🗡68〗─1─パリ・ロスチャイルド家とバクー油田。イギリス・ロスチャイルド卿と中東石油。ロイヤル・ダッチ/シェルとスマトラ油田。ロックフェラー財団とスタンダード石油の解体。~No.216No.217No.218 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本は、戦前も現代も、食糧・物資・石油(エネルギー)を自給できない為に外国とくにアメリカに依存していた。
 食糧・物資・石油(エネルギー)を止められたら、日本は生き残れなかった。
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 2014年 日本のエネルギー供給の8割以上を化石燃料に依存し、石油は国内で生産できない為に高額な金額で輸入している。
 少資源国日本は、近代以降、殖産興業の為にエネルギー問題で苦しめられていた。
 明治の近代化は、物作りの血液とも言うべき「石油」を外国勢力に握られていた。
 近代文明化の為にはエネルギーを自力で確保する必要があり、金を出して平和的な交渉で輸入するか、自衛権発動として武力を行使して奪い取りかの二者択一しかなかった。
 石油が輸入できなくなれば全ての製造業は停止し、日本経済は破綻し、日本人は明治以前の非近代的生活に逆戻りするしかなかった。
 軍国日本は、近代生活を維持する為に、商取引として売ってくれなければ、軍事力を持って奪った。
 それが、太平洋戦争である。
 だが、石油確保という自存自衛の武力行使戦争犯罪とされた。
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無資源国家日本とユダヤ系国際資本との石油戦争
 樺太・中東・蘭印での国際石油商社との「石油」の『燃料戦争』。
☆日本は、アメリカのスタンダード石油とイギリスのロイヤル・ダッチ・シェルの二社から石油が購入出来なくなって、破滅的侵略戦争を始めた。
 戦前の日本は、世界の石油市場を支配する英米系大手石油会社に頼る事なく、独立系石油会社から石油を購入して戦争を回避すべきであったという、反戦平和の説がある。それを確信を持って発言する者には、決して、歴史の真実は見えない。また、その事を記載する書物は信用しない方が、身の為である。
 アメリカの石油市場の84%を支配しているのは、スタンダード石油であった。ロックフェラーのチェイス銀行は、ナチス・ドイツ石油化学トラストのIGファルベンや軍需産業に巨額の資金を援助していた。スタンダード石油とIGファルベンは、液化石油開発などで技術協力していた。アメリカ企業の多くが、ドイツ軍の再建に協力していた。
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 英米の国際背級資本とユダヤ系国際金融資本は、反日国際勢力として、中国市場を独占する為に軍国日本を戦争を起こすように追い詰めていった。
 外国依存度の強かった軍国日本は、戦争をしたくなかったが、石油の輸入を全面禁止にされて戦争へと駆り立てられた。
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 チャーチル「石油の一滴は、血の一滴」
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 古生代石炭紀 3億5890万年前〜2億9890万年前 大湿地や湖堆積した微生物の死骸が蓄積し、分解作用で腐食して泥炭地となり、地中深くに埋没し石炭となった。
 中生代 2億5217万年前〜6600万年前 海底に沈殿した微生物の死骸が沈殿して黒い泥層を形成し、地殻変動によって地中に飲み込めれ、地熱と地層の圧力でケロジェン(油母)に変わり、さらに熱分解で石油となった。
 大地の奥深くに埋没した動植物の死骸は、数百万年から数億年かけて地層の圧力と地熱で化学変化を起こし可燃性の高い炭素質化合物、化石燃料となった。
