⚡34】─2─安価な中国EV車が大衆車として日本市場を席巻する。〜No.148 

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 2021年10月12日 MicrosoftNews くるまのニュース「ついに黒船襲来!? 「中国EV」対日輸出を本格化か 日本市場を席巻する日はくる?
 PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
 勃興する中国製EV、海外進出が本格化
 2021年10月11日、「中国、商用EVを対日輸出 競合なく東風など1万台」というタイトルの記事が日本経済新聞に掲載されました。
 今後、中国製EVは日本を席巻していくのでしょうか。
 © くるまのニュース 提供 今回、報道では中国製商用EVを日本に本格的導入という内容だったが、乗用車ではどうなるのか?(画像:NIOホームページより)
 記事によると、中国の自動車メーカーが、おも に商用車カテゴリーの電気自動車(EV)で、日本に攻勢をかけるといいます。
 【画像】中国EVが激かっこいい? 驚くデザインを見る(26枚)
 具体的には、東風汽車系などの大手自動車メーカーが日本の物流大手に対し、1万台ものEV小型トラックの供給を開始すると報道されています。
 世界各国でカーボンニュートラルやエネルギー政策が議論すべき課題となっている昨今、自動車産業ではそのひとつの答えとして、電動化を推進する企業が増加しています。
 主要自動車メーカーで電動化に無関心な企業は皆無であり、ホンダやゼネラルモータース、メルセデス・ベンツアウディといった自動車メーカーが、近い将来のEV専業化を宣言しています。
 その背景には、環境問題への対策のみならず、高度に政治的な要素も入り混じっていると考えられるため、消費者は常に冷静でいる必要が求められますが、少なくとも今後しばらくの間、自動車産業が電動化の波に乗っていくことは既定路線といえるでしょう。
 そんな自動車産業の電動化をけん引しているのが中国および中国の自動車メーカーたちです。
 2009年にはすでに世界最大の自動車販売市場へと成長していた中国ですが、現在では2025年に「自動車強国」、つまり自動車生産国としても世界トップクラスへと成長することを目指しています。
 その核となるのが、「新エネ車」と呼ばれる環境対策車であり、当然EVも含まれます。
 中国は、「自動車強国」へ向けて、日欧米の自動車メーカーが多くのノウハウをもっている既存の内燃機関車ではなく、スタートラインを同じくできるEVで、国家の強力な支援のもとで躍進をねらうという戦略をとったのです。
 とくに、EVの心臓部ともいえるリチウムイオンバッテリーに関しては、原料となるレアメタルの確保なども含めて巨額の投資をおこなったことで、すでに世界最大級のシェアを持つまでに成長しています。
 また、多額の補助金優遇政策を展開することで、EVをはじめとする「新エネ車」を、中国国内で大量に販売することに成功します。
 それにともない、大手メーカーから新興メーカーに至るまで、多種多様なEVが登場しました。
 その中身はピンキリといわれますが、なかには世界基準で企画開発されたというものもあるようです。
 例えば、「中国版テスラ」として名高いNIO(蔚来汽車)は、すでに2000億円ともいわれる巨額の費用を市場から集めており、「ES8」は「ET7」といった高級EVを発売しています。
 これまでは、肥沃な中国市場での販売が主流でしたが、近年海外での展開が積極化し、上述のNIOは2021年にノルウェーでの販売を開始し、またドイツへの進出も明らかにしています。
 一方、日本では一部のバスや、並行輸入などで徐々に展開されつつありますが、ほかの輸入車メーカーのように本格的な導入の噂はまだ聞こえてきません。
 そうしたなかで、冒頭の商用EVに関しては、走行距離や時間などがある程度計算可能であることから、コストシミュレーションがしやすいこともあり、すでにいくつかの中国製EVを導入している企業もあります。
 こうしたコスト面で考えれば、今後中国製EVを導入するという企業は増えていくと考えられています。
 乗用車でも中国製EVが席巻?そのXデーは?
 多くの人が気になるのは、乗用車でもいずれ中国製EVが席巻する日が来るのだろうか、という点でしょう。
 「中国製のクルマが、日本の自動車メーカーのクルマにかなうはずがない」という意見、「中国製のEVが日本に進出したら、日本の自動車産業はいよいよ終わりを迎えてしまうから政府が阻止するはず」という意見があるかもしれません。
 おそらく、現時点では消極的・否定的な意見が大多数を占めるかもしれません。
 しかし、筆者の周りの業界関係者のようすを見ていると、大なり小なり「黒船」の到来にやきもきしているようにも思えます。
 実際、日々の生活で目にするもの、手にするもののなかには、中国製のものが少なからずあることは多くの人が知るところです。
 そこから類推すれば、遅かれ早かれクルマも中国製のものが増えてくると考えるのは自然なことです。
 筆者はこの10年間、中国各地のモーターショーなどに出向き、多くの中国製EVを目にしてきました。限られた状態ではありましたが、いくつかのEVに試乗することもありました。
 すべてが素晴らしい出来とはいえませんが、前述のNIOをはじめ、グローバルクラスの性能を持っていると思われるEVもあったというのが率直な感想です。
 しかし、中国製EVが日本の乗用車市場を席巻する日は(当面の間)来ないというのが筆者の見解です。
 そこにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きなものは、日本がまだ将来的にEVを推進していくかどうか不明瞭という点などです。
 日本では、今後しばらくの間、EVの販売台数は増えていくと予測されますが、一方で燃料電池自動車(FCV)の開発やインフラ整備も進んでいくと考えられています。
 そうした市場よりも、すでにEVを推進していくことが確実視される市場、つまり中国国内はもちろん、北欧諸国やドイツ、カリフォルニアを中心としたアメリカなどの市場を狙うほうが合理的です。
 © くるまのニュース 提供 かつて50万円中国EVとして話題となった「宏光 MINI EV」は性能も必要十分。
かつて50万円中国EVとして話題となった「宏光 MINI EV」は性能も必要十分。
 もちろん、日本には世界有数の自動車メーカーが多く存在していることも理由のひとつです。
 現在と同じ状況が今後数十年続くとは考えていませんが、少なくともこれらの日本の自動車メーカーたちがすべて中国自動車メーカーに敗北するとは考えにくいでしょう。
 それほどまでに、日本の自動車メーカーがこれまでに蓄積してきた、クルマづくりのノウハウは大きなものだというのが筆者の意見です。
 つまり、ほとんどのシェアを奪われるという意味で「中国製EVが日本を席巻する」という状態になる可能性は、若干の希望的観測を含んだとしても、現在34歳の筆者が元気にクルマを運転しているうちには起こり得ないと考えています。
 ただ、だからといって日本の自動車メーカーが安泰とも考えていません。商用車の例はもちろんですが、一部の高級EVなどの限定的なカテゴリーでは、近い将来日本に正規輸入される可能性はそれなりにあることでしょう。
 いずれにせよ、最終的にそれを決定づけるのは、自動車メーカーの努力でもなく、ましてや政府の方針でもなく、すべては市場のユーザーの判断であることでしょう。
 肝心なのは、日本のEVも中国のEVも分け隔てなく、客観的かつ冷静な視点で理解を深めることなのだと考えています。」
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