💫4}─1・④─生命の起源は一つではない。地球の全生物の最終共通祖先「ルカ」。〜No.25No.26No.27 

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 2024年10月7日 YAHOO!JAPANニュース anneleven / PIXTA(ピクスタ)「トップ地球最古の生命体はどこで誕生した?生命の起源に迫る!
 地球最古の生命体はどこで誕生した?生命の起源に迫る!
 地球最古の生命がどこで生まれたのか (C)anneleven / PIXTA(ピクスタ)
 地球上で起きていること、どれだけ知っている?
 この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
 そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
 ※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
 気になる!地球最古の生命体はどこで誕生した?
 地球最古の生命がどこで生まれたのかという疑問に対しては、これまでいくつかの説が主張されている。
 たとえば、進化論で知られるダーウィンが主張したのは、最初の生命は暖かい池で生まれたと考える「暖かい池説」。ほかにも、海の干潟で生まれたと考える「干潟説」、いろいろなものをくっつけることができる粘土鉱物の表面で生まれたと考える「粘土鉱物表面説」、海底火山の熱水噴出孔でよく見られる、黄鉄鉱の表面で生まれたと考える「黄鉄鉱表面説」などが知られている。
 これらの説の中でも欧米を中心に支持を得ているのは「黄鉄鉱表面説」で、現在のところ、最古の生命は原始海洋の深海で誕生したと考えるのが主流となっている。
 では、なぜ最古の生命が深海で生まれたのか。これには、当時の地球の環境が関係している。初期の地球の大気には酸素がなく、オゾン層も形成されていなかったため、地表には有害な宇宙線や紫外線が降り注いでいた。しかし、それは海底まで届かなかったことから、メタンや水素などの還元ガスが発生している熱水噴出孔に、バクテリアのような「原核生物」が誕生したと推測されている。
 生命が誕生した時期については、今から約38億年前と考えられているが、実際に生命が存在していた証拠となる化石は発見されていない。ただし、この時代の岩石から、「グラファイト」と呼ばれる炭素でできた物質が発見されており、このグラファイトが、生命でなければつくることのできない化学成分を持っていたことから、その存在が確認されている。
 著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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 10月7日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「じつは、この地球の「全生物の起源」は、1つとは限らない…系統樹から浮かび上がった「とうてい科学では明らかにできない」世界
 地球の全生物の共通祖先「ルカ」
 地球のすべての生物は、ただ一つの共通の起源を持つと考えられている。この、共通の起源となった生物集団をルカと呼ぶことがある。これはLast Universal Common Ancestorの頭文字を繋げたもの(LUCA)で、「全生物の共通祖先」などと訳される。
 【画像】生物の絶滅は「ホモ・サピエンスが関与」したからなのか…戦慄の問題
 ルカは「地球における最初の生物」ではない
 ルカは最初の生物ではない
 ちなみに、「全生物の最終共通祖先」のように「最終」をつける意味は、ルカを一つの生物集団に特定するためだ。なぜなら、ルカは、地球における最初の生物というわけではないからだ。おそらく、ルカより古い時代に生きていて、ルカに至る系統と分岐した後で、絶滅してしまった生物もたくさんいたはずだ。
 そう考えると、じつは、ルカの祖先ならすべて「全生物の共通祖先」になってしまう。それでは不便なので、時代的に最後の共通祖先だけをルカと呼ぶために「最終」がついているのである(図「ルカは最初の生物ではない」)。ちなみに、この図では、現生生物としてアーキアと細菌だけを表示して、真核生物は省略してある。
 さて、ルカはおよそ42億年前に生きていたと考えられている。これは、現生生物のDNAの情報から推定されたものだ。さすがに42億年まえの化石は残っていないので、現生生物のDNAの情報から推定するしかないのである。
 ところで、ルカを含めた系統樹が描けることも、考えてみれば不思議な話である。なぜなら、ある生物のグループの系統樹を作成するためには、そのグループの共通祖先よりさらに昔に分岐した生物の情報が必要だからだ。
 ところが、ルカは、現在の地球に棲むすべての生物の共通祖先なので、ルカより古い生物の情報は、現在の地球に棲む生物から知ることはできない。それなのに、どうしてルカを含めた系統樹が描けるのだろうか。
