🦋20〗─1─治水対策不備と気象の凶暴化。政治家や官僚の不作為殺人。日本はインフラ後進国。インフラの深刻な老朽化。~No.103No.104No.105 @ 

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   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 地球温暖化により、新たな災害が加わり、災害規模が大きくなり、災害被害が広範囲に拡大している。
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 限られた予算は、100年に一度、1000年に一度の自然災害に備えた防災対策ではなく、今現代で必要な所に予算を「コンクリートから人」と集中的に使うべきである。
 その為、インフラ施設は老朽化し、時代遅れの防災基準のまま放置されている。
 如何に最新の機材を投入し最高水準の施設を造ったとて、完成したその瞬間から中古となり時間と共に傷み年月と共に壊れていく。
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 人は、自分が信じたい事だけを信じたがる。
 人は、自分だけは例外として、自分だけは被害にあわない、自分だけは不幸に襲われないと信じている。
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 日本民族日本人は、自然災害多発地帯で生きてきた為に、何重にも防災施設を造ったと被害が出ることはしっていた。
 幾つもの防災施設があろうとも、決して信用しなかった。
 災害が起きれば、防ごうと立ち向かう事はせず、家や家財道具を捨て、一目散に手ぶらで逃げた。
 日本民族日本人のモノに執着しないシンプルライフは、「諦め、捨てて逃げる」という中から生まれた。
 日本民族日本人は、古来、危機意識が強く、危機管理能力が高かった。
 災害が起きれば防災施設など役に立たない事は知っていたが、無駄と知っていてなお大金を費や労力を惜しまず防災施設を直し新たに増設し続けた。
 日本民族日本人の費用対効果は、西洋の合理的な費用対効果とは考え方・思想が違う。
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 日本民族日本人の歴史とは、人と人の戦い争いの歴史ではなく、天災被害による破壊と人力による復興・再生の物語である。
 日本民族日本人の物語とは、破壊と復興・再生の物語である。
 それが、日本民族の神話、寓話、昔話、言い伝えである。
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 2018年8月29日 産経ニュース「国土交通省、6兆9000億円を概算要求 水害対策、大幅拡充へ
 国土交通省=東京・霞が関
 国土交通省は29日、平成31年度予算の概算要求を発表した。総額は6兆9070億円、うち公共事業関係費は6兆1736億円で、いずれも30年度当初予算比で19%増になる。西日本豪雨などを踏まえた防災・減災対策に力を入れるほか、物流体制の強化などに重点を置いた。
 大幅に拡充するのは水害対策で、33%増の5273億円。堤防のかさ上げや住民避難のタイミングなどを時系列で想定するタイムラインの策定など、ハード・ソフト両面の対策を推進。被災地で集中的な対策を実施し、再発防止に取り組む。地方自治体向けの防災・安全交付金は21%増の1兆3431億円とした。
 物流ネットワーク強化には29%増の4374億円を要求し、三大都市圏の環状道路整備、輸送効率の高い「連結トラック」の実用化などに充てる。自治体のインフラ整備を支援する社会資本整備総合交付金は、20%増の1兆663億円を求めた。また、災害時も物流を滞らせないため、道路の耐震化や除雪体制の整備、緊急輸送道路の無電柱化などの費用として4156億円も盛り込んだ。
 観光庁は、来年1月から出国時に1人千円を徴収する国際観光旅客税の税収480億円を見込み、要求額を2・68倍の739億円とした。新税の税収は関係省庁に配り、訪日客が旅行しやすい環境づくりに充てる。緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)や観光庁海上保安庁などの体制強化のため、404人の定員増も求める。」
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 日本民族日本人の歴史上、現代日本人ほど、冷血で、非情で、薄情な日本人はいない。
 現場や被災地に関心も興味もないい高学歴出身知的エリートにその傾向が強い。
