🦋6〗─6─日本の中流を壊滅したのはメディアに踊らされた日本企業である。~No.23 

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 日本をバブル経済でダメにした張本人はメディアであり、衰退した日本の回復を阻み潰してきた犯人もメディアであった。
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 2023年8月31日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「「非正規労働者の使い捨て」が「日本の中流」を壊滅させる!…「派遣社員・42歳・未婚」が落ちた「アリ地獄」の実態
 NHKスペシャル取材班
 かつて「一億総中流社会」と言われた日本。戦後、日本の経済成長を支えたのは、企業で猛烈に働き、消費意欲も旺盛な中間層だった。
 しかし、現在、日本の中間層は明らかに貧しくなった。日本の「中流」は危機にある。
 その大きな原因の一つが「就職氷河期世代」の非正規雇用だ。
 派遣社員の小野さん(仮名・42歳・男性)を取材すると、その現実は絶望的なものだった。
【本記事は、NHKスペシャル取材班『中流危機』(8月23日発売)から抜粋・編集したものです。】
 キャリアアップの道がない
 リーマンショックのときは、いわゆる「派遣切り」も経験。派遣会社から何度も呼び出されては「あなたが悪いんだ」と退職を迫られ、やむをえず辞表を書いたという。住み込みの寮から追い出されたときは「正社員ではない派遣社員は、誰もキャリアを守ってくれないものなんだ」と痛感した。
 小野さんが頭を悩まし続けてきたのは、正社員ではないために、人材育成や能力開発の機会を十分に得ることができず、キャリアアップの道を描くことができないという現実だ。
 © 現代ビジネス
 「(PCで設計図を作成する)CADのソフトが使えるだけで、ある程度給料がもらえるかというと微妙なところで、キャリアアップするには設計でも逆に指示をしなきゃならない立場になってきます。でも派遣だと、人をまとめてつくりあげていく仕事の経験を積めないので、どうしても必要なノウハウが欠けているっていうのが大きくあります」
 企業にも、国にも、頼れない
 終身雇用を選ばず、転職を通じて高い収入を得ようと努めてきた小野さんは、現在も、機械設計関連のマネジメント職(管理職)へのキャリアアップを目指しており、政府や自治体が行っている職業訓練も探しているが、求めているようなスキル取得のメニューはなかなか見つからない。
 働きながら受けられる訓練も限定されており、自立したキャリアを目指そうと努力しようにもそれに報いる仕組みのない、非正規社員にとって不利な社会だと感じている。
 「危機感はありますね。(行政の)研修制度とか探してみたけども、ちょっと違いますね。伸び悩み層なのかなっていう、そんな気はしますね。いい方向に持っていかなきゃ、どうにもならない……」
 稼ぎを増やしたくても、企業にも、国にも、頼れないと感じている小野さん。いま望みをかけているのは、就職氷河期世代向けの公務員の採用試験だ。2020年度から、国や自治体が実施してきた。学歴や職務経験は問われず、氷河期世代であれば、誰でも受験することができるというものだ。
 小野さんが棚から取り出して見せてくれたのは、大量の参考書だった。公務員試験に備えて、専門学校の講座などに30万円以上を費やしてきたという。すべて自己負担で、公的な補助は出ない。
 「初年度は17万円ぐらい払って、次の年は12万~13万円。ボーナス1回分ですよね。仕事から帰ってきた後も、一日2時間は勉強を頑張りました」
 しかし、去年までに受けた6つの試験はすべて不合格。中には、競争率が200倍を超える試験もあった。
 © 現代ビジネス
 「自分の力ではどうしようもないこともあるし、考えていけばいくほどたぶん自分が下にしか見えないから、あんまり気にしないようにしてるっていうか、うん、そんな感じです、難しいな……」
 国や自治体の氷河期世代向けの中途採用試験は、2024年度までは実施が予定されているが、それ以降も継続される保証はなく、キャリアアップへのチャンスは限られている。
 「当り前の人生設計」ができない
 正社員ではない非正規労働者がいまや全就労者の4割に迫ろうとしている日本。企業の多くが、一度採用した正社員の生活を最後まで保障するという「終身雇用」を維持しながら人件費を削減するために、使い勝手の良い非正規労働者を拡大してきた。
 © 現代ビジネス
 残念ながら、小野さんのケースに見られるように、多くの企業は、非正規労働者スキルアップを十分に図る余力を持っておらず、当然のごとく、賃金は上がらない。
 「一億総中流」の時代には、多くの中間層が実現できていた、当たり前の人生設計が難しくなっている。政府系シンクタンクによると、2020年時点の男性の生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合)は、28.3%。実に、この30年で5倍も増えている。
 企業からも、行政からも、必要な支えを得られなかった、現役世代の現実である。
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 「正社員になれない」「自家用車を持てない」「持ち家に住めない」……「中流」の生活はもはや「高嶺の花」になった日本。なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか? 国、企業、労働者は何ができるのか? NHKスペシャル取材班『中流危機』(8月23日発売)は、全国の中間層の現実を徹底取材し、その処方箋を探ります。
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 日本総研 コラム「研究員のココロ」「「選択と集中」は本当に正しいのか?
