🍙40〗─1─日章丸事件。欧米の国際エネルギー資本は、敗戦国日本の石油・原子力などを管理し、全産業から国民生活までを完全支配した。昭和28年~No.250No.251No.252 @ 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本は、アメリカが完全支配する食糧・資源・エネルギーを輸入している。
   ・   ・   ・   
 2016年9月号 WiLL「出光興業の創業精神 百田尚樹  
 戦後、石油が日本に入ってこない時、国内の石油元売り会社のほとんどは、アメリカ、イギリス、オランダなどの国際石油会社に自社株を売り、半ば子会社のようになった。そうしなければ石油を輸入することが難しかったからだ。なぜなら1950年代は、自由主義社会の石油の80パーセントを、たった7つの石油会社(『セブン・シスターズ』と呼ばれた)が支配していたのだ。アラブの石油もすべてセブン・シスターズが牛耳り、産油国との直接取引など夢のような話だった。
 こうして国内の石油元売り会社が次々に国際石油大手に呑みこまれる中、出光興産はセブン・シスターズからの提携話を一切断り、民族会社を守り抜いた。これは佐三の強い意志であった。
 『日本の戦後復興の大きなカギを握るのは石油である。その石油輸入をすべて外資に握られれば、日本の復興は外資におもうがままにされる』
 というのが佐三の考えであった。しかし外資に呑みこまれた同業者からの圧力は凄く、出光興産は次第に追い詰められる。当時の業界紙に13人の武士に囲まれた佐三の絵が載ったくらいである。
 佐三は、いずれ産油国と直接取引をする日が来ると信じ、重役たちの大反対を押し切り、莫大な借金で『日章丸』というタンカーを建造する。このタンカーは後に、イギリスおよびセブン・シスターズの経済封鎖を受けたイランの石油の買い付けに成功して世界を驚かせる。この奇跡のような物語は、拙著『海賊とよばれた男』に詳しく書いた。
 このイランとの石油取引成功がセブン・シスターズの一角に穴をあけた。その後、日本の石油会社も産油国との直接取引が徐々にできるようになり、これが1950年〜60年の岩戸景気神武景気を生み出すもととなった。その意味では『日章丸事件』は戦後の日本のターニングポイントとなった出来事であると思っている。
 このように出光興産が民族会社を貫いてきたのは、ひとえに佐三の将来を見据える洞察力と信念によるものであった。それが今回、多国籍企業と合併すると聞いて、かつての出光興産を知る者としては違和感を覚えずにはいられない。
 ただ、現在は佐三が生きてきた時代とは大きく異なる。かつて世界の石油を支配していたセブン・シスターズにも昔日の力はない。多くの企業が多国籍化する中、出光興産もまたそうした道を歩むのは時代の流れかもしれない。
 会社というものは、経営理念で動くものである。しかし、決してそれだけではない。もし会社の目的が『金儲け』だけなら、その会社に魅力はない。
 すべての会社には『創業の精神』というものがある。それが失われた時、その会社はアイデンティティを失い、急速に弱体化する
 ……」
   ・   ・   ・    
 平成29年1月号 正論「映画『海賊とよばれた男』公開
 戦後日本を築いた働き者の精神こそ日本人の宝だ 百田尚樹
 ……
 原作を読まれればお分かりのように、日章丸事件は主人公の国岡?造とその命を受けた重役たちや社員、船長らが一丸となって頑張るのですが、それだけでは無理だったのです。銀行にL/C(貿易取引に必要な信任状)を発行してもらう必要があったのですが当時、日本とイランとの間には国交がない。国交のない国と貿易をするには、本当は不可能なのです。当時は第二次世界大戦戦勝国であるイギリスが『イランの石油は自分たちのものだ』と公言していました。敗戦国の日本が大英帝国と呼ばれたイギリスにケンカを売る形になるわけです。にもかかわらず、東京銀行の重役がL/Cを発行してくれた。また東京海上火災の社員が船舶保険を引き受けてくれたのです。さらに当時は『ドル枠』が必要でした。自由為替制度ではなかったので、通産省からドル枠をもらわないことにはドルが手に入らず、貿易取引ができない仕組みだったのですが、国交のないイランとの取引のために、通産省の役人が国岡?造に莫大なドル枠を与えたんですね。
