💫4}─3・A─中生代。ジュラ紀。白亜紀。恐竜の誕生と滅亡。霊長類の誕生。第5回大量絶滅。約2億5217万年前。〜No.31No.32No.33 * 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 強者は、安住の地で生活して進化しない、あるいは退化した。
 弱者は、劣悪環境、不毛の土地に逃げ込み生きる為に環境に適用した種が突然変異を繰り返し進化した。
 哺乳類の進化は、強者ではなく弱者だったからである。
 恐竜の系統から一つの種が、鳥の機能を獲得し、世代を経ることで進化し生き残った。
 種の進化は、環境に適した機能した種が生まれ、世代を経る事で機能を高めて数を増やして生き残った。
 偶然にも遺伝子・DNAを変異させられた種のみが生き残り、変異できなかった種は絶滅した。
 遺伝子・DNAの変異は偶然であったが、種の生き残りは必然であった。
 進化は、勢いと偶然と幸運であった。
 生き残る為には多様性を獲得する事が不可欠であり、多様性の獲得には耐え忍びもがき苦しむ努力によって運と縁とタイミングが巡ってきた。
 進化は、一つの系統で起きるのではなく、多数の系統の中で一つの系統だけが突然変異で生き残り、突然変異できなかった種や突然変異が異化しきれなかった種は絶滅した。
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 突然変異を現代風に言えば、イノベーション、改革、変革であって改善、改良ではない。
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 多様な進化を遂げた種族は繁栄し、多様な革新ができなかった種族は一瞬は栄えてもやがて絶滅した。
 イノベーションできた種族は生き残り、できなかった種億は滅び去った。
 革新は、誰かに与えられたり譲られたりするのではなく、自らが勇気を出して行う事である。
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 生物は、雌雄同体の極少数の種以外は、親の遺伝子を受け継いで生まれてくる。
 遺伝子は、身体の設計図として細胞の中で、細胞分裂と共に複製を作りながら誕生と死を繰り返している。
 人の身体は、一つの細胞から増殖を繰り返して、例外なく約60兆個の細胞で成り立っている。
 遺伝子は、DNAという物質から成り立っている。
 DNAは、アデリン=A、チミン=T、シトシン=C、グアニン=Gの物質から成っている。
 物質は、生物でも、石でも、地球でも、同じである。
 四つの物質が、AとT、CとGの絶対ペアを組み細い細い螺旋階段となって存在する。
 ヒトゲノムは、32億ペアのAとC、TとGから成り立っている。
 人であろうと、細菌やウイルスであろうと、生き物は同じ様なペアで作られている。
 オーストラリアのマードック大学が行った2012年の研究「DNAは最長でも680万年で消滅する」
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 細胞は、食べ物と環境によって変わる。
 心のありよう、精神で変化する。
 生物の細胞の中には、数万種類のタンパク質が約80億個存在し、命を維持する為に、1秒間に数万個を壊し同じ数だけ新しく作り出している。
 1日に、約2%の細胞が新しい細胞に入れ替わり、2兆個の細胞が交代する。
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 生物が自然環境で生き抜く為には、刻々と変化する状況の中で最適な行動を取る事が重要であった。
 捕食される弱者も、捕食する強者も、その自然環境を共有していた。
 生き残る為に必要な要素は、昨日までの手段にこだわる事なく諦め、明日の為に別の手段を選び失敗を繰り返しながら試して柔軟に実行する事であった。
 生物が自然環境に適合して生き残り為には、捕食される弱者は自分が食べる餌により、捕食者はエサとなる弱者により、その地域の適正な数の範囲で生きる事であった。
 地域の食糧状態で、個体数を増減させていた。
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 2000年6月 クリントン大統領は。ヒトゲノムの塩基配列解読終了を発表した。
 ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは、3.9%で、ヒトとネズミでは1%以下である事が判明した。
 つまり。人類は、紛れもなくネズミの子孫として地球上で誕生したと言う事である。
 特別に、優秀だから選ばれたと言うわけではない。
 まして、地球外から高度な文化と技術を持って移り住んだ宇宙人でもない。
 ただ、幸運にも人間として進化してきたに過ぎない。
 それ以上でもなければ、それ以下でもない。
 万物の霊長で有り、生物の頂点に存在する王者であると威張れるほどの存在ではない。
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 ブルース・リプトン「遺伝子は単なる生き物の設計図にすぎず、意識や環境が細胞をコントロールし遺伝子の振る舞いを変える」
 「一つの細胞の在り方が環境の如何によって左右されるのであれば、何十兆個もの細胞集団である人間も、それと同じはず。細胞の一つの状態を決めるのが遺伝子ではないように、私たちの人生も遺伝子が決めるのではない」
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 ダーウィン「思うに、私の犯した誤謬(ごびょう)の最たるものは、食物や気候など環境の直接的な作用については十分に重要性を認めず、自然選択と関連性を持たないものとしてしまった所でしょう」(『自叙伝 宗教観及びその追憶』)
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 福岡伸一「生命は全て、動的平衡状態にある」
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 鈴木大拙「精神と物質との奥に、いま一つ何かを見なければならぬ。二つのモノを包んで、二つが一つになっているモノ、これがスピリチュアルである」(『日本的霊性』)
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 弱者は、強者に対抗して生き残る為に進化戦略をとり、場所として物陰に時間として夜陰に隠れ、一人でも多く逃げられるように群れて行動し、強者が生理的に嫌がる状況を作り出し、捕食者が少ない過酷な環境で不毛な土地に逃げ込み開拓して棲み分けを行った。
