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2022年6月27日 MicrosoftNews 日テレNEWS「【解説】日本列島地震相次ぐ それぞれの地域の地震の特徴は――日本海側でも津波に警戒
【解説】日本列島地震相次ぐ それぞれの地域の地震の特徴は――日本海側でも津波に警戒
26日夜、熊本で震度5弱の地震が。震度7を2回経験した6年前の熊本地震との関連は? 日本海側・石川能登地方の今後の地震の見通しは? 社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■26日夜・熊本で震度5弱 震度7の熊本地震との関連は――
26日午後9時44分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする強い地震があり、美里町で震度5弱の揺れを観測しました。マグニチュードは4.7、震源の深さ9キロと浅い地震でした。
熊本県熊本地方では、2016年4月に震度7を2回観測した「熊本地震」がありましたが、今回の地震は一連の「熊本地震」と同じ活動領域の中で発生したものです。「熊本地震」ではマグニチュード6.5の地震発生から2日後に隣接する別の活断層で、より規模の大きな地震が発生したケースもありました。
気象庁は、揺れの強かった地域では今後1週間程度、震度5弱程度の地震に注意するとともに、さらに強い揺れをもたらす地震発生の可能性もあるとして注意を呼びかけています。
■先週は震度1以上が62回 「震度5強」能登地方では今後も数か月は活動が続く――
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▼石川県能登地方では19日に震度6弱の地震がありましたが翌日20日午前10時半頃にも珠洲市で震度5強を観測する地震がありました。マグニチュードは5.0、震源の深さは14キロでした。
▼20日、北海道の宗谷地方北部を震源とする地震があり天塩町(てしおちょう)などで震度4の揺れを観測しています。マグニチュードは4.4、震源の深さは10キロと地殻内の浅い場所でおきた地震でした。
気象庁によると能登地方を震源とする地震の回数は、震度5強の地震があった20日は10回発生。翌日以降、数は大きく減っています。
政府の地震調査委員会は、今後の見通しについて「すぐに収束する兆候もみられず一連の地震活動は少なくとも今後数か月は続くのでは」と見解を示しています。
■28日はM7.1「福井地震」から74年。戦後3番目に多い死者数
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福井地震は戦後間もない1948年の6月28日に発生しました。内陸の活断層による地震で震源はいまの坂井市付近、マグニチュードは7.1でした。福井県内では3700人以上が亡くなりました。
この死者数は「東日本大震災」、「阪神・淡路大震災」についで戦後3番目に多い地震となっています。
■日本海側でもおきている地震や津波による大きな被害
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日本海側でおきた主な地震
▼1964年 新潟地震
▼1983年 日本海中部地震
▼1993年 北海道南西沖地震
▼2000年 鳥取県西部地震
▼2004年 新潟県中越地震
▼2007年 能登半島地震
▼2007年 新潟県中越沖地震
■日本海側の地震は“早く来る”
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日本海側でおきる地震について地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは――
「日本海側の地震が震源が浅く、陸地に近い。津波も高いものが早くくることが多い」
太平洋側で発生する地震と比べると、震源が浅いこと、陸地に近い所で発生することなどの理由により、「津波が高くなりやすく」、「津波が陸地に到達するまでの時間が短い」という特徴があります。地震の規模に比べて津波が高くなる傾向があるため、マグニチュード7クラスの地震でも大津波が発生する危険性があります。
日本海側でも、これまで津波による大きな被害を受けています。海岸付近で大きな揺れを感じたら、津波が発生することを思い浮かべ速やかに高台などの安全な場所に避難することが命を守る最善の行動です。
今年3月、政府の地震調査委員会は鳥取から長崎沖の日本海南西部海域にある活断層で、今後30年以内に1メートル以上の津波をおこす可能性があるマグニチュード7以上の地震がおきる確率が、8~13%という評価結果を公表しています。」
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6月28日06:00 SmartFLASH「【流体地震の恐怖】「能登半島震度6弱の原因は水」専門家語る“活断層型地震を誘発”の可能性…次の危険地域は?
