⚡41】─1─ウソで信用をなくした日本安全神話。2015年。~No.187No.188No.189 * 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 安全性や信用を無視した、パクリ、偽装、隠蔽、粉飾決算、偽報告。
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 日本民族日本人は、朝鮮と違って中国化を避けながら生きてきた。
 日本国民日本人は、韓国・北朝鮮同様に中国化してきている。
 中国人と付き合いながら生きて行くには、中国人化するしかない。
 それが、日本人の宿命である。
 日本人である事を捨て中国人化する事を喜ぶ日本人がいる。
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 金儲けの為に嘘偽り偽証で誤魔化して信用なくした日本安全神話
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 2015年12月号 WiLL「五輪騒動に見る日本人の志 D・アトキンソン
 エンブレム問題の核心 
 日本はよく海外から、『矛盾の国』と言われます。たとえば、日本にはトヨタのような素晴らしい企業がありながら、一人あたりGDPは世界26位だったりする。極めて生産性の低い企業が数多くあるためです。
 先の東京五輪をめぐる騒動は、その矛盾を象徴する出来事のように感じました。
 まず、エンブレムの問題です。
 7月、グラフィックデザイナー・佐野研二氏発案のデザインが東京五輪エンブレムに選ばれました。
 その後、ベルギーの劇場のロゴと酷似していることが発覚。パクリ疑惑が浮上し、世間を騒がせました。
 私が矛盾を感じたのは、佐野氏、委員会側の言い分です。彼らは8月5日の会見で、『先方は商標登録してない。こちらはエンブレムの発表と同時に商標を確認しているから問題ない』と説明しました。
 『商標登録されていないから問題ない』などという理屈は、いかにも中国、韓国が言いそうなセリフです。
 最近、中国で私が勤めていたゴールドマン・サックスの名前をパクった企業が出現しました。その名も。『ゴールドマン・サックス(シンセン)ファイナンシャル・リーシング』
 もちろん本家、ゴールドマン・サックスとは何の関係もない会社で、向こうの言い分は『商標登録されていないから問題ない』。
 これまで日本は散々、中国のこのようなパクリを批判してきたはずです。おころが今回、日本は中国と同じ理屈を使って自身を正当化しようとしました。これでは、もう中国のことをとやかく言う資格はないのではないでしょうか。私が尊敬する日本はもっと志の高い国です。
 私がエンブレムの件でもう一つ問題に感じたのは、『似ている、似ていない』(もちろん、個人ブログの写真を無断流用したなどの問題は論外ですが)という低レベルな議論に終始していた点です。
 大切なことは、エンブレムのデザインが東京五輪に相応しいかどうかです。世界を挙げてのイベントである五輪のエンブレムは、世界を驚かせる画期的なデザインであるべきです。
 私個人の感想としては、佐野氏のエンブレムはインパクトに乏しく、抽象的で、あまりいい印象は持ちませんでした。
 ベルギーの劇場に使われているレベルのデザインに似ている時点で、五輪のエンブレムとしては相応しくないと考えるのは私だけでしょうか。
 私は日本人のクリエイティビティの高さを知っていますから、なぜもっと素晴らしい、世界を感動させるものが出なかったかが気になりました。
 問題は予算の根拠
 新国立競技場の問題にも矛盾を感じました。日本人は真面目な民族と言われます。もしそうが本当であるならば、なぜ予算が増えたり減ったり、あんないい加減なことをしているのか。
 日本は、2018年に平昌五輪開催を控えている韓国の競技場建設の遅延や財政難を批判しています。これでは中国のパクリ同様、もう他人のことは言えなくなってしまいました。
 新国立建設で問題なのは、予算の根拠を十分に示していないことです。
 予算が多いか少ないかは、中身を見ないと分かりません。ところが、マスタープランをはじめ、中身の詳細、海外よりなぜ高いかなどの根拠を示さず、3,000億円だ、2,000億円だと数字を弄んでいる。
 いまの時代は情報開示が基本です。根拠となるデータを出さないと、議論が今回のようにおかしな方向に行ってしまいます。
 『もっと低い予算でやれ』との批判がありますが、それも考えものです。
