💫7}─4─ボトルネック現象。更新世(93万年前~)に人類は1,280人まで減少していた。~No.65 

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 ボトルネック‐こうか〔‐カウクワ〕【ボトルネック効果】
 隔離された生物集団の個体数が、環境変化や病気の蔓延などによって著しく減少したとき、生き残った集団の遺伝的浮動が促進されること。遺伝子頻度は祖先集団のものとは異なるが、均一性の高いものとなる。瓶首へいしゅ効果。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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 2023年9月5日 MicrosoftStartニュース ギズモード・ジャパン「約81万年から93万年前の更新世には、人類はわずか1,280人まで減少していた
岩田リョウコ によるストーリー •
 © ギズモード・ジャパン 提供
 よく80億人まで回復したもんですね…。
 ボトルの首が細くなるように個体数が減少することを「ボトルネック現象」というのですが、これが更新世の約81万年前から93万年前にかけて発生し、人類が1,280人まで減少していたことがわかりました。
 ボトルネック現象はなんと11万年も続いたそうです。その期間のアフリカとユーラシアの人類の化石の記録に大きな年代ギャップがあったことと一致しています。この研究はScience誌に発表されています。
 ボトルネック現象で何が起こる?
 ボトルネック現象では、ある種の総個体数が深刻に減少し、その種全体の遺伝的多様性も全体的に減少してしまいます。
 遺伝的多様性がなくなると、個体群が健康でなくなってしまう可能性があります。現在は生物工学のクローン技術と遺伝子編集で、動物個体群内での遺伝的多様性を合成することができます。
 しかし、ボトルネック現象がいつだって人口を脅かすというわけではありません。
 例えばニュージーランドの繁殖率が低く、大きいのに飛べない鳥フクロウオウムなど個体数が激減している原因は、遺伝的多様性が減ることより、人間の狩猟や人類による生息地の現象の方が大きな脅威となっています。
 研究チームは、アフリカ内の10の集団とアフリカ以外の40の集団から、3,154の現代のゲノムを分析するために、「Fast Infinitesimal Time Coalescent Process(FitCoal)」と呼ばれるツールを開発しました。
 研究チームは、アフリカ人のゲノムに「祖先の人口を絶滅寸前まで減少させた深刻な個体群ボトルネック」の証拠を発見。チームは、このボトルネック現象は気候の変化に起因している可能性があると仮説を立てています。
 ほぼ絶滅状態だったヒト族
 新しい研究と同時に発表された研究記事では、大英博物館の考古学者Nick Ashton氏とロンドン自然史博物館の古人類学者Chris Stringer氏は「ボトルネックを引き起こした要因が、ホモサピエンス系統以外の人口への影響が制限されていた可能性、もしくはその影響が短いものだった可能性があります。これはボトルネックの原因が激しい地球寒冷化などの大きな環境の変化ではない可能性が高いことを示唆しています。もし地球規模なら、広範な影響を及ぼすはずだからです」とコメントしています。
 「にもかかわらず、今回の研究は初期の人類集団の脆弱性に焦点を当てています。
 ホモサピエンスが化石記録に初めて現れるのは約30万年前なので、モデル化された個体群ボトルネックは私たちの祖先に影響を与えていたはずです。
 今回の研究チームは、個体群ボトルネックの期間である約95万年〜約65万年前にアフリカでのホモ・ハイデルベルゲンシスの化石がほんのわずかしかないことを指摘していて、チームはさらに、このボトルネック現象が、現代人とネアンデルタール人、デニソワ人が種分化された地点を示している可能性があるとまで述べています」
 Ashton氏とStringer氏は、最後の共通の祖先がより早い時期に存在したと示唆する研究もあるけれど、いずれにせよ、今回の研究チームがモデル化したような重大なボトルネックが発生していた場合、それはヒト族の種分化に重要な影響を与えた可能性があると指摘しています。
 遺伝子モデリングは、古代の人類がどのように世界中に広がって他の集団と混ざったかの過程を理解するために大変有用なツールとなりつつあります。
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 人類の祖先は90万年前、ほぼ絶滅しかけていた。10万人から1280人まで激減
 2023年09月03日 ι コメント(40) ι 歴史・文化 ι 人類 ι #
 人類の先祖は90万年前にほぼ絶滅しかけていた
 今から90万年前、私たち人類の祖先は絶滅寸前まで追い込まれたようだ。
