📉21】─1─日本の学力低下が止まらない。日本人の3分の1が日本語の読解力がない。~No.44  

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 植田いつ子「カタカナ英語だらけになると、和魂洋才できた日本は、洋魂洋才の国になるのではないでしょうか」
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 有りもしない実現できない理想社会を語るリベラル・革新派・エセ保守派そして一部の保守派では、現実に訪れる、過酷で容赦ない残酷な世界を生き残れない。
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 2019年2月14日号 週刊文春言ってはいけない!日本人の3分の1は日本語が読めない。 橘玲
 OECDによる国際調査で『先進国の成人の半分が簡単な文章が読めない』という衝撃の結果が明らかになった。人間社会のタブーを暴いた『もっち言ってはいけない』の著者が知能格差が経済格差に直結する知識社会が、いま直面しつつある危機に警鐘を鳴らす。
 知識社会ではITスキルが必須
 ①日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。
 ②日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。
 ③パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
 ④65歳以下の日本人の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。
 ほとんどのひとは、これをなにかの冗談だと思うだろう。だが、これは事実(ファクト)だ。
 先進国の学習到達度調査PISA(ピサ)はその順位が大きく報じられることもあってよく知られているが、PIAAC(ピアツク)はその大人版で、16歳から65歳の成人を対象として、仕事に必要な『読解力』『数的思考力』『ITを活用した問題解決能力(ITスキル)』を測定する国際調査だ。OECD経済協力開発機構)加盟の先進国を中心に24ヵ国・地域の約15万7,000人を対象に実施され、日本では『国際成人力調査』として2013年にその結果の概要をまとめられた。
 ヨーロッパでは若者を中心に高い失業率が問題になっているが、その一方で経営者からは、『どれだけ募集しても必要なスキルをもつ人材が見つからない』との声が寄せられていた。プログラマーを募集したのは、初歩的なプログラミングの知識すらない志望者しかいなかったら採用のしようがない。そこで、失業の背景には仕事とスキルのミスマッチがあるのではないかということになり、実際に調べてみたのだ。
 読解力と数的思考力はレベル1からレベル5で評価され、ホワイトカラーの仕事にはレベル4以上が必要とされている。
 ……
 一般にはこの結果は『日本の教育が劣化した』と受け取られているが、PIAACのデータはそれが誤解であることをはっきり示している。
 日本の成人のおよそ3人に1人が、本のタイトルと著者名を一致させることができない。なぜこんなことになるかというと、なにを問われているかが理解できないからだろう。
 日本人の3割は、むかしから『教科書が読めない子どもたち』だった。そんな中高生が長じて『日本語が読めない大人』になるのは当然なのだ。
 先進諸国における『日本人の実力』
 ……
 これが、OECDが主催する大規模調査での『日本の実力』だ。それを受け入れがたいと感じるとしたら、あなたが知能が高いひとたちの集団のなかで生活し、現実を錯覚しているからにすぎない。
 しかし、驚きはこれにとどまらない。こんな悲惨な成績なのに、日本はOECDに加盟する先進諸国のなかで、ほぼすべての分野で1位なのだ。だとすれば、他の国はいったいどうなっているのだろうか。
 OECDの平均をもとに、PIAACの結果を要約してみよう。
 ①先進国の成人の約半分(48.8%)はかんたんな文章が読めない。
 ②先進国の成人の半分以上(52%)は小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。
 ③先進国の成人のうち、パソコンを使った基本的な仕事ができるのは20人に1人(5.8%)しかいない。
 レベル2の読解力の問題は、『市民マラソン・ウォーキング大会』のホームページから開催差の電話番号を調べるためのリンクをクイックするだけだ。
 これができない成人が、OECD平均で15.5%、およそ6人に1人いる(日本は4.9%)。
 PIAACの説明では、レベル1の読解力は『基本的な語彙を含む短い文章が読める』、数的思考力は『基礎的な計算、50%のようなおおまかな割合、単純なグラフがわかる』とされる。レベル2の問題が解けないと、できる仕事はかぎられるだろう。
 ……
 『日本人の3人に1人は日本語が読めない』が、それでも先進国のなかでもっとも優秀だ。しかし、データの詳細を見るとこれで喜んでいるわけにはいかない。
 読解力と数的思考力で日本はたしかに1位だが、年齢別の得点を見ると、16~24歳の数的思考力ではオランダとフィンランドに抜かれて3位に落ちる。より問題なのはITスキルで、パソコンを使えず紙で回答した者を加えた総合順位ではOECD平均をわずかに上回る10位、16~24歳では平均をはるかに下回る14位まで落ちてしまう。
 対照的なのが韓国で、全体の順位はOECD平均以下で低迷しているが、これは中高年の得点が低いからで、16~24歳では得点は大きく上がり、読解力で4位、数的思考力で5位、ITスキルでは1位と日本の若者をはるかに上回る。
 わずか1世代で知能が劇的に向上するはずはないから、これは明らかに教育の成果だ。なぜ隣国とこれほど大きな差がついたのか、日本の教育業界は国民(納税者)に対して重い説明責任を負っている。
 だが、より深刻な問題はほかにある。
 知識社会では知的な職業スキルが高いほど生産性が高くなるはずだが、日本の労働生産性は主要先進7ヵ国でずっと最低で、アメリカの7割程度しかないばかりか、イタリアやスペインより低い。OECDの報告では、その理由を高い能力が仕事に生かされていないからだとしている。
 男女の社会的な性差を示すジェンダーギャップ指数で日本は世界最底辺の110位だが、PIAACの分析でも、女性のスキルを活用できていないことが男女の収入の大きな差につながっていると示唆されている。
 日本人は能力を無駄にしている
 ここからわかるのは、日本人はたしかに知的には優秀かもしれないが、その能力を駄目にしているという残念な現実だ。それは日本人の働き方が間違っているからであり、さらにいえば、日本社会の仕組みに大きな欠陥があるからだろう。──私はこれを、日本が先進国のふりをした身分制社会だからだと考えている。
 知識社会というのは、定義上、言語運用能力や数学・論理的能力に秀でた者が大きなアドバンテージを持つ社会のことだ。
 高度な知的作業ができるスキルをレベル5とするならば、その割合は読解力でOECDの0.7%(日本は1.2%)、数的思考力で1.1%(同1.5%)しかない。『ウォール街を占領せよ』の運動では、1%の富裕層が富を独占されているとして『We are 99%』と叫んだが、PIAACによれば、これは経済格差ではなく職業スキル≒知能の格差のことだ。
 その一方で、レベル3以下だと、オフィスワークに必要なスキルに達しないとされる。その割合は読解力でOECDの87%(日本は76.3%)、数的思考力では86.4%(同80%)にも達する。
 AI(人工知能)が象徴するように、テクノロジーは驚くべきスピードで進歩しており、労働市場で要求される知能のハードルが上がっている。だが人間は、それに応じて賢くなるようにはつくられていない。知識社会が高度化するにつれて、そこから脱落する者が増えることは必然だ。
 PIAACでは移民出身者のスコアも計測しており、言語的背景が異なる移民のスキルは顕著に低く、とりわけ北欧で(もともと得点の高い)主流派白人との差が大きく開いている。この『スキル格差』が移民出身者の失業率を高くし、生活保護に依存せざるを得なくさせ、その結果、世界でもっともリベラルな国で排外主義的な政党が台頭することになったのであろう。
 人生100年時代を迎え、AIに負けないよう生涯学習すべきだという話になっている。だが日本人の3割、先進国の5割、そしておそらく世界全体ではそれよりずっと多い成人が、問題の解き方がわからないのではなく、問題文が読めない。この現実に対して教育はどこまで有効なのか。
 生得的な知能のちがいに触れることは、これまでずっとタブーとされてきた。だがもはや、知識社会の矛盾を知能の分布を無視して語ることは不可能になっている。
 ポピュリズムに翻弄される欧米を先導役として、私たち日本人も早晩、この『残酷な世界』の現実を突きつけられることになるだろう」
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 日本のレベル低下を証明しているのが、政治家の劣化、役所・官僚や企業・経営者による不祥事、公式な統計数値や検査数値の改竄・捏造・隠蔽である。
 それが、日本の高学歴出身知的エリートの実態である。
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 現在の経営者・企業家は、自己保身欲が強い為に、自分の実績を否定し、自分の地位を奪う恐れのある、才能ある若手を容赦なく潰している。
 その為に、有能な日本人を採用せず、優秀な外国人を後継者候補として採用する。
 日本が口にする将来の為のイノベーションは、嘘である。
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 親の貧困が子供のさらなる貧困を生み、親の貧困によって子供の教育を受ける機会が奪われていく。
 親の貧困が、子供の学力低下をもたらす。
 豊かな親はごく一部で、貧しい親は増えていく。
 少子高齢化による人口激減がそれを加速度的に親の貧困が増え、そして回復不能な状況へと悪化、深刻化していく。
 それを、手をこまねいて傍観するだけで誰も止める事はできない。
 それが、現代日本人である。
 今の大人は、自分の老後の心配をするが、子供や孫達が迎えるであろう悲惨な身の上など気にはしていない。
 全てが、自力救済と自己責任である。
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 将来、日本人は学力の低下によってノーベル賞を受賞できなくなる。
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 子供に対する英語の語学力教育は、ノーベル賞を受賞になんら役立たないどころか、学力を奪っていく。
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 日本人の学力・知識力は、少子高齢化による人口激減で急速に低下していく。
 高齢者の学力や経験は、アナログか旧式デジタルで、最新のデジタルAI時代には役に立たない。
 少子化で減少する若者が、欧米や中国に負けない学力・知識を身につけなければ日本は衰退し、先進国から発展途上国に転落する。
 現実問題として、日本企業は即戦力として最新のデジタルAI時代に必要な人材を日本人ではなく外国人に求め始めている。
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 日本人は、自惚れるほど優秀でもなければ賢くもないし、世界で信用・信頼されてもいないし、愛され好かれてもいない。
 昔の日本人が、賢く優れていても、信頼され信用されていても、愛され好かれても、それは現代の日本人とは無関係である。
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 日本を指導する人材は、日本人であらねばならないという道理はなく、日本が幸せになるのであれば外国人であっても構わない。
 事実、日本人の為の介護や医療現場に外国人労働者を人材として受け入れようとしている。
 日本の未来の為に必要な人材とは、未来を自力で生きられる新しい日本人であって、未来を自力で生きられない古い日本人ではない。
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 日本人は、日本人が思っているほど日本国語に愛着を抱いてはいない。
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 外国人移民・難民が急増すれば、日本国語は変質して新しい日本語に生まれ変わる。
 日本民族日本人が話すのは日本国語であるが、外国人移民・難民が話すのは日本語である。
 将来的に、大量の外国人移民・難民を受け入れて、外国系日本人の人口が急増すれば、文化及び言語の摩擦・対立・差別を避ける為に英語を公用語にした方がいいのかもしれない。
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?41}─2・B─学力で優秀な庶民出の学士が中央のエリート官僚となって権力を握った。松方デフレ。?No.116@    