 文化財修理の世界では、入札制度によって過剰な価格競争が起き、請負金額が著しく下げられ、文化財修理の品質が落ちてしまっている問題があります。
 『安ければ安いほどいい』というのは、アメリカ的な考えです。
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 医療費や社会保障費を負担しているヨーロッパの国々で、この考え方は通りません。
 ……
 日本は、アメリカ型で行くのか、あるいはヨーロッパ型で行くのか、この新国立の問題で決断を迫られているのではないでしょうか(むろん、私はアメリカ型は日本には相応しくないと思います)。
 集団的自衛権の暴論
 話を戻すと、日本人の議論には根拠が足りないことが多い。集団的自衛権の議論にしてもそうです。
 集団的自衛権行使反対の人たちは、安保法制によって『戦争法案だ』『徴兵制につながる』と言い募ります。
 私の母国であるイギリスは集団的自衛権を認めていますが、徴兵制はなく、集団的自衛権の塊でさえ、徴兵制はない。つまり、反対派の言い分には根拠がないのです。
 しかし反対派は、『集団的自衛権=徴兵制』と騒ぎ立てる。暴論としか言いよがありません。
 もしこれがイギリスの議会であれば、『徴兵制が復活する』と批判する民主党をはじめとする野党は、徹底的に突っ込まれています。
 本を正せば、そもそも旧国立競技場を取り壊してまで、新国立を建てる必要があったのか。
 ……
 現在は高度経済成長の時に比べて海外の人間との交流の機会が激減したためか、日本人のグローバル感覚がどんどん失われている気がします。
 最終的に、新国立の問題は下村博文文科相が責任を取る形になりました。日本人はよく責任問題を取り上げますが、不正を働いたなど明らかに問題がある場合は別にして、私はこの責任問題というのが好きではありません。なぜなら、建設的ではないからです。
 本来は、その組織のどこにどういう問題があって、どのように改善するかという議論のほうが大事なはずです。組織の問題点を改善することこそが、『本当の責任を果たす』ということなのではないでしょうか。
 責任問題を追求する余裕があるならば、もっと別のところにエネルギーを注いだほうがいいように思います。
 改善を妨げる人々
 私は、この五輪騒動の背景には日本人の抱える二つの大きなが問題あると見ています
 一つは、最近、みな下ばかり向いて大きな志をたえてない、ベストを尽くさないことです。
 今回の問題で言えば、世界をあっと言わせるようなデザインのエンブレム、競技場をつくるのが最大の目的だったはずですが、日本の議論を見ていると妥協の繰り返しで、まったくベストを尽くしていない。
 『こちらのほうが現実だから』と妥協することは、イギリスで『mabe by committee』(委員会仕事)と言われ、最悪の仕事とされています。
 私がかかわってる観光についてもそうです。
 ……
 突貫工事はさせない!
 もう一つの日本人の抱える問題は、『実行力の低下』です。
 その証拠に、いつまで経っても新国立の建設は始まらず、ほかの施設の建設についても雲行きが怪しくなってきています。
 ……
 現在の五輪の運営をみていると、バブル以前のような素晴らしい、力強い英断ができておらず、曖昧なまま進められてしまっている印象を受けます。五輪は世界を巻き込んだイベントです。日本人のなあなあ文化は内輪では通じるかもしれませんが、世界には一切通用しないことを知るべきです。
 このままでは、日本は中国、韓国と同じくらい、いい加減な国だと世界に思われかねません。先述しましたが、私は長年、日本に住み、日本人の真面目さ、クリエイティビティの高さを知っています。
 これ以上、日本の信用を損なわせないためにも、日本人の生産性を高めるためにも、一刻も早く、問題を改善、検証をしていただきたいと思います」
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 日本が無能な怠慢で劣化するとアメリカ化ではなく中国化するのが歴史的地理的心情的定めである。
 日本は、幕末以来、坂の上に聳えていた欧米列強の豊かさに憧れ、西欧列強の様になる為に最新知識と最先端科学技術を謙虚に学び、寝食を忘れて働いた。
 その結果、見える実体としての「メイド・イン・ジャパン」を生みだし、信用を勝ち取った。
 それが、1980年代までの日本であった。
 それ以降の日本は、自業自得的に、怠惰となり堕落し衰退していった。
 坂の上に登り切って視界が開けるや、憧れていた欧米列強が自分と変わらない欧米諸国と知るや安心と共に意欲をなくし、目標を失って哀れな貧者となった。
