⚡32】─2─日本の底力はローカル・地方・田舎の凄技である。トヨタ。カシオ。~No.136No.137No.138 @ 

日本の優秀小売企業の底力

日本の優秀小売企業の底力

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本の底力は、凡庸者が創意工夫で磨き上げた職人としての「すご技」にある。
 都会は、消費地に過ぎない。
 日本の強みは、グローバル・中央・都市ではなく、ローカル・地方・田舎にある。
 ローカル・地方・田舎が衰退した時、日本は没落する。
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 日本の「ものづくり」は、遊び道具がなかった子供頃に身の回りにある物を使って器用に遊んだ経験から生まれた。
 一人あるいは仲間達と一緒に、失敗して怪我をしながら、如何に面白く遊ぶかを想像を膨らませ色々工夫して楽しんだ。
 日本の「ものづり」とは、常識に囚われず、理屈を抜きにした、身体と頭を動かした遊びであった。
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 2016年5月8日 トヨタ自動車は、2016年3月期、2兆円を超える利益を出し、3年連続で最高益を更新する見通しとなった。
 豊田章男「チャレンジしなくなれば、必ず成長は止まる。結果が出る、出ないではなくチャレンジし、実践する段階に入った」
 時代の流れは速く、変化は待ってはくれない。
 ソニーもシャープも、順調な現状に満足し、挑戦も技術革新もせず過去の成功体験に固執して、出来る企業から出来ない企業に転落した。
 口先で優秀な人材を求めながら、実際は社内の有能な人材をリストラした。
 昔から、日本人の大半は凡庸で、優秀な人材は極ほんの僅かな人数しか存在しない。
 日本の人材教育とは、多数の凡庸な人間から少数の優秀な人間を厳選して残りを切り捨てるのではなく、凡庸な人間を多少でも使い物になる人間にする事である。
 使える様になった者が現場で自助努力によって有能な人材になるのを待つ、其れが辛抱我慢の日本式人材教育である。
 日本は、有能な人材が上から降りてくるのではなく、凡庸な人間の中から上へと上っていく。
 凡庸な人材に支えられた日本産業は、しぶとく、計り知れない底力が存在する。
 凡庸な人材は多いが、優秀な人材は数が少ない。
 日本が生き残る方法は、見栄えしない凡庸な人材の底力を使って、過去の成功例を捨て現状を破壊してチャレンジとイノベーションを行えるかである。
 国際競争を付けて生き残る為には、即戦力として国外から優秀な人材を雇い、社内に巣くっている無駄飯食いに近い仕事が出来ない者をリストラ要員として追放する事である。
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 凡庸な人間には天才や秀才はいないが、工夫をしながら技術を磨く事で特異な才能を持った職人や常識に捕らわれない異端のエンジニアが生まれる事がある。
 凡庸な人間は、ストレスに弱く気が小さい為に、褒めて励まさないと自信をなくしいじけて動かなくなる。
 と同時に、褒めすぎると、視野狭窄となり、人の忠告も聞かず、頑なになって思考停止となり、木偶の坊に成り下がって動かなくなる。
 有能な人材は、褒めなくとも、自分で考えて、自分で判断し、自分から行動する。
 故に。有能な人材は、褒めたり励ます必要がない。「 
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 有能な人材は、10年後、20年後の世界を予想し行動できなくなった企業から、沈没する船からネズミが逃げ出す様にリストラを理由にして逃げて行く。
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 1990年頃 企業倫理も経営理論もなく、目先の利益のみで将来の展望を持たない、思考停止した傲慢な凡庸者が経営者となり、世界一流とされた日本経済を崩壊させた。
 バブル崩壊である。
 2015年に至っても、思考停止状態の経営者が日本経済を引っ張っている。
 戦後復興と経済成長を引っ張ってきた経営者とバブルを崩壊させた経営者とは、全くの別人である。
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 日本のもの作りを象徴する企業の一つが、世界的時計・計算機メーカーの「カシオ」である。
 カシオは、樫尾4兄弟が、東京が焼け野原だった1946年に「樫尾製作所」として操業した町工場であった。
 長男、忠雄。次男、俊雄。三男、和雄。四男、幸雄。
 創業時は、下請けとして製品を加工して納入していた。
 下請けでは発注会社の意向に従わされて収益が増えないとして、下請けから脱出する為に高価な計算機に将来を託して開発に取り組んだ。
 常識で考えると日本の民族資本と家内工業的設備では不可能で、欧米企業の独占市場に対する無謀な挑戦と分かっていても、試行錯誤で技術革新に取り組んだ。
 1956年暮れ、リレー式計算機の開発に成功した。
 翌57年に、「カシオ計算機」を新たに設立して、本格的な製品化に踏み出した。
 カシオ計算機の爆発的な売り上げに儲かると判断した企業が、計算機の小型化に参入した。
 世に言う、電卓戦争である。
 カシオは、熾烈な開発競争に勝ち抜く為に、他社製品との差別化を図るべく新機能を開発し、計算方式を進化させ、同時にコストダウンも行い、半年ごとに新商品を市場に投入した。
 世の中をアッと驚かす様な革新的な商品。
 世の中の常識を覆す様な奇抜な新商品。
 電卓一本では社運の先細りは避けられないと判断し、得意の電子工学技術を他分野に応用して、事業の多角化を目指した。
 浦野文男(元ペンタックス社長)「カシオのデジカメのレンズはペンタックスが供給していました。なので、私が事業部長時代に、当時、副社長だった幸雄さんと親しくお付き合いさせてもらいました。
 感心したのは、4兄弟の役割分担がきちんとできていることです。長男が経営を引き受け、次男が発明を担当。三男が営業で、製品の製造ラインを担当するのは四男。適材適所でそれぞれが持ち味を発揮していた」
 「電卓を作っている会社が、すでに業界秩序が出来上がっていた腕時計の分野に新しく進出するなど、当時としては考えられないことでした。それ以上に私が素晴らしいと思うのは、カシオの企画力です。市場のニーズを的確に捉えて、それにマッチする商品を開発する。しかもそのスピードが極めて速い。4兄弟が団結していたからこそ、機動的な経営ができたのだと思います」  
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 録音は、口伝承、文字、レコードによる蓄音機、磁性体のテープ、デジタルのCD、音と映像のDVD、インターネット配信。
 エネルギーは、材木、水、石炭、石油、天然ガス原子力、エコ・エネルギー。
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日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき (中公新書)

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誰かに教えたくなる老舗の底力

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