 ヒトとチンパンジーとゴリラ…身近な例で考えてみる
 上図:ヒトとその近縁種の系統樹 下図:3種の無根系統樹
 まず、身近な例から考えていこう。
 ヒトとチンパンジーとゴリラの進化の道筋、つまり系統樹は、以下のようなものと考えられている。昔は3種すべてが同じ種だったが、まずゴリラが分岐して、その後チンパンジーとヒトが分岐したのである(図「ヒトとその近縁種の系統樹」)。
 それでは、このような系統樹を、DNAの情報から推測することを考えてみよう。かりに3者のDNAの塩基配列の違いが、ヒトとチンンパンジーで4塩基、ヒトとゴリラで5塩基、チンパンジーとゴリラで5塩基だったとする。そして、図「3種の無根系統樹」のような系統樹が描けたとしよう。
 3種に至る分岐の順を示す
 無根系統樹から有根系統樹への変換
 しかし、この系統樹では、3種に至る系統がどんな順番で分岐したのかがわからない。この系統樹の中でもっとも古い場所(「根」と呼ぶ)をどこに取るかによって、分岐の順番がわかる系統樹は3通りに描けるからだ(図「無根系統樹から有根系統樹への変換」)。
 そこで、この系統樹の根を決めるために、外群を導入する。
 外群というのは、3種のどれよりも古い時期に分岐したことがわかっている生物のことで、ここではオランウータンを外群としよう。
 系統樹の中での「共通祖先」の位置も決まる
 外群を入れた場合の系統樹
 オランウータンを入れた4種で系統樹を描いてみると、図「外群を入れた場合の系統樹(1)」のようになったとする。オランウータンは他の3種より先に分岐したことがわかっているのだから、この系統樹における根は、オランウータンに至る線分(枝と呼ぶ)の途中にあるはずだ。
 そこで、根のところで枝を折り返して系統樹を作ると図「外群を入れた場合の系統樹(2)」のようになる。このような系統樹を有根系統樹と呼び、根の部分が共通祖先を表している(ちなみに(1)のような系統樹を無根系統樹と呼ぶ)。
 有根系統樹を作れば、まずゴリラが分岐して、それからチンパンジーとヒトが分岐したという順番もわかるし、系統樹の中での共通祖先の位置も決まるのである。
 どうやってルカを含む系統樹を描くか
 重複遺伝子EF-1/TuとEF-2/Gの系統樹
 ところが、ルカを含めた系統樹を描こうとすると、根を付けることができない。現在地球に棲んでいるすべての生物はルカの子孫なので、ルカより古い時代に分岐した外群は存在しないからだ。それでは、どうしたらよいのだろうか。
 ここで、系統樹に対する見方を少し変えてみよう。系統樹を描くためにDNAの情報を使う場合、具体的には特定の遺伝子(あるいは遺伝子の組み合わせ)の塩基配列を使うことが多い。つまり、そういう系統樹は、正確にいえば、種の系統樹ではなくて遺伝子の系統樹なのだ。種の系統樹と遺伝子の系統樹はおおかた一致するだろうと仮定することによって、遺伝子の系統樹を種の系統樹と解釈しているのである。
 さて、種の系統樹と解釈した場合、ルカより古い時代に分岐した外群は、存在しない。しかし、遺伝子の系統樹として解釈した場合、ルカより古い時代に分岐した外群は存在するのである。
 ある遺伝子が重複して、2つの類似した遺伝子が作られることがある。たとえば、EF-1/TuとEF-2/Gは、遺伝子重複によって作られた一対の遺伝子の遺伝子だ。この一対の遺伝子は、現在地球に棲んでいるすべての生物が持っているので、ルカも持っていたと推測できる(というか、ルカが持っていたので、現在の地球のすべての生物に受け継がれたと考えられる)。
 すでにルカが重複した一対の遺伝子を持っているということは、遺伝子が重複した時期は、ルカが生きていた時代よりも古いことを意味する。つまり、ルカ以降の遺伝子の系統樹を書くときには、一対の遺伝子の片方を外群として使えるのである。そのようにして描いたのが、図「重複遺伝子EF-1/TuとEF-2/Gの系統樹」である。
 こうすれば、ルカを含めた系統樹が描けるわけだ。
 ルカと生命の起源
 生命の誕生とルカの関係
 地球が形成されてから、生命が何回生まれたのかはわからない。たった1回だったかもしれないし、何百回も生まれたのかもしれない。確かなことは、現在まで生き残っているすべての生物は、その中のたった1回の生命の誕生に由来しているということだ(図「生命の誕生とルカの関係」)。
 また、現在まで生き残っているすべての生物の起源についても、よくわからない。
 現生生物のDNAの情報から遡れるのはルカまでで、それより古い祖先については、DNAの情報からは知りようがないのである。もしかしたら、化石からある程度の情報がもたらされるかもしれないが、それはかなり限られたものになるだろう。科学の手が届かなくて夢を見るしかない領域は、この世界にたくさんあるのかもしれない。
 更科 功(分子古生物学者)
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 2021年10月7日 人類も元をたどれば──生物の最終共通祖先「ルカ」とは何か?