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 プロフィールに、6つのブログを立ち上げる。?
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・   
 官吏・官僚・役人といっても、幕末から明治時代中頃までと、明治後期から大正時代そして昭和前期までと、戦後の現代では全く異なる。
 何処が違うか、それはグローバルな知識ではなく、ローカルな歴史と伝統による教養と智慧の有無である。
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 明治初政府は、官軍として戦った長州人や薩摩人は下級武士や庶民出が大半で、国政能力がなく官吏として役には多々なった為に、朝敵であった幕臣や諸藩藩士を官吏として登用して政治を行った。
 一兵卒として戦った長州人や薩摩人のうちで希望した役職に就けなかった事に不満を抱いた者は、萩の乱西南戦争など起こしてし戦死した。
 内戦に参加しなかった土佐人などは、自由民権運動を起こして政府と対立した。
 政府は、旧士族ではなく、縁故・血縁・身分に関係なく、庶民出で官学を優秀な成績で卒業した学士を官吏・官僚に登用した。
 ロシアの侵略から命を捨てても祖国を守る職業軍人も、国民皆兵として、特定少数の武士・士族ではなく不特定多数の国民・庶民から学力と体力及び精神力で選抜した。
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 日本の近代化に不幸は、伊藤博文山県有朋など下級武士出身の元勲が全員死亡した後、有能で真面な政治家が出現しなかった事である。
 日本の悲劇は、庶民出での有能なエリート官僚を政治力で押さえる政治家を作り出せない国民性にある。
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 1877(明治10)年 東京開成学校と東京医学校が合併して東京大学が創設された。
 1886(明治19)年 東京大学帝国大学と改称された。
 1897(明治30)年 帝国大学は、東京帝国大学と改称された。
 東京帝国大学は最高学府として、中央エリート官僚を育て、新たな特権階層=学閥を首都・東京で形成していった。
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 1882(明治15)年 軍人勅諭発布。
 1887(明治20)年 勅令39号官吏服務規律(かんりふくむきりつ)発布。
 1889(明治22)年 大日本帝国憲法発布。
 1890(明治23)年 教育勅語発布。
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 時代によって日本人は変わってきている。
 和魂和才。
 和魂漢才。
 和魂洋才。
 洋魂洋才。
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 朱子学儒教価値観による日本解体。神仏分離令、神社合祀令、国家神道創設。
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 本田靖春私見をいわせていただくなら、過去に日本を大きく誤らせるについて、もっとも効果的にこれを助けたのが、東大出の秀才と、陸大出の秀才であった。劣等性は、おのれを間違わせはするが、その累(るい)を国家・社会に及ぼすことはない」
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 大正から昭和前期にかけて日本には救いがなかった。
 権力を持った官僚の多くは、経済界と癒着し旨い汁を吸い、国民生活の安定ではなく企業の売り上げ増に協力していた。
 政治家は、政権を取り合い為の党利党略に狂奔し、貧困に苦しむ国民の惨状から目を逸らしていた。
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 大正時代から各大学にマルクス主義が浸透し、一部の秀才は共産主義に染まっていた。
 革新官僚、エリート官僚は、マルクス主義者であった。
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 2019年2月号 WiLL「刑事訴追のプロセスこそ  上念司/倉山満」
 ……
 日本の二大岩盤規制
 上念 99.9%有罪というのが、そもそもおかしい、官僚は神様のごとく賢いという幻想を守るために必死なんです。
 倉山 上念さんが新刊『日本を亡ぼす岩盤規制』(飛鳥新社)で指摘していますが、まさにその通り。制度疲労状態じゃないですか。
 上念 そうなんだろうね。
 倉山 上念さんの本を読んで、日本の二大岩盤規制を発見しました。
 上念 なんでしょうか。
 倉山 一つが財務省の『主計局』。歳入と歳出が一円単位でも合うことを売りにしていますが、そんなことをする会社が、この世の中に存在すると思いますか。
 上念 ないね。
 倉山 ところが、そのことをアピールしまくった結果、財務省主計局の人間は優秀であるという幻想が広がり、日本国中が騙されてしまっている。そんな優秀さ、いらんですが。
 上念 予算より決算のほうがむしろ大事でしょう。
 倉山 ちなみに決算管理は、財務省主計局司計課が担当しています。この課の歴代課長の学歴を見ると驚きますよ。
 東大法学部出身は一人もいない。高卒や短大卒などで、司計課一筋のノンキャリ官僚の指定席です。
 上念 でも、優秀な人間が多い。
 ……
 上念 あともう一つは何ですか。
 倉山 『内閣法制局』です。
 上念 行政府内における法令案の審査や法制に関する調査などをする機関だ。
 倉山 日本の法律は矛盾なく完璧に出来上がっているという幻想があります。政府が法律をつくりたいと思ったら、法制局に審査してもらう。それで『OK』が出たものしか国会を通せないのです。
 政治家がやりたいことに対して、法制局は拒否権を持っているし、財務省すら逆らえない。
 地方をバカにする中央官僚
 上念 財務省の構図は大東亜戦争と同じ。下士官以下はものすごく奮闘しているのに、大本営がバカぞろいだった。
 倉山 しかも出世コースを歩んでいる人間が現場にドロをかぶせていました。
 上念 日産と同じです。ルノーに売られる前まで、現場の人間は頑張っていたし、いい車をつくる力はあった。ところが、経営者や労働組合の幹部がバカばかり。
 ゴーンのやった経営再建はしがらみを全部切って、特別損失を出して、普通に営業して利益を出すという、極めて当たり前のことをやっただけです。旧日産の経営陣がゴーン批判をしているけど、そもそも彼らに統治能力がなかったから、こんなことになったんです。
 倉山 東芝も一緒でしょう。
 上念 フラッシュメモリを開発した桝岡富士雄さん(東北大学名誉教授)を干して、サムスンにタダ同然での技術をあげちゃった! あえて言おう、バカであると。
 倉山 こうした体質は皇室にも累(るい)を及ぼしています。秋篠宮さまの発言に関して、『皇族が政治的な発言をするのはいかがなものか』という意見が出ています。大嘗祭(だいじょうさい)を慎ましやかにやりたいとおっしゃったその真意は、国費でやると、憲法のもとで官僚に好き勝手にコントロールされてしまうことをご懸念になったんです。
 大喪(たいそう)の礼のとき、午前中は皇室行事だったから神道式の鳥居があったのですが、午後は国事として扱われたので、鳥居はすべて撤去されてしまった。政教分離の原則を守るというお題目に縛られていたんですよ。
 上念 まさに岩盤規制の成れの果てだね。
 倉山 官僚が皇室の伝統を決めていたのでしょう。官僚が、やっていいことと、やっていけないことを、勝手に決めているだけです。しかも、その根拠は日本国憲法であり、皇室の伝統なんて無視しています。
 上念 その通り。とにかく日本の官僚はさまざまな分野に介入しすぎている。これだけ資本主義も成熟し、個々人の権利も尊重される世の中になったのに、官僚はいまだに『大衆はバカだ』と思っている。『我々が導かなければ、間違った方向に進んでしまう』と。
 ある省庁の官僚は『地方に金を渡したら、あいつらバカだから、ロクなことになりませんよ』と言っていましたから。
 倉山 シャレになりません。子どもを過保護に育てて子育てに失敗した母親のようなものです。民間に任せると失敗するかもしれないと官僚は言いますが、あなたたちに任せるほうが失敗する確率が高いこともたくさんある。
 上念 さらに御用学者は、各省庁の走狗(そうく)と化している。それで岩盤規制をより強固にしているんです。
 初代官僚任せの総理大臣
 倉山 過去の総理大臣を調べていて、初代『とりあえず、官僚に任せておけ』総理大臣を見つけました。
 上念 誰ですか。
 倉山 松方正義です。
 上念 第4代総理大臣だ。松方デフレが有名ですね。
 倉山 松方は薩摩藩出身ですが、政治オンチ。大命が降下した後、前内閣の閣僚をとりあえず留任させました。組閣すらマトモにできないからです。組閣の5日後、『大津事件』(1891年5月11日に日本を訪問中のロシア帝国皇太子・ニコライが、滋賀県滋賀郡大津町で警備にあたっていた警察官・津田三蔵に突然斬りつけられ負傷した暗殺未遂事件)が起きた。引責辞任する大臣が3人出たのですが、それから続々と辞任する大臣が出てきた。一ヶ月もすると、元老が一人もいなくなり、レームダック(死に体)です。
 さらに、第2回衆議院総選挙(1892年)で『選挙大干渉』をするが、内務省の白根専一次官が大臣の首を切ったりした。松方をはじめほかの大臣も権威がないから、官僚に舐(な)められっぱなしでした。
 そこで明治天皇が見るに見かねて『長州で何とかしろ』と、伊藤博文山県有朋井上馨に事態の収拾を指示したのです。
 上念 おお、協力メンバー。
 倉山 伊藤は早速『元勲総出内閣』をつくり、内務省に井上が大臣として乗り込んだ。その瞬間、官僚たちが全員大人しく従うようになった。実力官僚が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)するウラには、無力な政治家が存在している構図は明治以来ずっと続いているんです。
 上念 今はもっとひどくなっている。民意を受けて国会議員になっても、結局、公約をほとんど実現できずに終わっています。民主党政権なんか本当にひどかった。
 倉山 安倍内閣も半分ほどでしょう。
 上念 そうだね。アベノミクスは評価しよう。失業率は減少し、就業は増加、自殺率も減少している。ただ『前よりはよかった』と、『本来であればもっとできる』というのは別次元の話です。この違いをわからない人たちが多い。それで『安倍礼賛』か『安倍死ね』かに極端に分かれてしまうんです。
 どうして政治家の理念が実行されにくいかと言えば、これまでも話してきているように、官僚機構が邪魔しているからです。
 倉山 なぜ官僚はそれほどまでに強いのか。
 上念 さまざまな規制を差配し、手心を加えてコントロールすることで、制度自体を守ろうとする勢力を育てている。たとえば、孫正義さんがボーダフォンを買収したとき、『NTTにばかりいい周波数を割り当てやがって』と文句を言っていた。
 ところが、総務省ソフトバンクにも周波数を割り当てるようになったら、孫さんもすっかり矛(ほこ)を収めてしまった。極端な例で言えば、チャイナがそう。あらゆるものを規制しているので、共産党の権力が途轍もなく肥大化している。
 倉山 さすがに日本はそこまでではないでしょう。
 上念 岩盤規制が打ち砕かれてきた歴史はある。昔の国鉄(現在のJR)や電電公社(同NTT)、専売公社(同JT)など。
 ただ、JTなどはいまだに財務省が株を持って幅をきかせている。岩盤規制を打ち破るのが政治の役割ですが、安倍政権でも進んでいないのが実状です。
 中国を笑えない
 ……
 倉山 1円でも予算を修正しようものなら大事件です。過去、福田赳夫内閣でその事例がありました。これほど強力な権力を財務省は握っているわけだから、官僚国家になるのは当たり前でしょう。
 上念 むべるかなです。官僚が介入することで、世の中が豊かになったり、幸せになるんだったらいい。でも、そんなことはない。確かに官僚は優秀かもしれない。でもその多くは、学生時代、学力テストが得意だったに過ぎません。その中で本当の意味での天才は1割もいない。
 倉山 大学の試験や国家公務員試験は、早熟な人間かどうかを見極めるためのテストです。大器晩成型や働き始めて成長する人間なんてごまんといます。でも、そういった人間はすべて切り捨ててしまから、組織内で画一化されてしまうんでしょう。
 上念 そもそも未来予測なんて難しいですよ。誰にでもできることじゃない。ところが、学力テストがやっていることは、出題者の意図を忖度し、時間内に正確に答えるだけ。
 倉山 採点基準を満たせばいい。
 上念 でも、答えがはっきりわからない市場では、そんなノウハウはまったく通用しない。だから、現実を前にして右往左往してしまう。
 倉山 まさに大日本帝国の末期が、同じ状況でした。陸海軍の士官学校で、教官の欲している 答えを書けば『優』がもらえた。でも、戦場ではまったく無能だったりします。
 上念 それはいわば科挙ですよ。チャイナは科挙を2000年も続けて、結果どうなったのか。巨大なパクリ国家が誕生しただけ。
 一帯一路は日本の『円圏』構想のパクリだし、債務トラップの古典的な植民地支配のパクリ。
 倉山 新植民地主義でも何でもない。19世紀にやっていたことをなぞっているだけ。
 上念 技術もしかりです。でも、日本は中国を笑うことはできない。規制があって、それを緩和したり、強化しながら、民間業者から金を巻き上げている。そこで利権集団をつくって、そこの金や票を政治家に廻し、甘い蜜を吸う・・・。
 儲からない仕組みづくり
 ……
 一回の処方に5種類の薬
 ……
 1%ドクトリン
 倉山 この対談を通じて、上念さんが何を書きたかったのかがわかりました。
 上念 なんですか。
 倉山 日本を滅ぼすのは『パターナリズム既得権益者』であると。
 上念 おお、まさしくその通り!こいつらは『こうしたほうが幸せですよ』と押し付けてくる。
 倉山 余計なおせっかいですよ。
 上念 それが岩盤規制の正体です。
 倉山 頭のいい官僚がパターナリズムを決定し、政治家が実行して、業界がぶら下がる。……」
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 ウィキペディア
 官吏(かんり)とは、公法上の任命行為に基づいて任命され、官公庁や軍などの国家機関に勤務する者を指す。憲法により指す内容が異なる。「官人胥吏」の合成語。
 大日本帝国憲法の下では天皇の官制大権および文武官の任免大権(大日本帝国憲法10条)によって任免される者を指し、軍務に服する武官とそれ以外の文官を包含する。