 反戦平和市民団体や護憲派・第九条の会などは、中国共産党・中国軍もしくは北朝鮮が核ミサイルを日本に撃ち込んで爆発させ数十万人を焼き殺すか、中国軍が尖閣諸島・沖縄に上陸して占領しない限り、日本国や日本人を守る、助ける、救い出す事には反対し続ける。
 さらには、戦争になる事避ける為に即座に無条件降伏する事に賛成する。
 いざという時、反戦平和市民団体や護憲派・第九条の会は、自分に賛同しない日本人は見殺しにする人々である。
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 2018年8月31日 産経ニュース「尖閣周辺に中国船 2日連続
 沖縄県尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で31日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは2日連続。
 第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告した。」
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 全ての被災地で、自衛隊は不眠不休で被災者の救出と行方不明者の捜索を行っている。
 自衛隊反対派市民や政治家は、そうした自衛隊の献身的な活躍を無視し、罵詈雑言や非難中傷を、言葉の暴力として投げかけている。
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 人類史において、人間社会が誕生したと同時に人間の値段も決まった。
 資本主義は、公平な商取引する上で全ての物の値段を明解に定めている。
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 2018年9月6日号 週刊新潮「医の中の蛙  里見清一
 命の値段
 昔も今も人柱は必要だ
 筒井康隆さんの『誰にもわかるハイデガー』(河出書房新社)によると、人間は日常的に死を忘れて世の中の人とつきあい、本質的でない(死に関連しない)『空談』などにかまけている。これを『頽落』という。そこから離れて『死』という決定的かつ不可避のものを認識し、覚悟を持った時にこそ、人間は倫理的になれる、のだそうだ。そして解説の大澤真幸さんはそれを一歩進めて、とはいいながらそう考えているうちは『まだ死んでいない』ので、人間が真に倫理的になるのは、(『死』のような)究極的な『終わり』がすでき起きてしまった。という状況ではないか、と説く。
 ここで『すでに起きてしまった』例として、福島第一原発の事故を出す。みな、施設の危険性を知っていたが、それへの『注意』は結果的に甘く、油断があった。本当に『覚醒』したのは、大事故が起きてしまった後である。これは確かにその通りで、地震で崩れたブロック塀にしても、大雨で決壊した堤防にしても、『ここが危ない』とわかっていたにもかかわず、なんだかんだで対応はされない。それを痛切に反省し、『今更ながら』の真剣な対策をとるのは、貴重な人命が失われてからなのである。取り返しがつかない、間に合うはずもない時になって、人はやっと問題を直視し、『間に合わせよう』という矛盾した。しかし真摯な努力をする。山本夏彦翁はかつて『昔も今も、人柱というものは必要なのだ』と喝破した。
 ……えげつなく言えば、何人死ねば、渋々にでも手間雛と費用をかけて中止するのだろうか。
 ……
 何人死ねばやめるのか
 熱中症の治療費は『有限』で計算できる。問題は人死にである。『命の値段』というのがあるか、というと、少なくとも行政にはそういう数字があるそうだ。それは例えば、ダムを造って治水を行い、洪水による死者を減らそう、などという場合に参考になる。100年に一度の大洪水が起こったとして2〜3人の死者が出る、それを防ぐのに100兆円、ではさすがに『効率が悪い』。
 ……つまり、人間1人は約10億円なのである。
 ……一人一人を金に換算することは、資本主義の世の中に生きているものとして『間違っている』とまでは結論できない。いかに私がそういう姿勢を嫌っていても、それは個人的見解に過ぎない。しかし、だったらその計算を公表すべきである。もしかしたら勘定が間違っているかも知れないではないか」
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 日本の国土の隅々に、仁徳天皇の仁愛、聖徳太子の博愛、聖武天皇の親愛、光明皇后藤原氏)の慈愛が深く染み込んでいる。
 それが、日本の深層・古層である。
 反天皇反日的日本人は、それら全てを破壊し無力化し跡形もなく消滅させようとしている。
 そして、右翼・右派・ネットウヨクも同様である。
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 日本民族日本人は、天皇・皇族を敬愛し崇敬し、天皇家・皇室を護ってきた。
