見るべきなのは、「できる仕事を増やしていく仕組みを、誰が持っているか」である。
 この問いを考えるとき、思い出したい神話がある。神々に笑われた、一人の鍛冶の神の物語である。
 神々に笑われた鍛冶の神
 ホメロスの叙事詩『イリアス』の第1歌の終わりに、神々の宴の場面がある。オリュンポスの宮殿で、鍛冶の神ヘーパイストスが、神々の杯に甘い飲み物を注いで回る。ヘーパイストスは足が不自由だった。その彼が、息を切らしながら広間を行き来する姿を見て、神々のあいだに、止まらない笑いが沸き起こった。
 この鍛冶の神は、人間に火を渡したプロメテウスを、ゼウスの命令で岩に縛りつけた、あの神でもある。拙著『古典で読み解く! 10年後の未来 何が世界を動かしているのか』(朝日新聞出版)で人工知能を読み解いたプロメテウスの物語に、鎖を打つ役として登場する。
 宴が終わると、神々はそれぞれの館へ帰って眠りについた。その館を造ったのは、足の不自由なヘーパイストスその人であったと、『イリアス』は記している。神々の宴で笑いを誘ったヘーパイストスは、その神々が住む宮殿を造った名工でもあったのである。目の前の動きに笑うことと、その者が持つ技術の力を見極めることは、別の話なのだ。
 プロメテウスが渡した「物理の火」
 ヘーパイストスが火と金属を扱う神であったことは、偶然ではない。火は、物を造る力そのものだったからだ。
 本書の第1章で書いたように、火は元来、神々のものだった。プロメテウスはそれを茴香(ういきょう)の茎に隠して持ち出し、人間に渡した。火を手にした人間は、暗闇から解放され、寒さから守られ、金属を鍛え、土器を焼くようになった。『縛られたプロメテウス』のなかで、プロメテウスは、牛や馬を軛につないで人間の重い労苦を肩代わりさせる術や、海を渡る船の術も、人間に与えたと語っている。人間は、自分の身体だけではできなかった仕事を、技術によってできるようになったのである。
 本書では、21世紀の私たちが、これに匹敵する2つの火を手にしたと書いた。言語や画像を扱う生成AIという「情報の火」と、物理世界を認識し、判断し、行動するフィジカルAIという「物理の火」である。そして本書は、この「物理の火」の領域で、中国が躍進していると論じた。人の姿をしたヒューマノイドは、その物理の火が、私たちの目に最も見えやすい形で現れた存在である。
 「黄金の侍女と三脚台」の意味
 『イリアス』の第18歌で、物語はヘーパイストスの工房の中へ入っていく。英雄アキレウスの母である女神テティスが、息子のための武具を頼みに、工房を訪ねる場面である。
 テティスが着いたとき、ヘーパイストスは、20もの三脚台を造っていた。その脚には黄金の車輪が取りつけられ、自ら神々の集いへと動いていき、また自ら戻ってくるように造られていた。
 そして、客を迎えるために立ち上がった鍛冶の神の歩みを支えたのは、黄金で造られた侍女たちだった。生きた乙女に似た姿をしていて、胸のうちには理解する心があり、声と力を持ち、仕事の技を身につけていた。足の不自由な神の身体を、自ら考えて動く機械が支えていたのである。
 黄金の侍女は、プロメテウスの物語に登場するわけではない。しかし、プロメテウスに鎖を打った同じ神の工房に、このような働き手がいたことは興味深い。人間に似た形をしたものに、理解する力と、働く力を持たせたい。その願いは、2700年ほど前に歌われた工房の物語に、すでに描かれていた。神話が現代の技術を予言していたわけではない。人間が機械に求めてきたものが、古代から変わっていないのである。
 しかも、その工房には、人の形をした侍女と、車輪で動く三脚台の両方があった。この点が、次の問いへの手掛かりになる。
 「人間の形である必要はない」は、どこまで正しいか
 ヒューマノイドに対しては、「そもそも人間の形をする必要はないではないか」という声も根強い。この疑問には、正面から答えておきたい。
 決まった位置で、同じ作業を、高速かつ高い精度で繰り返す。そうした仕事なら、専用の産業ロボットのほうが適している場面は多い。日本が得意としてきたのは、まさにこの領域である。ヒューマノイドが、あらゆる機械を置き換えるわけではない。
しかし、人間のために造られた通路、棚、作業台、道具が残る現場で、いくつもの種類の仕事をこなしたい場合はどうだろうか。そのときに比べるべきなのは、ロボット単体の性能だけではない。ロボットのために設備をどこまで造り替える必要があるか。新しい仕事を覚えさせる負担がどれだけあるか。それらを含めた総合的な費用である。
 「ダンスではなく、働く事業をしている」
 独BMWは、ライプツィヒ工場で、スイスのヘキサゴン・ロボティクスが開発した「AEON」の試験導入を進めている。人に似た上半身を持ちながら、移動には車輪を使う機体である。高電圧電池の組み立てなどで試している。開発を率いる責任者は、「私たちはダンスの事業ではなく、働く事業をしている」と語った。BMWは2025年にも、米国の工場で別のヒューマノイドを試し、3万台を超える車の生産を支えている。
 人の形をした上半身と、車輪で動く下半身。それは、鍛冶の神の工房にいた黄金の侍女と、黄金の車輪の三脚台を、一つの機体にまとめたようにも見える。問うべきなのは、人間の形が正しいかどうかではない。どの身体なら、その現場の仕事を、安全に、確実に、採算の合う形で担えるかである。
 転ぶ映像の裏で、中国の工場で起きていること
 では、中国のヒューマノイドは、工場で実際に何をしているのか。
 中国のシャオミは3月、自社の電気自動車工場で、ヒューマノイドが部品にナットを取り付ける工程を、3時間連続で自律的にこなしたと発表した。両側に同時に取り付ける作業の成功率は90.2%で、生産ラインが求める最速の、76秒ごとの作業の速さに合わせたという。限られた工程での、企業による発表である。それでも、競技場で転んだロボットと同じ国のロボットが、自動車工場の流れ作業の速さについていき始めている。
 一方で、限界もはっきりしている。ロイター通信は8月下旬、広西チワン族自治区・柳州の訓練拠点などを取材し、中国のヒューマノイドの現状を伝えた。拠点の職員によれば、簡単な作業でも、速さや作業量は人の約2割にとどまるという。中国の研究者は、物や照明、角度、設備が学習したときと少し違うだけで失敗しやすいと指摘する。同じ記事は、特定の作業のために造られた従来型の産業ロボットのほうが、工場ではいまはまだ安く、確実だとも伝えている。
 出荷の約95%は中国製という事実
 しかし、この記事には、別の重要な数字も並んでいた。バンク・オブ・アメリカの調査部門によれば、昨年世界で出荷された約2万台のヒューマノイドのうち、約95%が中国メーカー製だった。さらにロイターが1000件近い公共入札を調べたところ、中国の中央・地方政府は2026年上半期だけで、少なくとも2億3000万ドルをヒューマノイドと関連機器の購入に投じていた。1年前の同じ時期の約3.7倍である。取材先では人の約2割の作業効率にとどまっていても、台数と予算はすでに動き出している。