 明治維新後の官吏制度[編集]
 詳細は「近代日本の官制」を参照
 1868年1月3日(慶応3年12月9日)、維新政府は王政復古の大号令を発した翌日、総裁・議定・参与からなる「三職制」を定めた。そして、参与としての人材を得るため、徴士・貢士制を定めて各藩から藩士を集めた。特に徴士として集められた者は藩との関わりを断ち、朝廷の直臣となることが要求された。ただし、これには木戸孝允のような維新に功績があった藩の出身者ほど抵抗が根強かったという。
 五箇条の御誓文に続き制定された政体書においては、官吏の公選がうたわれ、1869年(明治2年)5月に最初の選挙が実施されたものの、その結果は藩閥勢力の均衡に配慮したものとなるなど、不十分であった。その後も薩摩・長州出身者から官吏を登用されやすい傾向があり、地縁・縁故を重視した藩閥政府が形成された。薩長閥とも呼ばれる。
 この情況を憂えた伊藤博文は、1882年(明治15年)のヨーロッパ訪問調査団において、ドイツ・フランスが官吏養成所を作り、各界各層から広く人材を求めて成功した事例を調査させた。帰国した伊藤は、1885年(明治18年)に内閣制度を定めて内閣総理大臣に就任すると、1886年明治19年)に帝国大学令を定めて東京大学帝国大学とし、藩閥にとらわれない官吏養成機関(主として文官の養成機関)とした。後に実力別に選抜を行う制度も行われ、各階階層から人材を集めることとなった。
 翌1887年(明治20年)には文官試験試補及見習規則を定め、これに基づく試補試験を実施して各省は試補として採用した(初年度は合格者なし)。この試験は専門学校(後の私立大学。学士の称号は得られないとされた)出身者に受験資格を付与した。帝国大学の法科大学・文科大学の卒業者は、この試験を経ずに各省の試補として採用され、こちらの方が採用人数は多かった。入省後、学士試補が主流で試験試補は傍流という実質的な差別待遇も行われ、後の官学・私学による待遇格差の遠因となる。
 他方、文官と共に官吏をなす武官についても、明治時代は薩長閥によって占められる状況が続いた。1869年(明治2年)二官六省が置かれ、兵部省の下に軍人が統括された(1872年(明治5年)、陸軍省海軍省に分割)。この制度の下では、軍人も未だ文官の一種に過ぎず、太政大臣兵部卿(後、陸軍卿・海軍卿)の下に置かれる。

 大日本帝国憲法施行期の官吏制度
 大日本帝国憲法下の官吏制度
 1889年(明治22年)に大日本帝国憲法が制定され、翌1890年(明治23年)に第1回帝国議会が開催される。議会は「民力休養」を求める民権派が大勢を占め、政府も歳出抑制を図るため官吏の採用抑制を行った。このため、同年には試補試験が中断された(司法官試補試験は翌年まで実施)。
 再度内閣総理大臣となっていた伊藤博文は、1894年(明治27年)、行政制度再編の一環として文官任用令と文官試験規則を定める。この文官任用令と文官試験規則により、技術官でない高等文官は文官高等試験合格者から採用されるのを本則とした(以下、詳細は文官の項目を参照のこと)。
 大日本帝国憲法は、天皇大権として官制大権および文武官の任免大権を定め、官吏制度はこの大権に基づき、勅令を以て定められた。そのため、現行の国家公務員法に当たるような官吏制度に関する統一的な法律はない。
   ・   ・   ・   

  土着性の強い日本人にとって支配者・権力者は風の様な存在で、如何に甚大な被害をもたらす暴雨風でも何時かは通り過ぎてしまう。
 誰が、権力者として支配者になろうと無関心であった。
 その証拠に、敗戦後アメリカ軍に占領支配されても、誰一人抵抗運動や解放闘争をしなかった。
 それどころか、占領支配に積極的に協力し、日本の機密情報を聞かれもしないのよ喜んで貰えると思い込んで流して、日本に損害を与えても恥じるどころか自慢していた。
 その傾向が強かったのが、反天皇反日派日本人共産主義者マルクス主義者)であった。
   ・   ・   ・   
 日本人は、日本の支配者が日本人以外のアメリカ人、中国人、朝鮮人、ロシア人、ユダヤ人でも、或いはAIであろうとロボットであろうと唯々諾々と受け入れる。
 自意識の弱い日本人は排外主義も弱い為に、1,000万人の外国人(主に中国人)移民・難民を受け入れても、欧州のような異民族に対する差別、迫害、暴動は起きない。
 つまり、日本人は日本民族に対する愛着は薄い。
 何故なら、日本人は雑種の混血民族であり、伝統・文化・言語・宗教その他諸々の民族のモノとされた大半が海の外から流れてきた渡来に過ぎないからである。
 その証拠が、祖先の日本人が奴隷として海外に売られた歴史的事実がありながら、誰も非人道的重犯罪と問題にしない。
 日本人とは、その程度の人間でしかない。
 その傾向は、現代日本人に強い。
 親米保守派も反米護憲派も、左翼・左派・ネット左派そして右翼・右派・ネット右翼も、そうした日本人である。
 日本が中国共産党の支配若しくは影響下に組み込まれても、現代の日本人であれば誰も文句を言わないだろうし反抗も抵抗もしない。
 それ故に、日本の国土や企業が中国共産党系中国軍系中国資本に買われていても、疑問に思う日本人はいないし、不安を感じる日本人もいない。
 将来、ローカルな日本民族は確実に消滅、絶滅する。
 だが、グローバルな日本人は残る。
   ・   ・   ・   
 江戸時代。幕府や大名は、租税・年貢の取り立てで百姓に苦労させられ、金融経済で商人に手を焼き、借金で豪商や豪農に頭が上がらなかった。
 武士は、庶民を身分が低い卑しい輩と見下していた。
 幕府や各藩は、財政赤字を少しでも解消する為に、武士株を裕福な庶民に売り、武士株を手にした庶民を士分に取り立てた。
 その為に、下級武士には成り上がりの俄武士が少なからず存在し、俄武士は由緒ある家に養子に入り出世していった。
   ・   ・   ・   
 武士には、世襲武士と俄武士があり、俄武士には金で成り上がった武士と才能業績で武士になったの2種類が存在していた。
 荒っぽく言えば、世襲武士は保守派・守旧派で、成り上がり武士は改革派であった。
   ・   ・   ・   
 戦国時代。中世キリスト教会や白人キリスト教徒商人は、日本人を奴隷として売り捌いて大金を稼いでいた。
   ・   ・   ・  
 個人と家に対する考え方は、日本と中国・朝鮮とでは違っていた。
 俄武士は、町奉行勘定奉行、郡奉行、代官などに就任した。
 役職と「家名」は一体である為に、他家の姓名を持った者は役職には就けなかった。
 家には先祖から最高役職が定められていて、その役職に就く為にはその家名を名乗る必要があった。
 下級武士だが有能な武士は、その役職に就く為に役職に就く資格のある家の養子となった。
 武士が、命より家名を優先したのはこの為である。
 家格を重んずる武士は、資格を持った家名を守る為に、有能な下級武士を養子に迎えて家を継がせた。
 武士にとって大事なのは、血のつながりとしての血筋ではなく、格式ある家柄・家格であった。
 庶民上がりの俄武士は自分の才能に自信があるだけに、格式ある家名は仕事をする為の表札・看板にすぎない。
   ・   ・   ・   
 個人は出世すると、日本の伝統に従って役職に相応しい由緒ある家名や姓名に改名した。
 家系において、家名と血筋は別物であった。
 家督相続とは、血筋には拘らず、家名を受け継ぐ者の事である。
 家の資産は、血筋ではなく家名を受け継ぐ者に祖先からの菩提寺・墓・位牌そして氏神神社と共に引き継がれ、血の繋がった子供だからとして受け継がれる事はなかった。
 それが、日本の家系図である。
 日本社会とは、養子社会であった。
   ・   ・   ・   
 護憲派人権派は、日本を回復不可能な状態まで衰退させ、日本民族日本人を再生できない状態まで追い込もうとしている。
   ・   ・   ・   
 世襲武士は、金成り上がり武士や才能業績の武士などの俄武士に対して、精神的に追い詰める嫌がらせ・意地悪・イジメを繰り返していた。
 武士社会とは、命をも奪うブラック社会であった。
   ・   ・   ・   
 戦乱のない江戸時代。庶民は、世襲武士を仕事をしない穀潰しと軽蔑し、庶民から成り上がった俄武士を蔑視し、御家騒動切腹させられる武士をくだらない奴らだと嘲笑していた。 
   ・   ・   ・   
 切腹させられる武士は、世襲武士ではなく俄武士に多かった。
 武士の切腹とは、権力を持ち、権力に溺れ、権力を振るう事で高慢になった俄武士に対し、権力者の諫めとして存在していた。
 それが、分相応、分を弁える、武士の嗜みである。
   ・   ・   ・   
 命が惜しい武士は、武士という身分を捨てて百姓や町人になった。
 百姓になった元武士にとって、「家柄よりも芋がら」であった。
   ・   ・   ・   
 俄武士は、世襲武士に比べて庶民に対して陰湿であり陰険であった。
 武士道・士道は、そうした庶民上がりの俄武士の為に存在していた。
 戦国時代から主君を守ってきた歴史を持つ世襲武士には、武士道・士道を子弟に教えなくとも戦い続けてきた家の系図を見せるだけで事足りたからである。
 歴史は、理屈ではなく事実であった。
 俄武士は、滅私奉公という家の歴史を持たないだけに、精神的拠り所として武士道・士道を必要とした。
   ・   ・   ・   
 武士は、西洋の騎士や紳士とも違うし、世界の王侯貴族とも違う。
 武士は日本だけに存在し、中国や朝鮮にはいなかった。
 日本で、反宗教無神論及び家否定のマルクス主義共産主義)が根付かないのはこの為である。
   ・   ・   ・   
 明治新政府は、ロシアなどの侵略を撃退し、日本の亡国と植民地化を阻止し、日本人を白人の奴隷にしない為に、近代教育と軍国主義化と殖産興業を強権を持って推し進めた。
   ・   ・   ・   
 新国家建設の為には、全国から身分に関係なく優秀な人間を官吏として取り立てて仕事をさせる必要があった。
 その為には、官吏を養成する西洋式近代教育機関=学校の新設と、卒業生に対する官吏登用試験の整備が急務であった。
 官吏登用は、世襲武士だけではなく庶民(百姓や町人)にも道が開かれた。
   ・   ・   ・   
 明治が、江戸時代までの日本とは違う日本に変貌していったのは、庶民が官吏登用試験に合格し官僚となり政治に深く関わり始めたからである。
 ただし、山県有朋などの明治維新の元勲が存命中は、日本は大きな誤りを犯す事なく政治・外交・軍事を行っていた。
 大正中期以降に、力ある元勲が死亡して人数が減少し、第2世代である庶民出の高学歴出身知的エリート重臣達が政治の実権を握り、学識頼みの外交政策が国家運営をおかしくしていった。
 それは軍部でも同じ現象が起きていた。
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 大正期や昭和初期における世襲の政治家・官僚・軍人は、江戸時代からの世襲武士階級ではなく、明治維新後の学歴偏重の庶民出身者であった。
 世襲武士階級は、日本儒教朱子学の温厚解釈による儒教教養を持っていた。
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 庶民出の高学歴出身知的エリートは、武士的儒教教養を野蛮と軽蔑し、さりとてキリスト教価値観による西洋教養が理解でない為に、中華儒教朱子学固執して「国體論」を創作するか、マルクス主義に染まって人民革命を目指した。
 大正中期 江戸時代から受け継がれてきた武士道・士道は、官吏養成の最高学府で抹殺された。
 昭和前期の忠君愛国は、明治までの武士道・士道とは本質的に違う。
   ・   ・   ・   
 庶民出の高学歴出身知的エリートには、自己の権力を守る為の主義はあっても、思想も哲学もない、そして文化的素養もなく、文化に対する理解力も持ってはいなかった。
 精神論を声高に叫ぶ高学歴出身知的エリートほど内面はカラ、空虚である。
   ・   ・   ・   