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 現代日本人、特に高学歴出身知的エリートは、自然災害が少ない西洋や中華(中国)を手本として、日本が自然災害多発地帯であるという現実を切り捨て忘れた。
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 地球の温暖化により異常気象の発生が増え、酷暑や竜巻などの新しい災害が加わり、全ての自然災害が強化・巨大化し、被害は広範囲により深刻度を増した。
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 日本には、責任逃れや責任転換のウソや詭弁や見苦しいわけが言い訳が充満している。
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 現代の日本人が手本とする歴史とは、西洋史や中華史(中国史)であって日本史ではない。
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 現代日本を空気のように支配してるのは、キリスト教の「人はパンのみにて生くるものに非ず」や中華儒教(正統派儒教)の「聖人君主は信義に生き、小人は食べ物の為に生きる」である。
 その証拠が、食糧自給率の低下である。
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 日本民族日本人の歴史とは、飢餓と疫病との歴史であった。
 日本民族日本人は、多発する自然災害と如何に付き合い、如何にして被害を少なくし犠牲者を減らし、如何にして食糧を確保して生き残るかするか、を最重要課題として生きてきた。
 そして、如何に被害が甚大で、如何に夥しい犠牲者を出しても、他国をあてにせず・頼らず・依存しない為に、意地を張って鎖国を貫いた。
 日本国が、植民地・属国あるいは亡国にならなかったのはこの為である。
 日本民族日本人が、奴隷にならず、日本人として独立自尊を守り通したのはこの為である。
 日本の本当の、真の、自己責任・自力救済・自助努力とは、止むことない自然災害の中を「生き抜く覚悟」の事である。
 現代日本で安易に使われている、自己責任・自力救済・自助努力とは本質的に違うのである。
 つまり、有るモノや残ったモノを如何に再生再利用するか、無いモノや欲しいモノや必要なモノは外国から買ってくるのではなく創意工夫して作り出す、と言うことである。
 それが、日本のもの作りの原点である。
 日本の伝統が息長く続いているのは、イノベーションを怖れず、時代に合わせ、新たな技術を取り入れ、創意工夫で変化・進化・進歩を止めないからである。
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 江戸時代。自然災害は、一カ国・一つの藩だけではなく、数カ国・幾つもの藩を襲い、広範囲に甚大な被害をもたらし、その被害から誰も逃れる事はなかった。
 西洋や中華では暴動や強奪、反乱や内戦、他国との戦争がごく普通に起きたが、日本ではなかった。
 その違いは、日本は性善説で、西洋や中華は性悪説であったからである。
 御上・幕府・大名は、年貢を納め賦役に従う百姓は助けたが、税を払わず賦役に従わない町人は助けなかった。
 庶民といっても、御公儀の百姓と町人に対する待遇が違っていた。
 江戸時代は、公正・公平はあっても平等は存在しなかった。
 庶民も、公正・公平を求めたが平等は求めなかった。
 百姓は、公正・公平を求めて一揆を行ったが、平等など捨てていた。
 町人も、各種の格差は当然な事であり、皆が等しく平等など信じていなかった。
 平等がない日本社会では、平等を叫ぶ者は気狂い(きちがい)か陰険な犯罪人として社会から排除された。
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 現代日本には、昔のような、武士・サムライはいないし、百姓・町人、職人・商人は存在しない、どころか消滅している。
 特に、高学歴出身知的エリートにそれが言える。
 高学歴出身知的エリートは、保守派ではなくリベラル派・革新派・エセ保守派に多く存在する。
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 軍国日本は、日中戦争や太平洋戦争を戦っていても、苦しい財政の中でも災害対策の予算を組み、労働不足であっても防災工事を行っていた。
 玉砕や全滅の絶望的戦争をしていても、日本国土は自然災害に襲われ甚大な被害を出していた。
 戦前・戦中の日本は、国外で人災の戦争を続け、国内で天災の被害者を助けていた。