 弱者が生き残るには、身の不運を嘆き悲しみ強者を恨み呪う前に、他者を当てにせず、頼らず、依存せず、自分一人でも生き抜く為の工夫を際限なく凝らすしかなかった。
 弱者は、無駄な努力として強者に挑まず、強者から身を守りながら逃げ、新天地を切り開く事で生き残ってきた。
 生物の進化に於いて、環境に適応する為の進化を止めた強者は絶滅し、最悪な状況下で進化し続けた弱者は生き残った。
 現在、弱肉強食世界では、「勝者必勝、弱者必滅」は揺るぎない事実である。
 未来、生物界に於いては、「強者絶滅、弱者生存」は紛れもなき真実である。
 生物進化の歴史とは、その絶滅と生存の物語である。
 弱者は、仲間を助けず平然と見殺しにして逃げ、エゴ丸出しにして餌を独占する究極の個人主義者である。
 強者は、仲間を助け庇う心優しい集団主義者で、仕留めた獲物の肉は公平に分けて食べた。
 チームを組んで狩りをする肉食動物は、狩りに参加する仲間が少ないと成功しない為に、助け合う。
 群れで生活する草食動物は、肉食動物の攻撃から身を守る為に数を増やして行動するが、攻撃されたら弱い者を犠牲にして一目散に逃げた。
 肉食動物に食われるのが、親兄弟や子供であっても助けはしない。
 弱者は、食糧が乏しい荒廃した土地でも、寿命の範囲内で一人でも生きていける。
 強者は、餌の少ない土地では、一人で生きる事ができない。
 弱者は強者がいなくなっても生きられるが、強者は弱者がいなくなると生きられない。
 強者は、弱者に依存する事で生存できる。
 弱者は、強者に頼らなくとも生きられる。
 自然は、弱者と強者の均衡で保たれ、均衡が崩れた時に崩壊する。
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 哺乳類は、弱肉強食の地上での生き残り戦略として一夫多妻制で、オスは不特定多数ののメスと交尾をして子孫を残す。
 哺乳類で一夫多妻制を取っているのは、全体の3%に過ぎない。
 一夫一妻制が多いのは鳥類で、全体の約90%に達する。
 一夫多妻制が自然であり、その影で、生涯で伴侶が見つからず交尾する事なく死亡するオスがいる。
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 2017年5月28日 産経ニュース「【クローズアップ科学】「第7大陸ジーランディア」水没の謎に挑む 探査船ちきゅうが海底を掘削へ
 海底に眠る大陸
 オーストラリアの東側の海底には、地球で7番目の大陸「ジーランディア」が沈んでいる。その誕生や水没の経緯は長く不明だったが、地球深部探査船「ちきゅう」による調査が1月に正式決定。2020年に海底を掘削し謎の解明に挑む。(伊藤壽一郎)
 2つの誕生仮説
 ジーランディアは1990年代の観測衛星による海底地形調査で存在が確認された。面積はオーストラリア大陸の約6割に当たる約490万平方キロに及び、世界最大の島グリーンランドの2倍を超える広大な水没大陸だ。海面より上にあるのは面積の約6%だけで、大半をニュージーランドが占める。
 海底に沈んではいるが大陸だ。地球の表面を覆っている地殻には、厚さが約6キロの海洋性の地殻と、30〜40キロと厚い大陸性の地殻がある。ジーランディアの地殻は約20キロで、大陸性と見なされる。大陸性にしか含まれない花崗(かこう)岩や変成岩が見つかっていることも根拠だ。
 3億年前の地球では超大陸パンゲア」が唯一の陸地だった。2億年前に分裂が始まり、現在の6大陸ができた。ジーランディアはオーストラリアの東側部分だったが、約8千万年前に分裂して誕生。約2千万年前にほぼ全域が水没したことが、これまでの研究で分かっている。
 未解明なのは分裂の仕組みだ。二つの仮説が提唱されており、その一つは地球内部から高温のマントルが対流で上昇するホットプルームという現象が、オーストラリアを突き上げて分裂させたとする「マントルプルーム説」。
 もう一つは「ロールバック説」。オーストラリアの東側では海洋地殻が陸の下に沈み込んでいるが、沈み込む角度が深くなり後退するなどの影響で、縁が引き伸ばされて分裂したとみる。どちらが正しいのか議論が続いている。
 3年後に掘削
 この謎を解明するため、豪州政府と海洋研究開発機構は世界最高の掘削性能を持つ探査船ちきゅうで調査し、仮説の証拠を探す構想を2013年から進めてきた。
 ジーランディア北部のロードハウライズと呼ばれる水深1600メートルの浅い海域で、海底下を2200〜3500メートル掘削して岩石試料を採取する。費用は100〜150億円で、豪州が6〜7割を負担する見通し。
 計画を指揮する海洋機構の斎藤実篤グループリーダーは「得られた試料に玄武岩など火山性の岩石が含まれているかどうかがポイントだ」と話す。
 8千万年前ごろの試料から火山性の岩石が見つかれば、激しい火山活動を伴うマントルプルーム説の証拠になり、見つからなければロールバック説が正しいことになる。
 ジーランディアの表面には、陸上だった時代から水没して現在に至るまでのさまざまな物質が堆積している。水没の理由は地殻が薄く沈みやすいためだが、堆積物を分析すれば水没の開始時期や速度まで詳しく分かってくるという。
 日本列島にも関係
 掘削計画の実施には国際機関の承認が必要なため、豪州と海洋機構は15年、共同で提案書を提出。今年1月に承認されて実施が正式決定したことで、準備は一気に本格化してきた。
 今後は掘削の詳細な場所や深さを6月に確定。11〜12月に深海調査研究船「かいれい」で現地の事前調査を行い、20年の夏から秋にかけて掘削する計画だ。
 ジーランディアは日本から9千キロも離れているが、決して無縁ではない。大陸の辺縁部が分裂することは多くの大陸の成長過程でしばしば見られ、日本列島もユーラシア大陸の東縁部が分裂して誕生したと考えられているからだ。
 沈んだ大陸の謎の解明は、日本列島や日本海の形成過程を詳しく知る手掛かりになる可能性がある。
 斎藤氏は「早く掘削を実現し、大陸の分裂や成長のメカニズムを解き明かしたい」と意気込んでいる。」
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 2億5217万年前の中生代(〜6600万年前)三畳紀(〜2億130万年前)
 爬虫類が誕生した。
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 1840年 イギリスの学会は、新種のは虫類を「恐竜」と名付けた。
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恐竜の誕生と滅亡。
中生代。約2億5217万年前〜約6600万年前。
