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・ ・｛東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博｝・
マルクス主義（社会主義・共産主義）は、人口爆発では有効であったが、人口激減では無効であった。
共産主義では、少子高齢化による人口激減の日本を救う事はできず、逆に衰退させ崩壊させる恐れの方が大きい。
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２０１７年７月１日号 週刊現代「いますぐ準備を始めないと、間に合わない
人口減少ニッポン
あの大企業は生き残れるか
トヨタの『人口８，０００万人対策』
三菱商事、サントリー、ＡＮＡ、鹿島建設、明治安田生命、セブン＆アイ、野村グループほか 有名企業のトップはこう考えている
鈴木敏文氏が本誌に語った『人口減少論』
セブン＆アイ・ホールディングス前会長の鈴木敏文氏は言う。
『これまで日本で人口は増え続けてきたが、人口減少の時代へ本格的に突入します。経営者が従来の考えに安住していたら、会社はすぐに立ち行かなくなるでしょう。人口減少は確実に起きるとわかっていて、避けられない。まずは頭を切り替えることが先決です。社会が大きく変わっていく中で、企業経営者はなにをすべきかを真剣に考えていかなくては生き残れない』
日本社会がいまだ経験したことのない急激な人口減少が、いよいよ本格的に到来する。
国立社会保障・人口問題研究所（社人研）の最新統計によれば、これからは毎年のように世田谷区の人口（約８９万人）が丸ごと消えていくほどのペースで人口減少が進み、日本は間もなく『人口８，０００万人台』時代へ突入する。
当然、これから消費は激減し、市場のパイが一挙に縮むことは必至。もはやなにが起きてもおかしくない『激変時代』が幕を開ける。
鈴木氏が続ける。
『これまでも、そしてこれからも、経済というのは絶えず変化し続けるものです。かつてダイエーが「日本一」と言われていたのに、変化に対応しきれなかった。大切なのは、いまある状況を前提にしてものを考えるのではなく、絶えず変化に対応し続けることです。
私がコンビニをやっていた時も、「コンビニは３万店で飽和状態」と言われました。しかし、私はそんなことは絶対にないと言い、銀行サービスを始めたり、プライベートブランド商品を作ったり、変化に対応して新しい価値を生み出してきた。
経営者というのは、真面目に生きている真面目なひとたちが安心して生活できる社会を作ることを考えなければいけない。そこに向かってなにをするのか。経営者は常に、未来に向けて準備をしなければいけない。変わることは努力がいることだが、それができないと生き残れない』
もう止まらない人口激減ニッポン──。
鈴木氏が警告するように、動きを止めれば座して死を待つのみ。自覚した日本の名だたる有名企業は一斉に準備を始め、すでに動き出している。
『日本最強企業』であるトヨタ自動車も、その例外ではない。
ピーク時（１９９０年）には日本全体でも８００万台近くあった新車販売台数が２０３０年代には４００万台に半減するとも言われている中、トヨタも来るべき『人口８，０００万人時代』に備え、国内販売の抜本的対策として『Ｊ−ＲｅＢＯＲＮ（リボーン）計画』なるものを始動させた。
トヨタ幹部が言う。
『表立って発表しているものではないですが、経営陣の力の入れようは相当で、「創業８０年にして最大の改革」と銘打っています。販売店関係者を集めた会議では、豊田章男社長みずから「販売店もリボーンしなければいけない」と語り、ディーラーに発破をかけてている。
実はトヨタ内では、現在１５０万台水準で推移している国内販売台数が、１０年後には１３０万台ほどにまで落ちるリスクがあるとの危機感がある。そのため、２０万台の新たな需要を作り、１５０万台を維持するための施策をまとめたのがこの計画。具体的には、クルマやレンタカーなどバラバラになっていたＩＤ情報を統合して利便性を上げたり、若者がクルマを購入しやすいように中古車販売に力を入れたりする予定です』
コンビニはどうなる？
……
縮む市場を奪い合う競争が激化しているのは、小売業界も同じである。