 江戸の外国語を知らない日本人庶民は、世界に類例のない独自の文化と芸術を生み出し、粋に、いなせに、そして、雅に、あでやかに、日々の生活を楽しんでいた。
 1980年代以降の日本人市民は、世界が驚くような、文化も芸術も、メイド・イン・ジャパンと称する斬新な新製品を生み出さなくなった。
 敢えて誇れると言えば、アニメなどのオタク文化と寿司やラーメンなどの消滅の危機にある和食文化ぐらいに過ぎない。
 日本の高速道路は、サンフランシスコ地震で壊れた高速道路より頑丈だと自慢したら、阪神・淡路大震災で呆気なく倒壊した。
 日本の原子力発電所は、チェルノブイリ原発より安全でと自慢したら、東日本大震災原発事故を起こした。
 日本の政治は二流でも経済は一流と自慢していたら、東芝やその他の国際的日本企業のお粗末な経営実態が次から次ぐと明らかになって、高学歴の経営者が頭を下げて陳謝している。
 日本の建造物は、ソウルの百貨店のように倒壊はしないと太鼓判を押したら、基礎の杭打ちに改竄が相次いで発見された。
 現代日本は、以前の日本とは異質な日本に生まれ変わってしまっている。
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 10月25日 産経ニュース「【横浜マンション傾斜】学校など公共施設は前倒し公表 石井国交相「13日待たず発表する」「データ不正改竄は想定せず」
 傾斜が判明した横浜市都筑区のマンション
 横浜市都筑区のマンションが傾いている問題で、石井啓一国土交通相は25日に出演した民放番組で、「原因究明をしっかりした上で、建築基準法上の検査、報告のあり方を含めて検証していきたい」と述べた。
 今回の問題で行われたデータ改竄(かいざん)は、建築基準法に基づく着工前、中間、完了後の段階別審査をいずれもすり抜け、見抜かれることはなかった。石井氏は番組の中で「くい打ちについては施工後にデータを検査することになっている。まさかデータを不正に改竄するなんて想定しておらず、巧妙に偽装されると見抜きにくい」と指摘した。
 国交省旭化成側に対し、旭化成建材が過去約10年間に携わったくい打ち施工現場についての調査結果を11月13日までに報告するよう求めている。しかし、石井氏は番組後に報道陣の取材に対し、データを改竄した現場管理者が関与した41件のほか、学校、病院などの公共施設について「13日をまたずに、まとまり次第発表したい」と述べた。
 責任の所在については、「三井不動産レジデンシャルは売り主として、三井住友建設は元請けとして、旭化成建材は実際に施工した者として、それぞれの役割分担に応じて責任がある」とし、中請け業者を含めた全ての企業に責任があるとの考えを示した。」
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 12月21日 産経ニュース「厚労省、化血研に立ち入り検査 ボツリヌス毒素無断運搬で
 血液製剤やワクチンの国内メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)が、強い毒性を持つボツリヌス毒素を都道府県公安委員会への届け出をせずに運搬していた問題で、厚生労働省は21日、感染症法に基づき、化血研へ立ち入り検査を行った。管理状況や運搬の記録を調査したうえで、行政指導を行う見通し。
 化血研などによると、平成19年10?12月と今年10月の計4回、感染症法で運搬には事前の届け出が必要となる0・1ミリグラムを超えるボツリヌス毒素を、県内の事業所から別の事業所に運んだ。化血研ではボツリヌス毒素を中和する抗毒素を製造しており、担当者が運搬量の確認を怠っていたという。
 化血研をめぐっては、昭和49年以降、国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していたことも明らかになっており、同省は業務改善命令など、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく行政処分を行う方針を固めている。」
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 2016年1月13日 産経ニュース「廃棄ビーフカツが流通 壱番屋、不正転売と説明
 産業廃棄物処理業者が不正に転売した壱番屋ビーフカツ
 カレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)は13日、異物が混入したため廃棄した「ビーフカツ」が流通していたと発表した。処理を依頼した産業廃棄物処理業者が不正に転売したと説明している。
 壱番屋によると、産廃業者は「ダイコー」(愛知県稲沢市)。問題のビーフカツは昨年9月、愛知県内の工場で製造した。その際に最大8ミリの樹脂製部品が混入した可能性があるとして、同年10月に約4万枚をダイコーに引き渡した。」
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 2月5日号 週刊朝日「劣化するニッポン 格安が招く悲劇
 旅行、食品、保育、医療・・・
 安価な深夜ツアーバスが死亡事故を起こし、捨てられるはずのココイチカツが安売りされて消費者の口に入る。
 消費者はついつい安さを喜び、業界は価格競争に疲弊する。
 格安社会の行き着く先に何が待っているのか。
 ……
 バス運転手の待遇が悪化した背景に、2000年の規制緩和がある。かつて2,336社(1990年度)だった貸し切りバス会社は、2倍近い4,512社(13年度)にまで膨れ上がった。規制緩和以降、黒字路線をめがけて新規バス会社が参入。赤字路線の採算を黒字路線の収益で賄っていたバス会社は、経営が困難になってきた。既存のバス会社は、赤字路線だけを集めて子会社を設立。その子会社の赤字を黒字にするために、人件費を削り、安全にかかるコストを減らす。そして、新規参入業者に追随して運賃を下げる──。今回の事故では国のバスツアー運賃下限額約27万円に対し、バス会社は19万円で請け負っていた。
 運転手の6人に1人が60歳以上と高齢化も進む。運賃の値下げ競争に歯止めをかけて運転手の労働環境を改善しない限り、また同じことを繰り返すだけだ。
 格安競争で品質の劣化が止まらないのは、食品業界も同じだ。1月13日には、カレーチェーン『CoCo一番屋』の冷凍ビーフカレー約4万枚が不正転売されていたことが発覚。異物混入のおそれがあるため廃棄される商品が廃棄物処理業者『ダイコー』(愛知県稲沢市)によって横流しされ、愛知県内などのスーパーで一般客に売られていた。
 ……
 なぜ、このようなことが起こるのか、農産物流通コンサルタントで『激安食品の落とし穴』の著書がある山本謙治氏は、こう指摘する。
 『日本は食品の品質管理が厳しく、食品ロスが年間500万?800万トンあります。異物が混入した商品は論外ですが、賞味期限間近の商品が格安スーパーなどに出回ることは日常的にあり、結果的にそれが通常商品の値下げ圧力にもつながっています』
 たとえば、10年ほど前まで3パック120円前後で売られていた納豆は、今では60円を切ることも珍しくない。納豆業界関係者は、『納豆は客寄せのために激安特売の対象になることが多い。スーパーなどの小売店から価格を下げろと言われると、断れない』
 〝イジメ〟とも思えるビジネスも横行している。
 『ある納豆メーカーは、大手スーパーの要請でPB(プライベートブランド)商品の製造を始めました。PB商品は単価が安くて利益が薄くても、大量の数の安定生産が見込めたからです。ですが、いざ製造を始めるとスーパーから「もっと価格を下げてほしい。できないなら、他のメーカーに変える」と言われた。取引をやめれば売り上げが大幅に下がり、工場もストップする。そのため泣く泣く値下げに応じたそうです。なかには倒産したメーカーもある』(納豆メーカー関係者)
 価格の低下で品質が劣化
 納豆以外でも、豆腐や卵、ソーセージなども価格競争に苦しんでいる。豆腐製造業の元関係者は、『カナダ産の大豆を国産と偽っていた』と話す。価格の低下が、品質の劣化を招いていたのだ。前出の山本氏は言う。
 『結局、小売店が業者に値下げ圧力をかけるのは消費者が安い商品を求めるから。企業努力にも限界があり、価格を下げれば品質も下がる。それを防ぐには、消費者が食べ物の最低価格を知り、極端に安い食品は「おかしい」と思わないといけない』
 保育の現場でも価格競争は進んでいる。
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 医療、美容業界でも格安商品がある。例えば、視力を回復させるレーシック手術。安全を保つための入念な精密検査や設備を要するため、大病院ならば40万?50万円かあるが、ある大手クリニックは現在7万円という格安価格をうたう。
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 教え子のゼミ生4人を今回のバス事故で失った、法政大学教授の尾木直樹さん(69)は、NHKの番組でぶちまけた。