 動物は、弱肉強食の生存競争で生き残る為に、巨大化するか、小型化するか、迅速な移動を制限する頑強の殻・甲羅を手に入るの三つに分かれた。
 地球は、温暖化して、恐竜は多様に進化して繁栄していた。
 2億5200万年前 ペルム紀末、陸と海で生きていた全生物の9割が絶滅した。
 小さく弱い爬虫類の一部は、捕食者から水の中に逃げ、魚介類を餌としていた。
 水中爬虫類から、鰭竜類とヘビ類・トカゲ類が分かれ、暫くして魚竜類とワニ類が出現した。
 陸上に上がった爬虫類の一部は、陸上生活で身に付けた肺呼吸のままで、幾つかの理由で再び海に戻った。
 海生爬虫類は、環境に合わせて進化し、生息場所を開拓しながら多様化して、種族を増やしていった。
 両生類から単弓類の獣弓類そしてキノドン類へと進化し、最初期の哺乳類である哺乳形類が出現した。
 初期の哺乳形類は、小型で爬虫類の捕食者から逃げ回っていた。
 昼間は外温性の肉食爬虫類が活動していた為に、体温を上下できる内温性を手に入れて夜間行動していた。
 三畳紀
 超大陸パンゲアで、無脊椎動物である昆虫の殆どが絶滅し、脊椎動物の7割が絶滅した。
 単弓類の幾つかの種類が生き残り、生息地を広部ながら、過酷な環境に順応しながら進化していった。
 単弓類から獣弓類と盤竜類に分かれ、獣弓類の中のキノドン類とディキノドン類が生き残った。
 キノドン類から哺乳類が分かれたが、環境の変化に適用しながら分かれて種族を増やしては絶滅を繰り返していた。
 双弓類(爬虫類)から、ワニ類や恐竜や鳥類等が属する主竜類とトカゲ類であった。
 主竜類の中で最初に繁栄し大型化したのはワニ類で、恐竜の祖先は肉食であったが小型で逃げ回っていた。
 恐竜は、ワニ形類から進化したのではなく、別の分類から分かれて進化した。
 この時代のワニ類は三畳期末に謎の原因で大量絶滅、現代のワニの祖先はワニ形類が三畳紀後期に出現した。
 ワニの祖先であるワニ形類で有名なのが、プロトスクスである。
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 2億5100万年前から1億9960万年前の三畳紀に恐竜は爬虫類から進化した。
 リストロサウルス、全長1メートルの植物食単弓類。
 イスチグアラスティア、全長2〜3メートルのディキノドン類の大型植物食単弓類。リストロサウルスの後、数千年後に出現した。
 プロベレソドン、全長30センチのキノドン類の肉食単弓類。
 チニクオドン、全長1メートルのキノドン類の肉食単弓類。
 エクサエレトドン、内温性を獲得した哺乳類の祖先。
 三畳紀中期まで陸地を支配していたのは、単弓類であった。
 三畳紀後期は、最強の捕食者は、全長5メートルのワニの祖先であるクルロタルシ類のサウロスクスであった。
 恐竜も次第に巨大化して、陸地の覇権争いに加わってきた。
 ワニ類から、熾烈な生存競争から逃れる為に、食性の多様化で幾つかに分かれて数を増やしていった。
 肉食から植物食へ、アエトサウルス類のアトサウロイデス。
 捕食者から逃げる為に速く走る足を手に入れた、植物食のクルロタルシ類のシロスクス。
 2億5000万年前 大気中の酸素濃度が低いかった為に、恐竜は、鳥類と同じ呼吸器である気嚢を手に入れて生存競争で優位に立った。
 一部のワニ類やトカゲ類でも気嚢を手に入れた種類がいたが、恐竜にはかなわなかった。
 最古の恐竜であるプロロトダクティルスは、まだ小型でひ弱であった。
 恐竜は、環境や食性で多様性を持って大きく三つの種類に分裂し、急速に数を増やしていった。
 ピサノサウルスの鳥盤類で、後にステゴサウルスやトリケラトプスなどの植物食恐竜が出現する。
 エオラプトルの竜脚形類で、後にアルゼンチノサウルスなどの大型植物食恐竜が出現する。
 エオドロマエウスの獣脚類で、後にティラノサウルスなどの肉食恐竜が出現した。
 2億4400万年前 地上より先に海の生態系は、急速に回復し、海中植物の大繁殖によって酸素濃度が上がるや、新た魚介類も多くの種族が誕生して数を増加させた。
 海の最強の捕食者である魚竜類のタラットアルコンが、海を支配した。
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 三畳紀後期 2億3500万年前〜2億130万年前
 2億3700万年前 恐竜が優位に立つた。
 木の上に住んでいた爬虫類は、枝から枝へと飛び移り、逃げ回る昆虫を捕る為に自力で空を飛ぶ能力を得た。
 古生代中生代の境界線で、生物が大量に絶滅したが、深海に生息していた古代ザメは生き残り、現代の鮫の祖先となった。
 2億2000万年前 最初の翼竜が出現し、進化して、大型化し、6600年前まで空を支配した。
 お腹にしか甲羅のないオドントケリスという陸カメが生息していた。
 原始的な哺乳形類の登場。
 逃げ回る事で進化し、環境に合わせて多様化して行った。
 そして、真の哺乳類が登場し、なひ弱な小動物として、恐竜などの捕食者から逃げ回り、夜行性として聴力を発達させて夜に餌の昆虫を捕って生活していた。
 霊長類の人類が誕生するのは、恐竜が死滅した遙か後である。
 亀の祖先であるプロガノケリスが、爬虫類の中から分かれて出現した。
 亀は、砂漠から海中までその生息する環境に合わせて多様に進化し、6600万年前の白亜紀末二起きた大量絶滅に影響される事なく生き残り、現代に子孫を残した。
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 2億2000万年前 子供を母乳で育てる哺乳類は、小型の夜行性動物として、恐竜などの捕食者に見つからないように隠れて昆虫を食べて生きていた。
 ハドロディウム(体長3センチ)は、アクセル遺伝子とブレーキ遺伝子による突然変異で大脳皮質を発達させ、大脳皮質を使って幾つかの感覚をまとめる能力を獲得した。
 哺乳類以外の動物は、アクセル遺伝子とブレーキ遺伝子は進化する為の物質を等しく出して、進化の速度を遅らせた。
 哺乳類では、ブレーキ遺伝子が特別なタンパク質で働きを止められた為に、アクセル遺伝子が絶えず働いた為に進化を続けた。
 哺乳類だけが遺伝子の故障を起こして、大脳皮質を獲得し、知性を手に入れた。
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 2億130万年前 海生爬虫類が大量絶滅し、僅かに生き残った恐竜から首長竜と魚竜が登場して海の捕食者となり、温かく浅いテチス海を支配した。
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 2億100万年前 陸や海底で大規模な火山活動が発生し、地球気候が大変動を起こしていた。