 

🌌33}─2─外来種は在来種を駆逐して棲息圏を広げていく。~No.162No.163No.164 @ 

外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD

外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 命大事とする生物愛護団体や生物愛好家は外来種を守ろうとする。
   ・   ・   ・   
 生き残る生物種は、体格の高低や力の強弱や知能・才能の優劣でもない。
 自然環境や環境の変化に適応力が優れた種。
 生殖機能が活発な種。
 性欲が強い種。
 繁殖能力が高い種。
 自然は苛酷で残酷で容赦なく、優しく甘いと生きられない。
 それは、人類種、人間でも同じである。
   ・   ・   ・   
 日本列島に生息している在来種の祖先は、自ら海外から移り住んだか、日本人が連れてきた生き物である。
 弱肉強食と自然淘汰で、日本の自然に適応できた生物のみが生き残る。
 在来種であれ、外来種であれ、生き残る生物は生き残り、絶滅する生物は絶滅する。
 それが、自然の掟である。
   ・   ・   ・   
 日本の自然を破壊するのは、日本人の偏狭的動物愛護団体と自意識過剰な動物愛好家である。
   ・   ・   ・   
 外来生物好きな日本人が日本の自然や生態系を破壊し在来生物を絶滅の危機に追い遣っている。
   ・   ・   ・   
 金儲け主義の強欲な日本人ペットショップ経営者は、日本の自然・環境・生態系を破壊する事を知りながら危険な動植物を密輸入して販売している。
   ・   ・   ・   
 日本人は自然を愛すると言うのは、真っ赤な嘘である。
   ・   ・   ・   
 2017年6月22日 産経ニュース「【関西の議論】「安易に川に放すな!」外来肉食魚アリゲーターガーVS漁協 捕獲作戦の電気ショックで浮かんだ危惧
 兵庫県たつの市で今年5月に釣り上げられたアリゲーターガー。在来魚を食い荒らす凶暴さで知られている(揖保川漁協提供)
 兵庫県西部のたつの市を流れる揖保川の水面に黒い影。「ワニではないか」と地元で噂が広がった。ワニのわりには一回り小さい。捕らえてみれば見た目は獰猛(どうもう)なワニだが、外来肉食魚の「アリゲーターガー」だった−。見た目だけでなく、在来魚を食いまくる凶暴さを持ち合わせる〝モンスター〟が目撃されたのは昨年6月。アユやウナギを食い荒らされ、怒り心頭で捕獲作戦に乗り出したのが地元漁協だ。6度に及んだバトルは苦戦の連続だった。最初の目撃情報から1年を経て、1人の〝救世主〟が登場した。「アリゲーターガーを食べてみたい」と訪れた釣り人が先月、1匹を釣り上げたのだ。だが、漁協は「複数いるようだ」と警戒を怠っていない。アリゲーターガーVS漁業の全容とは。(坂田弘幸)
 ついに〝御用〟
 「やっぱりいた」
 大型連休明けの5月8日、兵庫県姫路市の釣具店から揖保川漁協(同県宍粟市)に、揖保川で捕獲されたアリゲーターガーを冷凍庫に保管しているとの連絡が入った。その知らせに組合員は沸き立った。
 体長1.09メートル、重さ9.6キロの丸々とした全身。引き取りに行った組合員はその姿に目を丸くし、「俺たちはこんなのを捕ろうとしていたのか」と顔を見合わせた。
 釣り上げた姫路市の会社員の男性(32)が取材に応じてくれた。男性は釣り歴25年。揖保川アリゲーターガーが問題になっていると知り、5月2日夜、下流域に1人で出掛けた。普段はブラックバスやコイなどを釣っていて、アリゲーターガーに挑戦するのはこの日が初めてだった。
 午後9時ごろ、川にさおを垂らした。タチウオ用のワイヤとチヌ用の針に、餌はスーパーで購入したサンマの切り身。当たりがあったのは午後9時40分ごろ。引きが異様に強い。10分ほどかかって、激しく抵抗するアリゲーターガーを釣り上げ、最後は川に入って抱き上げた。
 「すごく重量感があった。運良く釣り上げることができた」と振り返る。
 当初、アリゲーターガーを食べようと思っていた。米国では肉がスーパーの店頭に並ぶ。硬いうろこに包まれ、身に脂がほとんどなく、パサパサした鶏肉のような白身の肉だ。「寄生虫が怖いのでしっかり油で揚げてフライにする」という予定だったが、あまりの大きさに断念した。
 対応に困り、引き取ってもらおうと地元漁協に連絡したところ、大型連休中のため不通。そこで預けた場所が姫路市内の釣具店だった。
 「なんでこんな魚がいるのか」
 アリゲーターガーは北米原産でミシシッピ川流域などに生息する外来魚。ほかの魚類や甲殻類を食べる肉食性で、大きいものでは体長3メートルほどにまで成長するという。水鳥を捕食することもある。ワニのような鋭い歯と長い口が特徴だ。
 環境省は平成30年4月に外来特定生物に指定する予定で、輸入を原則禁止する方針。現在、飼育している個体も許可を取る必要がある。
 同省によると、約20年前からペットとして国内に輸入されるようになった。幼魚は10センチほどの大きさで独特の姿が愛好家の間で人気になったが、1年で1メートル以上に成長するため、飼育に困った人が川や池に捨てたとみられる。全国でも目撃され、固有の在来種を食い荒らすとして、各地で被害が懸念されている。
 そんなアリゲーターガー揖保川で初めて確認されたのは昨年6月14日。
 「見たことがない魚がいる」。ウナギの生息調査に訪れた揖保川漁協の組合員2人が川を泳ぐ姿を目撃し、写真の撮影にも成功した。その日は晴天で風もなく、10分間同じ場所に浮いていた。その後、水中に沈んでいったという。
 同漁協の横田辰夫理事(65)は「なんでこんな魚がいるのかと驚いた」と語る。
 揖保川は、北部の宍粟市からたつの市を経て瀬戸内海に流れる川。アユ釣りの全国有数の名所で現場周辺はアユの産卵場だった。数年前からはニホンウナギを保護する活動も行う。同漁協はこうした在来種が食害で減るのを懸念し、捕獲作戦の実施を決めたのだ。
捕獲作戦を決行したものの…
 捕獲作戦は昨年8〜11月に行われた。
 まず釣りやはえ縄で捕まえようとしたが空振り。水草を模したオリジナルの仕掛け針も使ってみたところ、捕れたのは外来魚のライギョばかりだった。
 11月には全国内水面漁協組合連合会(東京)から水中に電気を流す「電気ショッカーボート」を借りて臨んだ。電気ショックで魚を気絶させようと、水中に電気を流した。しかし、水面に浮かんできたのは外来魚のライギョブラックバスばかりで、アリゲーターガーの姿はなかった。
 動きが鈍くなる冬になったので作戦は中止に。今年の春になり、捕獲作戦の再開を検討していた矢先、先の釣り人が1匹釣り上げた。ただ、同漁協は警戒を緩めない。「複数いた」という目撃情報もあり、再び確認されれば作戦を再開するという。
 昨年の電気ショッカーボート作戦では、実は在来魚の姿も確認できなかった。アリゲーターガーに食われたのではないかと漁業被害が危惧されているのだ。
 解剖でも胃袋は空っぽ
 同漁協は釣り上げられたアリゲーターガー姫路市立水族館に持ち込み、解剖してもらった。何を食べているのかなど、生態系への影響を調べることが目的だったが、胃の中には何も入っていなかった。
 同館では過去に県内のため池などから発見されて持ち込まれた4匹を飼育している。動きは鈍く、水槽でじっとしていることが多い。掃除などで職員が水槽に入っても、かまれたことはない。
 今回、解剖したアリゲーターガーを剥製にして館内に展示し、外来魚が生態系を壊す危険性を訴える予定だ。
 「国や自治体が啓発すべきだ」
 ペットとして飼育された後に放流されたとみられるアリゲーターガーは、全国各地で目撃・捕獲情報が相次いでいる。
 名古屋市では5月17日、名古屋城の外堀で捕獲された。市によると、体長約1.4メートル。推定年齢10歳の成熟した雄で、繁殖可能な状態だった。平成21年に生息が確認されたため、ボランティアらが何度も捕獲に取り組んでいた。
 さらに滋賀県の琵琶湖で存在が確認されているほか、兵庫県内でも、神戸市や加古川市などのため池で水を抜いた際に捕獲された例がある。
 環境省外来生物対策室は「今のところ、漁業被害の実態は不明だが、幼魚の捕獲はなく、まだ日本で繁殖はしていないのでは」としている。
 名城大理工学部の谷口義則准教授(魚類生態学)は「アリゲーターガーの寿命は50年以上ともいわれ、長期にわたる影響が考えられる。川などに一度放されると捕獲は難しい」と指摘。「小さくてかわいいからと飼育する人も多い。大きくなると飼えないことになるということを国や自治体がしっかりと啓発すべきだ」と話した。
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 9月16日 産経ニュース「【主張】アメリカザリガニ 自然界に放すのはやめて
 少年少女の皆に守ってほしいことがある。
 君たちの中にはザリガニを飼っている人もいるだろう。赤茶色で大きなハサミを振りかざすアメリカザリガニだ。
 このザリガニを川や池などに放さないでもらいたい。絶対に、だ。
 この夏、生物観察でアメリカザリガニを飼育していた人は、まとめが終わったことだろう。新学期になったので彼らを自由にしてやろうと思うかもしれないが、それは厳禁だ。
 自然界に出たアメリカザリガニは、雑食性で猛威を振るう。
 トンボの幼虫のヤゴや、ゲンゴロウといった水生昆虫を食べてしまう。貝類も被害を受ける。タナゴは二枚貝に産卵するので、ザリガニが増えるとタナゴたちは姿を消してしまうことになる。
 アメリカザリガニ水草類も盛んに食べる。そのとき、ハサミで水草の茎を切る。大型の個体ほど植物を好むので大変だ。
 アメリカザリガニの増加によって、希少なオニバスが消えた例もある。
 水生植物がなくなると底の泥土が舞い上がりやすくなり、それまで澄んでいた水が濁る。水中では太陽光線が不足してプランクトンの顔ぶれも変わるなど環境は一変してしまう。
 こうして日本固有のいろいろな生物が水辺の生態系から消えていく。ペットとしても人気のあるアメリカザリガニが、これだけの悪さをするのは、彼らが外来生物であるからだ。原産地では天敵も多く、むやみに増えることはないが、日本などの新天地では、歯止めのかかる仕組みがない。
 日本には昭和5年ごろから入ってきていたが、近年の農薬使用の減少などで急速に増えだした。分布の拡大には、ペットや飼育観察用のザリガニの放出が関係しているとみられている。
 ザリガニのために良かれと思っての「善意の放流」が、里地の池沼や小川をはじめ、都会の公園の池の中の生態系を破壊する。温暖化も作用して冬眠することなく活動する例もある。
 アメリカザリガニ食を勧める声もあるが、寄生虫がいる場合も考えて十分な加熱と調理器具を別にするなどの注意が必要だ。
 繰り返すが、アメリカザリガニを自然界に放してはいけない。学校や家庭での指導の徹底も期待したい。」
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外来種のウソ・ホントを科学する