 軍国日本は、国内外で戦っていたのである。
 その国内で、日本人共産主義者キリスト教朝鮮人テロリストそしてアメリカ・ソ連などの連合国スパイが暗躍していた。
 戦時中、戦闘に無縁の日本国内にいた20代から30代の若者の大半が働き盛りの朝鮮人であった。
 同年代の日本人青年は、むりやり徴兵され、戦死確実の地獄のような戦場へと強制的に送り出されていた。
 同じ日本国籍を有していても、一等国民の日本人は、二等国民の朝鮮人と違って死ぬ運命を背負わされていた。
 朝鮮人の中にキリスト教朝鮮人テロリストや朝鮮人共産主義者が潜んでいた。
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 労働不足を補ったのが朝鮮人徴用工であったが、現代では、それは非人道的犯罪行為とされている。
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 全ての元凶は、1980年代後半から始まっている。
 日本の劣化・悪化は、1995年1月17日の阪神淡路大震災頃から見えない所で加速化し、2011年3月11日の東日本大震災で表面に噴き出した。
 当時の政府、政治家、官僚を見れば、一目瞭然である。
 特に、東日本大震災ではそれが酷かった。
 政治家や官僚は、被災地の復興費をあれこれ名目を作って復興に関係ない所でこっそりと浪費し、バレたら見苦しい言い訳をして誤魔化した。
 それが、愚にもつかない理想論をかざした政治家達の「コンクリートから人へ」の実情であった。
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 「災害を口にすると、実際に災害が襲ってくるから、決して口にしてはならない」というくだらないニセ言霊信仰が、日本を空気・空気圧・同調圧力として支配している。
 それは1980年代後半の事で、昔の日本は「備えあれば患(うれ)いなし」であり「備えなくば不可」(保科正之)であった。
 それが、日本民族日本人の覚悟であった。
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 日本が自然災害で甚大な被害を出すと、反日派である中国共産党政府・中国軍は尖閣諸島小笠原諸島近海その他で、ロシア・ロシア軍は北方領土や北海道近海で、軍艦や軍用機を派遣して不穏な軍事行動をとっている。
 昔。日蓮聖人は、『立正安国論』で、天災は外敵(元=中国・高麗=朝鮮)の侵略という国難につながると警鐘を鳴らした。
 中国共産党は、「海洋の強国」と「西太平洋の支配」いう軍事戦略から、日本領尖閣諸島・沖縄・沖ノ鳥島の領有を目論んでいる。
 陰険な中国共産党は、虎視眈々と日本を狙っている。
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 反戦平和市民団体・護憲派・第九条派などは、憲法違反で人殺し組織である自衛隊を廃止し、軍事予算を災害対策予算に回す事を訴えている。
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 2018年10月号 Hanada「緊縮財政派が招いた西日本豪雨災害 いまこそ国土強靱化を!  対談 大西久和・藤井聡
 間に合わなかった改修
 編集部 6月末から7月にかけて発生した西日本豪雨気象庁名・平成30年7月豪雨)では、死者が200名以上、5,000戸以上の住宅が全壊するなど甚大な被害をもたらしました。報道によれば、もともとハザードマップなどで危険性が指摘されていた地域が実際に被害に遭った。なぜ、これほど被害が拡大したのでしょうか。
 大石 一つには、雨の降り方が異常だったという点があるでしょう。今回の西日本豪雨にも、昨年の九州北部豪雨にも共通しますが、気象庁国土交通省のデータにも表れているように、線状降水帯が発生し、短時間に強度の雨が連続して降るという、かつてはあまりなかった現象が起きています。私が言うところの『気象の凶暴化』が起きていることは間違いありません。
 一方、それに対する備えが不十分だったことも原因です。
 ……
 ハザードマップどおりの浸水が起きたということは、被害が予測できていた。にもかかわず、防げなかったということでもあります。それでここまで被害が出てしまったことが、残念で残念でなりません。
 藤井 なぜ小田川が決壊したのか。どうして工事が間に合わなかったのか。なぜ50人もの方が亡くなったのか。これはひとえに、緊縮財政によるものです。私は今回の災害について、裏方の話や事情を詳しく聞き取りしていますが、そのうえで『この国に緊縮財政派が存在しなければ、小田川の河川改修工事は終わっていたであろう』と確信しています。
 緊縮財政により工事を行う予算がつかず、事業のスピードが遅れ、改修が行われず、被害が出てしまったとしか言いようがありません。