進化によって次々と入れ替わる
 更科 功分子古生物学者
 聖子ちゃんカットの流行と生物の進化
 松田聖子という歌手がいる。デビューしたのはもう40年以上前のことだが、たまたま学年が私と同じだったので、わりとよく覚えている。一番人気があったのは、私が大学生のころだった。
 デビューしたころの松田聖子は髪型が印象的で、「聖子ちゃんカット」と呼ばれ、若い女性のあいだで流行していた。ちなみに、当時は「聖子ちゃんカット」ではなく「聖子カット」と呼ばれていたという話も聞くけれど、私の周りではみんな「聖子ちゃんカット」と呼んでいた。
 ただし、流行しているといっても、みんながみんな聖子ちゃんカットだったわけではない。大学では、そういう髪型をした女子学生がいると、「聖子ちゃんカットの子」と呼ばれていたが、
 「え~と、あの子だよ、名前なんだっけ? あの聖子ちゃんカットの子だよ」
 「あ~、あの子ね」
 みたいな感じで話が通じたので、実際に聖子ちゃんカットにしている女子学生は、それほど多くはなかったのだろう。もしも、多くの女子学生が聖子ちゃんカットにしていたら、特定の女子学生を示す特徴として、聖子ちゃんカットは使えないからだ。
 私はクラブ活動などの関係で、いくつかの女子大や短大に出入りすることがあったけれど、どこもそんな感じだった。だから、聖子ちゃんカットにしている女性がそれほど多くないことは、わりと一般的な傾向だったのではないかと思う。ときどきテレビなどで、
 「当時、聖子ちゃんカットは大流行で、女子大に行くと教室の半分は聖子ちゃんカットでしたよ」
 みたいな話を聞くことがあるけれど、それって本当なのだろうか。
 まあ実際にどうだったかはともかく、今はこんな空想してみよう。松田聖子の人気が上がって、みんなが松田聖子の髪型の真似をして、日本人全員が(もちろん男性も)聖子ちゃんカットになってしまう。そんな空想だ。
 1980年に松田聖子が歌手としてデビューしたとして、2年後には日本人全員が聖子ちゃんカットになったとしよう。たとえば、1980年には聖子ちゃんカットの人は松田聖子1人だけだったが、1981年には1000万人、1982年には1億人すべてが聖子ちゃんカットになったとか、そんな感じだ。
 【イメージイラスト】聖子ちゃんカット増殖1980年のデビューから、2年後には日本人全員が聖子ちゃんカットになったとようなイメージで考えてみる
 この場合、1億人の聖子ちゃんカットの人々から見れば、松田聖子は共通の祖先と言える。1億人すべてが、松田聖子から髪型を受け継いだからだ。
 もちろん、生物の進化における受け継ぎ方とは方法が異なる。生物の進化では、遺伝子などによって特徴を受け継いでいく。聖子ちゃんカットの場合は、真似することによって髪型を受け継いでいく。でも、そのあたりの違いに目を瞑れば、両者はけっこう似ている。
 共通祖先とは
 さて、この後の話で出てくるので、「最終共通祖先」という言葉について簡単に説明しておこう。魚が進化して両生類になり、両生類から爬虫類と哺乳類が進化したとする(下図「脊椎動物の進化」)。この場合、両生類は、爬虫類の祖先でもあり、哺乳類の祖先でもあるので、両者の共通祖先ということになる。
 【図】脊椎動物の進化脊椎動物の進化
しかし、両者の共通祖先は、両生類だけではない。考えてみれば、魚だって両者の共通祖先である。つまり、共通祖先の祖先も、また共通祖先なのだ。
 このように共通祖先はたくさんいるけれど、最後の共通祖先だけに注目したい場合がけっこうある。今のケースでは、爬虫類と哺乳類の共通祖先として、両生類だけに注目したい場合だ。そういう場合は「共通祖先」ではなく「最終共通祖先」という言葉を使えばよい。両生類のほうが魚より時代的には後なので、「最終共通祖先」といえば、両生類だけが含まれるからだ。
 つまり、先にあげた図「脊椎動物の進化」で考えれば、爬虫類と哺乳類の共通祖先は「魚」と「両生類」だが、爬虫類と哺乳類の最終共通祖先は「両生類」だけということになる。
 地球のすべての生物の共通祖先
 すべての聖子ちゃんカットは、松田聖子というただ1人の最終共通祖先に由来する。そして、地球のすべての生物は、ただ1種の最終共通祖先に由来する。この、「地球のすべての生物の最終共通祖先」のことを、LUCA(Last Universal Common Ancestorの略)と言うことがある。LUCAはいろいろな読み方をされるが、ここでは「ルカ」と読むことにしよう。
