🗡47〗─5・②─北海道庁の政策姿勢は「日本の安全保障」に悪影響。〜No.154 

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   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 明治政府は、祖国防衛の為に軍隊・兵器・軍需物資を迅速に戦場に来る為に軍用鉄道を敷設した、その主要鉄道が北海道線と東海道線であった。
 明治における積極的自衛戦争に勝利した要因は、輸送網と情報網の充実にあった。
 特に、北海道の鉄道は日本の生命線であった。
 その重要性は、江戸時代後期から変わってはいない。
 鉄道が開設される前は、屯田兵と囚人街道がその役目を担っていた。
 エセ保守とリベラル左派は、民族的な伝統力・文化力・歴史力・宗教力がなく地政学や戦争学における戦略・戦術が理解できない。
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 現代における鉄道の重要な使命とは、戦時と災害時における輸送の確保である。
 主要鉄道の存続は、国益である。
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 2024年11月14日22:09 YAHOO!JAPANニュース「函館本線廃止強行!?北海道庁の政策姿勢は「日本の安全保障」に悪影響 防衛省自衛隊の鉄道輸送を推進
 鉄道輸送される装甲車(写真:陸上自衛隊
 2024年11月8日、陸上自衛隊は、「令和6年度陸上自衛隊演習」において、北海道のJR石北本線を含む札幌―北見間で鉄道による補給品の輸送を実施し、その有用性を確認したと発表した。陸上自衛隊公式X(旧ツイッター)では、補給品を鉄道コンテナに積み下ろしする様子や、石北本線遠軽駅付近を走行する貨物列車の画像が公開されたことは、筆者の記事(自衛隊補給品、北海道「札幌―北見」で鉄道輸送 その一方「攻めすぎた廃線」でネットワーク分断の大問題)でも詳しく触れている。防衛省は、「自衛隊の輸送力向上のため鉄道貨物のさらなる活用」を行う方針を掲げており、10月14日には仙台から東京に向けて96式装輪装甲車の鉄道輸送を行うなど、自衛隊装備品の鉄道輸送の実績を積み重ねている。
 しかし、ロシアとの国境を接する北海道では、鉄道路線の「攻めすぎた廃線」により、鉄道ネットワークが各所で分断され、災害時などに列車の迂回運行ができる路線がほぼ消滅してしまったことから、すでに北海道の鉄道はネットワークとしての機能を失っている。例えば、8月のJR石勝線の豪雨災害時には、列車の迂回運行ができなかっただけではなく、昨今のドライバー不足から特急列車のバス代行も貨物列車のトラック代行もほぼできなかった状況が明らかとなり、北海道の交通網は脆弱性を増している。そして、今後の安定的な鉄道輸送を考える上で、さらなる問題となりそうなのが、北海道庁が主導で鉄道路線の廃止を強行しようとしている函館本線長万部―小樽間だ。
 有珠山の火山災害時に迂回ルートとなり得る「長万部―小樽間」
 函館本線(山線)を走るH100形(写真AC)
 函館本線の山線と呼ばれる長万部―小樽間は、北海道新幹線の札幌延伸にともなってJR北海道から経営分離されることが確定している区間であるが、北海道庁が主導する協議会では廃止の方針を強引に決めてしまった。この協議会には地域のバス会社も呼ばれることがなく、地域住民の声も聞かれることはなかったことは、記事(北海道新幹線、泥沼化の並行在来線問題 防災計画にも明記「原子力災害時の避難路」としての住民指摘も黙殺)でも詳しく触れている。
 この路線は、2000年の有珠山噴火で室蘭本線が不通となった際には、貨物列車や特急列車の迂回ルートとしても活用されたが、北海道庁はそうした実績を考慮することもなかった。有珠山は、20~30年周期で噴火を繰り返してきた火山であり、「すでにいつ噴火してもおかしくない時期に差しかかっている」と指摘する有識者も存在する。室蘭本線には北海道と本州方面を結ぶ貨物列車が1日20往復以上運行されている。これは、8月に豪雨被害を受け4日間にわたって不通となったJR石勝線の1日6往復の3倍以上にも及ぶ本数だ。