 その投資は、ロボットを「教える場所」にも向かっている。柳州の訓練拠点では、100体を超えるヒューマノイドが並び、動作を教え込まれている。この施設向けの機体と関連機器は、ロボットメーカーのUBテックが、地元政府から1800万ドル規模で受注した。記事によれば、一つの使える動作をロボットに覚えさせるのに、初心者の訓練担当者なら約300回の試行を要する。熟練した担当者なら、使える動作を教えるまでの試行回数が、初心者の約6分の1で済むという。教える人の熟練も、ロボットの実用化を左右するのである。
 注目すべきなのは、現場に何台入れたかに加え、そこで何を学び、次の機体や制御にどう反映しているかである。熟練者の動作を教え、失敗や人の介入を記録し、改善した動きを検証する。この積み重ねを継続できる企業が、実用化までの距離を縮めていく。
 完成しているから警戒するのではない。未完成のものを現場へ出し、学び、改良する循環を、いち早く回し始めているから、競争相手として見る必要がある。転倒の映像と、工場での作業の実績は、それぞれ別の能力を示す証拠なのである。
 「呉下の阿蒙にあらず」
 ここで、中国の古典を一つ開きたい。『三国志』の時代、呉の国に呂蒙という武将がいた。勇敢だが学問がなく、周囲からは無学な武人と見られていた。主君の孫権に学問を勧められた呂蒙は、それから猛烈に書物を読んだ。
 しばらくして、呂蒙を見下していた重臣の魯粛が、彼と語り合う機会があった。魯粛はその見識の深さに驚き、こう言った。「あなたはもはや、呉にいた頃の蒙ちゃん(阿蒙)ではない」。呂蒙は答えた。「士は別れて三日なれば、即ち更に刮目して相待すべし」。人は三日も会わなければ、目をこすってよく見直さなければならないほど変わるものだ、という意味である。
 侮られていた側が、見ないあいだに変わっていた。この構図は、すでに産業ロボットの世界で現実になっている。国際ロボット連盟(IFR)が9月24日に公表した報告によれば、2025年に中国で導入された産業ロボットは35万4000台で、世界の59%を占めた。そのうち55%を、中国のメーカーのロボットが占めている。IFRの会長は、その背景に、10年前に始まった中国の国家的なロボット戦略があると述べた。かつて日本や欧州のメーカーが圧倒していた市場で、中国のメーカーが過半を握るようになったのである。
 失うのは、ロボットの注文だけではない
 ヒューマノイドで同じことが起きると断定するには、まだ証拠が足りない。しかし、起こりうる筋道は描ける。人手が残る作業や、工程と工程のあいだの運搬といった、これまで自動化が難しかった仕事から入る。そこで作業のデータと、顧客との接点と、保守の経験を積み重ねる。こなせる仕事が増えれば、やがて設備を更新するときにも候補に入ってくる。
 そのとき日本が失いかねないのは、ロボットの注文だけではない。日本の機械が工場に残っていても、何を認識し、どう動かし、どう改善するかを決める仕組みが、別の企業に握られる可能性がある。本書の第1章の問い、「人工知能――誰が支配するのか」は、ここで「誰が工場の主導権を握るのか」という問いになる。
 笑う側に立つか、造る側に立つか
 日本には、強みがある。作業の勘所、品質の見極め、異常への対処、安全の知識。そして、ロボットの関節を動かす精密な減速機や、周囲を捉えるセンサーといった部品の技術である。大切なのは、こうした強みを、人が持つ技能として誇るだけでなく、機械の改善にも使える形にしていくことだ。現場を、機械が学び続ける場所にするのである。
 日本の現場には、熟練者が新人に仕事を教えてきた長い歴史がある。どこでつまずくか、どう手を添えれば覚えるか。その教える技術こそ、ロボットに仕事を覚えさせる時代に生きる。
 経営者に考えてほしい問いは、3つある。どの仕事なら、安全を確保したうえで試せるか。失敗や、人が手を貸した場面を記録し、次の改善に返せるか。成功率、作業時間、人の介入の回数、総費用は、時間とともに改善しているか。試せば自動的に賢くなるわけではない。経験を記録し、学習させ、改良した機械を再び現場で確かめる。その循環を回す仕組みが必要になる。
 成長期の打ち手と、転換点の打ち手
 本書の序章では、「成長期の打ち手と転換点の打ち手は、全く違う」と書いた。既存の産業ロボットの性能を磨き続ける仕事と、新しい方式を自分たちの現場で育てる仕事。日本企業に求められているのは、その両方を、経営として同時に持つことである。
 神々は、足を引きずる鍛冶の神を笑った。だが、その神は神々の館を造った名工であり、その工房では、自ら歩む黄金の侍女が働いていた。
 転んだロボットの映像は、いまの限界を教えてくれる。しかし、その限界がいつ、どのように変わるかまでは教えてくれない。笑う前に、刮目して見る。そして、自分たちの現場で、何を試し、何を学んだかを問いたい。プロメテウスが人間に渡した物理の火を、次に使いこなすのは、笑う側ではなく、造る側である。

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 田中 道昭(たなか・みちあき) 日本工業大学大学院技術経営研究科教授、マージングポイント代表取締役社長、戦略コンサルタント 上智大学文学部卒業。在学中に、哲学・歴史・文学・宗教などを学び、人間・社会・文明を読み解く視座を培う。シカゴ大学経営大学院MBA(ストラテジー、ファイナンス、計量経済を専攻)。専門は、企業・産業・技術・金融・経済・国際関係を横断し、企業・社会・国家の構造と未来を読み解く戦略分析と戦略策定・実行。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)、バンク・オブ・アメリカ証券会社ストラクチャード・ファイナンス部長(プリンシパル)、ABNアムロ証券会社オリジネーション本部長(マネージングディレクター)などを歴任。テレビ東京「WBS」コメンテーター。日本経済新聞電子版「Think!エキスパート」。テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」月曜レギュラーコメンテーター。ニッセイ基礎研究所客員研究員、Ridgelinez戦略アドバイザー、公正取引委員会独占禁止懇話会メンバーなども兼務。著書に『古典で読み解く!10年後の未来 何が世界を動かしているのか』(朝日新聞出版、近著)、『フィジカルAIの衝撃』(朝日新聞出版)、『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『世界最先端8社の大戦略』(日経BP)などがある。

