📉44】─1─海外留学伸び悩みに危機感、官民で次世代人材育成が急務。~No.93No.94 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 現代日本の若者から世界で活躍できる人材は減少して行く。
 日本のグローバル教育とは、語学教育であって人材教育ではない。
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 優秀な学生は、能力主義の民間企業に就職を希望しブラック官僚になる事を望まない。
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 2023年9月11日 MicrosoftStartニュース 産経新聞「海外留学伸び悩みに危機感 官民で次世代人材育成が急務
 © 産経新聞
 次世代のリーダーや研究者の人材育成を巡り、日本人学生の海外留学の伸び悩みを危惧する声が高まっている。政府は令和15年までに年50万人の目標を掲げるが、現状は中国や韓国にも後れを取り、内向き志向も際立つ。新型コロナウイルス禍に加え、円安などに伴う費用高なども足かせとなっており、官民を挙げた支援の拡充が急務となっている。
 明治大の小林明准教授
 © 産経新聞
 「日本だけでなく、世界を引っ張っていく人物になってもらいたい」。公益財団法人「笹川平和財団」(東京)の角南(すなみ)篤理事長は7月上旬、笹川奨学金第1期生に決まった35人に期待を込めた。
 奨学生は米ハーバード大や英オックスフォード大など米英の有力大に1年時から入学。学士号取得までにかかる授業料や寮費など留学費用として年間で1千万円超が支給される。破格の奨学金創設の背景には、同財団の強い危機意識がある。
 文部科学省などによると、学位取得を含む主に長期の留学生は8万人を超えた平成16年から減少傾向となり、近年は6万人前後で推移。コロナ禍に入った令和2年は、4万人台に落ち込んだ。
 日米教育委員会のまとめでは、日本から米国への留学は3年が約1万3千人で、ピークだった平成9年(約4万7千人)の3割に届かない。米大学在籍の留学生は中国約29万人、インド約20万人、韓国約4万人がトップ3で、日本はナイジェリアに次ぐ11位に沈む。
 「世界最高レベルの知見が集まる教育の場に、日本の学生があまりにも行っていない。何とかしなければ日本の将来はない」。角南氏は憂う。
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 大学など高等教育機関在学者1千人当たりの留学生数(令和元年)は、非英語圏ではフランス38・4人、ドイツ37・2人、韓国33・5人、中国22・6人に対し、日本は16・0人にとどまる。
 国の平成30年度調査では5割超の若者が「外国留学をしたいと思わない」と回答。「外国の高校や大学・大学院に進学して卒業したい」はわずか5・1%で、米国の19・8%、韓国の14・5%を大きく下回った。
 一方、昨年の国の調査によれば、留学に興味や憧れはあるが行っていない理由は「経済的余裕がない」が最多で、「治安が心配」や「語学力の不足」-が続く。
 都内の大学3年の男子学生(20)はコロナ禍の影響などで、1、2年時に留学を断念した。今年は高校2年の弟が大学進学を控え、両親の負担を考えると「留学したい」とは言い出せない。企業の採用活動が始まっているこの時期に留学すれば「後れを取る」との不安も大きいという。
 男子学生は「語学なら国内でも習得できる。無理に留学し、負担に見合う成果を得られるのか自信もない」と明かした。
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 海外留学の低調さに、日本政府も手をこまねいているわけではない。岸田文雄首相を議長とする政府の「教育未来創造会議」は今春、新型コロナウイルス禍前に年22万2千人程度だった日本人学生の海外留学を、令和15年までに年50万人とする目標を打ち出した。
 具体的には、長期留学をフランスやドイツと同水準となる15万人(コロナ禍前約6万2千人)▽中短期留学を23万人(同約11万3千人)▽高校段階の留学を12万人(同約4万7千人)とする方針。留学の機運醸成や留学しやすい環境整備が今後の最大の課題となる。
 官民共同事業の「トビタテ!留学JAPAN」では、給付型奨学金を展開。平成26~令和4年度は260の団体、企業と個人から約123億円の寄付を集め、大学生約6100人、高校生約3400人が採用された。
 5~9年度も計5千人の留学に向け、100億円の寄付を目指す。文部科学省の担当者は、「若い人たちのチャレンジ精神を応援するオールジャパンの取り組みを加速させていきたい」としている。(三宅陽子)
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 明治大、小林明准教授(国際教育)の話
 日本の家計の可処分所得が低迷する中、海外留学を想定した資金作りのできる家庭は限られ、学生の多くは留学したくてもできない状況に置かれている。各種情報が手軽に得られる今、留学に必要性を見いだせない若者も増えていると感じる。
 文化的背景の異なる人々の中で試行錯誤しながら課題解決に取り組む日々は、自身を鍛える。国際情勢の厳しさを知り、自分や日本がどうあるべきかを広く深く考える素地も育まれるだろう。若い人たちが海外で学ぶことは、自国の安全保障上の観点からも必要だ。
 学生の留学は「社会全体で支えていく」視点が重要になる。国や企業が積極的に資金拠出に動いていく仕組みとして、今以上の官民ファンドの立ち上げなども検討すべきだ。大学で専門科目を学ぶ3、4年時に留学したいと考えても就職活動の時期と重なるため、踏み切れない学生も多い。採用時期の見直しなどの環境整備も進めてほしい。
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