 人類は、中世まで薪と木炭をエネルギー源として文明を築いてきたが、18世紀に消費する森林が減少した為に石炭を新たなエネルギーとして掘削して利用した。
 鉱山では時折地下水脈にぶつかって出水した為に、その水を汲み上げる為に蒸気機関が発明された。
 石炭と蒸気機関によって、産業革命がもたらされた。
 1850年 ペンシルバニア州で石油掘削が成功し、内燃機関(エンジン)の発明によって、石油が社会を一変した。
 だが。化石燃料は、限りある資源であると同時に、消費されるだけで再生される事のない資源であり、公害で自然を破壊する資源でもあった。
 地球の将来に脅威をもたらす温暖化は、化石燃料を消費する事で深刻化していった。
 エネルギー源として、ウランによる原子力、非在来型のメタンハイドレートシェールガス及びオイルシェール、そして太陽光、太陽熱、地熱、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーへと、科学の進歩と共に利用度が高くなっている。
 人類の生存の為に、自然破壊の化石燃料から自然との共存としての再生可能エネルギーへと移行する必要がある。
 2014年 日本の農業において、発電する農地として、太陽光を利用したソーラーシェアリング普及し始めている。
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 戦争の原因の一つに、エネルギーの争奪戦がある。
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 日露戦争(1904年2月〜05年9月)は、ロシア帝国が所有する世界最大のバクー油田をめぐる代理戦争であった。バクー油田の利権を持っていたのは、フランス金融・経済を支配していたパリ・ロスチャイルド家であった。
 フランスのパリ・ロスチャイルド家は、ロマノフ家と友好関係にあって、ロシア経済を支援していた。そして、アジア侵略の為にシベリア鉄道建設に巨額の融資を行っていた。
 シオニズムの最大の支援者として、ロシア・東欧のユダヤ人への虐待や虐殺を防止するのではなく、わざとポグロムを放置した。ポグロムから命辛々逃げ延びたユダヤ人逃亡者を、ユダヤ人国家を建設する為にパレスチナに入植させた。ロシア帝国や東欧は、国民の逃亡を重罪として厳罰を持って取り締まっていたが、伝統的な反ユダヤ主義(アンティ・セミティズム)からユダヤ人の国外逃亡を黙認していた。
 少人数による入植のうちは、アラブ人は新たな隣人を歓迎し、生活できるように協力した。
 イギリス・ロスチャイルド家は、新たなエネルギーである石油を独占的に支配するべく、バクー油田に触手を伸ばした。
 1902年 ナサニエルロスチャイルド卿は、シオニズムの盟主になる為に、面会を拒否していた『ユダヤ人国家』の著者であるヘルツルと会った。04年にヘルツルが死亡するや、新たな指導者であるヴァイツマンを籠絡して自陣営に囲い込んだ。
 中国でのアヘンと苦力貿易を守る為に、1902年に日英同盟の締結を支援した。同地における代理人は、サッスーン家と東インド会社の資産を受け継いだ香港上海銀行であった。特に、シベリア鉄道の完成によってロシア軍が大挙して中国に現れる事は大いなる脅威であった。
 ロシア帝国の国力を削ぐ為に、ロシア帝国キリスト教会の反ユダヤ主義を憎み共産主義革命を起こそうとしている、トロッキースターリンなどのユダヤ人革命家達に革命資金や武器を渡していた。
 ドイツ帝国は、メソポタミア地方の石油を手に入れる為にオーストラリア帝国とオスマン・トルコ帝国と組んで、バグダードまでの鉄道を引くという3B政策を取った。バクダード連結鉄道とは、イギリス海軍が支配する海上輸送路を通らずに、石油を欧州に運ぶ陸路輸送であった。
 オーストリアロスチャイルド男爵家やドイツの銀行団も、石油独占政策の一環としてのバクダード鉄道建設に巨額の投資を行った。
 ロスチャイルド卿は、中東の石油を独占し世界市場を支配する為に、イギリス政府に圧力をかけた。