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 10月22日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「中国は鉄道を造りまくって技術を磨く…「債務の罠」と軍事利用の影で進む中国の野望
 中国の巨大鉄道網は膨張し続けている
 ラオスに向かうランサン号(2025年、雲南省の昆明南駅) KEIKO YOSHIOKA
 世界の鉄道における競争軸は、21世紀初めからの四半世紀で劇変した。先進国から技術移転を受ける側だった中国は、世界最長の高速鉄道網を自国に構築し、新興国市場にも進出した。「債務の罠」の影をまといながらも、習近平(シー・チンピン)政権の対外戦略「一帯一路」に沿って、貨物輸送も活発化させている。造って、造って、造りまくる中国に対して、日本はどう向き合うか。
 【動画】中国高速鉄道網が5万キロを突破、「一帯一路」で世界進出
 中国人民解放軍の医療チームを乗せた「和平列車」が9月6日、ラオスの首都ビエンチャンのホームに滑り込んだ。緑に黄色のラインの車両から降りてきたのは、迷彩服に身を包んだ軍人たちだ。中国製ドローンや人型ロボットも運び込まれた。彼らは17日間にわたり、ラオス軍と合同で医療救援訓練を実施。いざとなれば鉄路は一瞬で軍事用に変わり得る──そんな姿を見せつけた。
 ビエンチャンと雲南省昆明を結ぶ「老中鉄路」(約1035キロ)は中国主導で建設され、2021年12月に開業した。普段は、14世紀に誕生したラオ族初の王朝の名を冠した「瀾滄(ランサン)号」が毎日2往復している。白地に赤と青のラオス国旗の色を配した車両が、最高時速160キロで駆ける。かつて30時間以上かかった道のりが、約10時間に短縮された。
 25年7月、私は昆明南駅からビエンチャンへと向かった。国境越えする多くは中国人観光客。ただ、ラオス内だけを走る列車もあり、こちらは地元の人々でいっぱい。鉱物やタイ産のドリアンなど農産物が中国の巨大市場を目指し、中国からは電子部品や化学肥料が南下していく。貨物輸送も順調に伸びている。ラオス政府はビエンチャンから南へ向かう新線の実現に向けて調査を始めた。
 「陸鎖国」を解き放った鉄道の総事業費は約60億ドル。約7割を中国輸出入銀行からの借金で賄った。外貨不足の貧困国には重荷だ。沿線の土地や鉱物資源が担保ともいわれる。中国に対して返し切れない借金を背負い、外交の選択肢を失う「債務の罠」への懸念は根強い。
 ラオスへの延伸に代表されるように、中国の鉄道技術の存在感の高まりは、巨額の国家予算の投入と広大な市場をテコにした明確な産業政策がもたらしたものだ。「鉄道は経験技術」(中村尚史・東京大学教授)。造れば造るほど、技術は磨かれる。新疆ウイグル自治区の砂漠、チベット自治区の高地、寒冷地や内陸の渓谷、台風に見舞われる沿岸部など、さまざまな条件の下で走れる車両、鉄橋やトンネルを造り、運行する経験は侮れない。
 中国の鉄道には21世紀以降、2つの画期があった。まず、高速鉄道車両の開発に当たり、2000年代初めに自力主義から海外技術の導入に転換したことだ。巨大市場をちらつかせながら、日本、ドイツ、フランス、カナダのメーカーに対して中国国有企業への技術移転を促し、大半は現地生産となった。
 造りまくって技術を磨く
 「和平列車」で中国軍がビエンチャンに到着(9月6日) 中国国防省提供
もう1つの画期は、08年のリーマン・ショックだ。景気刺激策として、国内の鉄道建設を加速。日欧など外資の技術を猛スピードで吸収・消化し、部品の規格や制御システムを自国の標準にまとめ上げた。国有企業を合併させ、中国中車(CRRC)に一本化した。習政権のスローガンを冠する車両「復興号」は、最高時速350キロ。高速鉄道の総延長は5万キロを超え、60年かけて築いた日本の新幹線網の約15倍を、わずか17年間で建設した。
 この結果、中国国家鉄路集団(国鉄)の負債総額は6兆1729億元(約145兆円、25年末)。在来線を含めて内陸部には不採算路線も少なくない。
 ただ、忘れてはならないのは、中国の鉄道インフラ戦略の根本は物流にあることだ。そもそも高速鉄道の新設は、1990年代以降の経済成長に伴う在来線の混雑を緩和し、貨物輸送を円滑にする狙いだった。中国は海に囲まれた日本とは違う。広い国土の隅々にまで石炭などを運ぶ鉄道は死活的に重要な大動脈だ。コロナ禍では貴重な輸送手段となった。軍事や動乱を想定した兵站輸送の手段でもあり、安全保障を担う。赤字だから廃線とはなりにくい。
 日本では最高時速500キロのリニア中央新幹線が建設中だが、中国では最高時速600キロ級の開発が進む。中国中車傘下の中車青島四方機車車両や中車長春軌道客車がそれぞれ試作車を公開し、実験を続ける。
 また、西南交通大学(四川省)が中心となって高温超電導(HTS)技術の活用をもくろむ。軍産複合企業の中国航天科工集団は「高速飛車」と呼ばれる時速1000キロで「低真空」のチューブ内を走る車両を開発中だ。ただ、現時点では、高速鉄道に代わる実用性は乏しく、先端技術の「ショーケース」の意味合いが濃い。採算性を超えて技術覇権を目指す壮大な実験場である。
 日本ではローテクと見なされる路面電車でも、中国では無架線の水素燃料電池で走る車両が実用化された。ただ、広東省仏山市のように、華々しく開業後、採算に合わず数年で運休した路線もある。リニアから路面電車まで、地方政府や企業の思惑が交錯し、中国の鉄道技術は百花繚乱の様相だ。
 ソフトやサービス面の開発にも貪欲である。日本では寝台列車の多くが廃止されてしまったが、中国では高速鉄道の軌道を利用し、夕方出発で早朝に到着するよう速度を落とした寝台列車も走る。北京、上海などと広州、深圳、香港を結ぶ。ベッドは線路に平行して縦向きに並ぶ個室風カプセル仕様。プライベートの空間が保てると人気を集めている。
国外進出で債務も「輸出」
 鉄路で中国に運ばれたタイ産ドリアン(昆明の市場) KEIKO YOSHIOKA
 9月下旬、ドイツの首都ベルリン。2年に一度の世界を代表する国際鉄道技術見本市「イノトランス」で、中国中車が持ち込んだ実車が話題を集めた。都市鉄道向け新型車両「VELLINK(ヴェリンク)」。AIを駆使し、車体全体にマルチソースセンサーを配備。自ら状況を認識して判断するシステムを構築したという。鉄道の本場・欧州での技術力の宣伝に余念がない。
 自国での鉄道整備が山場を越えた中国は、習政権の対外戦略「一帯一路」の基幹として鉄道インフラの輸出を拡大した。設計・調達・建設や中国輸出入銀行などによる融資、車両やシステムから運行支援まで自力で担い、迅速に供給する。輸出先もアジアに限らず、中東欧から中東・アフリカまで幅広い。国外でも、中国にとってより重視するのは貨物輸送だ。ただ、成功ばかりとは言えず、明暗が交錯する。
 冒頭で触れたラオスと同じ問題、つまり債務である。相手先に返し切れないほどの借金を背負わせてしまうのだ。採算を度外視して鉄道を造る習性まで「輸出」している。同時に、中国側も返してもらえない債権が積み上がる。いわば、「債権の罠」に陥った。近年は、新規の事業の速度を落としている。