 2008年04月07日 手塚貞治
 「選択と集中」というフレーズは、それこそ耳にタコができるほど当たり前に言われるようになってきました。特に日本全体が苦境に陥った1990年代以降、ビジネス社会では、この戦略が当然のように受け止められるようになりました。
 しかし、これは本当に正しいのでしょうか?企業は得意分野だけやっていればよい、それ以外は切り捨てよ、ということですむのでしょうか?
 「選択と集中」には2つの点でリスクがあると考えられます。
 第1は、「当たりはずれが大きい」という点です。確かに、ニッチャー企業として成功している事例は多数見られます。しかしその陰には、それ以上に失敗している企業もあるわけです。リターンが大きいということは、本当はそれだけリスクも大きいということです。特定分野に特化して先鋭化させるということは、それだけ外部環境の変化に大きく左右されるわけで、「当たればデカいが外れるリスクも大きい」ということです(図1参照)。
 (図1)「選択と集中」の程度とリターンとの関係(イメージ図)
 (出所)筆者作成
 一般には、特定分野に特化した企業は収益性が高い、と言われます。しかしこれは、「生存者偏向」と呼ばれるバイアスによるものです。つまり、生き残った成功企業のみがフォーカスされるということです。経営分野の調査研究は、「生き残った企業」しか対象にできません。集中特化によって成功した企業もありますが、本当はその陰に、立ち行かなくなってしまった多数の企業があるはずなのです。しかしそのように、破綻してしまった企業は、存在しなくなった以上データには出てくることはなく、結果的に成功した企業のデータだけが収集されるというわけです(図1参照)。こうした事実について言及している論考も見られます(注1,2等)。
 第2は、「長期的視野がない」という点です。企業は得意分野だけやっていればいい、というのは、確かに短期的にはそうかもしれません。しかし長期的にはどうでしょうか?「ニッチャー」として特定分野で高収益を実現することは可能ですが、それを何十年も続けていくことは至難の業ではないでしょうか。この「選択と集中」という考え方は、日本で株主重視経営が言われ始めたときに、パラレルで脚光を浴びてきたように思われます。つまり、投資家サイドから見た短期(ないしは中期)的レンジでの収益性に主眼が置かれているのではないか、ということです。大半の投資家から見れば、数年間のレンジで収益を上げ続けてくれればいいわけであって、その間に最も収益を上げやすい得意分野に集中してほしい、それ以外の「余計なこと」はやってくれるな、ということになるのです。
 しかし言うまでもなく、企業はゴーイング・コンサーンであり、永続性が求められます。ある事業で収益を上げている間に、次世代事業への種まきをすることが必要なのです。その種まきは、試行錯誤であって、失敗することもあるでしょう。一時的に収益を落として一見回り道に見えることもあるでしょう。それでも企業の永続性の観点からは、やらなければならないことなのです。企業が好調で、ちょっとした失敗ならば受容できるという段階だからこそ、やるべきなのです。
 このように、「選択と集中」にはそれなりのリスクがあるものなのです。世間一般に言われるほど、決して「自明の理」の戦略というわけではないのです。単純なパターン化による思考停止は、どの企業にとっても陥りやすいワナです。「選択と集中」というフレーズによる戦略のステレオタイプ化こそ、実はとても危険だということです。
 もちろん、特定分野に集中して、継続的に収益を上げ続けている企業もあります。しかしそれは先ほど申し上げたように、氷山の一角かもしれないのです。そしてそのような企業であっても、決して同じ事をやり続けているわけではありません。同じ事業だとしても、絶えず商品ラインナップを変え続けたり、商品は絞り込む代わりに顧客業種を幅広くしたり、さらには販売方法を変えたり、といった工夫をし続けているものなのです。そのような工夫をし続けているからこそ、選択と集中によって成功しているといってもよいでしょう。つまり、「選択と集中」でうまくいく企業もあるが、それはその企業なりの固有の工夫があるからこそということです。