外来種のウソ・ホントを科学する

🌌33}─1─ヒトとモノの移動によって外来有害生物が渡来する。猛毒ヒアリと一帯一路。~No.159No.160No.161 @ 

終わりなき侵略者との闘い~増え続ける外来生物~ (小学館クリエイティブ単行本)

終わりなき侵略者との闘い~増え続ける外来生物~ (小学館クリエイティブ単行本)

  • 作者:五箇 公一
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  • 発売日: 2017/07/11
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   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2017年7月2日 産経ニュース「【動画あり・クローズアップ科学】猛毒「ヒアリ」日本侵入 強い攻撃性、国内定着の恐れも 他にもこんな外来有毒生物が…
 身近に迫る外来有毒生物
 極めて強い毒を持ち、殺人アリとも呼ばれる南米原産の「ヒアリ」が日本で初めて発見された。5月の兵庫県に続き愛知県でも見つかり、侵入拡大が懸念される。国内に定着した有毒な外来生物は多く、環境省は警戒を強めている。(伊藤壽一郎)
 火のような痛み
 「刺されたときは火蟻(ひあり)の名前の通り、火が付いたような痛みが走った。軽いアナフィラキシーショックで目まいや動悸(どうき)が起き、瞳孔が収縮して視野が狭まった」
 アリの生態に詳しい九州大の村上貴弘准教授は、2010年に台湾でヒアリに刺された経験をこう語る。
 体長2・5〜6ミリで赤茶色のヒアリは目立たず地味だが攻撃性が強い。草地に作るドーム状のアリ塚を壊すと腹部先端の毒針で襲ってくる。村上氏も調査でアリ塚を掘り起こしたら、何百匹も一斉に手足に登ってきて手袋や衣類の隙間に入り込み、刺された。
 毒の主成分は細胞を破壊するアルカロイド系の有機化合物で、傷口周辺が腫れてニキビのようなうみが出る。痛みは2週間程度続くという。
 アレルギー反応を起こすハチの毒に似たタンパク質も含む。急激にアレルギー症状が出る重篤アナフィラキシーショックを起こすと死亡する恐れがあり、米国では毎年100人以上が死亡している。
 ヒアリの毒は本来、狩りに利用するためのものだ。ヒアリは植物も食べるが、昆虫の幼虫やミミズ、カエルなどの小動物を見つけると集団で襲って捕食する。毒は生存に必要な武器なのだ。
 だが人間には非常に危険なため、環境省は見つけたら絶対に触らず同省の出先機関などに連絡するよう求めている。刺されたら20〜30分程度は安静にして、重い症状が出たらすぐ病院で診察を受けるよう呼び掛けている。
 貿易拡大で上陸
 ヒアリは1942年まで原産地の南米中部でしか見つかっていなかった。だが国立環境研究所の五箇公一室長は「現在は日本を含む環太平洋の15カ国・地域でも発見されている」と話す。
 侵入先は当初、北米やカリブ諸国が中心だったが、今世紀に入ると5年間でマレーシア、オーストラリア、台湾、ニュージーランド、中国と一気に広がった。
 背景には中南米の急速な開発がある。経済発展が続く中国や東南アジア向けに多くの農産物や資源を輸出するようになり、紛れ込んだヒアリが貨物船などで各地に運ばれた。日本への侵入も時間の問題だった。
 繁殖力の強さも生息地の拡大に拍車をかけた。普通のアリは一つの群れに女王アリは1匹だが、ヒアリは数十匹もいる。女王アリは1日に数千個の卵を産み、大きい巣だと群れは100万匹を超える。アリ塚は深さ10メートル以上に及ぶこともあり、駆除は難しい。
 早期駆除が重要
 国内では5月26日、中国から到着した貨物船のコンテナを兵庫県尼崎市で開けた際、コンテナ内で初めて発見。6月16日には、このコンテナを一時保管していた神戸港で群れているのが見つかった。
 いずれも駆除されたが、これを受け国土交通省は全国の主要港湾を管理する自治体などに緊急調査を要請。6月27日には名古屋港でも、中国から運ばれたコンテナの外壁で見つかった。
 駆除を逃れ、日本に定着してしまった有毒な外来生物は多い。ヒアリと同じ種類の毒を持つアカカミアリは米軍の輸送物資に紛れ込んだとみられ、既に沖縄県小笠原諸島(東京都)の硫黄島に定着。先月には新たに神戸港でも見つかり、本州上陸が確認された。
 温暖な豪州が原産で1995年に侵入したセアカゴケグモは、いまや沖縄から北海道まで40以上の都道府県に拡大。中国などが原産で強毒のツマアカスズメバチも2012年以降、九州に定着している。ヒアリが例外となる理由はない。
 今後は致死性の毒を持つキョクトウサソリや死亡例もあるジョウゴグモの仲間、ヒアリの近縁のコカミアリの侵入も懸念されており、環境省は水際対策を強化する方針だ。
 ただ、外来生物の侵入は貿易が続くかぎりつきまとう。五箇氏は「入ってくるのは避けられない。極力早く見つけて駆除し、定着を防ぐことが大切だ」と指摘した。」
   ・   ・   ・   
 7月4日18:24 産経WEST「国内初の確認か 殺人アリ「ヒアリ」の女王…巣を作り1日に千個以上の産卵も アスファルト亀裂から発見 大阪・南港 
 ヒアリの女王アリとみられる個体(環境省提供)
 大阪南港(大阪市住之江区)で強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が新たに確認された問題で、付近で駆除したヒアリは女王アリとみられるものを含め約100匹に上る可能性が高いことが4日、環境省への取材で分かった。
 環境省によると、6月29日に住之江区内の倉庫に搬入された中国・香港からのコンテナで、毒を持つ別の外来種「アカカミアリ」が確認され、同30日に周辺を調査した結果、アスファルトの亀裂でヒアリがまとまった状態で見つかった。
 殺虫剤などで駆除し、約10匹を捕獲した上、7月3日に女王アリとみられる1匹を含む死骸約50匹を回収。地中に残ったものを含め計約100匹がいたとみられる。生きたヒアリは確認されていない。
 ヒアリは働きアリで体長約2・5ミリ〜6ミリ。女王アリとみられる個体は体長や腹部が大きかった。女王アリと確認されれば国内で初めてとなる。1日に千個以上の卵を産むとされ、環境省は、巣を作り繁殖していた疑いもあるとみている。」
   ・   ・   ・   
 7月4日19:23 産経WEST「【殺人アリの恐怖】専門家「日本にいつ侵入してもおかしくなかった」…定着後の駆除は困難
強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」(環境省提供)
 強い毒を持つ「ヒアリ」が大阪南港(大阪市)でも確認され、国内4例目となった。女王アリとみられる個体も含まれ、既に繁殖している恐れもある。専門家は「初期段階での侵入阻止が重要だ。定着すると駆除は極めて難しい」と危機感を募らせた。
 アリの生態に詳しい京都大昆虫生態学研究室の土畑重人助教(35)によると、女王アリは1日に千個以上の卵を産む能力があるとされ、いったん巣を作ると、急激に繁殖する恐れがある。物流の多い港から侵入するケースが多く、関東地方以南の気候が適しているため、東京や横浜でも見つかることが考えられるという。
 女王ヒアリは一つの巣に1匹のタイプと、複数のタイプがあり、複数の場合、繁殖力は特に強い。いずれも米国や中国、台湾で確認されており、土畑氏は「日本国内に、いつ侵入してもおかしくなかった」と指摘する。
 土畑氏は、水際で阻止するため、湾岸部を中心とした調査と駆除を強調するが、「物流に紛れて押し寄せてくるため、完全な阻止は難しい。特効薬はなく、地道に駆除するしかない」と話した。」
   ・   ・   ・   
 7月4日 19:32 産経WEST「【殺人アリの恐怖】ヒアリに刺されると強い痛み、死亡のケースも 世界10カ国以上に分布
 ヒアリの女王アリとみられる個体(環境省提供)
 南米原産で強い毒を持つ「ヒアリ」が5月以降、神戸、名古屋、大阪の各港で見つかりました。
 Q 他のアリとの違いは。
 A 体長2・5〜6ミリで、赤茶色です。主に公園や農耕地など、開けた草地に直径25〜60センチのドーム状の巣(アリ塚)を作り、集団で活動します。これほど大きな土の巣を作る在来種はいません。刺されると、やけどのような強い痛みを伴い、うみが出ます。
 Q 刺されたらどうなるの。
 A じんましんが出たり、アレルギー反応で呼吸困難となり死亡したりすることもあります。蜂の毒と共通の成分を含むため、蜂に刺されてアレルギー反応があった人は注意が必要です。海外では症状が軽い人もいました。刺されたら20〜30分は安静にし、容体が悪化したら、すぐに病院へ行く必要があります。
 Q それらしいアリを見つけたらどうすれば。
 A 攻撃性が高いため、アリや巣に近づくのは危険です。自治体や、近くの地方環境事務所に連絡してください。
 Q なぜ今、日本に。
 A 南米から分布が広がり、現在は米国、マレーシア、オーストラリア、台湾、ニュージーランド、中国など10カ国以上で侵入を許しています。
 Q どうやって日本に入ってきたの。
 A 中国などの港で積まれた貨物に紛れ込み、日本の各港に到着後、上陸したとみられます。
 Q 対策は。
 A 女王アリがいれば繁殖でき、いったん広まると、駆逐は困難です。環境省などは「早期発見・早期駆除」を掲げ、各地の港で警戒を強めています。特定外来生物にも指定されています。
 Q特定外来生物って。
 A 海外から日本に侵入すると、従来の生態系に被害を及ぼしかねない生物です。ヒアリやアライグマなど計132種類が指定されています。」
   ・   ・   ・   
 7月7日 産経WEST「【強毒ヒアリ】大阪・神戸・東京・名古屋の4港で拡大調査 周辺2キロで実施 中国からコンテナ届く港湾にも対策 環境省
 神戸港のコンテナヤードで見つかったヒアリ環境省提供)
 山本公一環境相は7日の閣議後記者会見で、南米原産の強毒のヒアリが見つかった東京、名古屋、大阪、神戸の各港について、これまで発見場所付近で行っていた生息調査を、周辺2キロ程度に規模を拡大して実施すると明らかにした。
 環境省はまた、名古屋、神戸両港でヒアリが見つかったコンテナの出港地である中国・南沙港から、定期的にコンテナが届く国内の港湾についても、国土交通省とともに毒入りの餌をまくなどする予定。
 山本氏は「一体となって水際対策を進めたい」と述べた。」
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 2019年1月25日 gooニュース AFP「侵入生物種、中国の「一帯一路」で拡大か 研究
 ウシガエル(2017年6月18日撮影、資料写真)。(c)TIMOTHY A. CLARY / AFP
 (AFPBB News)
 【AFP=時事】侵入生物種の存在は、世界的に貿易が盛んになった数世紀前から知られている。だが中国が主導し、123か国を結ぶ新たな大規模交易路が、侵入生物種のかつてない拡大を加速する恐れがあるとする研究論文が24日、米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。
 中国が5年前に提唱した「一帯一路」は、地球の約半分をカバーすることを狙いとした、アジア、欧州、アフリカなどを結ぶ広域経済圏構想。
 中国科学院のイミン・リ氏と中英の研究者らは、貿易額、気候、生息地などに基づき、新たな交易路で結ばれる世界の各地域が重なり合うモデルを開発し、816種の脊椎動物が持ち込まれ定着する可能性が最も高い場所を予測。侵入生物種が定着する危険性の高いホットスポット14か所を特定した。
 これらのホットスポットはすべての大陸にあり、インドネシアベトナム、フィリピンから地中海の一部、チリ南部、カリブ海地域に及んでいる。アフリカではアルジェリア、ナイジェリア、カメルーンといった気候が適している国々もリストに挙げられている。
 リ氏は「一番懸念されるのは、アジアと欧州をつなぐ6本の大経済回廊だ」と指摘する。交通量が多いために外来種が持ち込まれる確率が高く、しかもその土地の条件が外来種の生存に適しているという。
 研究者らによると、問題の解決法はコンテナの検査、積荷の中身の監視、検疫など生物多様性を守るためのプログラムの実施といった、バイオセキュリティーだという。
 米パデュー大学のジェフェリー・デュークス教授(林学・自然資源学)は、この分析について「興味深い」としながらも、どの侵入生物種なのか、またどこにたどり着くかという詳細がないために、いくつかの点でやや粗雑になってしまっていると指摘する。
 同研究に参加していないデューク教授は「この研究は警鐘を鳴らすものとしては重要だ」とし、「侵入生物種の根絶は非常に難しい。だが第一に問題が起きるのを阻止できれば、頭痛の種をなくすだけでなく、経費の節約と潜在的に種の保存ができるのだ」と語った。 【翻訳編集】AFPBB News
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外来生物が日本を襲う! (青春新書インテリジェンスシリーズ)

