🌌34}─3・A─動物愛護、動物保護による自然破壊。鹿の被害。~No.175No.176No.177 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2015年3月17日号 ニューズウィーク誌日本語版「増え過ぎたコアラを安楽死させる是非
 縫いぐるみのような風貌で愛されるコアラは、オーストラリアのシンボル的存在。かっての乱獲や地球温暖化の影響で野生の生息数が10万頭以下に減少するなか、オーストラリアは国を挙げてコアラの保護活動に取り組んでいる・・・と思いきや、一部の地域では行政に『間引き』よるがひそかに行われていることが明らかになった。
 同国南東部のビクトリア州当局は先週、野生のコアラが一帯で繁殖し過ぎ、餌不足で飢餓状態に陥ったため、13〜14年にかけて700頭近く殺処分していたことを発表した。その際には専門家の指導に基づき、鎮静剤を与えた上で人道的な方法で安楽死させたとしている。
 コアラの生息数は1ヘクタール当たり1頭以下が適正とされるが、同州南部ではその数が20頭に達していたという。その結果、餌となるユーカリの木が圧倒的に不足し、飢餓や病気の流行が深刻だったと、州当局は声明で述べている。『コアラを苦しみから救うため介入が必要だった』
 だが,この説明に納得しない国民は多い。保護運動の中心的な存在であるオーストラリアコアラ基金も、当局による長期的な個体数管理の失敗が原因だと批判を強めている。
 コアラの増え過ぎを防ぐために州当局は今後、新たな対策を検討し、あらゆる情報を開示すると約束しているが、誰もが納得できるバラ色の解決策を見つけるのは容易ではない。
 スマン・バランダニ」
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 2016年12月31日 産経ニュース「【年の瀬記者ノート 神奈川】早ければ5年もつか… 広がるニホンジカの食害 箱根・仙石原の希少湿原を守れ
 背丈の低い植物からニホンジカに食べられ、植物が育っていない箱根町の火打石岳周辺=平成27年8月
 日本を代表する観光地であり、豊かな自然の残る箱根。取材中、この箱根の地に広がるニホンジカの食害に驚いたのは、今年の春のことだった。その食害は深刻で、食害がさらに進めば、「箱根の植生は10年、早ければ5年もつかどうか」。こんな指摘を識者から聞いた。かつてニホンジカの食害で土壌流出が起こった丹沢の“悲劇”が箱根でも起こる可能性が否定できない。
 ◆土壌流出の原因に
 箱根より前に、ニホンジカの食害が目立った丹沢山地。ここでは、ササなどの下草植生がなくなり、「あちこちで土壌流出が起こった」(県自然環境保全課)という。
 このため県は平成15年度から27年度までニホンジカの管理捕獲を進め、計約1万9900頭を処分。併せて流出した土壌の保全工事を行い、同課の羽太(はぶと)博樹副課長(51)は「丹沢山地の土壌流出も一部治まってきている」というが、ニホンジカが大好物の下草植生の食害はなくなっておらず、同課の木部力淑(りきひで)リーダー(51)は「引き続き、強い圧力をかけて(捕獲して)いく必要がある」と、来年度から第4次の保護管理計画を進めていく考えだ。
 ニホンジカは毎日5〜7キロの下草や樹皮を食べる。その食害は、丹沢山地にとどまらず、小田原市南足柄市でも起こっており、森林保全活動を続けるNPO法人「小田原山盛の会」の川島範子副理事長(58)は「小田原市久野で今年、半径1キロ圏内という狭い区域だけで16頭のニホンジカが捕獲された。食害が拡大する箱根町小田原市南足柄市など箱根全山で対策に取り組まないと取り返しのつかないことになる」と指摘する。
 「いまのままでは箱根全域の植生は10年も持たないでしょう。ここ数年が正念場です」
 こう指摘するのは、箱根町ニホンジカを生態調査する民間研究機関「野生動物保護管理事務所」(東京都町田市)の森洋佑主任研究員(38)。ニホンジカによる食害で、静岡県函南かんなみ)町に隣接する箱根町内や、明神ケ岳周辺では、下層植生が食べられ、一部はげ山状態のところも出てきているという。芦ノ湖周辺のゴルフ場ではイノシシを防ぐ高さ約1メートルの低い囲いを跳び越えて自由に出入りするニホンジカが増え、食害だけでなく、近くで繁殖もしているという。
 ◆国の天然記念物も
 箱根町内のニホンジカは、明治期の乱獲により一時姿を消したが、昭和37年に再び生息が確認された。DNA調査だと、伊豆半島の一部に生き残った集団などが箱根町に移動してきたものだという。
 仙石原周辺でも下層植生の食害が始まっており、国の天然記念物の指定地区がある仙石原湿原は、オオミズゴケやノハナショウブなど県のレッドデータブックで希少種に指定される植物が群落する県内唯一の湿原で、ここにもニホンジカが入り込み、貴重な植生を食い荒らす食害が環境省のカメラで確認されている。
 丹沢山地をはじめ箱根のニホンジカによる食害を同47年から調べてきた古林賢恒(けんごう)・元東京農工大大学院助教授(74)は「箱根はいまニホンジカの分布が拡大中で、樹皮を食べられた木に腐朽菌が入り、倒木するケースも出て、早く対策を取らないと丹沢山地の二の舞になる」と指摘する。
