🍞2〗ー9・Dー日本政府の売国法案。日本の食料安保を破壊する愚かな「平和ボケ」。~No.10 

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 2024年4月10日 YAHOO!JAPANニュース ダイヤモンド・オンライン「岸田政権がまた売国法案!日本の食料安保を破壊する「平和ボケ」「お花畑」な中身とは?
 岸田文雄首相 Photo:Sean Gallup/gettyimages
 岸田政権は、今国会に数々の売国・壊国法案とも呼ぶべき法案を提出している。その一つに、食料・農業・農村基本法改正案がある。この法案がどのような問題をはらんでいるかについて、簡単に解説したい。(政策コンサルタント 室伏謙一)
● 食料安全保障確保とは 正反対の改正内容
 1月26日に召集された第213回国会(常会)、冒頭から質疑の中心となったのは、自民党の派閥パーティー収入記載漏れ問題であった。ちまたでは自民党「裏金問題」とされ、さも汚い金を巡る問題かのように報じられ、論じられた。そして、政策集団として存続することとした麻生派および茂木派を除く各派閥が解散を決めるや、立憲民主党を中心とする野党は一層攻勢を強め、テレビ入りの衆議院予算委員会の審議は、この問題一色のような様相を呈していた。
 さて、そうした中で、岸田政権は、今国会に数々の売国・壊国法案とも呼ぶべき法案を提出し、また、今後も提出しようとしている。
 その一つに、食料・農業・農村基本法改正案がある。同法案は、2月27日に閣議決定、国会に上程され、3月26日に衆議院で審議入りした。大手メディアの報道では、今回の改正は我が国の食料安全保障の強化につながるものであるとされ、これに関心のある多くの国会議員や一般国民もそのように捉えているようである。しかし、その実態は、我が国の食料安全保障の確保とは正反対の改正内容なのである。
 そこで、本稿では、本法案がどのような問題をはらんでいるかについて、簡単に解説したい(なお、条文のレベルにまで落とし込んだ詳細な解説にご興味がある方は、筆者のオンラインサロン「月刊霞が関リークス」をご参照いただきたい)。
● 食料・農業・農村基本法を 根本的に変えかねない改正案
 この食料・農業・農村基本法について、同法は1999年に第145回国会(常会)において可決・成立し、公布即施行された、我が国の農政の基本的な枠組みを規定した法律である。それまでは農業基本法がその役割を果たしてきたが、同法の施行により廃止された。
 このように非常に重要な法律の改正ということであるが、今回の改正は、基本理念の見直しまで行うこととされている。つまり、同法の在り方を根本的に変えてしまうことにもなりかねない改正であるということである。
 したがって大改正なのであるが、それが我が国の農政を、我が国および国民にとって、発展させる方向に働くものであればいいが、むしろ衰退させるか国民のためにはならない、いびつな方向に持っていってしまう可能性が高いのである。以下で具体的に見ていこう。
 まず、今回の大改正の背景として、「世界の食料需給の変動、地球温暖化の進行、我が国における人口の減少その他の食料、農業及び農村をめぐる諸情勢の変化」が挙げられている。そして、我が国の農業、農政をこれに対応させるために、「食料安全保障の確保、環境と調和のとれた食料システムの確立、農業の持続的な発展のための生産性の向上、農村における地域社会の維持等を図る」こととしている。
 これらのことが同法の基本理念において規定されている。我が国の置かれた状況、取り巻く環境の変化を踏まえた基本理念の改正であればいいが、具体的な施策についての改正を見ていくと、どうもそういうわけではないようである。
 次に、その具体的な施策についての改正であるが、先にも挙げた(1)食料安全保障の確保、(2)環境と調和のとれた食料システムの確立、(3)農業の持続的な発展、および(4)農村における地域社会の維持を4本の柱としている。
 食料安全保障の確保については、特にウクライナ紛争以降の輸入食料の価格の高騰を受けて、我が国でも強く認識されるようになった。遅きに失してはいるものの、関係法令において、これについて具体的に規定すること自体は悪い話ではない。経済安全保障法制の制定時においても、その対象から農業・食料が除外されていることを問題視する声は党派を問わずあり、ある意味、それが別の法制において手当てされたとみることもできなくはない。
 しかし、それをどう担保しようとしているのかと言えば、我が国の食料供給能力を食料の海外への輸出によって維持することと、農産物や農業資材の海外からの安定的輸入の確保の、主にこの二つによって行うというのである。
 世界の食料需給事情が変動し、世界各国で食料価格の高騰や食料が入ってこないといった事態が起き、各国は食料自給をさらに強化しようと動き出しているというのに、輸出と輸入を食料安全保障の確保の手段として考え、それを法律に規定しようとは、我が国の政府、現政権はどこまで平和ボケでお花畑思考なのか。
 輸出促進という考え方自体は、我が国の農業を持続可能なものにするために、岸田政権ではなく菅政権下で具体的な施策として始められたものではあるが、それを食料・農業・農村基本法に規定するのは、論外であるとしか言いようがない。
● ビジネスベースに乗せれば 農業は持続可能なのか
 環境と調和の取れた食料システムの確立についても、「食料システムについては、食料の供給の各段階において環境に負荷を与える側面がある」とされ、「その負荷の低減が図られることにより、環境との調和が図られなければならない」とし、農業や食品製造業における環境への負荷の低減を促進させるための措置が規定されている。
 だが、我が国農業はそうした措置を講じなければならないほどに環境に負荷をかけているのだろうか?