 日本と中国が激しく競り合った3つのプロジェクトを振り返ってみよう。インドネシアとインド、そしてタイだ。
 ジャカルタ~バンドン間(142キロ)を結ぶ高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」は、東南アジア初の高速鉄道として23年に開業した。
 日本がインドネシア政府による債務保証を求めたのに対し、中国は「政府負担・債務保証なし」を条件に15年に受注競争を制したはずだった。ところが、用地買収の難航などで事業費は計画より3割強も多い約73億ドルへと増加した。一方で、利用者は目標の3割程度。運行会社は経営危機に陥り、インドネシア政府が救済せざるを得なくなった。
 では、インフラ輸出に力を入れた安倍政権時に日本が獲得したインドは順調なのか。
 ムンバイ~アーメダバード(508キロ)は、やはり用地買収の難航と地元政府内の政治的な対立により工事が著しく滞った。さらに、近年の急速な円安と資材高に加えて、インフレ、用地買収の費用の膨張が直撃する。23年だった開業目標は一部区間だけ27年中、全線開業は29~30年末へと大幅に後ろ倒しされている。
 最大の問題は技術の基幹ともいえる信号システムをめぐる確執だ。インド側はコストや汎用性を理由にシーメンスを中心にした欧州規格を採用した。日本製車両の価格が高すぎるとも主張しており、「新幹線」の一括導入の雲行きは怪しい。
 タイはどうか。日中が競い合った結果、バランス外交のタイは、バンコクからラオス国境へと続く区間を中国、チェンマイへと続く区間を日本に指名した。中国部分については、「債務の罠」を懸念するタイ政府が、中国の技術を取り入れながらも自力で建設を始めた。世界遺産の都市アユタヤを通ることもあって工事は遅れ、着工から8年でようやく半分ほど進んだ。「カタツムリ」と揶揄される。
 一方、日本が2010年代半ばに必死に手にしたチェンマイ区間は、全く手つかずだ。
 ベトナムでは、興味深い動きがある。中国の鉄路は標準軌(1435ミリ)。フランス植民地時代に主に敷かれたベトナムの鉄路は狭軌(1000ミリ)。中国側は、半世紀以上も前から自ら資金を支援して中国幅でつなぎたがっていた。ただ、両国は70年代末に交戦した歴史を持ち、ベトナム側は警戒して渋ってきた。
 ところが、24年8月のトー・ラム体制発足後、風向きが変わりつつある。25年2月、北部ラオカイからハイフォンに向けて、中国幅の軌道を整備する方針を国会で決めた。ラオカイから中国・昆明経由で「一帯一路」を活用して、欧州にも接続できるというのが売りだ。ベトナム側区間も電化され、時速も中国側区間並みに160キロまで速まるという。
 南寧(広西チワン族自治区)からベトナム・ドンダン経由でハノイへ向かう鉄路も標準軌による複線化を目指す。米中対立を受けて、ベトナムには液晶パネルなど中国から工場が数多く移転してきた。中越の貿易は輸出入とも過去10年で3倍に拡大。ベトナムの政治・経済に詳しい池部亮・専修大学教授は「国境は大混雑している」と言う。「近年の経済成長で自信をつけたベトナムは、対中警戒を完全に解いたわけではないが、鉄路の整備で中国の経済力も活用して、さらなる発展を目指す戦略だ」
 また、地元財閥ビングループも、高速鉄道計画を進める。併せて、ハノイとホーチミンを結ぶ高速鉄道計画(1541キロ)もまたぞろ動き出した。20年近く停滞していた大プロジェクトだ。ベトナム政府は24年秋、時速350キロの車両を走らせ、5時間半で結ぶ構想を打ち上げた。鉄道自体は赤字でも、沿線開発などで収入を確保する青写真を描く。日本円に換算すれば10兆円を超える建設費は、外国から借金せずにベトナム自身が調達した資金で賄う方針だ。
 中国は、北部で進める標準軌への変更による連携と併せて、参入をうかがう。
 日中高速鉄道商戦の教訓
 一方、日本政府や企業は慎重だ。日本側には苦い記憶も残る。約15年前、新幹線を用いた協力に合意していたにもかかわらず、ベトナム側の計画撤回に振り回された。ホーチミンの地下鉄支援に当たっては、資金回収に苦労した。
 日本の鉄道輸出の限界は、単に政治力や価格だけではない。生産体制の制約もある。私鉄を含む国内需要への対応で余力が限られている。
 さらに、高速鉄道で言えば、新幹線は車両、信号、運行管理が結合したシステムだ。いわば「ガラパゴス」を誇りにする技術でもある。一方、多くの国が好むのは、欧州規格のように既存の鉄道網や他国の機器と柔軟に接続できるオープンなシステムだ。
 日本は「新幹線を丸ごと売る」夢を追いかけるだけが戦略ではない。
 例えば、日立製作所はイタリアやフランスのメーカーを買収し、欧州規格を手にした上で国際市場で存在感を高めている。沿線開発に力点を置く方法もある。中国が借金をこしらえて造った鉄路を活用して、地元で地に足が着いたビジネスを展開するのだって、アリだ。最適解は、それぞれの手の中にある。
 鉄道は土着の乗り物だ。走る国の事情に大きく左右される。中国対抗でやみくもにナショナリズムを燃え上がらせるほど愚かなことはない。ライバルの技術とユーザー側の需要を冷静に見極めながら実利を追う。高速鉄道商戦が残した教訓だ。
 吉岡桂子 (朝日新聞編集委員)
 【関連リンク】
 【動画】中国高速鉄道網が5万キロを突破、「一帯一路」で世界進出
 世界最長の中国高速鉄道網がさらに拡大、巨大インフラ投資に潜む「落とし穴」

🗡3〗─3─日本が植民地にならなかったのは火縄銃を大量生産する軍事大国だったからでる。~No.16 

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 力の倫理が支配する世界で、日本人が大陸勢力の侵略から日本を守ったのは、海外の最先端兵器を輸入し、独自生産してより強力な兵器に改良し大量生産したからであって、現代日本人が信奉する平和思想・反戦思想ではなかった。
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 江戸時代初期。日本は世界の七大帝国の一つで、西洋勢力の侵略を拒んでいた。
2022-01-28
🏯目次)ー13ー江戸は世界七大帝国。武士道と金上侍。百姓と村八分。百姓一揆。水争い。賤民と部落民。幕府の土木工事。~No.1 * 
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 2026年11月号 WiLL「編集部の今月の一冊
 『火縄銃 戦国時代を変えた技術と歴史』 著 池田大亮
 16世紀中頃、種子島に伝来した未知の武器=火縄銃の量産化を、日本はわずか数十年で達成した。これが列強による日本の植民地化を防ぎ独立を保つ遠因となった。鉄砲大国日本の背景にあった驚異的な技術吸収力と『ものづくりの原点』を科学的・歴史的観点から再発見して頂きたい。」