 ◆植生保護柵で囲う
 環境省関芳弘副大臣は9月、仙石原湿原を視察。貴重な植生が失われている現状に「ニホンジカから貴重な植生を守るためにもシカを入れない植生保護柵の設置を検討していきたい」と述べ、同省では平成29年度、全長2500メートル、高さ1・8メートルの植生保護柵で湿原を囲み保護していく計画だ。
 仙石原湿原の希少な植生は、「一度、失われたら元に戻すことは難しい」(環境省箱根自然環境事務所の吉田宗史技官)のが実情で、観光客の多い箱根ではニホンジカの捕殺は難しく、古林元東京農工大大学院助教授が「地表を覆い土壌を支える下層植生がなくなると土壌流出が発生する。ニホンジカの食害を防ぐには植生保護柵の設置と管理捕獲しかない」と指摘するように、希少植生に限らず、丹沢の悲劇を箱根で起こさずに緑を保全していくため、ニホンジカの管理捕獲と植生保護柵設置の拡大が求められていると痛感した。(柏崎幸三)
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 ■仙石原湿原 箱根町の仙石原は、海抜約650メートル、周囲を1千メートル級の山々に囲まれた地域で、その南側にある仙石原湿原は、もともと箱根山カルデラ湖の一部だったところが次第に埋もれていき、県内唯一の湿原が形成された。昭和初期からの観光開発で埋め立てや排水などで湿原は次第に狭められ、現在残された湿原は広さ26ヘクタール余りで、特別保護地区に指定されている。オオミズゴケなど県のレッドデータブックで希少種に指定される植物が群落する地区0・7ヘクタールは、昭和9年に国の天然記念物に指定され、保護されている。」
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 2017年2月9日 産経WEST「琵琶湖水源の森、シカから守れ!?獣害に“本腰” 滋賀県が防止柵設置し「次世代に残す」
 シカなどの食害が深刻化する「山門水源の森」=滋賀県長浜市(山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会)
 滋賀県北端の福井県境に近い野坂山地に位置し、琵琶湖の貴重な水源となっている滋賀県長浜市の「山門(やまかど)水源の森」(63・5ヘクタール)で、獣害が深刻になっている。森林には希少な植物も自生し、林野庁の「水源の森百選」にも選ばれているが、近年はシカなどに食い荒らされて無残な姿に。事態を重く見た滋賀県は、来年度から対策に乗り出す方針を固めた。
 山門水源の森には、県内最大となる約5・6ヘクタールの湿原が広がる。環境省レッドリストで絶滅危惧II類に指定されているヒメミクリや準絶滅危惧のトキソウ、ヒメタヌキモなど希少な植物が自生している。
 また、森林内で浄化した水を琵琶湖に供給する水源の役割も果たしており、同省の「日本の重要湿地500」にも選ばれている。
 だが、近年は、シカやイノシシなどがこうした植物の芽や周辺の樹木の皮を食い荒らしている。平成13年には、当時、高校の理科の教員だった藤本秀弘さん(74)=大津市=らが、ボランティアグループ「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」を立ち上げて網を張るなどの防止策を取ってきた。しかし、標高約200〜500メートルの森に資材を運ぶには労力や資金面で限界があり、被害の拡大に追い付いていないという。
 そこで県が対策に乗り出し、29年度から新たに森に獣害防止柵の設置を計画。まずは4500平方メートルを囲う予定で、当初予算案に150万円の事業費を計上している。
 藤本さんは「貴重な生物が多数生息するこの森を、県と協力しながら何とか次世代に残していきたい」と話している。
 琵琶湖周辺の森林を調査研究している滋賀県立大環境科学部の野間直彦准教授は「多様な生態系という点では、全国的にも価値がある森。このまま放置すれば水源としての機能も落ち、琵琶湖の水質への影響も懸念される。早急な対策が必要だ」としている。」
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 9月16日 産経ニュース「白神山地の核心地域にニホンジカ 初確認、生態系への悪影響懸念
 世界自然遺産白神山地の核心地域で、センサーカメラが捉えたニホンジカ=8月6日、青森県鰺ケ沢町(東北森林管理局提供)
 環境省東北地方環境事務所は、世界自然遺産白神山地(青森、秋田両県)の核心地域で、ニホンジカを初めて確認したと発表した。同地域はほとんど人の手が加わっていない重要なエリアで、ブナの原生林を食い荒らすといった生態系への悪影響が懸念される。
 事務所によると、8月6日午後6時50分ごろ、青森県鰺ケ沢町の国有林に設置したセンサーカメラがオスのニホンジカ1頭の姿を捉えた。担当者は「遺産価値を損ねかねない。監視を続け、効率的に捕獲していく」としている。
 世界遺産になったエリアは、核心地域と、周辺部の緩衝地域に分けられる。緩衝地域では平成27年10月に1頭が撮影された例がある。」


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