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・ ・{東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
バブル崩壊後の日本には、義理と人情の浪花節は廃れ、滅私奉公の忠臣蔵は消滅した。
会社は、社員を守らない。
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表面に現れる問題は氷山の一角で、それ以上の数が埋もれている。
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発見されなければ、バレなければ、誤魔化せるんなら、何をしても構わないという「空気感」。
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このくらいは常識範囲、誰でもやっている、という「甘え」。
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誰かが漏らさなければ知られる事はない、勇気ある内部告発を押し殺す「同調圧力」。
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現代の日本人は、敗戦後、1980年代、1990年代にアメリカ化・グローバル化という時代の潮流の洗礼を受けることによって、昔の日本人とは別人の様に変貌した。
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2017年12月15日号 週刊朝日「田原総一朗のギロン堂 そこが聞きたい!
『空気を破れない』日本企業で続発する不正が国を滅ぼす
このところ、世界市場で活躍している日本企業の信じられない不正事案が、次々に露呈している。なぜ、こうした不正が続発しているのか。
最初に大問題になったのは、東芝の7年前に及ぶ粉飾決算であった。こんなことは、東芝の役員であれば誰もがわかっていたはずなのに、誰もそれを指摘しなかった。
私はこの事件で、かつて作家の山本七平氏に聞いた『日本では空気を破ることがタブーになっている』という言葉を思い出した。もし東芝の役員の誰かが『粉飾決算はよくない』と言うと、空気を破ったことで左遷される危険性が強い。それを恐れ、誰もが黙っていたのであろう。しかも、チェック役の監査法人までが粉飾決算を問題なしとして、あれ合ってきたのだ。東芝の歴代社長たちを起訴すべき検察も、まるで気が付かないように、何もしなかった。日本のかなりの層が相当危ないことになっているな、と私は強く感じた。
そうしたら、9月に日産自動車で、無資格の従業員が検査をしていたことが露呈した。さらに、スバルでもやはり30年以上、無資格者が検査していたことが判明した。
しかも、日産が問題になっていた最中に、神戸製鋼所で製品の強度や寸法をチェックする検査証明書が書き換えられていたことが露呈した。神戸製鋼の製品は自動車や飛行機などにも使われていて、製品の品質が劣化していると事故が起きる危険性もある。さらに11月になって、三菱マテリアル完全子会社である三菱電線工業や三菱伸銅などが製造する製品の材料の特性などが改ざんされていたことが判明した。
そしてさらに11月28日、榊原定征・経団連会長を出している東レの子会社・東レハイブリッドコードが生産する製品の品質データを不正に書き換えていたことが判明した。こうなると、まだまだ日本企業の不正事案が露呈するのではないだるか。
日本企業の製品は極めて品質が高いことで世界から評価されていたのである。私自身、そのことを信じ、誇りとしていたのだが、一連の不正発覚により、こうした信用力が崩壊せざるを得なくなる。
それにしてもあぜ日本企業は信用力を崩壊させるような不正を続発させることになってしまったのか。
私は戦後、日本で企業を創立し、あるいは立て直した経営者たちを何人も取材している。松下幸之助、盛田昭夫、本田宗一郎、稲盛和夫・・・。誰もが焼け跡から出発し、日本企業の製品を世界の人々が信頼してくれるよい全力で頑張った。品質の高い製品をつくることに全エネルギーを集中させた。『お客さま神様です』という理念が企業マンたちの常識となった。従業員たちも、それが社是であるかのように頑張った。
ところが、1990年代の後半から、経済成長が止まりデフレの時代となった。デフレ時代になると、何よりも重要な課題がコストダウンだ。コストのために従業員を減らし、非正社員を増やす。だが、従来の高品質製品の看板をはずすわけにはいかない。そのために、無資格者による検査や、検査証明書の改ざんという不正が続出してしまうのではないか。しかも、山本七平氏が指摘したように、日本では空気を破るのがタブーのようになっていて、だから会社ぐるみのなれ合いが続出する。だが、日本企業の信用力の崩壊は、日本崩壊につながるはずである」
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メディアや経済関連のアナリストは、バブル崩壊から立ち直るには大量リストラしかないと訴え、時代の潮流であると煽り、正当化し、推進した。
日本経済の崩壊や日本企業の衰退は、そうした後先を考えずカネ儲けに走った無責任なメディアやアナリストが元凶であった。
そして、想像力のない政治家や官僚そして経営者・企業家が盲信して狂騒して事態を悪化させた。
現代日本の惨状は、現代の日本人の自業自得である。
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バブル崩壊後の大量解雇により、忠臣蔵的愛社精神を生みだしていた気分が消失した。
忠臣蔵的愛社精神は、終身雇用・年功序列・毎年給料アップで生まれていた。
終身雇用・年功序列・毎年給料アップは、1990年代のバブル崩壊の前と後では異なる。
1990年代のバブル崩壊後は、会社に幾ら忠誠を誓い滅私奉公しても、会社は社員・従業員を守りはしなくなった。
それは、労働者不足と消費減少という人口激減期に突入するや加速度的に悪化した。
会社は、社員・従業員を使い捨てにできる取り換え可能な労働者と見なした。
そして、会社は人材を日本人とは限らず外国人にも広げた。
使いもにならないガラクタの様な日本人より宝石の様な外国人の方が、利益・金儲けには有利であると。
さらに効率の悪い日本人より、24時間休みなしに働ける自己学習の汎用性人工知能と高機能高性能ロボットへと。
自己学習の汎用性人工知能と高機能高性能ロボットが作業効率よく仕事・生産をするのであれば、それを管理するのは日本人でなければならないわけでもなく、外国人でも構わないわけである。
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将来的に、無能な日本人は無用であると。
現代の日本は、昔の日本とは違うし、将来の日本はさらに違う。
未来の日本では、日本人はもういらなくなる。
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サムライ・武士は、一生懸命として、俸禄や領地の為ではなく名誉と体面を命を捨てても守ろうとした。
商人や職人などの町人は、商いや商品に対する信用・信頼を最大の財産として、一度取り交わした些細な約束でっても命に代えても守ろうとした。
百姓は、一所懸命として、祖先から受け継いだ田畑を守り子孫に残すべく、朝から晩まで、汗水垂らし、泥や肥(糞尿)に塗れながら重労働に耐えていた。
サムライ・武士は全人口の一割もいなかった。
八割近くが百姓であった。
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現代の日本人と昔の日本人は、命を懸けて守るモノがあるかないかで別人に近い日本人である。
まして、現代の日本人は、死を覚悟して生きていたサムライ・武士の子孫ではない。
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空気感・甘え・同調圧力、配慮・忖度・思い遣る、以心伝心・不言実行・お互い様などは、「舟板一枚下は地獄」「一艘の船に乗り合わせた仲間は生きるも死ぬも一蓮托生」という海上で生きる船乗りである海洋民社会では常識である。
日本人にとって、国や組織、会社や商店は、絆を強くすべき家族であり、生死を運命を共にする一艘の船であった。
それが、日本民族日本人の特性である。
中華(中国・朝鮮)の草原大陸民と日本の海洋民では、根本的に特性が異なる。
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