   ・   ・   ・   
 11月号 WiLL「高市・藤田コンビの研究
 阿部圭史
 政治家は、すべての仕事が国益に直結すべきである
 未曾有のスピード感
 ……。
 私が国際政治を考える上で、大きな影響を受けた日本人学者が、国際政治学者の高坂正堯先生です。和平調停について考える上でも『海洋国家日本の構想』(中央公論新社)など、高坂先生の著作は非常に重要な位置を占めています。
 日本は地理的、文化的には極東に位置しています。一方で、政治体制や経済の面では西側諸国の一員であり、極西の国と言えます。つまり日本は、東と西という2つの異なる性格を同時に持った国家だと言えるのです。
 私は、この2つを単純に対立させるのではなく、アウフヘーベン(止揚{しよう})、すなわち異なる要素をより高い次元で統合していくことが、日本外交に独自の役割をもたらすのではないかと考えています。異なる立場や価値観を持つ国々の間に立ち、接点をつくる。その意味で、『調停』という外交は日本にとって重要な選択肢になり得ます。
 ……。」
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🗡65〗─3─海での戦いを変えたウクライナ海軍のドローン…日本も参考にできる3つのこと。~No.209 

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 ドローンは、AIやロボットと同様に近未来のハイテク殺人兵器である。
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 2026年10月21日 YAHOO!JAPANニュース Wedge(ウェッジ)「陸上戦闘中心のウクライナ戦争、海での戦いを変えたウクライナ海軍のドローン…日本も参考にできる3つのこと
 ( MariaTkach/lzf/gettyimages)(WEDGE Online(ウェッジ・オンライン))
 ウクライナが過去数年間にわたって開発してきた多種多様なドローンは、陸戦の様相を大きく変えることになったが、今やその変化は海上戦闘にも及びつつあることを、ニューヨーク・タイムズ紙の9月30日付け解説記事が具体例を挙げつつ詳述している。概要は次の通り。
 ウクライナの海軍用ドローンは、軍用機を撃墜するための地対空ミサイルを搭載し、黒海を航行している。また、攻撃用ドローンを標的の近くまで運ぶ役割も担う。9月には、ウクライナのドローンがロシア側のドローンと水上で交戦した。
 ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した当初、制海権はロシアが掌握していた。しかし、ウクライナはドローン作戦を拡大し、最終的にはロシアが誇る黒海艦隊の約3分の1を撃沈するに至った。
 現在、ウクライナはさらに進んで、洋上ドローンによる防衛・攻撃の多層的な体制を構築しつつあり、それによって海戦のあり方そのものを変革している。海域には毎月のように新たな技術が投入されている。
 ウクライナのドローン部隊が安価な市販品をベースにしているという点は、防衛産業への参入障壁が低いことを意味する。ウクライナの27社が新たな海軍用プラットフォームや技術の実験に取り組んでおり、さまざまなモデルや性能の試験を行うことでイノベーションが加速しているという。
 ウクライナの海軍用ドローン技術は、世界中の注目を集めている。各国の防衛企業は続々とウクライナのドローン企業と協力関係を結び、あるいは結ぶべく接触としている。北欧諸国やバルト三国、そして日本からも協力の提案が寄せられ、ペルシャ湾岸諸国からも接触があるという。
 ウクライナのシステムは、GPS信号が遮断された環境下やロシア軍の攻撃にさらされる状況で運用され、実戦でその性能が証明されている。また、ウクライナ軍と防衛関連のスタートアップ企業は、安価で製造が容易なドローン、迅速に規模を拡大できるプラットフォームの開発に注力してきた。
 この新たな形態の海軍力は、幾多の失敗から始まった。初期の「マグーラ」ドローンは、もともと民間用モーターボートをベースに、2023年春には試験運用を開始、その後、時間の経過とともに高度化していった。
 空中ドローンの発進機能を持つドローンボートも試験運用を経て、昨年初めて実戦に投入された。当時、ウクライナ軍の作戦立案者たちは、ロシアの港湾都市トゥアプセとノヴォロシスクへの攻撃を計画していた。
 ウクライナの司令官は、「空母」の役割を果たす海上ドローン「カトラン」の甲板に多数の迎撃用ドローンを搭載し、それらを使ってロシアが洋上に設置したアンテナを破壊、操作していたロシア兵を殺傷した。レーダーが無力化されたことで、別の海上ドローンが防衛網をすり抜け、ロシアの港を攻撃したのである。
 こうしたシステムは、空・海・陸のロボットを様々な組み合わせで運用し、新たな脅威に絶えず適応させていく必要がある。ウクライナの技術開発における次の段階は、海上ドローンに長距離の重火器を搭載することになるという。
 ウクライナの指揮官たちは、ドローン戦の鍵となるのは兵器そのものではなく、状況に素早く適応できるチームだと考えている。ある指揮官は、「最も重要なのは技術ではない。重要なのは『人』だ」と述べている。
 *   *   *
 日本から見た海軍ドローンの利点
 ウクライナ戦争は陸上戦闘が中心であり、よって開発・製造されるドローンの大半は地上戦を戦うことを想定したスペックとなっている。また、ウクライナのドローン生産の90%以上は空中ドローン、次が陸上ドローンで5%前後、水上・水中ドローンは1%程度で、全体の中ではまだごくわずかである。
 これに対し、わが国が対応すべき対象は海・空戦闘が中心となるので、ウクライナにおける経験は、現代戦の戦い方を知るという意味では重要な意義があるが、わが国周辺の状況にそのまま適用することはできない。
 ところが、本年夏以降、ロシア軍は黒海沿岸の港湾等に対する攻撃を再び激化させ、これによって黒海を通航する「穀物回廊」が危機に瀕し、ウクライナは海上戦闘能力を再構築する必要に迫られるに至った。その一環として、ウクライナは海上戦闘に使用するためのドローン開発にこれまで以上に力を入れており、わが国にとっても参考となるケースが増えている。
 以下に、わが国から見た、ウクライナにおける海軍ドローンの利点を整理しておきたい。
 海軍用ドローンに限らず、ウクライナのドローン開発の利点の第一は、「大量・廉価で迅速・多様性」の三拍子が揃っていることだ。すなわち、戦闘の在り方に即したタイプのドローンを必要な時に必要な数、廉価で迅速に調達しやすい。こうしたウクライナのドローンの特徴は、戦車、装甲車などのプラットフォームを中心とする戦闘から、無人機を中心とする戦闘にマッチしたものだ。