 ところで先日、今年出版された進化の本を読んでいると、ルカは最初の生物だと書いてあった(ルカについては、前の回〈全生物の「共通祖先」は「地球最初の生物」ではなかったかもしれない〉https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68823
もあわせてお読みください)。
 しかし、これはよくある誤解で、おそらくルカは最初の生物ではない。それは、松田聖子の髪型が、最初の髪型でないことからも類推できる。松田聖子の髪型をした人が1000万人いたときには、残りの9000万人は別の髪型をしていたわけだし、聖子ちゃんカットが現れる前にも、たとえばマンガのサザエさんみたいな髪型があったわけだ(1950年ごろのことで、モガヘアーというそうです)。
 だから、もしも今の日本人が全員聖子ちゃんカットだったとしても、聖子ちゃんカットが最初の髪型だということにはならない。
 たとえば、松田聖子以前は、みんなざんばら髪で、きちんと手入れをした髪型は松田聖子に始まる、とか考えるのはあきらかに不自然だ。昔からいろいろな髪型が存在していて、そのなかで聖子ちゃんカットが現れ、他のさまざまな髪型と共存しているあいだに数が増えていき、ついにはすべての人が聖子ちゃんカットになった。そう考えるほうが自然である。
 【写真】もともとさまざまな髪型さまざまな髪型と共存しているあいだに聖子ちゃんカットの人が増えていったと考えるほうが自然だ illustration by gettyimages
ルカについても、同じだろう。現在のすべての生物がルカの子孫だとしても、ルカが最初の生物だということにはならない。昔からいろいろな生物が存在していて、そのなかでルカが現れ、他のさまざまな生物と共存しているあいだにルカの子孫が増えていき、ついにはすべての生物がルカの子孫になった。そう考えるほうが自然である。ルカが最初の生物と考える方が、むしろ不自然なのだ。
 交代するルカ
 地球のすべての生物の最終共通祖先であるルカは、誤解されやすい概念である。ルカは最初の生物だ、というのは誤ったイメージの代表的なものだが、そもそもルカは特定の決まった生物ではなく、時間が経つにつれて次から次へといろいろな種に入れ替わっていくものである。
 図「ルカの変遷」で考えてみよう。この図は、ある生物種が新しい生物種へと、分岐しながら進化していくパターンを表している。各時代の種数は6種で、それぞれの種は新しい種に進化することもあるし、絶滅することもある。
 【図】ルカの変遷ルカの変遷
 さて、時代7を現在と考えて、そこから時間をさかのぼってみよう。任意の2つの種を選んで時間をさかのぼると、ある時点でかならず1つの最終共通祖先へたどり着く。たとえば、時代7のD種とE種を選べば、時代を2つ遡ると最終共通祖先にたどり着く。そして、時代7のすべての種は、時代を4つ遡った(つまり時代3の)G種を最終共通祖先に持つのである。
 このG種は、べつに特別な種ではない。G種が生きていた時代3にも、現在(つまり時代7)と同じように全部で6種が生きていた。G種はそのなかの1種に過ぎない。たまたまその子孫が増えて、現在のすべて生物(つまり時代7の6種)になったに過ぎないのだ。
 このような最終共通祖先は、どの時代を基準にするかによって入れ替わる。上の図「ルカの変遷」からわかるように、時代7のすべての種は、時代3のG種を最終共通祖先に持つ。いっぽう、時代5のすべての種は、時代1のHを最終共通祖先に持つ。考えてみれば当たり前だが、どの世代からさかのぼるかによって、最終共通祖先は入れ替わるのである。
 つまり、ルカは特別な種ではなく、その時代に生きていた多くの種の1つに過ぎないし、どの時代を基準にするかによってルカは入れ替わる。HになったりGになったりするのである。
 現ルカも、その座は永遠ではない
 地球に生物が誕生してから、およそ40億年が経った。そのあいだに、ルカは何回も交代したはずだ。現在のルカは(というか、現在から見てルカと認識される過去の生物は)何代目のルカなのだろう。百代目か一万代目か、それはわからないが、現在のルカも、そのうち次のルカに、その座を明け渡すことになる。
 とはいえ、今のルカは、かなりの長期政権になりそうだ。細菌が絶滅するとか、アーキアと真核生物が両方絶滅するとか、そんな大事件がないかぎり、政権は覆らないからだ。
 しかし、どんなに長期の政権であろうと、永遠の政権はない。かならず、いつかは政権が覆る。つまり、いつかは現在のルカも、次のルカに交代するときがくるのである。
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