 財政緊縮派は猛省せよ
 編集者 責任の所在はどこにあるのでしょう。
 藤井 防災のための予算を割くことを認めた国会、そして政府に大きな責任があります。ただ実質的には、緊縮財政派の人々の影響を指摘せざるを得ません。緊縮財政派の官僚、省庁、議員、エコノミスト、ジャーナリスト、学者・・・日本の主たる知識層全体の責任だと言ってもいい。猛省すべきえす。
 この災害を受けて私はいくつかの討論番組に出演しましたが、番組制作者側の視点が非常に狭く、『どうして避難が遅れたのか』『なぜ高齢者が犠牲になったのか』ということばかり論じ合っていました。もちろん、避難指示などの警報をどうすれば漏(も)れなく伝えられのか、自分1人では避難が困難なお年寄りをどう支援するのか、あるいは避難所の酷暑対策などは、それはそれで重要な論点です。
 しかし、物事には軽重というものがある。されに大きな視点で見る必要があるのです。仮に、小田川の河川改修が終了していれば、そもそも避難が必要な事態それ自体が避けられたのであって、家も壊れなかったし、死者も出なかった。なぜメディアが、『被害が起きたあと』のことばかり追求して『被害を防ぐ』、あるいは『被害を軽減する』ための河川改修の遅れを指摘しないのか、理解に苦しみます。
 編集部 危険だとわかっていながら、予算の都合で後回しになっている地域の住民は、気が気ではないですよね。
 藤井 もちろん行政を進めるにあたっては、様々な事情が絡み合っています。しかし緊縮財政で予算が削られれば、施策スピードは当然圧倒的に遅くなる。結果、治水対策が間に合わず、小田川の決壊で50名にも上る方々が亡くなったのです。緊縮財政さえなければ、彼らは誰1人、死なずに済んだことは間違いにもかかわず、です。
 こう考えれば、これはもう『緊縮財政』を主張する人々や政治勢力による〝不作為殺人〟と言わざるを得ない。緊縮財政派についてはのちほど詳しく触れたいと思いますが、小田川だけでなく、脆弱性が指摘されている河川や、土砂災害の虞(おそ)れありと指摘されている数々の山麓地域が、緊縮財政によって対策がなされないまま放置され、結果、多くの人々が命を落とし、多くの人々が家族や財産をなくした。刑法で罰することはできないのでしょうが、道義的には極めて深刻な犯罪と言わざるを得ません。
 海外より低い河川改修率
 大石 今回の西日本大豪雨以前にも、水害は頻発しています。たとえば2015年9月、茨城県を流れる鬼怒(きぬ)川の堤防が決壊。5,000棟以上の家屋が全半壊し、死者も出ました。この決壊箇所も改修計画が組まれており、予算が順調について工事が進んでいれば起きなかった災害です。
 最近になって、被害を受けた住民らが『無堤防のまま放置し、太陽光発電事業による掘削(くっさく)を放置したのは管理に明白な瑕疵(かし)がある』として国を提訴しています。ここだけではなく、『予算があれば改修できていた』という箇所は日本中にたくさんあります。
 編集部 民主党政権時代に『コンクリートから人へ』という掛け声がありましたが、とんでもない話だということですよね。
 藤井 国土強靱化のための事業を行うことこそが、人命を救うのです。特に2010年以降、毎年数十名、数百人の方が豪雨で命を落とすという状態が続いています。奄美豪雨(2010年)、九州北部豪雨(2012年)、広島土砂災害(2014年、2017年)など、歴史に残るほどお大水害が、驚くべきことに毎年起こっている。
 編集部 公共事業やインフラ整備というと、これ以上はムダなのではというイメージがあります。異常気象が起きているだけで、設備や対策自体に問題はない、と。
 大石 それは全くの間違いです。日本の場合、主要河川の改修率は60〜70%に留まっています。整備計画はできているのに、予算がなくて実施できていない。情けない話です。
 諸外国と比較しても、日本は後(おく)れを取っています。たとえばアメリカやイギリスは、この20年のうちに治水事業費はほぼ倍増しています。
 イギリスのテムズ川は1000年に一度の洪水を想定した整備計画『テムズバリア』を実施し、ほぼ100%の整備を終わっています。また、アメリカのミシシッピ川下流域では500年に一度の水害を想定した工事を進め、80%近く完成している。それでもなお、毎年治水事業に多くの予算を割いている。
 一方、日本の主要河川である荒川の整備完成率は200年に一度という水害想定であるのもかかわず、整備完成率は70%に留まっています。もしアメリカと同程度の『500年に一度』の想定に引き上げれば、さらに完成率は下がる。にもかかわず予算はほぼ半減しているから、いつまで経っても整備は終わらない。
 日本は『インフラ後進国