 アメリカのロックフェラー財閥などウォール街の金融資本は、世界の石油の利権を得る為にイギリスの中東政策を支援した。
 ドイツの石油市場は、スタンダード石油系のドイツ石油販売会社に支配されていた。
 ドイツは、大国として発展する為にも、外国に依存せずに独自で石油を手に入れる必要があった。
 日本とロシア帝国満州をめぐる局地戦争は、欧米列強の巨大金融資本による石油独占戦略の一局面に過ぎなかった。
 そして、パレスチナ問題も実は中東の石油問題が原因であった。そこに石油が存在する限り、石油が重要なエネルギーである限り紛争は収まらない。
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 ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は、「非白人の日本は、神聖なキリスト教的世界秩序を破壊する、異教徒・悪魔である」との、『黄禍論』を唱えた。白人キリスト教徒社会は、『黄禍論』を受け入れ、日本の世界進出を世界破壊であると受け止めた。
 ルーズベルト大統領は、対日戦の為の作戦を練り、大艦隊建造とパナマ運河建設の資金援助をユダヤ系国際金融資本に求めた。
 アメリカ軍首脳は、日本を極東アジア・太平洋地区の仮想敵国として認定し、中南米諸国の反米組織と接近する事を警戒した。軍事力で強引にパナマ保護国とし、パナマ運河地帯を自国領の如く支配して海兵隊を駐屯させた。キューバなどカリブ海周辺諸国は、アメリカの軍事力に屈して保護国か傀儡国家となった。
 ドイツ海軍も、イギリス海軍に対抗する為に、ユダヤ系国際金融資本の融資を受けた。
 ドイツ帝国は、中南米に勢力を拡大するべく海軍力を強化した。アメリカの支配を弱体化させる為に、日本がメキシコとの同盟を模索しているとの怪情報を流した。
 アメリカは、日本がメキシコと反米的軍事同盟を結び、反米勢力に武器を供与するのではないかと警戒した。
 メキシコは、日本を利用してアメリカの対メキシコ強硬政策を変更させようとした。
 アメリカは、カリブ海周辺の油田を守る為にイギリスと手を組んだ。
 イギリスは、海軍力を強化してきたドイツ帝国を撃破し、世界の海運業支配を維持する為に、アメリカに支援を求め、日本を利用した。
 その陰で暗躍したのが、アメリカとイギリスのユダヤ系国際金融資本であった。
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 日本も、中東の石油を確保する為に調査団をした。欧米の石油財閥は、供給を独占する為に、日本独自の石油政策を潰す為に共同歩調を取った。
 日本の悲劇は、生き残る為に、国際資本からの制限された供給に満足せず、独自の石油戦略で独立しようとした事である。
 国際資本は、民族資本の世界市場での暴走を、優生学的国際秩序を破壊する行為として許さなかったのである。
 日本の民族資本は、人種差別的国際資本によって破滅的打撃を被った。
 世界市場は、排他的秘密社交クラブに加盟する、一部の白人資本家によって談合的に支配されていた。彼等は、ユダヤ人的発想として閉鎖的血筋を神聖視し、血族にない成り上がり者には一丸となって攻撃した。
 エルンスト・ルーディン「民族混合が問題である。不適者は断種しなければならない」
 世界経済を支配するユダヤ人国際資本は、建前として非白人の日本資本が国際的社会通念で活動する事を歓迎していたが、本音では優生思想で差別し排除しようとしていた。
 フロム「権威を、より低い階層へと押し付ける事からも快楽を引き出す事ができる」
 ワシントン・ポスト「海外の領土は、我が国の者である。領土拡張政策反対論はカササギの声と同様に無意味である」
 スペンサー「私は、ダーウィンの考えを人類に適用したにすぎない」
 世界市場は、国家・人種・民族を越え、国境を乗り越えて、全ての人間に平等にそして公平に解放されてはいなかった。成功できる者は、極一部の一族のみであった。