これからの日本では人口減少とともに高齢化が進み、２０２５年にも３人に１人が６５歳以上という『超高齢社会』に突入する。若者の旺盛な消費が期待できない中、小売業界ではスーパー、コンビニの『仁義なき戦い』が勃発している。
『これまでの人口増加社会では、巨大スーパーが駅前にあり、銀座などの都心部には巨大百貨店があった。家族は子ども連れで休日に百貨店で買い物を楽しみ、主婦がスーパーに買い物に出たが、人口減少と高齢社会の到来でこの構図が大きく崩れている。
シニア層の買い物は徒歩１５分圏内なので、まず百貨店から客が消えて、車で行くイオンなどの大型スーパーも厳しくなってきた。そこに、コンビニが生鮮食品や冷凍食品の取り扱いを増やすなど「ミニ・スーパー化」を進め、スーパーの需要を喰っている。スーパーは宅配などに力を入れて対抗しているが、セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートのコンビニ３強は商品力で圧倒して、スーパーは突き離されている』（流通アナリストでプリモリサーチジャパン代表の鈴木孝之氏）
そんなコンビニ戦争では、ローソンが親会社の三菱商事、ファミリーマートが伊藤忠商事との連携を強化しており、さながら『大手商事の代理戦争』とも化してきた。
しかし、『勝ち組』のコンビニも安泰ではなく、ここへきて新たなライバルとしてドラッグストアが参戦してきた。
『いま最も勢いに乗って、攻めまくっているのがドラッグストアです。彼らは調剤で粗利を取れる分、食品や菓子などはコンビニではできない破格の安値で売り出すことができる強みを存分に生かす戦略。飲料、菓子などの安売り特価商品を店頭などに並べて集客したうえ、冷凍食品なども取り扱う「コンビニ化」を進め、一気にコンビニから客を奪おうとしている。
特に地方は攻勢で、宮崎県発のコスモス薬品や石川県発のクスリのアオキは、年間数十店から１００店舗のペースで急拡大する見込み。業界大手にはイオン系のウエルシアＨＤ、マツモトキヨシＨＤなどがいますが、今後はさらなる業界再編で巨大化していく。コンビニ３社には大きな脅威になる』（前出・鈴木氏）
建設業界の大問題
干上がった砂漠のオアシスさながら、人口減少時代には需要のあるマーケットに、業界の垣根を越えてあらゆる企業が群がる。業界内でパイを仲良くわけあう『馴れ合い』では生き残れる時代ではない。
『鉄道業界でも、ＪＲ九州が「越境」して東京の新橋にホテルを開業する方針を示すなど、従来の縄張りを越えたビジネス展開が加速しています。ＪＲ西日本も三菱重工業の不動産事業を買収して東京に進出し、近畿日本鉄道は博多に進出する動きを見せている。東急電鉄はアジアの住宅開発に進出し、ハウスメーカーの牙城を崩そうとしている。これからはあらゆる業界で、マーケットを「越境」する流れが止まらなくなる』（ビジネスリサーチ・ジャパン代表の鎌田正文氏）
ここで上のグラフをご覧いただきたい。
｛グラフ 日本の人口
２０１７年は１億２，６５３万人
２０６５年までに約８，８０８万人
２００年後に約１，３８０万人
３００年後には人口２，０００人に！｝
これは社人研が一定の仮定のもと、日本の人口が『西暦３０００年』までにどうように推移をするかの試算結果をグラフ化したもの。新聞やテレビは５０年後（２０６０年代）くらいまでの数値しか報道しないが、日本の人口は１００年後にはほぼ『半減』するなど、『その先』には目を覆いたくなる破壊的な世界が広がっていることがわかる。
牛丼チェーン『すき家』などを運営するゼンショーＨＤ社長の小川賢太郎氏は言う。
『これからは人口減少社会へ対応するのは当たり前で、むしろ経営者はみずからこの国をどう作っていくのか、という国家１００年の計を持つことが大事になってくる。
また、経営者も従業員も優秀な人材であるほど、より豊かな生活を求めて海外に移ってしまう可能性がある。経営者は市場がシュリンク（収縮）するなどと頭を抱える場合ではなく、社員がやりがいを持てる夢を示さなければいけない。われわれは、これまで日本で蓄積した技術や人材、パワーを、今度は世界の７０億人に問うていこうと言っています。われわれの商品やサービスで、世界の食のインフラ作りに貢献する。そういうやりがいがあれば、社員もモチベーションが上がると思うのです。
どうせ数年で交代するから、自分の時代だけ良ければいい。そんなことを考えているサラリーマン経営者の会社は厳しい』