 藤井 要するに、日本はもはや先進国ではなく、むしろ後進国と言わざるを得ない状況にあるのです。技術はあっても、緊縮財政の制約が激しく、改修が実施できない。そもそも梅雨時や台風のシーズンというのは、毎年やってくる『雨季』です。そしてその雨季になればもうそれだけで毎年、何十名、何百名もの方が命を落とすような国は、もはや途上国と言わざるを得ません。
 大石 1,000人から1万人単位の人々に避難指示が出て、実際に何人もの方が亡くなっているのに、それでも対策のための予算を割かない。およそ理性的な判断とは思えません。
 もちろん、災害が増えていると言っても、5,098人の方が亡くなった1959年の伊勢湾台風の時のような1,000人単位の死者が出るほどの大災害は、こてまでの施策で制御できるようになり、被害も縮小してきました。
 しかし、中小規模の災害にはまだ手が回っていないのが実態です。『異常気象だからしょうがない』のではなく、予測できる被害を防ぐことすらしていない。この実態を国民に広く知ってもらう必要があります。
 『国は借金だらけでお金がないから、無駄なことはしてはいけない。将来にツケを回してはいけない。財政破綻がやってくる』というのが国民のムードになっています。しかし、これは大きな間違いです。
 編集部 そういうイメージを流布(るふ)し続けてきた大新聞、テレビなどのメディアにも問題があります。
 地震で1,000兆円の損失が
 藤井 緊縮財政派と公共事業バッシングという二つの圧力によって、公共事業費が圧縮されている現状では、地震などの大きな激甚(げきじん)災害についての備えも全く不十分です。
 土木学会で大石先生を中心にまとめられ、今年6月に公表された『「国難」をもたらす巨大災害対策についての技術検討報告書』では、南海トラフ地震や首都直下型地震の被害を技術面から予測し、被害軽減のための対策を提案しています。もしこのままいずれかの地震が発生すれば、日本が最貧国化するほどの被害をもたらしかねません。
 一極集中で東京は脆弱化
 藤井 政府はいま、一極集中対策として『毎年10万人の東京圏への流入人口をゼロにする』と目標を掲げています。これは『集中を止める』だけの目標で、現状の集中状況を改善するために分散化するというような目標以前の極めて低い目標です。ですが、現在のところ集中量が減少するどころか、逆に『12万人流入』と流入速度が増してしまいました。
 このままでは、首都直下型地震の被害は拡大する一方。ところが日本では、この問題はさほど重視されていない。しかし海外の保険会社などは地震リスクを認識していて、東京は世界のなかで最も危険な都市と認識されており、それにあわせて保険料も高くなっている。
 大石 桁(けた)が二つくらい違いますよね。よく『日本は海外からの直接投資が少ない』『外資系企業の誘致が遅れている』などと言われます。その理由として規制の多さや法人税の税率の高さを挙げる人が多いのですが、それ以上に『東京は危ない』と考えている海外企業が多いのです。
 そのため、日本企業がいまも東京に本社を起き続けている一方、外資系企業は日本国内でも東京以外の地に本社を移している会社も多い。
 ……
 編集部 豪雨で毎年死者が出ているうえに、地震によっても向こう30年あまりで激甚地震に見舞われる確率が高い。喫緊(きっきん)の事態が数字で示されているのに、それでも『公共投資はムダ』『これ以上予算を膨らませるな』という緊縮財政派が幅を利かせているのはなぜでしょう。
 大石 先にも触れた『「国難」をもたらす巨大災害対策についての技術検討報告書』に対しても、東大経済学部名誉教授の吉川洋氏などは『国難を防ぐために投資を増やせば、亡国の財政破綻を招く』などと言っている。
 ……
 藤井 吉川教授は、災害リスクはあるが国家財政破綻リスクもあるから『財政規律を重視し、防災対策を控えるべきだ』という趣旨の主張を繰り返している。しかし、財政破綻リスクだけの理由でとにかく緊縮してしまうのは、如何(いか)なる誹(そし)りも免れ得ぬほどの驚くべき愚挙です。いうまでもありませんが、重要なのは『比較衡量』に基づく理性的判断です。
 ……
 財務省、経済学者の矛盾
 ……
 藤井 ……いずれにせよ、実際に発生することはほとんど考えられない極小の財政破綻リスクを避けるために、毎年ほぼ確実に発生する災害リスクの軽減を行うべきでないと主張するのは、理性的な科学者としては到底思えない。
 大石 もう一つ言えば、『日本は内需が伸びないからデフレが止まらない。税収も伸びない』と言われますが、GDPの構成要素のなかで公共事業は重要な位置を占めています。たとえば防災のために堤防やダムをつくると、資本形成となります。公共事業費を増やし、資本形成を増やせば、GDPも上がる。経済が成長しますから、税収も必ず上がる。
 にもかかわず、いま財政規律派がやろうとしているのは全く反対で、支出を抑えて増税しようという政策です。これでは、いつまでたってもデフレからは脱却できません。