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 マージャリー・バーテム「日本の太平洋での攻撃は、白人帝国主義勢力に果敢に挑戦する事によって、人間関係に極めて現実的な革命をもたらした」(タイムズ紙)
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 マーカス・サミュエルは、1853年にロンドンの貧しい行商人の子として生まれた。後の、バーステッド卿である。
 1872(明治5)年16歳の時に、5ポンドのみを所持金として横浜に上陸し、貝殻加工で成功してシェル社を横浜で設立した。
 石油産業に進出するや、ロスチャイルド家の資金協力を得てロシアのバクー油田仕入れた石油を東洋市場で販売した。当時の日本市場は、スタンダード石油の独占であった。
 1897(明治30)年には、日本政府の財政難打開に協力し、軍隊増強の為の軍事費公債4,300万円の売却を引き受けた。
 1900(明治33)年に、ライジングサン石油会社(現代の日本シェル石油会社)を設立して日本に輸出した。
 日露戦争ではシフと共に軍事公債の一部を保証し、台湾経営にも参加した。
 鉄道王ハリマンの共同経営提案は、拒否した。
 帝政ロシアシベリア鉄道は、フランスのパリ・ロスチャイルド家が資金援助した。
 1907(明治40)年 シェルは蘭印(インドネシア)のスマトラ油田を基盤とするオランダ資本のロイヤル・ダッチ石油会社(1870年に設立)と合併して、ロイヤル・ダッチ/シェル・グループを形成した。
 スタンダード石油とロイヤル・ダッチ・シェルは、アジア市場で激しく対立し、値下げ競争という価格戦争を始めた。
 日本の石油業界が独自で蘭印の油田に進出し様とした時、親ユダヤ派は圧力を掛けて潰して石油の海外依存度を維持した。
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 セオドア・ルーズベルト大統領は、中小企業を安価という価格破壊の手法で廃業に追い込み産業界を支配しようとしている巨大財閥を抑制する事を決定し、まずロックフェラーを標的として訴訟した。
 1911年5月 連邦最高裁判所は、独占禁止法違反でスタンダード石油グループ33の解散命令の判決を下し、ロックフェラー財閥を解体した。
 創業者のジョン・D・ロックフェラー1世は、解体されたままで全ての企業を一族で支配し、金融に関する国内外の広範囲な情報網でワシントンの政府とニューヨークのウォール街に絶大な影響力を維持した。
 ロックフェラー財団は、世界中に石油と金融の秘密情報網を張り巡らし、利益の為には競争相手の企業や個人に対して不法な策略を用いて破産に追い込み、国家には不正な謀略を駆使してアメリカと敵対するように仕向けた。
 ロックフェラー2世の三男ローランス・S・ロックフェラーは、軍事企業のマクダネル・ダグラス社のオーナーをしながら各種の慈善事業や文化活動を積極的に行って、陰謀渦巻く財団のイメージを隠蔽した。
 ロックフェラー3世とネルソン・ロックフェラーは、一族の莫大な資産を金融、石油、食糧の三部門に分散した。
 食糧生産全般を支配する為に、中小の家族的農民に多額の融資を行い大規模農業を押し付けた。
 石油から作った大量の化学肥料と毒性の強い農薬を売り、遺伝子操作で作り出した収穫量の多い単一種子を売った。
 自国の農業を守ろうとする民族主義政策に対しては、国際化の為に規制緩和を強要し、市場経済論理から根刮ぎ破壊した。
 大手の穀物商社は、利益を独占する為にカルテルを結び、国際的穀物市場を支配した。
 20世紀の緑の革命やバイオ革命は、利益至上主義による株主配当優先の目的で行われた。
 結果、自然は破壊され、食糧生産は落ち込み、健康を害する奇病が発生した。
 彼らは、金儲けの為に食の安全性を無視した。
 幾つかの国家・政府が滅亡しようと、幾つかの民族・部族が死滅しようと、どれだけの貧しい人間が犠牲になろうと、一切気にしなかった。
 国家・政府は、世界中に数多くあり、人間がいる限り新たな国家・政府はたえず樹立される。