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6月19日に発生した震度6弱の地震により、珠洲市では鳥居が倒れるなどの被害が出た(写真・朝日新聞社)
104回。これは、能登半島の先端に位置する石川県珠洲市で、今年になって震度1以上の揺れを記録した地震の発生回数だ(6月22日時点)。
19日には震度6弱の大きな揺れに見舞われ、6人の負傷者が出ている。東北地方と比べ「北陸は地震リスクが少ない」といわれてきたが、住民の間では不安が広がっている。
「一連の地震活動は、大きな被害を発生させる内陸地震としては、かなり異常です」
と語るのは、東京大学の佐藤比呂志名誉教授だ。
「大きな内陸地震は、断層がプレート境界からの力を受けて、ずれ動くことにより発生します。大きな本震の前には、小規模な地震が少し発生するぐらいで、今回の能登半島のように、小規模な地震が頻発するということはありません。断層の動きは、力が加わること以外にも、断層の強度(支える力)が低下することによって発生します。今回の地震の原因は、能登半島東部の地下深いところに、断層の強度を低下させた“何か”があるということです」
今回取材したほとんどの地震専門家は、この原因を“流体”だと考えている。
「高温の水やマグマ、ガスなどの流体が地下深くに留まっていて、これが岩盤に圧力をかけ、歪みを生じさせています」(金沢大学・平松良浩教授)
「地中の高温と高圧で、水が状態を変化した“超臨界水”が原因だと考えますが、そのメカニズムには不明な点が多いです」(前出・佐藤教授)
京都大学防災研究所地震予知研究センターの西村卓也准教授も同じように、この流体を“水”だと考える。
「能登半島には火山がないので、水が原因である可能性が高いと思います。深さ十数kmの地下に流体があることを考えると、水は地下から湧いてきているのでしょう。200kmほど下にある海洋プレートに含まれている海水が、高温と高圧のために分離、上昇してきている。今回の地震の原因となっている流体は、海洋プレート由来の水だと考えます」
珠洲市ではこの“流体”によって、2020年12月ごろから今年5月までの間に、4cmも地面が隆起している。
「地下で流体の集まりが膨らんでいるので、周囲の岩盤に力が加わり、耐えきれなくなった岩盤が割れて地震が起きます。さらに、日本列島の地下には摩擦力で引っかかり、くっついている断層がたくさんあります。この間に水が入ることで、潤滑油のような働きをし、断層が動きやすくなる。この2つが、一連の地震の原因です」(西村准教授)
つまり現在、能登半島では、活断層でもプレートでもない、“流体”を直接的な原因とする“流体地震”が起きているのだ。そしてこの“流体地震”は、1965年から1970年にかけて長野県松代町(現長野市)で発生した松代地震と「メカニズムが一緒」(西村准教授)だという。松代地震に詳しい、地震予知総合研究振興会の松浦律子上席研究員が語る。
「松代地震では、最盛期に1日に600回以上の有感地震が起きました。地理的条件から考えて、水が原因だという点では能登半島も同じでしょう。しかし松代と比べれば、今回の地震は非常に小規模なものです。松代では、実際に“水噴火”といって、水が地表にまで噴き出したんです。この地震の特徴は、原因となる水が止まらない限り続くということです。
しかも、水源は地下深いところにあるので止められないし、調査もしづらい。水が原因なので、大規模なパワーはありませんが、中~小規模な揺れが今年いっぱいは続くでしょう。このタイプの地震は、温泉があるところで発生し得る。つまり、日本ではどこでも起こり得ます」
長引く小さな揺れが、どこでも起きるーー。この謎に満ちた“流体地震”だが、この地震がトリガーとなって、さらなる災厄をもたらす可能性がある。西村准教授が語る。
「能登半島では今後、阪神淡路大震災と同レベルのマグニチュード7クラスの地震が起きる可能性があります。能登半島周辺には大地震を起こしかねない活断層が複数あり、流体を原因とする地震が、これらの活断層を刺激する可能性があるのです」
“流体地震”に刺激されて活断層型地震が誘発されるーー。この危険な“セット”を抱える地域は、国内にいくつかあるという。
「能登半島もそうですが、そもそも東日本大震災を契機に日本列島の地下が変化し、水が上がりやすくなったといわれているんです。茨城県と福島県の県境付近(北茨城市やいわき市周辺)では、東日本大震災以来、小さな揺れがずっと続いていますし、危険な活断層も確認されています。さらに、京都府亀岡市でも揺れが続いており、その近くには『亀岡断層』という大きな活断層があります」(同前)
さらに、過去の事例から警戒すべき場所もある。
「2000年の鳥取県西部地震や、1980年伊豆半島東方沖地震、1978年伊豆大島近海地震は、小さな地震が頻発した後にマグニチュード7クラスの大きな地震が発生しています。鳥取県や伊豆半島は、小さな地震が大地震に結びつきやすい場所だといえます」(同前)
小規模な揺れのまま、終わればよいが……。」
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