 デマで人が死ぬ国に
 藤井 緊縮財政派の主張は、その論者がエコノミストであろうが経済学者であろうが、基本的に『デマ』と言わざるを得ないのです。これは大袈裟な表現でも何でもなく、一つひとつ彼らの主張を確認していけば明らかになる紛(まご)う事なき真実なのです。そしてそのデマに拘束される形で、国土強靱化行政も『財政規律』に制約される範囲でしか実現できない。その結果、多くの方が命を落とし、財産が失われている。つまり、デマとウソのせいで毎年大量の日本人が死に続けている──それがいまの日本の恐るべき実情なわけです。
 編集部 厳しい財政状況のなかで、安倍総理が掲げた『国土強靱化』はどの程度進んでいるのでしょうか。
 藤井 政府は、5年ぎとに強靱化基本計画を作成しています。しかし方針は書かれているものの、『いつまでに何を行うか』は明記されていません。細かい計画は毎年、財務省との折衝を経たうえで決められていくのですが、その際に重視されるのは財政規律、プライマリーバランスであり、その枠を越えることは『絶対に』できない状況になっています。
 事実、平成27年から昨年までの3年間は、防災、文教教育、科学技術、防衛、医療などのすべての分野が入っている『非社会保障費』の枠は、当初予算のベースで年間300億円以上の増額はしない、という『財政規律』が閣議決定されました。そして、実際の予算もその閣議決定どおりにきっかり『300億円ずつ』しか増やされませんでした。
 その結果として、早急に対処すべき河川改修が行われず、砂防ダムも作られず、豪雨により想定どおりの地域が被害に遭い、命を落とす人が出たというのが今回の西日本豪雨の結果です。だから私は冒頭でも述べたとおり、これは財政規律を主張する政治家や官僚たち、エコノミストたちによる〝不作為殺人〟だと言わざるを得ないわけです。
 たしかに、財政規律も勘案するべきでしょう。しかし本来は財政規律『だけ』ではなく、予想される災害の大きさや発生確率、対策による効果を全て総合的に勘案して予算を合理的に策定していくべきです。それこそが政治のあるべき姿です。
 ……
 要するにこの国では、『政治の力』が、生身の国民の生命や財産の存在を無視した『鉄の壁のような財政規律』というルールに打ち勝てない状況が、何年も何年も続けているのです。遺憾としか言いようがない。
 緊縮財政派の大罪
 大石 しかし実際は、そのような緊縮財政が財政規律そのものに悪影響を与えている。いわば悪魔のスパイラルに陥(おちい)っているのです。このことはもう20年前から言われ続けているのですが、一向に改善しない。
 ……
 藤井 『それでも積極財政をやらない』という人たちがいる。彼らは、もはや経済学ではなく社会心理学、さらに言うなら精神病理学の分析対象です。財政だけでなく、インフラ政策を含めたあらゆる公共政策を巡っては、激しいデマやウソがまかり通っているのがわが国の現状です。……
 ……『国民が皆プロパガンダやデマに騙される』ということは心理学的には何も不思議はない、よくある当たり前の現象なのです。ヒトラーナチスドイツはその典型例ですが、同種の現象はあらゆる時代、国家で観測されています。
 ……
 名実ともに最強官庁である財務省と権威ある学者が、口を揃えて『財政破綻リスクがある』と唱えるため、真面目なメディアの方々も信じてしまい、その手の論調ばかりが取り上げられる。国民も『子供たちに借金を先送りしてはいけない』と思い込み、財政出動を促すどころか増税もやむなしとすら信じ込んでいる。結果、災害でたくさんの日本人たちが死んでいるという悪夢のような状況が続いているわけです。
 国民に苦難を強いる政策
 ……
 大石 私も彼ら財務官僚との付き合いは長いのですが、消費増税の議論になって以降、どうも彼らの感覚がおかしくなってきたように思います。
 以前はこの国をよくするためにどこにどう予算を付ければいいか、哲学めいたものを持っている官僚が多かった。しかし財政が厳しくなってきたことを背景に、『どこからいくら取れるか』一本やりになってしまった。
 集団浅慮({せんりょ}グループシンク)という社会心理学の概念があります。集団で話し合っていると、集団内の論理が優先されてしまい、個人の判断を下すよりも誤った判断に至る可能性が高まるという現象です。かっては日本陸軍がこの集団浅慮の罠に陥りました。おそらく財務省も同じ罠にかかっているのでしょう。
 藤井 大蔵官僚、財務官僚がすべて悪だというつもりは毛頭ありません。かつて日本では所得倍増計画が断行され、10年目標だったところ、7年で達成するという輝かしい実績を上げました。これを主導したのは下村治という大蔵官僚でした。官僚だけではない、日本のインテリ層が立派に日本を支え、国民を発展に導くことは、いまだってできるはずです。
 国民よ、目を覚ませ!