ニッポンではこれから、『生まれる子』の数も激減する。昨年は約９７万人で、１９９９年に統計を取り始めてから始の１００万人割れとなったばかり。さらに、これが５０〜６０年後にはほぼ半減、１００年後には約３２万人へと落ち込む見込みである。
企業では同時にベテランの大量退職も進むので、企業の『人材獲得競争』はおのずと激しくなる。鹿島建設社長の押味至一（よしかず）氏も危機感を隠さない。
『建設工事に従事する経験豊富で有能な技能労働者の引退と新たな入職者の減少が同時に進むことにより、専門技術やノウハウが次世代の担い手へ伝承されなくなることを懸念しています。このような懸念から、当社グループは建設業のあり方そのものを見直す「鹿島働き方改革」を推進していく。これは、技能労働者の処遇改善や工期を遵守しつつ、工事現場の「週休２日」に挑戦する取り組みです。このような取り組みを通じて、若年層の建設業への入職促進と育成に努めていきたい。
また、生産性向上に向けては、既製の部材を活用し省力化を図るプレキャスト工法の導入や、ＡＩやＩｏＴなどを取り入れた自動化施工技術の開発なども進めています』
宅配大手のヤマトＨＤが人手不足問題から大幅減益に追い込まれたように、人口減少は企業の業績を直撃する。若者が激減して『国力』が大きく萎んでいく中、いったいどれだけの企業が生き残っていけるのか・・・・
｛グラフ 出生数も激減
２０１６年に９９．２万人
２０６５年に５５．７万人
２１１５年に３１．８万人｝
競争か共存か
学習塾大手『東進ハイスクール』『四谷大塚』でなどを運営するナガセ社長の永瀬昭幸氏が言う。
『私は一人の教育者として、次世代の若者たちに夢を持ってもらいたいと思っています。しかし残念ですが、人口が減り、国力が衰退する中で夢を語ることは難しい。私はこのままでは日本が消滅するという危機感すら覚えています。かつてローマ帝国も少子化の危機にありましたが、初代皇帝アウグストゥスが徹底した少子化対策を打ち出すことによって、その後数百年に及ぶ繁栄を勝ち取りました。日本でも第三子以降の出生に政府が１，０００万円支給するなど、抜本的な少子化対策が喫緊で必要だと思います。
一方、一人の経営者として、国内の教育ビジネスにはまだまだ成長余地はあると思っています。東進ブランドはいま高校生の部門でトップシェアですが、それでも国内シェアは１２％にすぎません。企業努力をすればこのシェアを３割、４割と伸ばしていくことができるでしょう。海外に進出していく前に、まだまだ国内でやるべきことはたくさんあるし、伸びシロもある。われわれも、さらなるサービスの充実に力を入れていく』
人口減少時代の企業経営は、トップが戦略と決断をひとつでも誤れば、会社が一気に『即死』に追い込まれる危険がある。しかも、少ないパイを奪い合う生存競争では、多くの企業が敗者に堕ち、勝ち残るのは上位１〜２社だけ。多くの敗者の残骸のうえに、少数の勝者が君臨する。これが未来の企業勢力図のリアルだ。
サントリーＨＤ社長の新浪剛史氏も言う。
『少子高齢化・人口減少によりマーケットの大きな伸長は望めない中で、他社では真似できない唯一無二の商品を開発し、お客様のニーズにお応えしていくことが重要。たとえば、高い品質の本当においしいビールやウイスキーを飲みたいという需要は大きく、現在の厳しい市況の中でも「ザ・プレミアム・モルツ」やジャパニーズウイスキーなど、プレミアムな酒類製品は好調だ。また、トクホ、天然水、緑茶などの飲料水やサントリーウエルネスが展開する健康食品など、お客様の健康に貢献する飲料・食品には、今後さらに高い成長が期待できる。グローバル化を進める上でも国内事業は企業にとって足腰であり、しっかりと取り組む必要がある』
実はこうした人口減少時代の到来を受けて、これまでの常識では考えられない、まったく新しい『競争の形』も生まれてきている。
たとえば、飲料業界。新浪社長が語った通り、アサヒグループＨＤ、キリンＨＤ、サントリーＨＤによる商品開発競争が激しいが、業界内では並行するように『競争から共存へ』という新しい生き残り戦略が始まっている。キリンＨＤ幹部は言う。
