🍘38〗ー3ー一次産業の収入・社会的地位の向上に国が取り組まなくては。~No.119 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 太平洋戦争の原因は、軍国日本による生存の必要なエネルギーの石油と食糧の外米を獲得する戦争であった。
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 日本の産業、特に一次産業は民族神話=高天原神話=記紀神話と深い繋がりがある。
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 2024年2月9日 YAHOO!JAPANニュース 夕刊フジ「「一次産業の尊さ」職人、農業、漁業…次の担い手を育てるために 収入・社会的地位の向上に国が取り組まなくては
 【はぐれ団塊作文集】
 地震や台風などの災害で建物が壊れたり流されたりした際、その復興の担い手として現場で働くのは建設作業員などの職人です。水道やガスなどのインフラの整備に関わる作業員たちも同様です。彼らがいなかったら、被災者はいつまでも通常の生活に戻れない。オフィスでパソコンをいくら駆使しても瓦礫は取り除けないし、建物の復旧はできません。
 彼ら職人は日頃、主に屋外の建設現場などで働き、技術・技能を蓄積しています。そのおかげでわれわれは快適な生活を送ることができているのです。
 にもかかわらず、現在の日本での彼らの処遇はお粗末です。昔の職人は家族をきちんと養えるくらいの収入があり、仕事に誇りを持っていました。社会が彼らに一定の敬意を払っていたからです。
 しかし、今はまっとうに働いても、見習いの外国人労働者並みの低い賃金で、しかも、学歴社会の落ちこぼれのようなイメージでとらえられ、社会的地位は気の毒なくらい低いのです。
 若者の中には、勉強が嫌いでほんとうは太陽の下で体を動かして働きたいという人も多い。けれど、職人社会の現状を見れば将来に不安を感じて諦めた人も少なくないでしょう。社会にとって欠かせない職人は減る一方なのです。同時に長年培ってきた技能・技術も受け継がれなくなって、日本の自然災害などの風土に適した技が失われてしまうのです。
 その分外国人労働者が増えていますが、彼らに勤勉で器用で真面目な日本人の職人のような技術・技能を身につけさせることは、ほとんど不可能なことです。また、近い将来、地震などの大災害が起これば、危険で生活も不自由なままの日本に彼ら外国人労働者は残るだろうか、などと疑問に思います。
 インターネットなどがなくても人は生きていけますが、雨や風をしのぐ家やインフラがなかったら、生活そのものが成り立ちません。多くの人がそのことをふだんは忘れ、それらを支える職人たちのありがたみを忘れています。
 同じことは農業や漁業などの第一次産業についても言えます。それらは国民の生活を維持する上で第一に必要なものであるにもかかわらず、それに従事する人の社会的地位や収入は働きに見合ったものではありません。それでは職人同様、若い人は育ちません。
食料をよその国に依存しては危険です。例えば、異常気象や自然災害などによって、穀物の輸入先の国の生産力が落ち、自国の国民を食べさせるだけしか生産できなければ、その相手国は輸出を止めるでしょう。当たり前のことです。自国民を飢えさせないことが為政者の責任だからです。
 戦争によっても食料の流通に支障を来すことは、今のウクライナの状況が示しています。国民の幸せとは、安心して住むことができ、自国の生産による食料を食べられることではないでしょうか。食料自給率を上げなければならないのは自明の理です。
 職人や、農業、漁業、医療、介護などに従事する人たちが誇りを持って仕事ができ、経済面でもその技術・技能に見合うだけの収入が得られるように、彼らが夢を持って育っていくように、将来を見据えた取り組みを国がしなければならないと思うのですが。 (続く)
■足摺石大(あしずり・いしだい) 高知県生まれ。著書に『はぐれ団塊作文集』『小田急線梅ヶ丘』などがある。
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