 次に、ウクライナの海軍用ドローン自体の利点について。まず、海洋で使用するドローンには、敵艦船の攻撃、クリミア大橋など橋梁の攻撃、海底インフラ(海底ケーブルやパイプラインなど)の防護、機雷除去など、様々な使い道があるが、ウクライナによる最近の運用で、わが国にとっても大いに参考になると思われるものに、次のような例がある。
 第一は、水上ドローンの遠方への配置による前方防衛だ。沿岸から十分な距離をもって、攻撃型ドローンなどを搭載した水上ドローンを配置することで、できるだけ前方で敵からの攻撃を防ぐことができる。
 第二は、水中ドローンの効果的運用だ。水上ドローンは航空機など空からの攻撃に弱く、敵の強力な電波妨害という深刻な障壁があるほか、水上に何らかの障壁を構築されると進めなくなるという脆弱性がある。水中ドローンは、これらの弱点を克服するという意味で重要な役割を果たす。
 ただし、水中の環境は電波を通さないことから、これを如何に誘導するかが水中ドローンにとって最大の課題になる。ウクライナはこれを様々な工夫を凝らすことで克服しようとしている。
 そのひとつは電波の中継通信拠点となる「水上」ドローンを併用し、当該ドローンから「水中」ドローンに対し、音響通信などによって誘導、攻撃指示を行うやり方。また、船体は水中にありながら水上に「マスト」を突出させ、これに通信機能を果たさせるやり方もある。さらに、目標のデータをAIに記憶させて、自律的に攻撃させるやり方も採用されている。
 ウクライナへの支援も一方通行ではない
 最後に、ドローンに限らないが、ウクライナの兵器がもつ最大の利点は、実戦でその効果が確認されていることだ。どれほど高性能の兵器であっても、実際に戦闘で使用され、その成果が確認できていることは、作戦計画の信頼性を支える最重要の要素のひとつであり、また、兵器の国際市場における価値にも大きく影響する。
 因みに、西側諸国がウクライナに提供する自国製兵器についても、これらがウクライナに対する支援であることは間違いないが、同時に、自国製兵器が実戦で使用され、そのデータを吸収することができるという意味で、支援する側にも大いに役立っている。
 そして、兵器の実戦での使用は、多くの人命の喪失を伴っている。ウクライナ支援は決して一方通行ではない。
 岡崎研究所
 【関連リンク】
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 戦争は今や「防御優位」の時代?それでも「攻撃」を決断する国が絶えない理由
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🍘77〗ー4ー「日本のサービスは最高」と思っているのはもう日本人だけ…アジア大会で露呈した後進国ぶり。~No.217 

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 2026年10月20日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「「日本のサービスは最高」と思っているのはもう日本人だけ…アジア大会で露呈した後進国ぶり
 ニュースの裏側で、経済はどう動いているのか。連載「加谷珪一 経済ニュース超解説」では、経済評論家の加谷珪一氏が、国内外の経済ニュースを手がかりに、その背景にある構造や本質を読み解きます。
 ANDREW BOYERS-REUTERS
 愛知・名古屋アジア競技大会に出場したタイ代表の監督らが、日本側の対応に不満を述べる投稿を行ったことに対し、愛知県の大村秀章知事が「来てほしくなかった」と発言して波紋を呼んでいる。
 今回のアジア大会では、各国から運営の不備について指摘する声が相次いでおり、なかには「日本の力量ではもはや国際大会の開催は無理」といった厳しい意見も出ている。各論を言えば切りがないが、大きな枠組みとして日本の国力が低下しており、グローバル水準のサービスを維持できなくなっている現実は否定できないだろう。
 監督らが不満を述べたテックボールについては、新競技であったことから、直接的に組織委員会が運営実務を担わないという特殊要因があったものの、発生したトラブルに関して主催者トップが「この人たちは何しに来たんだ」「再生回数を稼ぎに来たのかと思った」などと公の場で述べるのは、限りなく暴言に近い。実際、大村氏の発言は複数の海外メディアが取り上げ、タイ国内でも波紋が広がっている。
 今回のアジア大会ではバス輸送や宿泊施設、競技運営などにおいて、相当数の不備が指摘されている。世界から人が集まる国際スポーツ大会では、各種クレームが発生するのは日常茶飯事とはいえ、今回のアジア大会はその数が突出している。日本側の対応に問題があったのは間違いない。
 不備の原因としては、選手村を造らず宿泊を分散体制にした経費削減体制がうまく機能しなかったことなどが指摘されている。確かに直接的にはそれが原因かもしれないが、根底にあるのはそのような問題ではない。
 分散体制にする以上、高度なITシステムがなければマネジメントできないのは自明の理であり、それを想定・実装できなかったこと自体が致命的な失態といえる。
 日本のサービスレベルは相当低い
 多くの日本人は気付いていないかもしれないが、日本の経済水準の低下に伴い、日本国内で標準的と思われているサービスは、グローバル社会から見ると相当低いレベルになっている。先日あるテレビコメンテーターが、日本のタクシーのサービス水準の低さを指摘したところ、ネット上ですさまじく批判されるという出来事があった。
 サービスに対する認識は人それぞれとはいえ、海外の状況をよく知っている人間からすると、日本のサービス水準、特にデジタル化が絡む分野における水準が著しく低いのは紛れもない事実である。最大の問題は大村氏を含め、多くの日本人がこの現実を理解していないどころか、むしろ日本の水準は高いとすら感じていることである。
 近年、グローバル化とデジタル化が進んだ結果、どの国に行っても、ほぼ同水準のサービスが提供されるようになってきた。今回、トラブルになったタイも、1人当たりGDPは約8000ドルと新興国水準だが、首都バンコクは先進国と遜色なく、デジタル化を含めた各種サービスのレベルはかなり高い。海外を多く移動する国際競技の選手団ともなればグローバル基準が日常であり、そこに達していなければ、当然、クレームにつながってしまう。
 日本が今後も先進国であり続けることを望むのであれば、耳が痛い話であっても海外からの声を謙虚に受け止め、サービス水準引き上げに向けた地道な努力が必要だろう。
 加谷珪一 (経済評論家)
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⛻8〗─6─100年老舗商店の倒産が増えている。~No.31 