『たとえば、うつはライバルのアサヒとビールの共同輸送を始めているほか、日本コカ・コーラグループとも共同配送や共同調達を進めている。磯崎功憲社長は、「現在のような大手４社体制がいつまでも維持できるとは思えない」と公言し、闘うところは闘うが、手を組むべきところは組まないと共倒れするとの危機感を持っている。今年９月からは、アサヒ、サントリー、サッポロと北海道で共同配送も始める』
実はこうした『競争と共存』戦略は各業界に広がっていて、製薬業界では武田薬品とアステラス製薬が医薬品の共同保管・輸送を決定。化学業界でも、東レ、三井化学、出光興産などがトラック輸送で提携を始めた。
航空業界にいたっては、長年のライバルであったＪＡＬ（日本航空）とＡＮＡ（全日本空輸）ＨＤの『強制的協調』が始まる可能性もある。
損保、不動産は業態転換へ
というのも、人口減少化での地域航空会社対策を検討してきた国土交通省の研究会が、この６月にまとめた『中間とりまとめ』で〈航空会社間において、競争という次元ではなく、協業を行うことが必然〉と断言。異例のことながら、ＪＡＬとＡＮＡが手を取り合うことで、航空業界を存続させることを要請してみせたのである。
地域路線では『協調』しながら、海外路線ではライバルとして争う──それが航空業界の未来図になるかもしれない。ＡＮＡＨＤの片野坂真哉氏は言う。
『人と人、地域と地域をつなぎ、地方創生と連動した大都市圏から地方への流動を促進する。都市から地方への新しい需要を創出するために、日本が誇る各地のさまざまな魅力を積極的に発信していく。
長い目で見れば国内の航空需要が鈍化していくことが予想される中、訪日需要の取り組みや新規需要の開拓も必要となってくる。最近では、ＬＣＣ（ローコストキャリア）が一つの大きなブームになっている。（ＡＮＡ傘下の）バニラエアは成田・首都圏を、また（同傘下の）Ｐｅａｃｈ Ａｖｉａｔｉｏｎは関西マーケットを中心に需要を掘り起こしており、この流れは当面続くだろう。全世界の中で、北東アジアにおけるＬＣＣのマーケットシェアは１０％程度に留まっているが、欧州等は３０％程度の水準にあり、拡大の余地がある。新規需要を余すところなくＡＮＡグループに取り込むことが最大のポイントだ』
人口減少という大きな波を乗り越えるべく、『業態転換』に走る企業も出て来ている。
典型的なのが、保険業界。あいおいニッセイ同和損保の金杉恭三社長が、『高齢社会の到来にともない、高齢のドライバーが増加する。当社は急発進、急ブレーキ等の運転挙動を促えるテレマティクス技術によって、高齢者にさまざまな運転アドバイスサービスを行うことで、高齢者の安全なカーライフをサポートしていきたい』
と言うように、損保ビジネスは『保険』から『サポート』への事業転換が進んでいる。ＳＯＭＰＯＨＤ幹部も言う。
『これまでの損保ビジネスは事故があった時に金銭面で補償するものだが、いま進めているのは事故を防ぐためのサポート。運転情報をデータで収集して、安全運転しているほど保険料を安くするという、テレマティクス技術を使った商品などを開発している。医療分野が「未病」を進めているように、損保も「予防事業」への拡大を始めた』
不動産業界では、『ハード』から『ソフト』への転換を急いでいる。
『住宅もオフィスも供給過剰で大きく伸びが期待できない中、三井不動産などは千代田区、港区などに坪１，０００万円超の高級マンションを作り、そこでコンシェルジュ的なサービスを含めた「ソフトウェア」を売り物にするビジネスを始めている。さらに、これまでのように箱モノを作るだけではなく、箱の中の販売で直接収益を得るビジネスモデルにシフトする動きも出ている。典型的なのがホテルや物流倉庫で、ＮＴＴ都市開発やサンケイビルなどの大手も積極的です』（オラガ総研代表の牧野知弘氏）
越境進出、共存戦略、業態転換・・・。見てきたように人口減少に対応すべく、企業はあの手この手を繰り出しながら、生き残りに必死になっている。一方、人口減少を逆手にとって、積極果敢に攻め込もうという企業も出てきた。
証券と生保が喰い合う
野村グループＣＥＯ（最高経営責任者）の永井浩二氏は言う。
『２０２５年には「団塊の世代」がすべて７５歳以上となり、社会保障費の公費負担への依存に限界がくるため、国や制度に頼るのではなく、「自分の老後は自分で守る」という気運が広がってくる。また、投資の世界では「インフレ時に有価証券で、デフレの時はキャッシュで」が鉄則で、日本の投資家はこれを忠実に守ってきたが、長い目で見れば、デフレが終焉しインフレ期待が高まることで「貯蓄から資産形成へ」と流れが変わる。