 世界各国の人たちから得られたゲノム情報から明らかになったのは、90万年ほど前、10万人いた人口はたった1280人まで激減したらしいということだ。これは98.7%という劇的な人口減少で、それが11万7000年もの間続いていた。
 確かにこの時期、アフリカとユーラシア大陸に生息していた人類の祖先の化石はほとんど見つかっていない。
 だが幸いにも私たちは今生きている。人類はこの危機的状況を切り抜けたようだ。
 いったい何が起きていたというのか?その頃はちょうど更新世の前期から中期への移行期にあり、気候が激変していたと考えられている。
 人口が一時的に大幅に減少する現象「遺伝的ボトルネック
 これまでの歴史を振り返ってみれば、何かの原因で人口が大幅に減ってしまうことが起きている。
 たとえば戦争や飢饉、あるいは気候変動などによる壊滅的な打撃で人口が激減してしまうと、その時代を境に遺伝的な多様性もまた大幅に低下する。
 こうした種の数が著しく少なくなる現象を、遺伝学では「遺伝的ボトルネック」という。
 最近では、このボトルネックを調べることで、7000年前に北半球の人間の遺伝的な多様性が激減したらしいことがわかっている。
 だが過去にさかのぼればさかのぼるほど、そこから意味のある証拠を見つけ出すのは難しくなる。
 そこで中国科学院大学のリ・ハイペン氏らは、過去の出来事を曖昧にしてしまう数的エラーを回避するために、FitCoal法(fast infinitesimal time coalescent process)と呼ばれる新しい分析法を考案した。
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 FitCoal法の核となる式 / image credit:Shanghai Institute of Nutrition and Health, CAS
 約90万年前、人類は絶滅寸前にに追い込まれていた
 このFitCoal法で、世界各国から集めた現代人3154人(アフリカ系10グループおよび非アフリカ系40グループ)のゲノムデータを解析し、遺伝子を過去にさかのぼったところ、驚くべきことが明らかになった。
 およそ93万~81万3000年ほど前、現在の私たちにはある遺伝的多様性が、最大65.85%も失われていたのだ。
 この遺伝的ボトルネックなどから推測すると、10万人近くいた人類の人口がわずか1280人にまで激減していたと考えられるという。
 その正しさは、この時期の人類の化石がほとんど見つからないという事実からも裏付けられている。
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 約90万年前、10万人いた人口がわずか1280人にまで激減。この時期は前期更新世から中期更新世への移行期にあたる / image credit:Science (2023). DOI: 10.1126/science.abq7487
 この時期、人類に何が起きていたのか?
 当時の人類に一体何が起こっていたのか?
 その原因を100%特定することは難しいが、この時期に重要な変化が起きていたことは明らかとなっている。気候変動だ。
 この時代は更新世の前期から中期へと移り変わっていた時期(前期-中期更新世移行期)で、地球は急激に寒くなっていたのである。
 それが干ばつによる飢饉を引き起こし、当時の人類を追い詰めていったというシナリオは、十分現実的なものだ。
 人類にとって大きな試練となったこの時代は、もしかしたら私たちの重要な進化にも関係する可能性がある。この時期に、私たちの遺伝子だけに見られるある面白い特徴が作り出されているのだ。
 その特徴とは、2番染色体が2本の染色体が融合してできているというものだ。
 人間の染色体は23対で構成されている。ところが類人猿を含め、今日生きている人間以外のヒト科動物の染色体は24対なのだ。
 このことから、2番染色体の融合は、私たちとほかのヒト科動物とをわかつ重要な出来事だったのではと考えられる。そしてそれが起きたきっかけが、90万年前の大ピンチだったのかもしれない。
 「これらの発見は、始まりにすぎません」とリ氏は語る。
 研究チームの最終的な目標は、前期更新世から中期更新世への移行期に人間がどのように進化したのかくわしく描き出し、ひいては初期人類の祖先と進化という謎を解明することであるそうだ。
 これらの研究は2023年8月31日に『Science』で発表(こちら、こちら)された。
 References:Early ancestral bottleneck could've spelled the end for modern humans / written by hiroching / edited by / parumo
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