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 2026年10月18日 MicrosoftStartニュース FNNプライムオンライン「「お彼岸におはぎを供えていますか?」和菓子店の倒産は過去最多のペース 深刻な和菓子離れ 憂慮する老舗 和菓子作り体験で文化普及へ 弦間彩華アナウンサー取材
 © FNNプライムオンライン
 和菓子店の倒産は過去最多を更新するペースで推移している。危機感をもつ静岡県三島市の老舗は、和菓子作り体験を通して和菓子を楽しむ文化の普及に取り組んでいる。テレビ静岡の弦間彩華アナウンサーが取材した。
 「素材の風味が残っている」常連客も絶賛する和菓子店「兎月園」
 弦間アナウンサーの地元、静岡県三島市にある和菓子店「兎月園」。1936年から店を構え、11月で創業90年を迎える。店頭には伝統の技が光る和菓子など200種類以上が並ぶ。富士山の伏流水を使ってあんこなどを仕上げている。
 中でも看板商品が、桜の花びらのパッケージがかわいらしい「三島ざくら」だ。今回、弦間アナウンサーが食べたのは、「三島ざくら」の中でも秋にぴったりの「栗あん」。弦間アナウンサーは「栗のしっとりした優しい甘さのあんに、塩漬けとなった桜の花びらが塩気のアクセントとなっている」とその味の魅力をコメントした。
 弦間アナウンサーにとっては、「三島に帰って来たと感じるほっとする味わい」だという。三島市民にとっても、その味は特別だ。三島市に住んで55年となる常連の女性は、「白あんでも黒あんでも素材の風味が残っている」と絶賛し、「お客さんを迎える時はいつも購入している」と話した。
 和菓子店の倒産は過去最多ペース
 地元で愛される老舗だが、いま強い危機感を抱いている。帝国データバンクによると、2026年1月から9月までの全国での和菓子店の倒産件数は22件となり、過去最多を更新するペースで推移している。原材料費や人件費の高騰、職人の高齢化などが主な理由だ。三島市でも、創業60年の和菓子店が9月に廃業している。「兎月園」の店主の綾部剛さんは、「洋菓子に注目が集まりがちで、和菓子に注目が集まらない」と話す。「お彼岸におはぎを供えたり、食べたりする習慣もなくなってきている」と和菓子を楽しむ文化が薄れていることを危惧している。
 ファン獲得へ 和菓子作り体験
 こうした中、綾部さんは和菓子の文化を伝えていこうと、4年前から和菓子作りを体験してもらう取り組みを始めた。本店から徒歩5分ほどのカフェで、季節に合った和菓子を作る。
 弦間アナウンサーは指先の器用さが必要な上生菓子「紅葉」に挑戦した。材料は「練り切り」。練り切りは、あんこに求肥のお餅を混ぜて細工しやすくしたもので、もちもちっとした食感が特徴だ。乾燥しやすいため、手に水をつけ、まずはあんこを丸めていく。2色のあんを俵型にして並べて貼りつけ、親指でグラデーションをつける技法「貼りぼかし」へ。繊細な作業が続き、あんこを詰めるのも一苦労。さらに丸めたあんこを、紅葉の形に近づけていくために三角棒という道具と指先を使って仕上げていく。力の加減が難しい。そして、ようやく完成に。
 弦間アナウンサーは「自分の手の中で和菓子が生まれてうれしい。職人技のすごさも手で感じられる」と率直な感想を述べると、綾部さんは「体験することで作り方やその難しさを知り、店で商品を選ぶ楽しさが増える」と体験の効果を説明した。最近では、店であんこのみを購入して、自宅で和菓子作りを楽しむリピーターも増えているという。
 和菓子店のカフェも
 兎月園が新たなファンを増やそうと本店の近くで始めたカフェも5年目に入った。和菓子のアフタヌーンティーなども人気で、2027年にはリニューアルしてさらにメニューなどを強化するという。
 和菓子文化を世界へ
 和菓子文化をどう伝え継いでいくか。兎月園の店主・綾部さんは「伝え継ぐ 和の心」をテーマに掲げ、経営にあたっている。「日本人が受け継いできた伝統、そして関連した行事など、さまざまな日本の文化を大切にしながら、静岡から全国へ、全国から世界へ、いろいろな形で発信していきたい」と目標を語った。
 低カロリーで健康的な素材が使用され、季節や自然の美しさを表現する芸術性、そして繊細な味わいは世界でも受け入れられつつある。日本の和菓子の伝統を守っていくためにも、さらに海外で和菓子が注目されていくことが期待される。
 (テレビ静岡)
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 10月18日 MicrosoftStartニュース kangnamtimes「「100年続いた店が次々と消えていく」老舗企業の倒産…とどめを刺した“2つの理由”
有馬侑之介 によ
 今年に入り、創業100年を超える老舗企業の倒産が100件を超えたことが分かった。
 16日付の日本経済新聞が民間信用調査会社の帝国データバンクの集計として報じたところによると、業歴100年以上の老舗企業のうち、今年1~8月に倒産したのは112件に上った。
 前年同期から24%増え、2007年以降で最も多い件数となった。
 老舗企業とは、代々受け継がれ、長い歴史を持つ企業を指す。
 同紙は、後継者の確保が難しいことなどが倒産に影響したと分析した。国内では長期にわたる少子高齢化により、深刻な人手不足が続いている。
 帝国データバンクも「さまざまな業種で、後継者難や物価高による倒産が続いている」と説明した。
 さらに、「老舗企業には中小・零細の事業者が多い」とした上で、「厳しい事業環境が続く中、老舗企業の倒産はさらに増えるだろう」との見通しを示した。
 今年倒産した老舗企業を業種別に見ると、製造業が34件で最も多かった。次いで卸売業が24件、小売業が22件だった。
 半数の56件は、負債額1億円未満の小規模な倒産だった。
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 2026年10月13日 クーリエ・ジャポン 4min「英経済紙「日本に“ニューノーマル”はない」─老舗の廃業が示す「新たな異常」
 中小企業保護政策を見直すべき
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 フィナンシャル・タイムズ(英国)フィナンシャル・タイムズ(英国)
 老舗かまぼこ店の廃業が3軒続き、「ニューノーマル」を語る声が出ている。だが英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、日本は異常の上に異常を積み重ねてきた国だと指摘。そのうえで、自民党には数十年来の中小企業政策の見直しが求められると論じる。
 地政学、気候変動、人口動態という力学
 宮城県仙台近郊で笹かまぼこを手がける創業100年超の老舗が1軒姿を消すなら、不運と言えるかもしれない。2軒なら、気の緩みと言えるかもしれない。
 ところが、この1年で3軒が立て続けに廃業したため、人々は「ニューノーマル(新しい常態)」について語りはじめた。
 しかし、本当にそう呼ぶべきだろうか?