そうした中、資産形成層に対しては、長期に亘る積立型の投資を通じて広く投資のメリットを実感して頂けるよう、金融・経済知識の普及や各種マーケティング活動等にこれまで以上に積極的に取り組んでいく。また当社は慶應義塾大学と共同で「長寿・加齢が経済及び金融行動に与える影響（ファイナンシャル・ジェロントロジー）に関する研究」プロジェクトを立ち上げ、金融分野での老齢期及び老齢化のプロセスの研究を始めた』
高齢社会では社会保障制度が崩壊するため、自前での資産運用ニーズが高まり、そこに商機が出てくるということ。明治安田生命保険の根岸秋男社長も言う。
『国内生命保険市場においては、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少などにより、死亡保険へのニーズは中長期的に縮小すると予想しています。一方、高齢化・単独世帯化の進展、女性就労率の上昇、公的年金制度の所得代替率の低下などにより、医療・介護分野や貯蓄性商品に対するニーズがさらに高まり、生命保険会社への期待はますます大きくなると考えている。これらをふまえると、今後１０〜２０年のスパンで、国内生命保険市場が縮小するとは考えていない。
当社としては国内生命保険マーケットでは、「高齢者・退職者」「女性」「第三分野（医療・介護など）」「投資型商品」を４つの重点マーケットと位置付け、積極的に商品・サービスを提供する。具体的には高齢者・退職者向け新商品の開発、女性向け商品・サービスの提供、投資型商品（外貨建て保険）の提供、健康情報等を活用した商品・サービスの研究・開発などに取り組んでいく』
当然、これからは資産運用ニーズを証券会社と生命保険会社がガチンコで取り合うことになる。
熾烈な生存競争は始まったばかり。どんな大企業であっても、生き残れる保証はない──。」
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人口爆発とは、余剰人員がある為に、時間を掛けて一人一分野のスペシャリストを養成すれば良かった。
人口激減とは、人材不足として、短期間で一人複数分野のゼネラリストを養成しなければならない。
働き方として、人口爆発は専業で、人口激減は兼業である。
これからの日本人は、平凡な日常生活を送りたければ、本業と複数の副業を持たねばならない。
本業と副業の二股家業は、古代からの日本の宿命である。
１００年以上受け継がれている、地方の有名な地場産業や伝統産業は、元を正せば本業の合間合間に行われていた副業から発展した産業である。
日本の底力は、地方のゼネラリストによる副業であった。
人口爆発のバブル経済において、資金を持った企業は市場拡大の潮流に乗って企業内起業で拡大路線を取って業績を上げた。
バブル崩壊と共に企業内起業の多くが不良債権化して業績を悪化し、赤字経営に陥り、最悪倒産した。
人口激減の市場減縮に伴い、手持ち資金の少ない企業は異業種に進出し生き残りを賭けて業績を上げねばならない。
バブル崩壊を乗り切った企業の多くは、本業一本を忠実に守り、見よう見まねで副業に手を出さなかった企業であった。
経済は生き物である以上、先の事は誰にも分からない。
日本には、数百年続く老舗商店・企業が他の国よりも数多く存在する。
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人口激減は、数十年前から公表され、何らかの対策が必要であると警告されていた。
深刻化して日本民族日本人の生存を脅かし始めたのは、将来に対する想像力を持たない劣化した日本人の自業自得である。
問題は、草食化して、闘争本能を弱め、生殖能力・繁殖能力を衰えさせた事にある。
生物学的に言えば、日本民族日本人には種を存続させる生命力を失ったと言う事である。
種を存続させる生命力をなくした生物が絶滅するのは、自然の原則である。
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自然と少子高齢化で人口激減する社会は人類史上初めてで、人口を食い止める方策は歴史上存在しない。
日本が人口激減を乗り越え、日本企業が国内市場縮小を生き残った時、日本モデルが世界の見本となるよりも、弱肉強食的利益至上原理主義において脅威でしかない。