 『怒りです。自分への怒りでもあるし、うちらの国、おかしくなっているよと』」
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 『利益最優先』主義が引き起こした悪夢  森永卓郎
 今、日本人のモラルがとてつもなく低下している。人間としてやってはいけないことの区別さえつかなくなっていると思います。日本人の価値観の最上位に『お金』が君臨している。『お金さえ稼げばそれで良い』『稼いだもの勝ち』という考えが蔓延しているのではないでしょうか。社会主義市場経済という『拝金主義』を貫く中国が典型的な例ですが、日本もほとんど大差がなくなってきているように感じます。
 今回起こったバス事故も、廃棄食品の横流し問題も、明確に定められたルールを無視した行動です。利益より安全性が優先されるべきというルール以前の共通認識すら機能しなかった。これはつまり、ルールを厳罰化したところで解決する類いの話ではないのです。
 いつからそんなふうになったかと考えると、私は2005年のライブドア事件がターニングポイントだったのではないか思っています。あの事件によって『捕まりさせしなければ、何をやっても良い』という姿勢があらわになり、社会問題になるほど大きな波紋を呼びました。
 今回の事故を起こしたバス会社や廃棄物処理業者も、本心では『見つかっちゃったか。ヘマしちゃったな』程度にしか思っていないんじゃかと思います。
 『だって、お金を稼ぐには仕方のないことでしょ?みんなやっていることでしょ?』と、本心では開き直っているかもしれない。残念ながら、それが今の日本社会のリアルな姿です。
 会社が利益を追求するのは当然のことですが、従業員や消費者、地域社会を軽視することは間違っている。この根本的なことを社会が議論し尽くさなかったツケが今、回ってきているんじゃないかと思います。
 そんなふうにすっかりおかしくなってしまった日本を、安倍政権の弱肉強食政策がさらに追い打ちをかけて加速させています。アベノミクスによって、ごく一部の人にとてつもない所得が集中していて、格差がさらに拡大している。非正規労働者が2,000万人を超す中、7割が年収200万円に届かないことがわかって波紋を呼んだばかりですが、格差が広がり続ける歪んだ社会構造が顕著になってきています。
 問題なのは、それが表面化していないこと、安倍政権が掲げる『一億総活躍』なんて、戦時中の『進め一億火の玉だ』のスローガンと何ら差がないでしょう。『成長』と『競争』、そして『利益』が最重視される社会構造に拍車がかかっている。利益最優先を追求するがゆえに、立て続けに象徴的な事件が発生しているというのに、これは本当に危機的な状況です。
 解決策がすぐに見つかる問題ではありませんが、本質的には『モラルを取り戻す』こと以外に対策はないと思う。少なくとも、『価値観の最上位=お金』という社会ではいけない。社会全体が、いかに危機感をもって金銭至上主義からの脱却に取り組めるか。今まさに問われているのではないでしょうか」
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 2016年2月25日 産経ニュース「相次ぐ食の産地偽装 一部業者の不正でブランドに…
 鶏肉の産地偽装発覚で謝罪する「都ジャパン」の久後勝巳社長。食の安心に対する消費者の信頼を裏切った=京都市南区
 鶏肉やワカメなど食品の産地偽装が相次いでいる。食品表示は、消費者にとって商品を選ぶための大事な目安。一部の業者の不正のために、業界全体に疑いの目が向けられかねない。ブランドをどう守ればいいのか、販売業者や支援する自治体にとっては頭の痛い問題だ。(平沢裕子)
 ◆10年前から偽装続く
 「注文に対して何とかまかないたかった」。食肉加工会社、都ジャパン(京都市南区)が、九州で飼育された安価な食肉用若鶏(ブロイラー)を鳥取県産の自社ブランド「大山都どり」と偽装して出荷していたことが発覚し、17日に会見した久後勝巳社長は偽装の動機をそう説明した。
 同社によると、産地偽装は約10年前から行われ、大山都どりとして販売した肉のうち4?5割の産地を偽装していた。敷地内の別会社の工場で、宮崎県産や鹿児島県産のブロイラーなどを「大山都どり」と記載されたポリ袋に詰め替え、出荷していた。京都府警は不正競争防止法違反の疑いで捜査している。