外来生物が日本を襲う! (青春新書インテリジェンスシリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2007/02/01
  • メディア: 新書
外来生物クライシス (小学館101新書)

外来生物クライシス (小学館101新書)

恐怖の外来生物種たち!!

恐怖の外来生物種たち!!

🌌16}─1─国土交通省・気象庁 『地球温暖化問題とは』。デング熱。御嶽山噴火。2014年。~No.66No.67No.68No.69 @ ⑪ 

気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年

気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 深刻な危機とは、日本経済に深刻なダメージを与える少子高齢化に伴う人口減少ではなく、地球温暖化による人類の生存に対する脅威である。
 2050年。2100年。異常気象によって発生する甚大な自然災害と共に生きる日本人は、20歳以下の子供達であり、20歳以上の大人ではない。
 明日死ぬかもしれない大人は、将来の事に思い煩う事なく、少しでも贅沢をして今を楽しく生きれば良い。
 デング熱などこれまで日本では流行しなかった伝染性疾患が、気温上昇によって日本で発症する。
 ここ10年の間に、幾つかのウイルスや病原菌による伝染症が、交通手段の発達によって世界各地に拡大し、多くの犠牲者が出ている。
 エボラ出血熱鳥インフルエンザ西ナイル熱マラリアコレラ結核デング熱
 人類は、地球温暖化によって急速に拡大する感染治療に後手に回っている。
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 WHOと国連食糧農業機関などは、「年間で最も人を殺している生物」を分析してランキングを発表した。
 1,蚊。 2,人間。 3,ヘビ 4,犬。
 WHOは、「アジアでは、デング熱の広がりが警戒レベルに達している」と警告を発した。
 ウイルスを拡散する蚊は、温暖化によって生息地を広めている。
 温暖化が進むと、2080年代までに45億人以上が危険に晒されると言われている。
   ・   ・   ・   
 年々、異常気象による大災害が多発する日本。
   ・   ・   ・   
 絶望的な、人類の人口爆発と地球規模の食料不足。
 食糧自給率の恢復を諦め、外国への依存度を増加させている食糧輸入国の日本。
 食べもしない食料を大量に買い込み、そして生ゴミと捨てて恥じない日本人。
 自助能力をなくした自立心なき日本人。
 日本経済(金儲け)の為に、総人口1億人を維持するべく1,000万人以上の外国人(主に中国人貧困者)を移民させようとしている日本。
 100年後の2100年には、他人を思い遣る民族系日本人約4,000万人と他人を思い遣らない外国人系日本人約6,000万人が日本国民となる。
 それ以前に、現代の日本人自体が他人を思い遣るよりも自分の事のみを優先するようになっている。
   ・   ・   ・   
 自然災害多発地帯に住んでいた昔の日本人は、甚大なる被害をもたら自然の猛威に対して、人間が粋がったとて所詮は無知や無力を肌身で知ってい。
 賢く賢明な日本人は、いつ何時、牙を?いて襲いかかって自分はおろか家族の命を奪い家財産を奪い、田畑すべてを破壊し尽くすか分からない自然を憎まず、むしろ愛し、身を正し誠意を持ち、謙虚になって敬い奉り、挑まず、抵抗せず、逆らわず、全てを受け入れ、受け流した。
 日本神道における原始的自然崇拝は、自然災害多発地帯に暮らしてきた古代人の、自然の流れに身を任せて逆らわず、自然とともに生きそして死ぬ、そうした自然を中心として暮らす島国の叡智であった。
 島国の叡智は、自然に挑み屈服させそして破戒する大陸の知恵とは対極にある。
 自然を大事にするのは東洋的と言うが、それはウソで、儒教価値観の中国や朝鮮には存在しない。
 自己中心的な中国や朝鮮などの東アジアは、「天の徳」思想に基ずく一君独裁制度を「善」とする儒教を受け入れ、自然を意識した道教や仏教は根付かなかった。
 自然多発地帯に住む島国の日本人は、天災は何時かは訪れ、命を失うような被害は避けられないと覚悟し、立ち向かいのではなく受け流して被害を最小限に止めようとした。
 それが、田舎の祭りとなり、土着の民話となって、後世に伝えられた。
 東北沿岸で、無意味な巨大な防波堤を建設して自然災害の脅威を組み伏せようとしている現代日本人には、古代日本人の叡智はなく、自然の猛威の前に消え失せる存在である。
 それは、大陸各地に廃墟を残して滅び去った人が住まない古代文明の道である。
 現代日本人は、自分だけの利権に目の色を変え、自分だけの金儲けに狂奔し、自分だけの幸せを追求するばかりで、自然の脅威・猛威に恐怖し畏れた自然崇拝という古代日本人の叡智はない。
 それは、滅びの道である。
 地球市民日本人は、自然を捨て、古代日本人の叡智を捨て、浮かれ騒ぎながらひたすら滅びつつある。
   ・   ・   ・    
 今後、日本も、地球異常化にともなう気候混沌で、大型台風や大雪などの数多くの自然災害による甚大な被害が発生する危険性が増している。
   *   *   *    
 国土交通省気象庁
地球温暖化問題とは」
   ・   ・   ・   
 地球温暖化の原因
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 温室効果とは
   ・   ・   ・   
 温室効果ガスの種類
   ・   ・   ・   
 温室効果ガスの観測
   ・   ・   ・   
 温室効果ガスの濃度の変化
   ・   ・   ・   
 地球規模の気候の変化
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 日本の気候の変化
 日本の平均気温は、1898年(明治31年)以降では100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇しています。特に、1990年代以降、高温となる年が頻繁にあらわれています。日本の気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられます。
 気温の上昇にともなって、熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上の夜)や猛暑日(1日の最高気温が35℃以上の日)は増え、冬日(1日の最低気温が0℃未満の日)は少なくなっています。
 1日に降る雨の量が100ミリ以上というような大雨の日数は、長期的に増える傾向にあり、地球温暖化が影響している可能性があります。
   ・   ・   ・   
 さくらの開花日の変化
 さくらの開花の時期は、春先の気温の変化にともなって早まってきていることが長年の観測結果からわかります。
 1960年代の4月1日には、三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州でさくらが開花していました。それが最近10年間では同じ時期に関東、東海、近畿、中国地方でも開花するようになってきています。
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 地球温暖化と海洋
   ・   ・   ・   
 地球規模の気候変化の予測
   ・   ・   ・   
 日本の気候変化の予測
 日本の周辺で起きる気候変化を細かく予測する研究も行われています。今後も二酸化炭素などの温室効果ガスを多く排出(エネルギーのバランスと経済発展を重視しグローバル化が進展する社会を想定)する場合、100年後の日本の気候は次のように予測されています。
 ・気温は現在よりも3℃程度高くなる。予測される気温の上昇は高緯度ほど大きい。
 ・全国平均の年降水量(雨または雪の量)は増加する。これは、地球温暖化によって、大気に含まれる水蒸気量が増えることなどによると考えられる。
 ・日本のほとんどの地域で積雪の量が減る。これは、気温の上昇によって雪ではなく雨が降る場合が増えるためと考えられる。
 ・北海道の内陸部などでは雪の量は現在と同程度か増える。これは、温暖化が進んでも依然として気温が低いためと考えられる。
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 台風の将来予測
 北大西洋では熱帯海域の海水温の上昇にともなって、1970年ごろから強い熱帯低気圧(ハリケーン)の活動が増えています。一方、台風(最大風速が秒速17.2メートル以上の北西太平洋の熱帯低気圧を台風と呼びます)の発生個数、日本への接近数、上陸数には、長期的な増加や減少の傾向は見られません。
 地球温暖化にともなう台風やハリケーンといった熱帯低気圧の活動の予測研究によると、非常に強い熱帯低気圧の数は増えると予測されています。また、熱帯低気圧にともなう雨は強くなる傾向があると予測されています。
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 地球温暖化を緩やかにするための国際的な取り組み
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 地球温暖化を緩やかにするために私たちにできること
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 2014年 人口爆発と食糧問題における良いニュースと悪いニュース。
 1月16日号 週刊文春「2014年版『危機回避マニュアル』橘玲作家」
 「アベノミクス版 臆病者のための資産運用入門 新春特別講義
 ……
 エネルギー危機は起こらない。
 最初はよいニュースから。
 90年代に時計の針を戻せば、人口爆発による食糧危機と、中国の経済成長による石油資源枯渇の不吉な予言が溢れていた。だが20年以上経っても、人類が飢えと寒さに怯える破滅的な未来の兆候はない。
 昨年11月末にコメの減反政策廃止が決まったが、減反というのは強制的に食糧をつくらせないことだ。戦後ずっと、コメは足りないのではなく余っていた。
 これは日本だけの問題ではなく、欧州では小麦、米国ではトウモロコシ農家を補助金によって保護し、つくり過ぎを抑制している。すなわち、食糧は世界的に余っているのだ。
