🌌31}─2─沖縄の危機遺産。石西礁湖のサンゴ7割が死滅。宮古島のサンゴ3割が死滅。2017年~No.136No.137No.138 @ 

サンゴ 知られざる世界

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2017年1月10日 産経ニュース「石西礁湖、サンゴ7割死滅 沖縄の石垣、西表間
 沖縄県石垣島西表島の間にある石西礁湖で白化、死滅したサンゴ=2016年11月(環境省石垣自然保護官事務所提供)
 環境省は10日、沖縄県石垣島西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で起きた大規模な白化現象で70・1%のサンゴが死滅したとの最終調査結果を発表した。昨年9〜10月の前回調査で白化が進んでいたサンゴの多くが死滅した。
 白化は、褐虫藻が抜け出し、サンゴの骨格が透けて白く見える現象。短期間なら元の状態に回復するが、長期間続くとサンゴは死んでしまう。
 調査は昨年11月28日〜12月21日に35地点で実施。海水温の高い状態が続き、サンゴの中に生息して栄養を補給している褐虫藻が失われたため、白化が進んでいた。前回調査では白化率97%、死滅56・7%だった。今回は海水温の低下に伴い、白化率は91・4%に下がった。」
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 2月19日 産経ニュース「【クローズアップ科学】サンゴ・有孔虫が「海洋酸性化」に耐える仕組み明らかに 養殖など生態系保護に活用へ
 骨格や殻をめぐる海の攻防
 地球温暖化をもたらす大気中の二酸化炭素が海洋に溶け込み、海の酸性化が進んでいる。サンゴや貝などは骨格や殻を作りにくい危機的な状況にあるが、最近の研究で酸性化に耐える能力を持つことが分かってきた。メカニズムの理解は海の生態系保護に欠かせない。(原田成樹)
白化と並ぶ脅威
 18世紀半ばの産業革命から大気中の二酸化炭素濃度は急増し、海水の二酸化炭素も同じペースで増えている。多くのミネラルが溶けている表層の海水は弱アルカリ性で、現在の水素イオン指数(pH)は8・1だが、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)によると約250年間で0・1下がっている。
 このアルカリ度の低下は「酸性化」と呼ばれ、今世紀末にはさらに0・2〜0・4低下して進行すると予測されている。
 サンゴ礁は多くの生物が身を隠すのに好都合で、海の生物多様性を広げている。しかし、環境省が昨年11〜12月に行った調査で、沖縄県石垣島西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」は約9割が白化し、うち7割は死滅していることが明らかになった。
 白化はサンゴが海水温上昇などのストレスを受け、共生している褐虫藻(かっちゅうそう)という藻の仲間がいなくなった状態のことで、そのままだと死滅する。実はサンゴにとって、酸性化も白化と並ぶ死活問題。海水のアルカリ度が下がると、足場となる骨格を作れないからだ。
 養殖研究に期待
 海洋研究開発機構の屋良(やら)由美子特任技術副主任によると、地球温暖化が進むとサンゴは「北上」しか生きる道はないが、それも限界がある。水温の低い北の海では骨格の材料であるカルシウムが溶け込みにくいため、酸性化の影響を強く受けるからだ。
 日本のサンゴは本州周辺の温帯域にも小規模ながら生息し、太平洋側は千葉・館山沖、日本海側は金沢沖などで見つかっている。屋良さんは「南北から挟み撃ちに遭っており、最悪の想定では今世紀後半に生息域は大幅に縮小する」と話す。
 だが酸性化に強いサンゴもいることが分かってきた。琉球大などのチームは、サンゴが骨格を作る際に周囲の環境がどう変わるかを観察する手法を開発し、サンゴがpHを自ら調整していることを突き止めた。骨格を作る根元に酸を加えたところ、環境をアルカリ化して骨格を作りやすくしていた。
 沖縄では現在、白化現象への対策として養殖サンゴの移植を試みているが、酸性化の影響は次第に大きくなる。同大大学院生の大野良和さんは「酸性化に強く、骨格を作りやすいサンゴを明らかにしていくことが、養殖による将来の保護活動に役立つのでは」とみている。
 食物連鎖に影響
 サンゴと同様に今後、酸性化の脅威にさらされると懸念されているのが、海中や海底にいる大きさ数ミリ程度の「有孔虫」という微生物だ。
 ゴカイも餌としているように分布は海岸部にまで及び、バイオマス(生物資源)としても大きな比重を占める。食物連鎖の下層に位置しており、個体数が減れば生態系への影響だけでなく、海中の二酸化炭素やカルシウムの循環も変動しかねない。
 海洋機構の豊福高志主任研究員らは酸性化に強いタイプの有孔虫を調べ、耐性の仕組みを明らかにした。ポンプの役割を果たすタンパク質で水素イオンを海中に排出することで、殻を作りやすいアルカリ性の体内環境を維持すると同時に、殻の原料の一つである二酸化炭素を周囲の海水から取り込みやすくしていた。
 豊福さんは「カキやアコヤガイなどの水産資源についても、酸性化に耐えるメカニズムをタンパク質や遺伝子レベルで解明していきたい」としている。
 生物が酸性化に耐える仕組みを持つと分かったことは、必ずしも朗報とはいえない。その能力は種類によって差があるため、自然淘汰(とうた)が加速して生態系のバランスが崩壊しかねない。海の生態系を保護するため耐性メカニズムを詳しく解明することが急務だ。」
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 2月28日 産経ニュース「宮古島でもサンゴ白化 3割が死滅、高水温で 環境省調査
 沖縄・石垣島で確認されたサンゴの白化(環境省提供)
 環境省は28日、沖縄県宮古島周辺でもサンゴの白化現象が起きて3割が死滅したとの現地調査結果を発表した。大規模な白化が起きた石垣島西表島の間にある「石西礁湖」と同様に、昨年の夏に海水温が高い状態が続いたのが原因。調査の担当者は「中には壊滅状態になった場所もある」としている。
 前回の調査では宮古島周辺は白化が確認されていなかった。今回は69%のサンゴが白化し、31%が回復できずに死んだとみられる。宮古島の沖合にある広大なサンゴ礁八重干瀬」では深刻な白化が起きたのに加え、サンゴが白っぽくなる病気も発生していた。
 石西礁湖では96%が白化し、54%が死んだ。平成10年にこの海域で起きた白化を上回る最大規模の被害となった。
 調査は昨年6月から今年1月に全国の海域で実施。水面からシュノーケリングでサンゴの状態を観察した。」
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