 当時の銀行員や保険屋、官僚の中になんというサムライがいたのか、と感嘆させられます。今ではとうてい考えられない。自分の会社や組織のための決断ではないんですよ。もし計画が失敗したら自分のクビが飛ぶかもしれない、自分の立身出世が吹き飛ぶかもしれない、そういうリスクを負ってまで彼らはイランとの石油取引の成功に賭けたんですね。
 なぜ彼らはそこまでできたのか。『この計画は日本が再び復興させる偉大なプロジェクトに違いない』という意識があったからでしょう。日章丸事件はは昭和史における奇跡ですけれど、偶然に起きた奇跡ではなく、多くの人たちの『もう一度、日本を世界の一等国に』との意志で実現した奇跡なのです。
 『やりたい仕事』を探す若者立ち・・・
 今の若い人たちはよく『好きなことを仕事にしたい』と言います。私は、好きなことをして銭をもらうのはちょっと都合が良すぎるんじゃないか、と思います。好きなことは銭を払ってするものじゃないですか。大事なことは『仕事を好きになる』ことであるはずです。
 ……
 昔、民主党政権の時代に『年越し派遣村』というものがありました。『若い人に仕事がない』などと騒がれていましたが、実は仕事なんていっぱいあったんですよ。ところがそういう若い人たちは『自分たちがやりたい仕事がない』という意識なんですね。ですから東京で深夜にコンビニエンスストアに行ったら、日本人店員はいません。それからキツイ仕事では、外国人がずいぶんと働いています。キツイ仕事、嫌な仕事は全部、外国人にやらせて、自分は楽な仕事をしたい、これでは世の中が成り立たなくなるでしょう。
 ……
 もちろん、労働者の自主性に甘えて形成者がムチャクチャな仕事をさせたらダメですが、一律で労働時間を制限などしていたら、今に至る日本の繁栄はなかったはずです。〝護送船団方式〟でやっていたら、世の中の発展が停滞しますし、各人の自由や権利を奪うことにもなりかねません。
 まして夜10時に一斉消灯して、それを見回っている人がいるというのでは、完全に行き過ぎではないでしょうか。『海賊と呼ばれた男』で描いた男たちが、日本の発展のためにどれほど働いたのか、という点も読み取ってもらいたいところです」
   ・   ・   ・   
 日本は、鵜飼の鵜の如く、アメリカに首根っこを押さえられ、アメリカの手の上で生かされているのが真実である。
 日本がアメリカの依存から抜け出せない以上、アメリカとの同盟関係を維持するしかない。
 もし、アメリカへの依存を断ち切りたければ、中東からの石油、東南アジアや中南米からの原材料輸入する海上輸送網を自力で守る必要がある。
 つまり、海空軍力の強化、再軍備を行う必要がある。
 再軍備の最大の壁は、第九条の日本国憲法ではなく、国連の敵国条項である。
 ドイツが再軍備できたのは、NATOの一員であるからである。
 アメリカの依存から脱却し東アジア共同体で指導的立場に立つと勇ましい事を吹聴する人間は、ハーメルンの笛吹き男である。
 戦前の日本は、アメリカ・イギリス・オランダの「経済制裁」として石油の輸入が全面禁止されたが為に、日本が生きる為の自衛手段として戦争を決断した。
 そして、戦争犯罪国として断罪され、国土が解体された。
 ソ連は、漁夫の利として北方領土を強奪する為に武器を持たない日本人(女子供)を虐殺した。
 アメリカ依存からの脱却とは、国連の意志に逆らって憲法改正再軍備を行う事である。
 国連の敵国条項から日本を守っているのは、アメリカとの安保保障条約という準軍事同盟的関係である。
 戦争法として嫌悪される安保関連法は、アメリカへの依存を確かにする為に必要な法律である。
 日本に核ミサイルの照準を合わせ日本の領空・領海を侵犯し、日本が抗議すると恫喝まがりの暴言を吐く傲慢な中国共産党政府は、アメリカの代わりにはならない。
 日本が頼る相手は、アメリカであって中国共産党政府ではない。


   ・   ・   ・