 そもそも大山都どりは、鳥取県で飼育されている銘柄鶏「大山どり」とは異なる。偽装発覚後、「大山どり」を飼育、加工販売する大山どり(鳥取県米子市)は「当社とはいっさい関係ない」とする見解をホームページで発表。同社広報担当の尾崎正秀さんは「多くの鶏肉業者は真面目に仕事をしているのに、一部の業者が不正をすることで業界全体が疑われてしまう」と憤る。
 ◆抜き打ち検査で発覚
 昨年11月と今年1月には徳島県で、中国や韓国など外国産のワカメを「鳴門産」として販売していた2業者による偽装が相次いで発覚した。
 鳴門産は、三陸産と並ぶ国産ワカメの2大ブランドの一つで、平成26年の同県の出荷量は6820トン。産地偽装は、商品の抜き打ち検査などをする同県の「食品表示Gメン」の調査で判明した。市販のワカメに含まれる成分を調べ、産地を科学的に分析。「鳴門産」と表示されていたワカメの中に、中国産や韓国産のものが含まれていた。
 鳴門産の産地偽装は以前から繰り返されている。地元加工業者は20年、再発防止のために「鳴門わかめブランド対策部会」を設置、対策に乗り出していた。しかし、1月に偽装が発覚した業者の専務は同部会の会長を務めており、業界内の自浄作用は機能していなかった。同部会は今月10日、解散に追い込まれている。
 ◆分かりにくい違い
 ウナギやコメ、有機野菜…。さまざまな食品で偽装が行われてきた。農林水産省食品表示・規格監視室長として食品表示Gメンの指揮官を務めていた「食の安全・安心財団」の中村啓一事務局長は、「一般論だが、食べても違いがそれほど分からず、価格差が大きいものほど偽装が起こりやすい」と指摘する。
 例えば、ウナギは中国産と国産で3倍以上の差があるものも珍しくない。また、国内で流通するワカメは8割が中国や韓国で養殖されたものだが、日本が養殖技術を指導していたこともあり、国産と遜色のない商品も少なくないという。中村事務局長は「産地偽装は外部からは分かりにくく、摘発は難しい」と指摘する。
 徳島県は鳴門産ワカメのブランドを守ろうと26年、トレーサビリティー(加工履歴管理)を備えた加工業者を県が認定する認証制度を開始。制度の信頼性を高めるため昨年4月には、仕入れ関係の書類など記録の保存を条例で義務付けた。同県は制度の活用を呼びかけていたが、摘発された業者は認証制度を利用していなかった。
 同県安全監視課は「不正は一部の業者によるもので、真面目に加工に取り組んでいる業者は多い」としたうえで、「加工履歴を厳しくチェックし、ごまかしができない体制を整えている。認証シールを信用して鳴門産を買ってほしい」と呼びかけている。」
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 2016年3月17日 週刊文春「出る杭は伸ばせ! 辻野晃一?のビジネス進化論
 リーダー受難の時代に
 ……
 優先社長三代に渡る粉飾決算問題で揺れる東芝も、以前は経団連会長を務めた石坂泰三氏や土光敏光氏といって偉大な経営者を輩出した。土光氏は我欲を越え、会社だけでなく社会全体を見通す経営を貫き、私生活では清貧を通した。そんな東芝ほどの名門でも、今や、『会社のため』を大義と勘違いして、悪びれずに部下に不正を強要するような人達がリーダーの座に就く会社になり果てた。東芝が発覚して頭を下げる経営者の光景は日常にすらなっている。
 中長期より短期を
 一方で思うのは、今は『リーダー受難の時代』ということだ。会社経営では、欧米流のコーポレートガバナンスが否応なしに適応され、短期的な成績ばかりが求められる。中長期の視野があっても、世間はその成果を待ってはくれない。サラリーマン経営者が増え、在任中の成績を優先してそつなく立ち回ろうとする傾向もやむなしという状況だ。
 『日本人にかえれ』の著作もある出光佐三氏は、出光興産の最高にあたり、玉音放送の直後に『愚痴を止めよ』と全社員に告げた。敗戦国の分際で、大国イギリスや石油メジャーの圧力に屈することなくイランにタンカーを差し向けた『日章丸事件』は、石油の自由貿易再開を勝ち取り、日本人が誇りと自信を取り戻すきっかけにもなった。あえて火中の栗を拾ったその行為は、リーダーかくあるべしとの教えでもある」


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欠陥住宅事件 ここが危ない! 事例と教訓

欠陥住宅事件 ここが危ない! 事例と教訓

欠陥住宅被害救済の手引

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 民事法研究会
  • 発売日: 2008/12/01
  • メディア: 単行本