 無論、農業は自然を利用し、自然にはたらきかけて生産活動を行うものであり、原野や山林を切り開いて農地を造成してきているのだから、全く環境負荷がないとまでは言わない。しかし、法律を改正してまで、環境負荷を低減させるための措置を新たに設ける必要があるとは到底思えない。何か別の意図があるのではないかと邪推したくなるが、少なくとも、この措置は農家に対して新たな負荷をかけるのは間違いないだろう。
 農業の持続的な発展については、総論としてはもっともであり、こちらも今更ではあるが、施策の方向性として打ち出すこと自体はいいことである。
 しかし、各論では、農業経営以外の多様な農業者による農地の確保、農業法人の経営基盤の強化といったように、農業を国の基(もとい)、インフラとして位置付け、戦略物資としての食料を生産する農業を持続可能にするという経済安全保障、食料安全保障の観点とは程遠い。というより真逆の、農業をよりビジネスベースに乗せれば持続可能になるという発想に基づくものばかりである。
 ビジネスベースに乗せるということは事業者の収益が最優先にされることになるので、国民に必要な食料の確保や、農業生産者の確保・育成、生産技術の向上や継承、さらには種の保護や改良、低廉な費用での提供といった、食料安全保障の確保に不可欠な機能、役割が蔑ろにされる可能性がある。
 本気で持続可能にしたいというのであれば、欧米諸国と同様に、国が各農家に補助金を交付したり、国が買い上げることによって価格を保証したり、海外から輸入される食料に対する関税を増やしたりすべきであろう。裏を返せば、スローガンとして食料安全保障を掲げてはいるものの、本気で考えていないということではないか。
 農村における地域社会の維持については、「地域社会が維持されるよう農村の振興が図られなければならない」とうたっておきながら、具体的な措置として挙げられているのは、農地の保全に資する共同活動の促進、地域の資源を活用した事業活動の促進、農村への滞在機会を提供する事業活動(いわゆる農泊)の促進等である。
 要は自分たちで共同活動を推進せよ、地域の資源を活用して事業活動をして自分たちで稼げと、地域社会の維持を農村の自己責任として押し付けている。裏を返せば、国として農村の地域社会を維持する責任を放棄するに等しい。食料の生産の現場である農村を事実上見捨てるような措置を規定して、何が食料安全保障だと言いたくなる。
 指摘しようと思えばまだまだ同法案の問題点はたくさんあるが、法案をしっかり読んで、一つ一つ指摘できる野党議員はどの程度いるのだろうか?少なくともこうした大枠の問題点ぐらいは指摘し、反対の声を上げてほしいものであるが。
 室伏謙一
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 4月9日 YAHOO!JAPANニュース GOETHE半導体LNG、牛肉、人材…を売ってもらえない! 日本企業の没落と不都合な現実
 かつては水産物の争奪戦で中国に敗れ問題になった「買い負け」。しかしいまや、半導体LNG液化天然ガス)、牛肉、人材といったあらゆる分野で日本の買い負けが顕著です。2023年7月26日発売の幻冬舎新書『買い負ける日本』は、調達のスペシャリスト、坂口孝則さんが目撃した絶望的なモノ不足の現場と買い負けに至る構造的原因を分析。本書より「はじめに」を抜粋してお届けします。第1回。
 「買い負け」が象徴する日本企業没落に至る体質
 TEXT=坂口孝則
 悲鳴は、2021年の初頭から入ってきた。
 絶望的なモノ不足について語ってくれたのは、私が仕事で関わりをもった機器装置メーカーの調達関連責任者だった。遅れて会議室に入ってきた氏は、社内中が大混乱していて、ついさきほどまで納期調整に奔走していたという。
 「電子部品を注文しているが、納期が2年先とか3年先とか言われています。現在は在庫を切り崩して対応したり、該当の部材を使わない製品を生産したりしているものの、すぐに行き詰まるかもしれない」
 当然だが、部材の一つでも手に入らないと完成しない。その他、何が足らないのだろうか。
 「何が足らないかと言われると……。あえて言うなら、すべて」
 先に上げた電子部品、材料、ハーネス、基板。そして労働者と、製品を運ぶ物流。それらすべてが不足する異常事態にあった。仕入先からの納期回答は日に日に後ろ倒しされていく。後ろ倒しされるくらいならまだマシで、大半が納入日未定になっていた。
 「仕入先に連絡すると、まったく生産の目処がつかないと言われます。理由を聞くと、彼らも生産に必要な部材を調達できていない。2次、3次の仕入先から納入されない状況で、もはや追いかけられないんですよ。入ってくる予定だった部材も、どっかに取られたとか、運べなかったとかで。ウチの分は『あと回しにされている』と正直に言ってきた仕入先もいましたね。そこから、価格は通常の100倍だけど中国のどこかの商社が部材をもっているといった話が聞こえてきて、ためらっていると在庫がなくなっていて途方にくれました」