 三畳紀末から第四回目の大量絶滅が始り、全生物の76%が絶滅した。
 オウムガイ類から分かれたアンモナイトも大量に死に、ほんの少数がようやく生き残った。
 最強の捕食者であったワニ類のクロタルシ類が、原因不明で絶滅した。
 海を支配していた鰭竜類の殆どが絶滅し、僅かに首長竜類が生き残った。
 海生爬虫類の魚竜類は、水中生活に適応して進化し、多様に子孫を増やす事によって海を支配し始めた。
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 ジュラ紀
 2億130万年前 ジュラ紀後期は、地球は温暖化し、酸素濃度は上がっていた。
 三畳紀後期に現れた恐竜は、大陸に拡散しながら進化し、弱肉強食の生存競争の中で巨大化して恐竜時代が始まった。
 コープの法則「同じ系統に属する動物は進化するにしたがって巨大化する傾向がある」
 「あるグループ内の多様性が増せば、その一環として大型種も増加する」
 恐竜は骨盤の形で、鳥盤類と竜盤類に分類され。
 鳥盤類には、装盾類(剣竜類、鎧竜類)、鳥脚類、周飾頭類の三つに分かれる。
 竜盤類には、植物食恐竜の竜脚形類と肉食恐竜である獣脚類の分かれる。
 竜脚形類は、シダ植物や裸子植物を食べていた。
 捕食者である獣脚類は、鋭い牙と爪を持ち、駿足で小型の肉食恐竜や巨大化した植物食恐竜を仕留めていた。
 被捕食者は弱いがゆえに群れで行動し、竜脚形類は巨大化して身を守り、鳥盤類は全身を防御したり尾を武装したりして身を守った。
 巨大恐竜が地上を闊歩する下で、小型恐竜が登場していた。
 空を飛ぶ昆虫を追って、木の上を移動して生活していた小型の恐竜は進化して翼竜となった。
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 大地を引き裂くプレートテクトニクス理論。
 2億年前 超大陸パンゲアの中央部にマントルが上昇して亀裂が入り、地殻が裂け、大地が引き離され始めた。
 北半球でローラシア大陸が誕生し、更なる分裂で北アメリカ大陸とヨーロッパが引き裂かれ始めた。
 巨大大陸が引き裂かれて行くや、大陸の間に浅瀬が誕生し拡大した。
 死滅しかけたアンモナイト類など浅瀬で生息していた生物は、環境の好転に合わせて多様化して爆発的に繁殖した。
 だが、大陸の移動で海水面が低くなるに従って生息海域が減少して、数を減らし、環境に適用しながら突然変異した種族は生き残り、昔ながらの生き方を続けて適応できなかった種族は絶滅した。
 浅瀬に拘って生息していた種族は絶滅し、新たな生存圏を求めて進化した種族は多様な変化を遂げながら生き残った。
 そして、食うか食われるかの苛烈な生存構競争に生き抜く為の、他者が持たない特性を獲得した。
 1億9000万年前 ジュラ紀中期 パンゲア大陸の地溝鯛では、火山活動が活発化し、低地には雨水が溜まって沼沢地となった。
 海に近い処では海水が流れ込み、海洋プレートによってその切れ目が広がった。大西洋の始まりである。
 1億8000万年前 ゴンドワナ大陸も分裂し始めた。
 プレートには、隆起して大地を引き裂く地点と沈下して大地を呑み込む部分が存在する。
 沈下する大地は、平らになって地球内部に引き込まれるのではなく、凹凸になって引きずり込まれていく。
 凹凸の部分では、引きずられる事で歪みが強くなり、内に貯めていた水を放出して巨大地震を引き起こしている。
 1億6900万年前(〜1億4400万年前) 鳥盤類恐竜クリンダドロメウスは、羽毛を持っていたと言われている。
 真鍋真国立科学博物館)「恐竜が初期から羽毛を持っていた可能性を示す、有力な証拠だ。恐竜が羽毛のおかげで体温を高めに保てたとすると、他の爬虫類より活発に動けて、有利だったかもしれない」 
 福井県は大陸の一部で、4種類の新種の恐竜が生息していた。
 植物食恐竜 フクイサウルス。フクイテイタン。
 肉食恐竜  フクイラプトル。
 江戸時代から、福井や石川から恐竜の化石が発掘されていた。  
 1億5000万年前 始祖鳥の登場。羽を使って飛ぶのではなく、ムササビのように木に登り枝から枝へと滑空していたといわれている。
 ダーウィン「私の理論を裏付ける非常に有力な証拠だ」
 鳥は、羽毛恐竜の中の非鳥類型恐竜類から分かれて進化した。
 これ以降、恐竜は、空を自由ぬ飛ぶ鳥類型恐竜と大地を走り回る非鳥類型恐竜に大別される。
 獣脚類のオルニトミムスは、ダチョウのような姿をして地上を走り回っていたが、幼体は羽毛を持っていなかった。
 羽毛恐竜の羽毛は、空を飛ぶ為のではなく、現代の鳥の様に繁殖として個体を識別し異姓への求愛行動に使用されていたと考えられている。
 鳥に進化していった羽毛恐竜は肉食であったが、弱者は過酷な生存競争に生き残る為に空に逃げ、植物食や雑食へと多様に進化していった。
 強者は、弱者を捕食する為に後を追うように進化し、そして大型化した。
 弱者は、スピードや小回りなどの特技を獲得したり、或いは小型化で生き残りをかけて進化した。
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 弱者であった鳥類は、捕食者から逃げながら餌を捕る為に飛翔能力を高めた。
 弱者は、不運な身の上を嘆き暮らすいとまがなく、生き残る為に重力に逆らい空気の抵抗に逆らってひたすら進化を続けるしかなかった。
 自分を助けるのは自分で有り、誰かが助けてくれるわけではなかった。
 弱者の群れは、自分が生き残る為に、生まれつき能力の劣る者や病気や歳で体力及び能力が低下した者を犠牲として逃げる。
 弱者の群れが、一丸となって反撃し強者を撃退する事は極まれな珍事で、めったには起きない。
 親鳥が雛をかばって捕食者と戦う事はあっても、親離れし巣立った若鳥が襲われても親鳥は助けない。
 同様に、親鳥が捕食者に襲われても若鳥は助けない。
 生きるも死ぬも本人次第で、親子は関係なかった。
 弱者は非情な掟で生きている為に、非情で薄情な性格を持ち、自分よりも劣る仲間を犠牲にして逃げる。
 自然に生きるとは、一寸の気の緩みが命取りとなる過酷な生活環境で生きる事であった。
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 空を飛ぶ鳥や翼竜と大地を走り回る恐竜(非鳥類型恐竜)の違いは、脳にあると言われる。
 視野の空間認識は、恐竜は平面的二次元的で、鳥や翼竜は立体的三次元的であった。
 海を支配していた凶暴な捕食者である魚竜や首長竜は、恐竜から進化したのではなく、魚類や海棲爬虫類から巨大化した生物であった。
 魚竜や首長竜の空間認識は、鳥類や翼竜と同じ立体的三次元的であった。