 JR石勝線は主に十勝地方で生産されたジャガイモなどの農産物が貨物列車で輸送されているが、4日間の鉄路寸断でトラックによる代行輸送がほとんど行えなかったことから、3月31日限りで廃止された根室本線富良野新得間を廃止せずに迂回路線として整備しておくべきではなかったのかという指摘も根強い。北海道で生産される農作物の輸送が滞れば、日本国家の食料安全保障を揺るがしかねない事態となる。こうした状況の中で、室蘭本線が災害で寸断された際の物流への影響は計り知れず、迂回できる鉄道路線がないという状況になれば、北海道の物流は完全に麻痺し、今後、拡大が見込まれる自衛隊の装備品の安定的な輸送にも影響が出かねないだろう。
 北海道庁の「バスのほうが鉄道よりコストが安い」という理由一辺倒で、鉄道ネットワークをどんどん分断していく政策姿勢は、目先のコストカットにしか意識がない極めて近視眼的なもので、地域だけではなく国家への影響に対する想像力を欠いている。こうした狭い視野の中で、函館本線長万部―小樽間の廃止を強行しようとする北海道庁の政策姿勢は、防衛省自衛隊の装備品輸送について鉄道輸送を広げていこうとする国家の方針に反していると言っても過言ではなく、日本の安全保障に悪影響を与えかねない大きな問題ではないだろうか。
 北海道と本州方面を結ぶ貨物列車(写真:MaedaAkihiko CC BY-SA 4.0)
 (了)
 鉄道乗蔵
 鉄道ライター
 鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。
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 11月12日 YAHOO!JAPANニュース「自衛隊補給品、北海道「札幌―北見」で鉄道輸送 その一方「攻めすぎた廃線」でネットワーク分断の大問題
 2021年度の演習で鉄道輸送された装甲車(写真:陸上自衛隊
 2024年11月8日、陸上自衛隊は、「令和6年度陸上自衛隊演習」において、北海道のJR石北本線を含む札幌―北見間で鉄道による補給品の輸送を実施し、その有用性を確認したと発表した。陸上自衛隊公式X(旧ツイッター)では、補給品を鉄道コンテナに積み下ろしする様子や、石北本線遠軽駅付近を走行する貨物列車の画像が公開されている。鉄道コンテナに積み込む補給品の段ボール箱には「戦闘糧食Ⅱ形、タンドリーチキン」「戦闘糧食Ⅱ形、さけちゃんちゃん焼き」などと書かれていることも確認できる。
 防衛省は鉄道貨物活用の方針
 防衛省では2022年5月19日に国土交通省で開かれた「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」において、「自衛隊の輸送力の向上のため、鉄道輸送のさらなる活用」を求めている。これに対してJR貨物側も2024年5月13日に「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」中間とりまとめに対する達成状況を発表。自衛隊輸送については、「新たな社会的要請への対応」が課題とし、「2024年度に実施予定の大規模演習における貨物鉄道利用に向けた」打ち合わせを行うとされていた。
 2024年度はこのほか鉄道の日である10月14日に96式装輪装甲車が低床貨車コキ73形で仙台貨物ターミナル駅から東京貨物ターミナル駅まで輸送された様子が各地で目撃され、Xでは一時トレンド入りを果たすなど大きな話題となったことは記事(鉄道の日自衛隊「装甲車」輸送の貨物列車が走る! 低床貨車「コキ73形」の活躍でXではトレンド入り)でも詳しく触れた。防衛省の鉄道輸送活用の方針に加え、石破茂氏が内閣総理大臣に就任したことも重なり、今後は自衛隊装備品などの鉄道輸送はさらに拡大するものと思われる。石破氏は首相就任前には各紙インタビューで自衛隊戦車の鉄道輸送の可能性について語るなど、自衛隊の鉄道利用については積極的な姿勢を見せていた。
 自衛隊の補給品を積んだ鉄道コンテナ(写真:陸上自衛隊
 北海道では「攻めすぎた廃線」で鉄道貨物の脆弱性が露呈