 全ての大地に、民族は尽きる事なく、幾つも存在する。
 地球上で、人間はたえず生まれて尽きる事がない。
 国家は国益を追求し、資本家は利益を追求し、個人は金儲けに奔走した。
 歴史は、人間の欲で動いていた。
 文明は、人の欲で、進歩し、発達した。
<スタンダード石油・ロックフェラー財閥解体後の企業と現代の企業>
・ ニュージャージー・スタンダード石油会社(SOCONEJ)…  エクソン
・ ニューヨーク・スタンダード石油会社(SOCONY) … モービル
    エクソンとモービルは、エクソンモービル
・カリフォルニア・スタンダード石油会社   … シェプロン
    シェプロンは、シェプロンテキサコ
インディアナ・スタンダード石油会社 … アモコ
    アモコは、アルコ
・アトランティック石油会社 … アルコ
・コンチネンタル石油会社 コンチネンタル
    コンチネンタルは、コノコフィリップス
オハイオ石油会社  … アラソン・オイル社
オハイオ・スタンダード石油会社
    BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)
・アシュランド石油会社  … アシュランド
    アシュランドとマラソン・オイルは、マラソン・アシュランド・ペトロリアム
・ペンズオイル会社  … ペンズオイル
・ロックフェラー関係企業……コダック社。GE社。ゼロックス社。ITT社。
 IBM社(ナチス・ドイツ強制収容所ユダヤ人監理に協力した)。
 ユナイテッド航空。ノースウェスト航空。
 ボーイング社。
 メルリ・リンチ。
 モルガン・スタンレー
 チェース・ナショナル(後のチェース・マンハッタン)銀行。
 ナショナル・シティ銀行。
ライフ誌。タイム誌。ワシントン・ポスト紙。ニューズウィーク誌。インターナショナル・ヘラルドトリビューン誌。
ラジオ…RCA、CBS
テレビ…NBC、
外交問題評議会(CFR)
 アメリカを代表する上位100社の内37社。輸送関連企業上位20社の内9社。公益法人1社。4大保険会社の内3社。
 大小200個近い基金や財団を創設して、利益の為に慈善事業や大学などの高等教育機関への多額の寄付金を行っている。
 巨大な財閥は、解体されることなく、その支配は消滅することなく存続している。
 彼らは、多業種にわたる集金網を築き、政治献金をフルに活用してワシントンでの影響力を保持し続けている。
 自由と民主主義は、より多くの人民の為にあるのではなく、極一部の者の為に存在する。
 ゲイリー・アレン「教育を支配する者は、数世代にわたって国民を支配するであろう」(『ロックフェラー帝国の陰謀−見えざる世界政府』)
取引銀行……ヒトラーが個人で管理するドイツ帝国銀行。ムッソリーニが支配するイタリア商業銀行。
 スタンダード石油は、ナチス・ドイツに1億2,000万ドルを投資し、IGファルベンと技術協力し、ドイツ軍に石油を売った。ゼネラル・モーターズは3,500万ドル、ITTは3,000万ドル、フォードは1,750万ドルとそれぞれナチス・ドイツに投資し、各企業はドイツ産業の発展の為に貢献した。
 セオドア・ルーズベルト大統領の「大企業との闘い」は、強い国民世論の支持を受けて、トラストを解散させた。国民は、新聞報道や雑誌記事を読み大財閥の解体に狂喜した。だが、結果は、資本家による市場の支配を強化を巧妙にさせ、より多くの利益を彼らに与える事となった。そして、大統領は彼らから多額の選挙資金を受け取った。
 独立系シンクレア石油会社の副社長に、アーチボルト・ルーズベルトがが就任していた。そして、セオドア・ルーズベルト・ジュニアとチェース銀行のウィリアム・ボイスが取締役として経営に参加していた。
 荒畑寒村「もし石油にして涸渇せんか、資本主義世界の産業、交通、運輸、軍備等はたちまちにしてその機能を失い、その活動を停止し、土崩瓦解し去らなければならぬ。すなわち、石油は今や資本主義社会における生命と活動との根源となったのであって、石油資源の有無はただちにその国の運命を決するというも敢えて誇張ではない。したがってまた、今日の国際政局は常に石油問題をめぐって展開変化している。」(ルイズ・フィッシャー著『石油帝国主義』訳者序。1927年10月15日)