 だからといって、やっぱり総合化すべきだ、などということではありません。「総合はダメ」で「選択と集中こそ正しい」という二者択一的な単純化こそ、いちばん危険なことだと申し上げているわけです。要は、「ケースバイケース」という至極当たり前のことを踏まえることです。したがって、自社の戦略を見直す際には、「選択と集中」といった単純なパターンで決め打ちしてしまうのではなく、その企業固有の業界環境や成長ステージを勘案するという、当たり前のことを慎重に行うことが大切だということになるのです。
 (注1)
 加護野忠男(2007)「シャープにみる「選択と集中」の成長と限界」PRESIDENT 207.10.29号
(注2)
 Raynor ,M.E(2007)The Strategy Paradox (『戦略のパラドックス翔泳社
 株式会社日本総合研究所
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 1990年代頃、業績を悪化させた企業はメディアで活躍する経済アナリストや経営アドバイザーなどの権威的進歩的インテリの提言に従って、優秀な日本人を経営を悪化させるリスクとして大量リストラして非正規社員契約社員を雇い入れ、国内生産を諦めて中国に生産拠点を移した。
 日本は、アメリカの成功を参考にして「選択と集中」を作用したが、その大半が失敗して、有名企業・優良企業の多くが没落し、第二位の経済大国として世界のトップ10を独占していた日本企業は脱落し、ハゲタカ・ファンドやレッド・ドラゴン・ファンなどの海外資本に買収されて姿を消していった。
 つまり、世界市場での競争力を付ける為に、日本人労働者をリスクとして切り捨て、生産工場から日本人技術者を放逐してAIとロボットに切り替え、工場を海外に移転させて国内工場を閉鎖した、事である。
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 日本をダメにしたメディアとは、エセ保守系とリベラル左派系であった。
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 用語解説 経営
 選択と集中
 Selection and Concentration
 選択と集中とは
 特定の事業分野に経営資源を集中すること。多角化から、選択と集中による経営効率で業績向上を図る企業も増えている。
 選択と集中は、企業の競争戦略上、得意とする、あるいは、得意としたい事業分野を絞り込み、そこに経営資源を集中することを指します。
 多角化から選択と集中
 日本企業の多くは、高度経済成長から成熟期に差しかかった1980年代に、本業に代わる事業の育成が求められました。当時は終身雇用が一般的であり、リストラによる余剰人員対策の必要もありました。そこで多くの企業が、多角化と称して、本業外の新規事業の開拓を奨励しました。
 また、継続的な成長のために、単一事業に頼るのはリスクが高いという考え方のもと、様々な事業分野を保有する総合性が重視されました。
 しかし、どんな事業でも競争に勝つためには、相応の経営資源、ノウハウの蓄積、迅速な意思決定を必要とします。一方で、多くの事業を抱え込むほど、1つの事業に投入できる経営資源は限られ、どれも中途半端になることが少なくありません。
 北米では、日本に先立つ1960年代にM&Aをテコとした多角化が進展しました。多様な企業を買収して巨大化した企業体はコングロマリットと呼ばれました。しかし、相互に関係のない事業が相乗効果を発揮することはありませんでした。
 北米の総合電機メーカーとして世界的に有名なGEも、以前は多角化が進んでいました。しかし1980年代にCEOに就任したジャック・ウェルチは、市場で1番か2番の事業に集中し、それ以外の事業は収益が上がっていても売却か撤退することを宣言しました。これにより、事業が整理され、その後の高成長につながったといわれています。
 日本でも進展する選択と集中
 GEが選択と集中で経営効率を高めたのに対し、日本の総合電機メーカーは多くの事業を抱え、1990年代の半導体投資競争などで、競合企業の後塵を拝したといわれています。終身雇用が前提の日本企業では、事業撤退による人員整理や事業売却に消極的なことも影響しています。
 しかし、近年では、グローバル競争で生き残るため、不振事業の売却や企業統合を進め、得意分野に集中する企業も現れています。日本市場の成熟化とともに選択と集中がより重要となっています。
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