 しかし、北海道では相次ぐ鉄道路線の廃止により、災害時の貨物輸送について脆弱性を露呈している。2024年8月31日に発生した豪雨災害では、札幌と十勝・釧路方面を結ぶJR石勝線が4日間にわたって不通となったが、この間、同区間を結ぶ特急列車の代行バス輸送が実施できなかったばかりか、十勝・釧路方面から発送される農産物を運ぶ貨物列車のトラック代行輸送がほとんどできなかった。背景には今年度より開始されたドライバーの残業規制に加え、根本的なドライバー不足が背景にある。
 特急列車や貨物列車の迂回運行ができる可能性のあった根室本線富良野新得間を2024年3月31日限りで事実上北海道庁主導により廃止してしまったことで、北海道の鉄路がどこか1か所でも寸断されれば、物流そのものが麻痺しかねない状況に陥っているのが現状だ。
 必要な路線については再整備も必要
 今回、自衛隊の補給品を輸送した札幌―北見間についても、2023年8月に発生した豪雨被害で3週間近くにわたって不通となりこの時は北見産のタマネギ輸送の貨物列車が運休を余儀なくされたが、この時はトラック代行輸送でどうにか乗り切ることができた。しかし、2024年度を迎え、鉄道貨物のトラック代行輸送は事実上困難な事態となっている。札幌―北見間については、2004年まで国鉄池北線を第三セクター鉄道に転換した北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線が池田―北見間を結んでおり、この路線は石北本線の災害不通時に迂回ルートとなり得る路線であったが、こちらも北海道庁の主導により廃止されている。
 現北海道知事の鈴木直道氏が、夕張市長時代に石勝線夕張支線の「攻めの廃線」を行って以降、北海道内の鉄道路線の廃止が加速し、鉄道ネットワークの分断が進んでいる。こうした「攻めすぎた廃線」により北海道の物流は、災害に対して脆弱になった鉄道貨物と深刻化するドライバー不足により危機的な状況となっているといっても過言ではない。ロシアと国境を接する北海道の国防を考える上では、災害時の迂回輸送の可能性も考慮して必要な路線については北海道の鉄道ネットワークの再整備を積極的に行っていく必要があるのではないだろうか。
 遠軽駅付近を走行する貨物列車(写真:陸上自衛隊
 (了)
 鉄道乗蔵
 鉄道ライター
 鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。
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 11月11日 YAHOO!JAPANニュース 乗りものニュース自衛隊が北海道のJR線で“貨物列車”運行「ジャガイモ列車」が走る路線で運んだものとは「有用性を確認しました」
 北の大地を横断する峠越え路線を活用
 JR貨物のコンテナ輸送列車(画像:陸上自衛隊)。
 陸上自衛隊は2024年11月8日、「令和6年度陸上自衛隊演習」において鉄道による補給品の輸送を実施し、その有用性を確認したと発表。その際の画像も公開しました。
 【写真】96式装輪装甲車を運ぶJR貨物のフラットラックコンテナです
 北海道でジャガイモや玉ねぎを運ぶ貨物列車が走ることでも知られる、JR石北本線などを使い、札幌駅と北見駅のあいだで補給品を運んだとのこと。公開された画像にはJR貨物の鉄道用コンテナから「戦闘糧食II型、タンドリーチキン」「戦闘糧食II型、さけちゃんちゃん焼き」などと書かれたダンボール箱を荷下ろしする隊員の姿が写っていました。
 なお、これに先立ち10月には、陸上自衛隊の96式装輪装甲車をフラットラックコンテナで運ぶJRの貨物列車が各地で目撃されているほか、例年、防衛省陸上自衛隊では装甲車や施設車両、場合によっては155mm榴弾砲FH70の輸送なども行っています。
 戦車こそ輸送するのは難しくなったものの、10年ほど前には78式戦車回収車の鉄道輸送が行われたこともあります。
 陸上自衛隊は、引き続き各種訓練を通じて、鉄道を活用した機動展開の実効性を向上させていくと明言していました。
 乗りものニュース編集部
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