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人口激減の最大の原因は、有効な対策を実行できない劣化した政治家である。
深刻化に拍車を掛けたのは、家・家族・家庭を崩壊させた戦後教育であり、深刻から目を反らせるような仕向けたマスコミである。
彼らが語ってきた理想は、空虚な絵空事で、夢も希望もなく、生気のない無味乾燥な見せ掛けの明るい未来社会でしかない。
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日本は、近代国家へと進化・進歩・発展する為に、自給自足の農業商業体制を捨て外国に依存する輸入経済体制へと構造改革を行った。
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近代国家となった日本は、食糧・資源・エネルギーを海外で米ドルもしくは英ポンドなどの外貨で購入して輸入していた。
巨額の外貨を稼ぐ為に、貧困家庭出身の下級武士と商才長けた商人は世界で初めての総合商社を興した。
総合商社は、食糧・資源・エネルギーを海外で買い漁る為の外貨を稼ぐ為に大企業へと成長した。
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輸入経済体制の近代国家として生きる為に、今の貧困生活改善を後回しにして、富国強兵・殖産興業・近代教育に巨額の資金を投じた。
そして、欧米国際資本に、戦争勝利の為の国債を売って借金をしても、国土開発の為に投資・融資を引き出す手段として土地や権益・利権を売る事はしなかった。
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日本人が近代国家の国民として文化的生活ができたのは、大企業となった総合商社のお陰であった。
もし、総合商社が大企業にまで成長しなければ、日本は近代化できず、日本人は発展途上国の貧しく文明度の低い教養なき原住民のままであった。
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現代日本人は、２０００年以上にわたる日本の歴史に存在した如何なる日本民族日本人と比べても、似た所の少ない別人のような人間である。
現代日本人にとって、歴史的教訓は豚に真珠・猫に小判に過ぎず、先人の知恵は馬耳東風で馬の耳に念仏・犬に論語・兎に祭文・牛に経文である。
時代劇は好きだが歴史が嫌いな日本人は、不都合な歴史の真実から目を逸らし、そして歴史を鑑とはしない。
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大企業を目の敵にし、大企業を潰そうとする共産主義政策では、人口激減時代は生き残れない。
共産主義政策が有効なのは、人口爆発で豊かで安定した社会だけである。
人口激減時代では、共産主義政策は一利も役に立たないどころか、有害なだけである。
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国際市場で売り出されている食糧・資源・エネルギーは、弱肉強食的利益至上原理主義の非情な商品である。
つまり、外貨（米ドル）がなければ買うことができないということである。
過酷な現状は、昭和１６年当時と何ら変わってはいない。
何故、海外依存度の高かった軍国日本がアメリカ・イギリスなどの世界を相手に絶望的な戦争をしたかを思い出せば分かる事である。
何故、アメリカやイギリスなどの連合国（後の国連）が、日本の財閥を解体し大企業を解散させたかである。
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日本には、１００年以上続く老舗の商店や企業が世界一多い。
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「将来、日本の時代が訪れる」とは幻想で、「日本の時代などは決して訪れない」が紛れもなき現実である。
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経済発展不要論という老人性燃え尽き症候群に囚われると、未来を生きる子供や孫を貧困地獄に突き落とす事になる。