 平面的二次元的脳の恐竜は、魚などを捕食する為に海面を泳ぐ能力を獲得しても、海中に潜って生活する事はできなかった。
 が、立体的三次元的脳の鳥類や翼竜は、水中に適応した。
 中生代には、空を飛ぶ能力を捨てた潜水鳥類へスペロルニスなど多くの潜水性を獲得した鳥類が誕生していた。
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 2017年9月23日 産経ニュース「「日本列島成り立ち分かる」 三重・鳥羽の地質図幅 国内最大級の恐竜化石発見の謎も
 完成した鳥羽市周辺の5万分の1の地質図幅「鳥羽」
 産業技術総合研究所茨城県つくば市)は、三重県鳥羽市で発見された恐竜「トバリュウ」化石の地質を含めた5万分の1の地質図幅(ずふく)「鳥羽」を刊行した。同研究所は「なぜこの地域で恐竜化石が多いのかを含め、日本列島の成り立ちのスタンダードになる地質図。今後の研究にとって貴重なものになる」としている。
偶然隆起が少なかったため
 化石は平成8年、鳥羽市安楽島町で発見された。年代は約1億3800万年前の白亜紀前期と推定され、国内最大級の恐竜化石と話題になった。トバリュウの全長は16〜18メートル、体重は31〜32トンと推定されている。
 刊行された地質図は同地域を含めた東西約23キロ、南北約18キロの地域の地質を図形化した。その結果、同地域は、約2億年前のジュラ紀から約1億年前の白亜紀後期までの地質が集中して表れている地域であることを確認。日本列島が大陸の時代から分裂や地殻変動、移動を繰り返してきた結果の地質が集まった地域であることも分かった。このうち、トバリュウの化石のあった地質は偶然、隆起が少なかったため、鳥羽市の海岸部に残ったことも判明したという。
 鳥羽市周辺はこれまで詳細を研究した地質図が乏しく、同研究所の職員が約5年間にわたり現地を調査。紀伊半島東部で初となる5万分の1の地質図となった。同研究所では「この地域の地質は白亜紀ジュラ紀など5つの地質帯が偶然に集まり、国内の他地域にない特異な地域。列島の成り立ちの基礎が分かる」と分析。今後、防災、都市計画や観光産業計画の基礎にもなるとしている。」
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 白亜紀
 白亜紀前期 1億4500万年前〜1億2000年前。
 現生鳥類の直接の祖先である真鳥類(原始鳥類)は、主竜類(糟歯類)の中の非鳥類型恐竜類から分かれて進化して出現した。
 1億4500万年前 大西洋の誕生。
 翼竜は、ジュラ紀に繁栄した種は絶滅し、その中の一部が生き残り多様な進化を遂げて大型化して、空を支配した。
 恐竜は、全ての陸地に、そして海や空に生息地を広げる事によって多様化して種類と数を増やした。
 恐竜は、地球上の到る所にいた。
 その中を爬虫類の仲間であるトカゲ類が、花や小動物や昆虫を食べ、捕食者から逃げながら多様に進化していった。
 トカゲの中からヘビ類が出現し、カガナイアス・ハクサンエンシスと名付けられた。
 1億4000万年前 出現した被子植物は、昆虫を介して子孫を増やす多様な手段を獲得した。
 1億3000万年前 被子植物は、より多くの昆虫を集める為に花を咲かした。
 昆虫は、花を咲かせる被子植物の生息地拡大に貢献した。
 被子植物は、生息地を拡げながら多様に進化し、色とりどりの花で大地を被った。
 花を咲かす被子植物と昆虫は、お互いに共生する事で繁殖し、そして多様に進化して種類を増やして行った。
 昆虫は、単独で行動する種と集団で行動する種の二つに分かれ、独自の能力を持つ事で更に進化して行った。
 花も花粉を昆虫に運んで貰うべく、自分だけの固有の昆虫を選び出し、その昆虫を呼ぶ独自の手段を獲得していった。
 更に、種を遠くまで飛ばす手段も独自に獲得した。
 弱者である昆虫は、小動物などに掴まらない防衛方法を、進化の過程で身に付けていった。
 多様性を持って進化できる生物は生き残り、多様性を失い劣化した生物は絶滅した。
 弱者ほど、生き残る為に独自に多様な進化を遂げる必要があった。
 荒れ野に自生した被子植物は、生育に必要な室素やリンを得る為に食虫植物に進化した。
 日本で、発見される最古の被子植物の花粉の化石は約1億3000年前の白亜紀前期アルビアン期もので、アジアで発見された花粉の化石に比べて約2000年新しい。
 1億2500万年前 哺乳類の捕食者レペノマムス・ロブストゥスは、植物食恐竜の子供を捕らえて食べた。
 ティラノサウルス類の祖先である全身が羽毛に覆われた獣脚類の小型恐竜グアンロン・ウカイイは、アジアを走り回り、その一部が北米大陸に移動して最強恐竜ティラノサウルスに進化していった。
 恐竜に比べて弱者であった小動物・哺乳類は、初期は卵を産んで孵化させる卵生であったが、子孫を増やす為に多様に進化した。
   ・   ・  ・   
 妊娠・出産の獲得。
 哺乳類は、卵を体外で孵化させる卵生から、母親の体内で発育させて体外に排出する胎生に変化した。
 哺乳類は繁殖方法として、胎盤を通じて胎児を出産する有胎盤類と有袋類に未熟な子供を早期に産んで母体の袋に入れて育てる有袋類に二つに分かれた。
 その中の幾種類が絶滅し、弱肉強食の生存競争を多様に進化できた種のみが生き残った。
 自然界に於いて、弱者は生き残るか絶滅するかの二者択一しかなく、他者の助けを充てにせず独自に進化できた弱者のみが子孫を残した。
 他者に頼り・依存した弱者は絶滅し、生存の為に他者を利用した弱者のみが生き残った。
 後年。恐竜が絶滅した後、有胎盤類と有袋類は激しい生存競争を繰り広げ、凶暴性が強い有胎盤類が有袋類を駆逐した。
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 2017年2月17日号 週刊朝日「パスカトルの万能薬 池谷裕二 
 妊娠の脳回路
 卵生では産卵の時に卵内に含まれていた栄養だけで孵化まで成長させなくはなりません(だから卵黄はあんなに大きいのです)。
 つまり産卵は大量の栄養を母親から一気に奪います。
 一方、妊娠は受胎しても栄養を多く奪われません。胎盤を通じて十分に栄養補給できます。ゾウのような大型動物では妊娠期間が2年近いことさえあります。
 妊娠は産卵より母体への負担が少ないとはいえ、決して安易なイベントではありません。母体は文字通り『全身全霊』で胎児の発育を支え、将来の出産や育児に向け準備を始めます」
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 ヘビはエデンの園エバを誘惑して禁断の実を食べさせた為に、絶対神の怒りで大地を這う様に命じられたわけではない。