 2019年末に発生した新型コロナウイルスは2020年に深刻な影響をもたらしていた。グローバルサプライチェーンは網の目のようにつながっている(サプライチェーン:供給連鎖。原材料・部品の購買から販売にいたる一連の流れ。上流から下流までの調達・加工・在庫・物流)。
 どこかの国の機能不全は、世界中の企業に影響をもたらした。従業員が出社できない、生産できない、モノを運べない。供給面での問題があった。
 そしてこのときは2021年。2020年初めに2万9000ドルほどを付けていたダウ・ジョーンズ工業株価平均は、コロナ禍で2万1000ドルほどに急落。消費低迷の懸念から企業業績を不安視する見方が広がった。
 しかし、その後、株価は急回復を見せ、2021年初頭には3万1000ドルを突破、半ばには3万6000ドルまで伸びた。巣ごもり需要や、コロナ禍で各国が積極的な財政政策を講じたことにより、中ごろから、それまで落ち込んでいた消費を刺激したためだ。
コロナ禍による影響が払拭できないなか、消費は旺盛になったが、供給面の制約があり世界中で限られたパイを巡って取り合いになった──。一般的にはこう説明されている。私は当時、本業のコンサルティングは客先との対面が叶わずに、ウェブ会議システムを活用していた。2020年初頭には、そもそも景気の先行きを懸念しコンサルティングのプロジェクトの延期が続いた。
 その後、景気の浮揚に伴いプロジェクトは急速に復活し、ほどなくすると「納期問題が大変でプロジェクトどころではない」とする声が相次いだ。
 この数年間、同じ発言を聞かされた。ウチはマイナーな産業だから、ウチは中小だから、ウチは購入量が少ないから、ウチは仕入先との関係が弱いから……。まるで「ウチ」以外は買う力が強いといわんばかりだ。ピラミッド構造の上部にいる企業は購入量が多いので、他企業よりも優先してもらえるため、支障なく生産を継続できる、と誰もが思っていた。しかし、それは幻想だった。
 2021年初頭には、自動車メーカーが相次いで工場を稼働停止させるニュースが飛び込んできた。理由は、部材不足。強固なシステムとして知られた、自動車産業サプライチェーンシステム──系列とジャスト・イン・タイムで必要な時期に必要な数量だけを調達し必要な量を生産し販売する仕組み──の神話が崩壊した瞬間だった。
 これまで「買い負け」とは、主に食料関連のニュースで使われてきた。他のアジア各国に魚類などを高値で競り落とされた報道に触れる機会が多い。しかし、その「買い負け」が食料だけではなく、さまざまな商品に広がり、さらに日本の多くの企業に影響を及ぼしていると、一体どれほどの人が気づいているだろう?
 この数年、さまざまなメディアの方から、昨今のサプライチェーンの混乱について解説してほしいと依頼を受けた。ある編集者はこう言った。
 「コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を背景とする外因をしっかり分析しなければなりませんね」
 しかし、外因だけが理由だろうか。もちろん、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻は重要な変化であったに違いない。しかし、それは外因であって、近年の買い負けは、日本の内因がついに表出したといえないだろうか。
 その内因とは、まず日本経済全体の凋落だ。もしいくらでもお金を払えるなら買い負けは多少なりとも緩和するだろう。そして企業の内因としては、冒頭で紹介した機器装置メーカーの調達関連責任者のコメントが象徴している。すなわち、多層構造ゆえに全体が見えていないこと、要求品質が過剰で仕入先から敬遠されていること、さらに決断の遅さ。
 これらはかつて日本企業が成長した特性ともいえた。しかし現在、それらは逆回転をはじめている。
 人びとは、大きな変化には気づく。しかし、ゆっくりとした変化にはなかなか気づかず、実感をもちにくい。かつて栄華を誇った日本企業群がもはや他国から積極的に売ってもらえなくなっているとすれば?
 見たくない現実を見続けないと、おそらく起死回生の一手を練ることも難しい。ならば、と思った。いま、見たくない現実を突きつける内容を書いてみようと。これは日本の「買い負け」を通じた日本企業論にほかならない。
 本書で書いた「買い負け」商品のなかで、読者が読むタイミングによっては落ち着いているものもあるかもしれない。需要の減少によっては、「買い負け」どころか、難なく調達できるかもしれない。しかし、個別商品の現状がどうかなど、私は究極的には興味がない。
 私が本書で描きたかったのは、「買い負け」事例を通じた日本企業の宿痾であり、世界経済のなかで30年ほど停滞し続けている日本企業の体質である。
 繰り返す。個別商品の現状がどうかなど、私は究極的には興味がない。
 現状を俯瞰しつつ、一つひとつの事象をすくい上げるとともに、その深層にもたどり着きたいと私は思う。買い負けの真因として日本企業の機能不全があり、それゆえに私たちにとって大きな危機が訪れていることを知るために。
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