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2017年1月24日 産経ニュース「千葉の九十九里浜で「砂浜」が消える… 30年で砂浜幅が40メートル後退懸念も 急がれる対策
九十九里浜で砂浜の浸食が進み、崩壊した護岸=平成27年12月、千葉県長生村の一松海岸(県提供)
九十九里浜の浸食対策を検討する県の「九十九里浜浸食対策検討会議」(座長・近藤健雄日大特任教授)の第1回会合が23日、千葉市中央区の「きぼーる」で開かれ、今後浸食対策を何も実施しない場合、九十九里浜全体で毎年約1ヘクタールの砂浜面積が減り、今後30年間で砂浜幅が最大40メートル超後退する場所も発生するとの見通しが示された。
県は今後、浸食被害を防ぐため、地元の漁業者や住民らと合意形成を図り、浜全体のバランスを考慮しながら、砂の流出を防ぐための人工岬「ヘッドランド」の設置や外部からの砂を供給する「養浜」といった対策の実施を同会議で検討。自然な海浜を可能な限り残し、実現可能な養浜量で約40メートルの砂浜幅の確保を目指すとしている。
県によると、対策を検討する対象地域は旭市の飯岡漁港から一宮町の太東漁港の約60キロ。かつては北側の屏風ケ浦(銚子市)と南側の太東崎(いすみ市)が浸食され、その砂が浜に堆積し豊かな砂浜を形成。海水浴やサーフィンを楽しむ観光客でにぎわい、漁業も盛んでウミガメの産卵なども確認されている。
だが、1960年代に国土保全の目的で双方の崖に浸食対策を施したことで70年代ごろから徐々に砂の供給量が減少し、その結果、砂浜が後退。県はすでに地域ごとに養浜やヘッドランドを設置するなどの対策を行っているが、27年1月の砂浜幅が昭和36年7月に比べ、90メートルほど減った地域もあるという。浜の南部を中心に確認されている地盤沈下も、砂浜の減少に影響しているとみられている。
この日の会合では、海洋建築工学や生態工学の有識者らのほか、周辺自治体の首長や地元漁業関係者らが出席。県側から九十九里浜の浸食被害の現状や海水浴場の減少といった影響、九十九里地域全体でヘッドランドと養浜を組み合わせた効果的な対策を今後進める考えなどが説明された。出席者からは「ハマグリなど地域の漁業に影響が出ないようにしてほしい」「これまでのヘッドランド設置の効果を検証する必要がある」といった意見が上がっていた。
県は今後、関係者の合意形成を経て、2万立方メートル程度の養浜の効果や影響を検証。地元の市町村や漁業関係者、住民に検証結果を説明した上で、養浜工事を拡充していくとしている。」
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