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 スーパープルーム。
 地球が地殻変動期に入り、大規模なマグマが上昇し、マグマは地殻を突き破って地上に吹き出し、大地を引き離した。
 マントルの対流で、陸上はもとよりう海底でも、地球の到る所で巨大地震が頻発していた。
 マグマの上昇で火山活動が活発になるや、温室効果のある二酸化炭素量が大気中に増加して地球を温めた。
 陸地にあった氷床を溶かして、海水面を上昇させた。
 日本列島の大断層帯である中央構造線は、大陸の横ずれで生まれた。
 1億2000万年前 南半球のゴンドワナ大陸が西と東が二の分裂した。
 海底に巨大な海台が幾つも出現し、海洋は大変動が起きていた。
 西ゴンドワナ大陸は、南アメリカ大陸とアフリカ大陸に分裂していった。
 東ゴンドワナ大陸は、南極大陸とインドとオーストラリアみ分裂していった。
 分裂した各大陸に取り残された恐竜は、生息地の環境に合わせて進化し、形態的多様性で多彩な姿の恐竜が数多く生まれ繁栄した。
 プレートに乗った大陸は、年間1㎝から10㎝近く移動していた。
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 温室地球。
 地球の温度上昇は、100年で0.00025℃であった。
 白亜紀中期 1億2000万年前〜9000万年前。
 海底火山が活発に活動していた。
 地球は超温暖となり、海面水温(SST)も上昇して、南極・北極・大陸の氷が溶けた。
 超温暖気候の中で被子植物は爆発的に増殖し、新たな進化によって大地に豊かな森を広げた。
 花に依存する昆虫が増えるや、それを餌にする小動物も増えた。
 炭素循環システムは、地球環境を一定に保つ機能があった。
 大気中の二酸化炭素は雨となって陸地や海に降り注ぎ、地表では岩を解かし海に流して、海底に炭酸塩鉱物が堆積した。
 地下に染み込んだ雨水は、地中の熱で蒸発して二酸化炭素を大気中に供給した。
 約3億年の周期で大気中の二酸化炭素が、増えて温暖化し、減って寒冷化した。
 ウォーカーフィードバック。ジェームズ・C・G・ウォーカー「地球表表層温度における長期安定化の為の負のフィードバック機構」
 大陸移動と海水温上昇で暖流が強くなり寒流が弱くなり、海水中の塩分濃度の違う海域が生まれ、海洋大循環が停滞して地球環境を激変させた。
 海洋無酸素事変。
 海洋大循環の停滞によって深層水の温度も上がり、海水中の酸素が大規模に欠乏して、アンモナイトなどの海底生物が絶滅した。 
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 マグマは、マントル下部から上昇流(ホットプルーム)で地上に向けて吹き上げていた。
 海底火山群は大量の溶岩を吹き上げ、100万年から200万年かけて巨大な海底台地を生み出し、数え切れないほどの海山を形成された。
 1億4500万年前 シャツキー海台。
 1億3500万年前 マゼラン海台。
 1億2000万年前 オントンシジャワ海台。マニヒキ海台。ヒクランギ海台。ケルゲレン海台。 9000万年前 マダガスカル海台。ブロークン海嶺。 
 海底火山の噴火で、温室効果ガスの二酸化炭素が海中に溶け込み酸素が急速に失われ、海水温も上昇した。
 海中の二酸化炭素が大気中に大量に放出されて、地球の温暖化が進み、地球環境が変動し始めた。
 生物は、進化と同時に絶滅へと歩み始めていた。
 1億2000万年前から海中の酸素が失われ、海底の生物が死に始めた。
 海中が無酸素・貧酸素状態となり、海洋の生態系に大打撃を与える新たな海洋無酸素事変の出現である。 
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 1億1500万年前 鰭
 弱者は、最悪な環境に逃げ、環境に合わせて進化・イノベーションして生き残った。
 進化できなかった生物は、絶滅した。
 強者より弱者の方が、進化して生き残る可能性が強かった。 
 1億50万年前 白亜紀後期。恐竜が地球を支配し、大陸ごとに大きさや能力などで独自の進化を遂げて繁栄していた。
 生息地の環境に合わせて多様性に進化する生き物は生き残り、変化に適応できなかった生物は絶滅した。
 コープの法則「同じ系統に属する動物は進化するに従って大きくなる」
 肉食恐竜も植物食恐竜も、共に巨大化した。
 最強の捕食者は、竜盤類獣脚類の超肉食恐竜ティラノサウルスである。
 捕食される植物食恐竜たちは、身体の一部を矛・盾・鎧に進化させ武器化して身を守った。
 弱い者は、弱い者なりに弱音を吐かず、勝てないかも知れないが僅かな可能性、逃げ延びられるという希望を持って戦った。
 弱肉強食の恐竜世界では、弱者は誰からも守ってもらえず、自分一人で強者と戦って生きねばならなかった。
 誰かに守ってもらう、誰かが助けてくれる、そんな事はあり得ない世界であった。
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 1億年前 条鰭魚類の真骨魚類が多様化した。
 現代の90%の魚類は、淡水域に逃げ込んだの真骨魚類の子孫である。
 真骨魚類は、陸から流れ込む大量のカルシウムやリンなどのミネラルを摂る事で硬骨を発展させ、浮力が弱い淡水を泳ぎ餌を獲る事で筋肉を鍛えた。
 遊泳能力を向上させる為に、肺は浮き袋となって浮力を調整し、体系は環境によって多種多様に変化した。
 弱者である真骨魚類の魚は、水中・空・陸の捕食者から逃げながら餌を獲る為に泳ぎを極めていった。
 真骨魚類の中から、頑丈の骨格と強靭な筋肉で巨大化して強者となって捕食者に仲間入りする者が現れ始めた。
 白亜紀の真骨魚類を代表する獰猛な捕食魚が、最大6メートルにまで成長を遂げたシファクティヌスであった。
 水中で活動する生物は、お互いに共通の生息環境で似通った姿や器官を獲得した。これを、収斂進化という。
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 1億年前 インドとマダガスカルが一つとなっていた大地で、霊長類が誕生した。
 蟻は誕生し、地球上に生活圏を広めていった。
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 浜辺近くに棲息していた小型のトカゲであるモササウルスの先祖は、陸上の肉食恐竜と上空に翼竜から逃げるように海に逃げた。
 浜辺には餌になる小動物・昆虫・蟹やエビなどの甲殻類が少なかった為に、獲物を丸呑みできるように口を大きく開く事ができた。
 捕食者から逃げて子供を産む為に、胎盤を持ち子供を産むという胎生を獲得していた。