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人口爆発に対する対応策は腐る程あるが、人口激減に対する有効な対応策はない。
もしあるとすれば、人間の総入れ替えである。
果樹園の、果物を実らせない古く老いた樹木は全て切り倒して焼き払い、果物を実らせる新しく若い樹木を植える事である。
家畜でも同じで、役立たずの家畜は殺処分される。
勝てない闘鶏は勝つ闘鶏に、卵を産まなくなった鶏は卵を産む優秀な鶏に。乳を出さなくなった乳牛は乳を出す優秀な乳牛に。種付け出来なくなったオス馬は種付けできる優秀なオス馬に。馬を産まなくなったメス馬は馬を産む優秀なメス馬に。
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１，０００万人の外国人移民計画は、日本民族日本人の再生ではなく、日本国民日本人の維持である。
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日本の将来を見極めた資産家・富裕層は、日本を脱出し、治安の良い豊かな海外に資産を持って移住している。
貧困地獄に陥る日本を捨てて逃げ出したい日本人は逃げればいいし、極貧に陥る母国・祖国の日本を救いたいと思う日本人は覚悟して日本に留まればいい。
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グローバル企業を目指す企業は、本社機能を外国に移し、工場を海外に建て地元住民を雇用した。
現実問題として、日本国内の市場が縮小する以上、日本国内では利益を上げる事ができず、国内に拘ると負け組として衰退するだけである。
つまり、日本国内での経済成長はもうありえない。
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海外企業は、安値攻勢を掛けて高値で販売する日本製品を日本市場から駆逐してシェアを拡大してゆく。
日本企業は、幾ら企業努力としてイノベーションをしても価格を下げることができない為に、価格競争で海外企業に敗北するしかない。
日本市場に溢れるのは、安値の中国産・韓国産などの製品である。
貧困化する日本人や増える外国人移民・難民は、高値の日本産を敬遠し、安値の中国産・韓国産を好んで買う。
無理して高値の日本産を買うよりも、安値の中国産・韓国産を買った方が得である。
製品が同じＡＩや高性能ロボットで生産されれば、性能や品質自体に日本産と中国産・韓国産との違いはなくなり、購入理由は好みだけとなる。
性能や品質ではなく好みだけで売り込むとなれば、やはり、価格の安い中国産・韓国産に日本産は勝てない。
さらに、１，０００万人の外国人移民（中国人や韓国人・朝鮮人）が行われれば、日本企業はさらに苦境に追い込まれ、最悪、倒産するしかない。
現実に、日本市場に溢れている製品の多くがメイド・イン・チャイナかメイド・イン・コリアであり、メイド・イン・ジャパンは少ない。
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食糧・資源・エネルギーを輸入している日本は、各種の商品・製品さえも海外に依存しすることになる。
全ての面で自給自足・生産を放棄して消費・浪費だけに特化して生きた方が、日本人にとって気楽かもしれない。
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日本人生産年齢人口が激減するのだから、労働は外国人移民労働者と自己学習ＡＩと高性能ロボットに委せればいい。
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働かず遊んで喰っていける事は、天国の生活のような幸せな事である。
子供に、あくせく働いて疲労困憊して生きる苦しい人生と自由に気ままに遊んで暮らせる楽しい人生とどちらかを選べと言えば、迷わず楽しい後者を選ぶ。
老人性燃え尽き症候群である経済発展はもう要らないという生き方は、後者の生き方である。
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