 日本にとって、そしてこの国に関わったり投資したりする人々にとって、「新しい異常」という現実を受け入れるべき時があるとすれば、それは間違いなくいまである。
 東北のかまぼこ業界が厳しい時代を迎えていることは確かだ。
 スケトウダラのすり身やプラスチック包装から物流、人件費に至るまでコストが高騰し、ビジネスモデルは限界まで追い詰められている。食生活の変化で練り物はあまり食べられなくなり、観光客は地元の牛タンを好む。
 こうした苦境の背景には、地政学や気候変動、人口動態という巨大な力学が見て取れる。
 日本は「企業の相次ぐ廃業を予期すべき」
 3軒のかまぼこ店──武田の笹かまぼこ(1935年創業)、馬上かまぼこ店(1912年創業)、カネコ橋沼商店(1927年創業)は、これまで戦時体制、敗戦、石油危機、津波、世代交代、そしてデフレを乗り越えてきた。
 ゆえに、彼らの突然の廃業を悲しむ一方で、これは日本がこれまで知っていた暮らしからの、激しい転換の一部だと結論づけたくなる気持ちもわかる。
 有力な政治家たちも、その見方を積極的に後押ししている。赤沢亮正経産相は2026年10月6日の会見で、中小企業の位置づけをめぐる自民党の数十年来の考え方を覆すような方針を示した。
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🍠8〗─2─明治維新は世界的交通革命の渦中で起き、日本の開国と開港必然であった。〜No.28No.29 

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 2026年11月号 Hanada「西川清史の今月この一冊
 『交通革命と日本 グローバル世界の成立と開国・開港』 小風秀雅 著
 幕末維新というと、好きな人物は坂本龍馬だ、いや沖田総司、やっぱり西郷隆盛だ云々と弁じたがる我々のアタマは、対象と自分を切り離そうとしない。目線は主観的で、自分の国だから当たり前だが、日本はいつも内から眺める対象だった。
 そこが、本書ではきっぱりとそうではない。知っていた・見慣れていたはずの日本とは違う国が、読み進むうち目の前に現れる。
 本書にかかると日本はあくまで一個の客体物だ。所在地が便利この上なく、貴重な資源を豊富に持つ。せっせとその便益を買いたい、利用したいと思わせた国なのだった。
 誰にとってかというと、それが本書の主題『交通革命』の推進者たちである。米国、英国、フランスの海軍であり商船隊だ。大陸横断鉄道の敷設者・経営者、スエズ運河、パナマ運河の掘削者であり運営者だ。
 日本が維新への胎動を始めた頃、彼方では船の動力が風から蒸気に変わった。ペリー艦隊の『黒船』は木造の船体に防水防腐用の樹脂を塗った(から黒く見えた)シロモノだったのが、じき船は鋼材で造らるのが当たり前になる。黒船の両舷にまだついていた外輪は、ほどなくしてプロペラ(スクリュー)に変わる。
 幕末・明治期とは、世界史を変えた一大交通革命の時期に当たった。
 いや交通革命が、日本を開国させ近代化に導いた。因果あいめぐる力学のなか日本は世界に出たのだと納得する時、明治維新の見方も大いに変わる。《外からの挑戦、内からの応答》という、英国の歴史家で、日本にファンの多かったアーノルド・トインビー流の世界観が、むしろよりよく当てはまるのに気づく。
 風の支配を脱け出た蒸気船は、丸い地球の2地点を結ぶ最短距離=大圏航路を走ることができた。鉄道で東海岸を西海岸につなぎ、パナマ地峡を越える手段も手に入れた米国が太平洋に船出し大圏航路でアジアを目指すと、最初に着くのが日本だ。
 米国にとって日本の地政学的戦略性は当時も今も、要するに大圏航路上で米国に近いという事実による。
 しかも船が大量の石炭を必要とした当時、地域で唯一、日本だけが、旺盛な需要に応えられることができた。
 品質がまた抜群で、英国がよこした専門家の観察によれば、なかでも長崎高島炭は船舶用石炭としてアジアで最高級との見立てである。
 米英ら各国はこぞってここに魅了されたのだけれど、日本を植民地にしようとはしなかった。させないだけの力が日本にあったからだ、さもなければ当時のチャイナの如く列強に蚕食されたかもしれない──などとも、読みつつ思わされた。
 明治3年の横浜港に来た英国船のうち汽船、帆船のトン数比は44対53でまだ帆船が勝っていた。
 2年後には逆転、明治10年ともなると同比率は119対25となって汽船のシェアは圧倒的だ。
 速度や安定運航に特色のあった汽船は当初各国政府の補助を受け、とくに郵便輸送でその長所を活かした。それゆえ日本郵船も『郵船』と名乗ることとあいなったそうだ。同社でも知る人がいなくなっていたのを、著者が明らかにした。
 それから明治4年に出帆した岩倉使節団だ。海という海を『すべて米英仏の定期郵船で横断』した。維新の激動を潜り抜けたばかりの公家やサムライは、商業海運のコンシューマーになった。交通革命の、まさしく渦中にあったわけである。」
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