 モササウルスは、偶然にも口を大きく開いて獲物を丸呑みし胎生で子供を産むを獲得した事と、逃げ込んだ海に競争者がいなかったという幸運で、6600年前には海の覇者となり浜辺も恐竜を襲って食べていた。
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 9500万年前 後に。農業の発祥の地となる「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる事になる西アジアの丘陵地帯に、野生の大麦が群生し始めた。
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 9400万年前 温暖化で地球の気温が上昇し、極地の気温が上がって赤道との温度差が小さくなっていた。
 酸素を多く含んだ冷たい海水の海底への沈み込みが減少して海洋循環が滞り、温度が上昇している海面でのバクテリアが増殖して大量の酸素を消費して、海中の酸素は減少し、海底は無酸素になっていた。
 ペルム紀から生き延びていたアンモナイトなどの海底生物は、大量絶滅した。
 海底に沈殿した有機物は、無酸素の中で石油の母岩となった。
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 9300万年前 海を支配していた捕食者海は、海生爬虫類である首長竜と魚竜であった。
 水辺で生活していたひ弱なトカゲ(有鱗目)は、餌の小魚や水中昆虫などを追って水中生活に適応させ、モササウルス(マース川のトカゲ)類へと進化していった。
 9000万年前 海底火山が活発に活動していた。
 魚竜は、最盛期を迎えていたが原因が分からないままに絶滅した。
 8500万年前 白亜紀後期。モササウルス類は、生息地を浅瀬から沖合に進出し浅い海から深い海へと広げ、優れた遊泳能力を獲得して首長竜を抑えて獰猛な捕食者に成長した。
 ティロサウルスは、全長15メートルまで育った。
 8500万〜8000万年前 北太平洋には、全長10〜12メートルの巨大イカと全長2.4メートルの巨大タコが生息していた。 
 7900万年前 ワニ類で全長10メートル以上の大型化したテイノスクスは、ティラノザウルス類の大型肉食恐竜アルバートサウルスと死闘を繰り広げていた。
 7210万年前〜6600万年前 ティラノサウルスラテン語で暴君トカゲ)類は、ジュラ紀(2億160万年前〜1億4550万年前)にヨーロッパ地域で誕生し、アジアに移動しながら進化を遂げ、白亜紀(1億3550万年前〜6600万年前)に北米に移動して巨大化した。
 ティラノサウルス類は、多様化し1,000種を超えて栄えた。
 最終形が、肉食恐竜最強のティラノサウルス・レックス(ラテン語で王)である。
 最古のティラノサウルス類は、ジュラ紀中期のプロケラトサウルスでイギリスで化石が発掘された。
 アジアでは、進化してティロングが誕生し、巨大化してタルボサウルスが誕生した。
 地球上は、爬虫類である恐竜が支配する弱肉強食の実力世界で、人類はまだ誕生せず、哺乳類は鼠のような小動物として逃げ隠れしながら生きていた。
 白亜紀末期の6550万年前に 、直径約10キロメートルの小惑星が、現在の中央アメリカ・ユカタン半島のある浅い海に衝突した。
 ティラノサウルスなどの大型肉食恐竜は、一回の食事で少なくとも60〜70キロの肉を食べていた。
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 旺盛な繁殖能力を失い巨大化した動物は絶滅し、多産生の小型動物はひ弱だ気に環境に適用して多様な進化を遂げていった。
 6600万年前 ローレシア大陸の一部であったヨーロッパは、拡大してきたアジアと衝突してユーラシア大陸へと成長し始めた。
 インドが、ユーラシア大陸に向かってゆっくりとテチス海を北に移動し始めていた。
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 第5回目の大量絶滅。  
 直径約10キロメートルの巨大隕石が、現在のメキシコ・ユカタン半島北部に秒速20キロメートルで衝突し、直径180キロメートルのクレーターを作った。
 マグニチュード11以上のエネルギーは、地球に大異変を引き起こした。
 衝突による爆風は、時速1,000キロメートルとなって地上を襲った。
 衝突の中心部の温度は摂氏1万度となり、陸地の土砂や岩石を気化させ、高温となった空気は高速の上層気流を生んで粉塵や礫を成層圏まで巻き上げた。
 衝突放出物(イジェクタ)の中の岩石などは大気圏に再突入し、空気との摩擦熱で火の玉となって広範囲に降り注ぎ、空気を熱して温度を上げた。
 大気は最高で摂氏260度となり、植物は自然発火し、地上全てが火に被われた。
 陸上生物は、火の海となった大地を逃げ回ったが、避難する所がなくその多くが焼け死んだ。
 大量の微細な粒子は、大気中に漂って太陽光を遮り、気温が最大10度低下して衝突の冬が訪れた。
 火から逃げ切れた陸上生物は、暗く寒い大地で凍え死んだ。
 命溢れた温暖な地球は、命が激減した極寒の地球になった。
 気化して蒸発した大量の硫塩は、成層圏まで上昇して硫酸エアゾルと呼ばれる層を形成した。
 全てが地上に落下する迄に、数十万年という長い年月がかかった。
 大気中の二酸化炭素、二酸化硫黄、三酸化硫黄は雨雲の中で水に溶け、強い硫酸雨として降り注いだ。
 海水は、海面から水深100メートルまでが酸性化して、海洋生物の多くが絶滅した。
 酸性雨は、1年以上続き、大地を汚染して陸上の動植物にダメージを与えが、淡水では中和され酸性濃度が下がった。
 土壌に含まれていた鉱物は、酸性雨に溶かされ有毒物質となって河川や湖沼を汚染して淡水生物にダメージを与えた。
 汚染水は、海へ流され海洋汚染を拡大させた。
 衝突によって海水を押しのけて巨大なクレーターを誕生させたが、海水はクレーターの中に流入し、溢れた海水は津波として逆流していった。
 最大の津波の高さは300メートルにも達し、津波が収まるまで永い時間を要す、津波は全大陸に甚大なる被害をもたらした。
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 巨大隕石の証拠は、地球の表層に殆ど存在せず、隕石に含まれているイリジウムという元素がその地層から発見された事による。
 運悪く。偶然にも。巨大隕石が衝突した地域が巨大な炭酸塩・硫酸塩岩地帯であった為に、衝突で高温・高圧で硫酸塩岩が蒸発して大量の硫黄を大気中に放出した。
 もし。衝突が巨大な硫酸塩岩地帯でなければ、第五回大量絶滅事件は起きなかったであろうと言われている。
 それは、偶然か?必然か?
 或いは、神の意思か?悪魔の仕業か?