 ジョン・D・ロックフェラー1世「私達の大いなる後援者の中に、ワシントンの国務省がある。我々が世界の隅々に新たな市場を開拓する際、我が国の大使や公使、領事の方々が手を貸してくださった」(『回顧録』)
 パルテュス・フライホフナー(経済歴史学者)「強引な石油取引で金融帝国を築き上げるのは、ロックフェラーお馴染みのやり方である」
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 ジョン・D・ロックフェラーは、1859(安政6)年に発掘・採取に成功した石油の未来を確信して1870(明治3)年にスタンダード・オイル・オブ・オハイオを設立し、ユダヤ系鉄道会社と自社石油の運搬費を削減する協定を結び、同時に競争会社の石油の運搬費を割高にした。
 1895年頃のアメリカの鉄道網の95%は、ロスチャイルド家もしくは関連金融資本が出資して管理していた。
 市場の独占の為に、採算を度外視した安値攻勢や相手会社の労働組合ストライキを起こさせ、更には相手会社の精油所内で爆発事故を起こして業績を悪化させて潰した。
 1878年にアメリカの石油精製設備総投資額の90%を支配し国内はおろか国外市場まで販路を拡大して、ロックフェラー財閥・スタンダード石油グループの基盤を短期間で築いた。
 連邦議会は、ロックフェラーやカーネギーなどの超富裕層を公益性があるとして、その資産保護の為に所得税相続税などを免除した。
 巨大企業は、免税特権を利用して競争相手により多くの税金を支払わせた上に経費を嵩ませて資本力を疲弊させ、公権力を利用して国内外の市場から排除した。
 より多くの冨を独占しようとする者は、自分の自由は確保するが他人の自由を認めず、より効率よく利益を回収する為に市場を縮小させる統制経済を好んだ。
 セオドア・ルーズベルト「こうした国際銀行やロックフェラーの所有するスタンダード石油の関係者が、大半の新聞社とその論説を支配下に収め、見えない政府を構成する腐敗した実力者達の命令を拒絶した公職者達を力ずくで屈服させるか、その職から追い落とすのである」
 ジョン・ハイラル「タコの頭というのは、ロックフェラーの所有するスタンダード石油の関係者と、一般的に国際銀行と呼ばれる強力な小集団のことである。強力な国際銀行家によるこの小さなグループが、事実上、彼等の利己的な目的の為に合衆国政府を動かしているのだ。 彼等は二大政党を実質的にコントロールし、政治方針を決め、政党の指導者を彼等の手先とし、私企業の指導者を使い、あらゆる手を使って腐敗した大企業の命令に従順な候補者だけを政府高官に指名されている。……こうした国際銀行家達とロックフェラーのスタンダード石油の関係者が、この国の大半の新聞、雑誌を支配しているのだ」(ニューヨーク市長。ニューヨーク・タイムズ紙 1922年3月26日付け記事)
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 ロックフェラー家の教育「金は親から貰うのではなく、自分で稼ぐべきもの」
 ロックフェラーは、事業に成功し財をなして会社を国際企業とするや、相続性や所得税を免れる為に個人資産を財閥とし社会や文化などの慈善活動に資金を提供した。
 そして、財産を守る為に、子供に質素倹約と自分で金を稼ぐという自己努力を徹底して教育した。
 ヴァンダービルト家など多くの大富豪は、政府の命令に従って多額の相続税所得税を支払い、子供や孫の教育に失敗し彼らによる浪費で財を失って衰退した。



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日本人へ リーダー篇 (文春新書)

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