 穀物の生育には窒素が必要で、人類は堆肥などで土壌に窒素を加えるようと努力してきた。だが20世紀になって空気中に無尽蔵にある窒素を固定する方法が発見され、化学肥料として普及したことで穀類などの生産が劇的に増加した(品種改良の成果もある)。養鶏や養豚では穀類を肥料にするから、食肉の生産量も大きく増えた。
 この『第二の農業革命』によって、20世紀半ばに人類は歴史上始めて飢餓の恐怖から解放された。その代償として先進国は、食糧価格が下落して農業の生計が成り立たなくなる『農業問題』に悩まされることになったのだ。
 ……
 『食糧危機』も『エネルギー危機』も起こらない。それなのになぜ、大騒ぎするひとがいるのだろうか。それは既得権を守ったり、予算を獲得するのに『危機』が必要だからだ。
 食糧が余っているとわかれば、なぜ農家を保護する必要があるのか、という話になる。……
 それでは、人口爆発はどうなったのだろう。1960年の地球人口は30億人で、それが半世紀の現在70億人まで増えた。このままでは100億人を超えるのも時間の問題に見える。
 だがこの人口予測も大きく外れた。最大の人口を抱えるアジアで出生率が大きく下がっているからだ。
 生活がゆらかになれば、ひとびとはたくさんの子どもを産まなくなる。アジアも中産階級の台頭で子どもの数が減っており、中国の都市部(北京市上海市)では出生率が0.7程度まで下がっている。一人っ子政策を緩和しても出生率は改善せず、中国の総人口はすでに減少に転じている。1970年に5.5だったインドの出生率も2.59と半分以下になった。
 経済発展から取り残されたアフリカは今後も人口が増え続けるだろうが、それでも地球の人口は2050年に90億人程度で頭打ちになると見られている。人類は人口爆発の恐怖からも解放されたのだ。
 唯一知ることのできる未来とは
 それでは次に、悪いニュース。
 出生率が下がって寿命が延びれば、少子高齢化になるのはどこも同じだ。
 誰も未来を知ることができないが、その唯一の例外が人口動態だ。日本のような成熟した社会では年齢ごとの死亡率はほとんど変化しないので、いまのゼロ歳児が平均寿命を迎える八十数年後まで人口構成がどうなるかはほぼ決まっている。
 日本の人口は2005年から減少を始めており、2050年には9,500万人まで減るものの、総人口に占める老年人口(65歳以上)の比率は39.6%に上昇し、年少人口(14歳以下)の比率は1割を切る。
 もうひとつはっきりしているのは、日本国の借金が増えることはあっても減らすことがきわめて難しいことだ。IMF国際通貨基金)の推計によれば、日本の政府総債務残高は1995年に450兆円、2000年に700兆円だったが、現在は1,200兆円に迫ろうとしている。国の借金は年間50兆円のペースで増えているが、その大半は国債の償還と社会保障費に充てられている。少子高齢化の進展とGDP比2倍を超える債務残高によって、この国の未来の選択肢は限られている。私たちは今後、増税と歳出削減に耐えるか、さもなくば財政破綻によるインフレで国家債務を帳消しにするかの不愉快な二者択一を迫られることになるだろう」
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 3月3日 msn産経ニュース「温暖化で熱中症の死者増 環境省専門委が中間報告 渇水増、海洋生物の分布域変化…
 地球温暖化の影響やリスクを評価する環境省の専門委員会=3日午前、東京都千代田区
 地球温暖化が日本の自然や社会に与える影響やリスクを評価する環境省の専門委員会は3日、温暖化に関連し熱中症による死者数が増加傾向にあるとした中間報告書を大筋で了承した。温暖化被害を軽減するため政府が平成27年夏に初めてまとめる「適応計画」作りに生かされる。
 報告書は日本の年平均気温がこの100年間に1。15度の割合で上昇、今世紀末にはさらに2。5〜3。5度上昇すると指摘。気候変動の影響とみられる事例として、海水温上昇による海洋生物の分布域変化やサンゴの白化、感染症デング熱を媒介するヒトスジシマカの北上、四国を中心に過去20年間に渇水が多発していることなどを挙げた。
 将来予測には、情報の確からしさや影響の重大性、緊急性を整理した後、食料や生態系など分野ごとに分け最終報告書に追加する。現段階では「今世紀末、梅雨の後期に降雨量と強い雨の頻度が増加する」などの研究例を例示した。
 専門委は27年2月に最終報告書をまとめる予定。」
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 9月17日 読売新聞「水害・渇水進む極端化
 豪雨の警告 上
 広島市の土砂災害など各地にもたらした『平成26年8月豪雨』では、90人近くが死亡・行方不明となった。豪雨は9月も続き、北海道では特別警報が出された。かつてない降り方で迫り来る雨に、我々はどう立ち向かえばいいのか。
 ……
 この夏、いつもと違う雨が降った。8月24日には、礼文島で土砂崩れにより2人が死亡。近畿や中四国でも、同月の雨量が平均の3倍を超えた。
 気象庁の異常気象分析検討会は今月3日、太平洋とインド洋の水温が一部で平年より高く、気圧配置のバランスが崩れ、日本に湿った気流が入り続けたのが原因との見解をまとめた。だが、検討会会長の木本昌秀・東京大教授は『問題は、同じ気象状況の時でも、実際に降る雨が近年、強くなっているということだ』と指摘する。
 変化は過去40年間の地域気象観測システム(アメダス)のデータにも表れている。1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が全国で降る回数は、1970年代後半は年に180回くらいだったが、2013年は237回に達した。平均すると10年ごとに約20回も増えたことになる。
 一方で、雨が降らない日も、長期的に見ると増えている。気象が極端化する要因として、多くの専門家が地球温暖化を挙げている。
 『気温が上がると、大気に蓄えられる水蒸気の最大量も増えるため、空が水蒸気で飽和するまでに時間がかかる。満杯になれば、ため込まれた水が一気にドバッと放出され豪雨になる』
 石原幸司・気象庁調査官は極端化のメカニズムをこう解説し、『水害と渇水のリスクが、ともに高まっている』と懸念する。
 気象災害は世界中で増え続けている。世界気象機関が7月にまとめた報告では、死者10人以上などの被害を出した洪水、渇水、土砂災害、暴風、熱波は01年から10年間で計3,496件発生し、それ以前の10年間の1.5倍。ただ現在の予報技術では、こうした現象を高い精度で予測するのは難しい。
 『空が荒れてから慌てても遅い』。国の防災対策実行議会委員の河田恵昭・関西大教授は言い、こう強調する。『早めの避難を家族で徹底するなど、身の守り方を事前に考えているかどうかが生死を分ける』」
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 9月22日 msn産経ニュース「紅葉、見ごろはXマス 2050年の世界気象予報[地震津波・地球科学]
 温室効果ガスの排出量が今のペースで増え続けると、2050年の気候がどうなるのか知ってもらおうと、世界気象機関(WMO)は22日までに、世界各地の気象予報番組を、動画サイト「ユーチューブ」で公開した。日本は紅葉の見ごろがクリスマスになるという。23日に米国で開かれる国連気候変動サミットを盛り上げるための試みの一つで、世界10カ国以上のテレビ気象キャスターが登場。ビデオはサミット会場内でも上映する予定だ。
 日本からは、NHKの気象キャスター気象予報士井田寛子さんが2050年9月23日の気象を予報。「お彼岸になっても、仙台、東京、名古屋で厳しい暑さが収まらない。熱波の影響で京都の紅葉の見ごろはクリスマスごろになりそうで、季節感は大きく変わってしまった」と話した。猛暑の続く日本列島にスーパー台風が接近し「大雨に最大級の警戒をしてほしい」とも述べた。」
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 9月25日号 週刊新潮
 「がんの練習帳 中川恵一 がん細胞と人類の類似性
 がんと人類は似たような面があります。ともに、周囲の環境を破壊しながら、『増殖』を続けるといころです。
 今や、世界の人口は70億になり、100億も目の前です。がん細胞の数と同様、人口も〝指数関数的に〟増えますから、遠いない将来、人口が1,000億あるいは1兆となるかもしれませんが、おのとき、地球の環境は果たして持ちこたえることができるでしょうか?素直言って、私は悲観的です。
 ……
 がん細胞は、自分が生まれた患者さんの体内でしか生きられない存在なのです。
 人類も地球上でしか生きることはできません。宇宙開発に期待が寄せられていますが、宇宙放射線を遮断してくれる空気が存在しない宇宙空間では、1日の被ばく量が1ミリシーベルトにも達してしまいます。宇宙飛行士の若田さんや古川さんが半年で帰還するのは、累積の被ばく量が、がんを増やすレベルになるからです。
 人類は地球上でしか生存できないにも拘わず、化石燃料を消費しながら、〝増殖〟を続け、地球環境を悪化させ続けています。
 主要な温室効果ガスである二酸化炭素の、世界の平均濃度は1984年に観測を初めて以来上昇し続けていす。昨年には396ppmと過去最高となっただけでなく、前の年からの増加量も2.9ppmと過去最大となりました。
 世界の平均気温は、100年あたり約0.69度の割合で上昇していますが、『世界気象機関』は、2100年までの気温の上昇を1度程度にとどめるには、二酸化炭素などの排出量を今の2割まで削減する必要があると警鐘をならしています。
 温暖化の影響を受けやすい北半球の中緯度に位置する日本の場合、100年で1.1度も気温が上昇しています。そして、このままでは、今世紀末の日本の気温は3.5〜6.4度も上昇すると予想されています。
 温室効果ガスの濃度上昇によって1度でも気温が上昇すると、高知では41度を記録したような猛暑、『平成26年8月豪雨』などの暴風雨や土砂災害、干ばつや砂漠化の進行といった〝極端な〟気象現象が頻発します。農作物の値段は高騰し、海水に溶けた二酸化炭素による海の酸性化で水産業にも影響が現れるでしょう。
 本来は熱帯病であるはずのデング熱が日本でも流行し、東京の公園が閉鎖されるなど、〝これまでに経験したことのない〟異常事態が、今、進行しています」
   ・   ・   ・   
 9月27日 御嶽山噴火。
 世界の活火山の7%超、110が日本列島にある。