   ・  ・   ・   
 白亜紀/古第三紀(K/Pg)境界における第5回目の大量絶滅で、恐竜が死滅した。
 太陽光が遮られ強い酸性雨で大半の植物が枯れ、植物恐竜が餌を失って絶滅するや、肉食恐竜も絶滅した。
 生物界の食物連鎖は、餌を失う事によって崩壊して、全生物種の約70%が地上から姿を消した。
 水中でも、植物プランクトンと動物プランクトンが酸性水で激減するや、それを餌としていた小型魚類や軟体動物が大量に死滅して食物連鎖が維持できなくなって、海洋恐竜や大型魚類の全てが絶滅した。
 淡水に住む魚類や両生類は、淡水が酸性水を中和した為に生き残り事ができた。
 自然環境に順応できた哺乳類や鳥類と昆虫類は、絶滅を免れ、生き残れた。。
 子どもや卵を多く産み、環境に合わせて進化できた、多様性ある小型生物は生き残った。
 子どもや卵が少なく、環境変化に順応できなかった、大型動物は全て絶滅し、中型動物の大半が絶滅した。
 空では、獣脚類から進化した小型の鳥類は生き残り、翼竜は絶滅した。
 海では、素早く泳ぐサメや小型の魚類は生き残ったが、最強の捕食生物である首長竜は絶滅した。
 強者は絶滅し、弱者が生き残った。
 衝突によって地球全体の気候が寒冷化して、「衝突の冬」が襲って植物が急激に減少し、恐竜を含む生物種の約70%が絶滅した。
 現在に於いても、未来に於いても、小惑星による地球衝突の危機は存在し、人間を含む全ての生物の絶滅の危機も存在する。
 人間も、何時かは恐竜の様に死に絶える運命である。
 そこには、絶対神による奇跡は存在しない。
 恐竜絶滅は隕石の衝突によって酸性雨が降って地球が酸性化した事が原因という、新たな説が出された。
 隕石が硫黄成分を多く含む土地に激突して、三酸化硫黄ガスが大気中に放出されて水蒸気と反応して硫酸となり、硫酸が酸性雨として降り注いだ。
 大地は汚染されて植物が枯れ、海も酸性化してプランクトンや海中植物が大量に死に、それらを餌としていた草食動物が死んで大型肉食動物も死んだ。
 恐竜は、こうして絶滅した。
 酸性に強い植物や汚染度の低かった地域の植物は生き延び、それに依存していた小型の草食動物と肉食動物のみが生き残った。
 太陽光が遮られて化学合成する植物の大半が絶滅したが、寒冷化した大地で太陽光を必要としない菌類やキノコ類やシダ類などの胞子植物は生き残った。
 胞子植物や枯れた植物や死んだ動物を餌とする昆虫は生き残り、それを餌とする小型動物の哺乳類や鳥類は過酷な環境中で生き延びていた。
 哺乳類は、獰猛な肉食動物であった。
 淡水動物も、汚染された水の中で生き延びていた。
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 過酷な自然環境に適応して生き方を変えられた生物や、進化し新たな生き方を身に付けた生物のみが、生き残った。
 以前の生き方に固執して変化に対応できなかった生物や進化を止めた生物や巨大化した生物は、絶滅した。
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 南極大陸は、1億年前にパンゲア大陸から分裂して現在の位置に移動してきた。
 約3000年前から、大陸は氷床に覆われた。
 古い地層から発見される化石は、4億6,000万年前に赤道付近に生息していた生物の化石であった。
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 地球の生物は、幾度も完全な死滅という危機に追い込まれたが、その都度、踏ん張り新たな種を生み出し命の絆を受け継いだ。
 だが、人類が特別な存在とは限らなかった。
 人類とて、死滅する定めの単純な生物にすぎない。
 人類の存在が、偶然なのか?必然なのか?それは分からないが、唯言える事は特別だから存在しているわけではない。
 人類も、絶滅する可能性のある生物で事には違いない。
 そして、人類絶滅の足音が、2014年に聞こえ始めている。
 地球温暖化酸性雨の増加によって環境破壊が進み、森林の立ち枯れが広がり、河川の酸性化によって在来魚の産卵が減っている。
 季節に合わせて世界各地を移動している渡り鳥の約70%が、渡りを変更している。
 長距離を移動していた渡り鳥は、短距離移動に。
 短距離を移動していた渡り鳥は、渡りを止めて定住化している。
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 偶然にも。巨大隕石が、地下に厚さ数キロにも及ぶ炭酸塩岩・硫酸塩岩地帯に衝突した。
 これが別の陸地や海上であったら第5回大量絶滅は起きず、恐竜の絶滅は起きず、人類は生まれなかった。
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 2015年10月12日 産経ニュース「【話題の肝】恐竜の絶滅原因に終止符? 「小惑星&火山」米研究チームが発表した連動説
 ロンドンのギャラリーで、恐竜時代最末期の肉食恐竜、ティラノサウルスの模型に触れて戯れる男児ティラノサウルスは、約300万年間、生態系の頂点に君臨したが、小惑星の地球衝突を機に姿を消していった=8月3日(AP)
 中生代(ちゅうせいだい)の三畳紀(さんじょうき)後半(約2億3000万年前)に出現し、約6500万年前に地球上から姿を消したとされる恐竜。その絶滅原因についてはこれまで、地球への大規模な「小惑星衝突説」と激しい「火山噴火説」が有力とされ、どちらの学説が正しいか30年以上にわたって論争が繰り広げられてきた。そんな中、米大学の研究チームが2日、小惑星衝突か火山噴火の一方ではなく、両方が原因で密接に関連し合っているとする研究結果を発表した。研究チームのリーダーは「人類誕生への道筋を開いた恐竜絶滅の原因をめぐる論争は、これで終わりにする時が来た」と話した。
 新学説を発表したのは、米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームで、米科学誌サイエンスに掲載された。
 ■劇的な気候変動誘発
 小惑星衝突説は、約6600万年に直径15キロほどの小惑星が現在のメキシコのユカタン半島近くに衝突、衝撃で吹き上げられた大量の粉塵(ふんじん)が大気中に漂い、地球全体が闇に包まれて気温が下がったことで多くの生物種が生存できなくなり、恐竜も絶滅したとする学説だ。衝突の衝撃は広島に落とされた原爆の約10億倍だったと考えられている。
 火山噴火説は、現在のインドが位置する場所で連続的に激しい火山噴火が起こり、地球を塵と有毒ガスで覆い尽くした結果、劇的な気候変動によって多くの生物種とともに恐竜も絶滅したとする説だ。噴火の時期は細かく特定されておらず、少なくとも小惑星の衝突とは「同じ時代ではない」とされてきた。
 また、今では信奉者はほとんどいなくなったが、大洪水説というのもある。月への隕石(いんせき)衝突によって、月と地球が異常に接近し、月の水分が地球の引力によって吸い上げられ、間断のない大雨をもたらして恐竜を含む多くの種が絶滅したとする説だ。
 ■5万年は「ほぼ同時」
 ポール・レニー教授(58)=地球惑星科学=が率いた研究チームは、これまでで最も精度の高い年代測定方法によって、小惑星の衝突が起きたのは6604万年前(誤差前後3万年)だったと特定。さらに、インド・ムンバイの東郊にある火成活動の痕跡「デカントラップ」の溶岩流を調査したところ、6604万年前から5万年後までの間に、溶岩の噴出量が加速度的に増えていたことが分かった。
 レニー教授によれば、誕生から46億年に及ぶ地球の歴史の中で「5万年」とは、「ほとんど同時と見てよい時差」だという。このため、「衝突と噴火のどちらか一方だけが恐竜の絶滅に作用したと考えるのは不自然で、両方は明らかに同時期に作用したとみられる」とレニー教授は断定。
 さらに、「インドの火山の大噴火も、小惑星の地球衝突によって誘発されたとみられる。あれだけの大噴火が『同時期』に起きていれば、衝突に影響されたと考えるのが自然だ。関連性は明白である」と説いている。
 恐竜が絶滅した壊滅的状況から、地球上でまず海の生物が再生するまで、約40万年を要したと推定される。そこから、種の多様性が徐々に進み、人類誕生へとつながっていくのである。(SANKEI EXPRESS)」