   ・   ・   ・   

温暖化が進むと「農業」「食料」はどうなるのか? (エコラボFILE 1)

温暖化が進むと「農業」「食料」はどうなるのか? (エコラボFILE 1)

温暖化と自然災害―世界の六つの現場から

温暖化と自然災害―世界の六つの現場から

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 古今書院
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本

🌌22}─3─温暖化の暴走。日本の平均気温上昇。黒潮の蛇行。ハリケーン。サイクロン。台風。~No.111 @  

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 地球温暖化=地球異常化。
 気候変動=気象混沌。
 海水温上昇=海流蛇行。
   ・   ・   ・   
 2015年3月20日 産経ニュース 「今世紀末、日本の平均気温3・5度上昇も 気象庁がレポート
 気象庁は20日、2005年以来となる「異常気象レポート」を公表、今世紀末ごろの2076〜95年の20年間の年平均気温が1980〜99年と比べ、全国平均で2・5〜3・5度上昇すると報告した。短時間に強く降る雨も増えるとした。
 異常気象レポートは異常気象や気候変動の現状と将来見通しに関する気象庁の基本見解をまとめたもの。
 レポートによると、世界の年平均気温は19世紀末の統計開始から2013年までの間に100年当たり0・69度、日本はさらに高い1・14度の割合で上昇。中でも1990年代以降は高温となる年が頻繁に現れるようになった。
 原因は、数年から数十年程度で繰り返す自然変動に加え、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量の増加による長期的な気温上昇が重なったためと分析。
 降水量は、1日に計100ミリ以上や計200ミリ以上の大雨となる日数が増加。逆に1ミリ以下の無降水日数も増える傾向にあるとした。」
   ・   ・   ・   
 4月5日 産経ニュース 「今年初の「真夏日」、宮崎・日向で30・1度 西日本で気温上昇 
 日本列島は5日、列島にかかる前線に南から暖かい風が吹いた影響で、西日本を中心に気温が上昇し、宮崎県日向市で最高気温が30・1度となり、全国で今年初めて30度以上の真夏日となった。
 気象庁によると、日向市の最高気温は平年より約10度高く、7月上旬並みの暖かさで、4月として観測史上最高だった。
 この日の日向市は最低気温も16・4度で平年より約7度高い5月下旬並み。晴れ間が広がった午後になって気温が一気に上がり、午後1時39分に最高気温を記録した。沖縄県伊是名村でも30・0度を記録した。
 西日本では25度以上の夏日も相次ぎ、鹿児島県肝付町で28・1度、愛媛県宇和島市大分県佐伯市でいずれも27・0度など、各地で6月並みの気温となった。」
   ・   ・   ・   
 5月中旬 岐阜県中津川市国有林で、約60年ぶりにササの花が咲いた。
 日本の歴史で、「笹の花が咲くと飢饉になる」と言われてきた。
 小山泰弘(長野県林業総合センター)「広範囲で開花すれば、ササの実を食べたネズミが大繁殖します。しかし翌年にはササは一斉に枯死してしまうので、ネズミが食べ物を求めて穀物などを食い荒らす。このような事から、ササの花が咲く事を凶事ととらえたのではいでしょうか」
   ・   ・   ・   
 5月4日 産経ニュース「はや夏到来!! 和歌山・白良浜、近畿のトップ切り海開き
 近畿一早い海開きが行われ、若者や家族連れらが初泳ぎを楽しんだ=和歌山県白浜町
 白砂で知られる和歌山県白浜町白良浜海水浴場で3日、近畿で一番早い海開きが行われ、色とりどりの水着姿の女性や家族連れらが、青く澄み切った海に飛び込んだり水を掛け合ったりと、初泳ぎを楽しんだ。
 延長620メートルにわたって真っ白い砂浜が続く白良浜はシーズン中、約60万人の海水浴客が訪れる近畿屈指の海水浴場。「白浜の夏」をアピールしようと16年前からゴールデンウイーク中に海開きをしている。
 この日は気温26度、水温22度で、まずまずの天気にも恵まれた。大阪市から家族連れで訪れた友沢健一さん(39)は「何度も白浜に来ているが、海も浜もきれいで気持ちがいい」と話し、波打ち際で子供と遊んでいた。」
   ・   ・   ・   
 2015年5月13日 産経ニュース「台風一過の日本列島、各地で真夏日 館林30・2度、静岡30・1度
 真夏の陽気となり、暑そうに東京・銀座の交差点を歩く人たち=13日午後
 日本列島は13日、台風一過となって各地で青空が広がり、群馬県館林市静岡市などでは、最高気温が30度を超える真夏日となった。最高気温が25度以上の夏日となる地点も相次いで、7月中旬並みの暑さとなるところも多かった。
 気象庁によると、台風6号から変わった低気圧は、13日午前には北海道の沖合まで進み、日本列島は西から移動してきた高気圧に覆われたため、広い範囲で晴れた。
 各地の最高気温は、館林市が30・2度、静岡市が30・1度、埼玉県熊谷市山梨県南部町などが30・0度。東北から沖縄・奄美までの各地でも25度以上となった。
 28・7度を記録した山梨県大月市のJR大月駅前では、強い日差しが照りつける中、上着を手に歩くサラリーマンの姿も見られた。」
   ・   ・   ・   
 2017年11月10日 産経ニュース「黒潮の蛇行さらに拡大 関東で雪降りやすく?
 今年12年ぶりに確認された、黒潮が東海沖で大きく南へ曲がる「大蛇行」について、海上保安庁は9日、5日時点で前回観測の9月末から約60キロ南下し、蛇行の幅がさらに大きくなっていると発表した。漁場の位置に影響を及ぼす可能性があるほか、今冬は関東で雪が降りやすくなるとの見方も出ている。
 黒潮は通常、日本列島に沿って太平洋を西から東へ流れる。ところが、8月下旬以降、紀伊半島南端の潮岬付近から大きく南へ曲がる状態が続いている。
 海上保安庁によると、9月27日時点で静岡県の300キロ沖の北緯31・9度付近に南下。11月5日にはさらに約60キロ南の北緯31・4度付近に移動していた。
 鹿児島大の中村啓彦教授(海洋物理学)は「大蛇行が発生すると太平洋側を通過する低気圧の中心が南側にずれる傾向がある。そのため関東に吹き込む風は低気圧に向かって流れ込む冷たい北東風になり雪が降りやすくなる」と指摘する。」
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 ハリケーン・イルマ。カテゴリー5.648億ドル。2017年8月末。
 ハリケーン・サンディ。687億ドル。2012年カテゴリー3.
 ハリケーン・マリア。916億ドル。2017年9月。カテゴリー5.
 ハリケーン・ハービー。1,250億ドル。2017年。カテゴリー4
 ハリケーンカトリーナ。1,250億ドル~1,600億ドル。2005年8月末、 
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 カルカッタのサイクロン。1937年10月7日。死者30万人。
 インド南東部のコリンガ。死者30万人。1839年11月25日。
 ベンガル、ボーラ・サイクロン。死者30万~50万人。1970年11月12日カテゴリー3。被災者360万人。 
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🌌13}─3─深刻化する地球規模の水不足。人類の生存の危機と日本。~No.51No.52No.53No.54 @ ⑧ 

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 少子高齢化による人口激減が原因で、日本の水源が外国資本(特に中国資本)に買われていく。
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 2017年7月13日 産経ニュース「世界人口の3割、21億人が清潔な水使えず 2015年、国連報告書
 イエメンの首都サヌアの郊外で、コレラ菌で汚染されている可能性のある井戸から水を汲む少年(AP)
 国連は13日、自宅で清潔な水が十分に使えていない人は2015年に21億人おり、世界人口の約3割に上るとの報告書を発表した。下水処理が不十分な建物に住む人も45億人に達し「衛生状況の悪化による感染症などが懸念される」とした。アフリカ・サハラ砂漠以南に顕著で南アジアやオセアニアの一部にも多い。
 報告書は世界保健機関(WHO)と国連児童基金ユニセフ)との共同。15年の世界人口約73億人のうち、安全に使用できる水が自宅にない人は21億人。うち8億4400万人は基本的な飲料水の供給さえなかった。2億6300万人が30分以上かけて水くみに出かけており、1億5900万人は湖沼や川などの水をそのまま利用していた。
 下水処理についても45億人のうち23億人は基本的な設備さえなく、8億9200万人は野外で用を足していた。(共同)」

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