 大石 かつて、そう遠くない過去に日本人は国家計画における『正しい処方箋』を描いていました。たとえば、1962年から策定が始まった全国総合開発計画では、今後10年間でどこをどのように整備し、それによってどのような効果があるかをしっかりと国民に示していました。
 世界のどこに出しても恥ずかしくない計画をきっちり詰めていたのですが、これまで触れてきたような財政規律一辺倒の論調のなかで、このような全国規模で考える大きな計画や構想が日本から姿を消してしまったのです。まず、これを復活させなければなりません。
 藤井 そのためには、『緊縮財政で財政規律を保たなければ日本は破滅する』という悪質なデマを、デマだと認識するところがスタート地点でしょうね。
 大石 まったくです。『国土強靱化』という切り口から、5年後、10年後には、日本が災害に対してどの程度強靱になっているかを示すことで、国民が税負担の意味を実感することが大事だと思います。また、それがいま現在の自分たちのためだけではなく、将来の日本人に対する贈り物であることも知ってもらいたい。
 たとえば、昭和13年に『阪神大水害』と呼ばれる災害が発生しました。連続雨量は460ミリに達し、家屋12万戸が被害に遭い、695人が亡くなりました。
 旧内務省は、二度とこのような災害が起きないようにしなければならない、と六甲山に直轄で砂防事業を行うことを決定しました。
 編集部 昭和13年と言えば、中国戦線で泥沼の頃ですね。
 大石 戦時中にそのような方針を打ち出し、実行に移したわけです。そこから始まって30年後の昭和42年までに、政府は六甲山に174基の砂防ダムを造りました。昭和42年にも連続雨量が371ミリに達する大豪雨がありましたが、この時の被害は家屋六万戸、死者は98人。砂防ダムのおかげで、被害が抑えられたのです。
 そして今年7月、阪神間にも大雨が降りました。連続雨量は438ミリで、阪神大水害に匹敵するものでした。しかし被害は71戸の家屋に留まり、死者はゼロだった。なぜこの程度で収まったのかと言えば、砂防ダムがさらに増え、545基にまで増えていたからです。
 この砂防ダムは、まさに過去の人々がいまの私たちにくれた贈り物です。食べ物も生活も、いまほど豊かではなかった時代、戦争中であっても、災害から国民を守るための投資は行っていた。では、我々はどうなのか。『財政が破綻するかもしれないから、危険だとわかっていても何もできません』で済むわけがない。
 『財政守って国滅ぶ』
 藤井 保守の論客の皆さんにも読者の皆さんにも申し上げたいのは、憲法や皇室の問題、あるいは防衛・安全保障と同じくらい、国土強靱化も日本にとって重要な課題であるということです。
 憲法を変えて国の守りを厚くすることも大事ですが、国防や憲法や経済や文化の活動は全て、安寧ある『国土』があって発展できるもの。だから何よりも日本人が保守すべきものは『国土』、国家が日本国家と国民の暮らしを守るための治山や治水は政治の『要』なのです。それが、『くにづくり』『くにゆずり』から始まる日本の歴史そのものだと言ってもいい。
 そしてここでも、朝日新聞共産党を中心とした左翼勢力との戦いが展開されていることもぜひ知っていただきたい。
 安倍内閣誕生直後の施政方針演説で、安倍総理が『国土強靱化に取り組む』と述べ、2013年末に国土強靱化法案が成立しました。これに対して、朝日新聞は極めて否定的なキャンペーンを展開しました。民主党政権が掲げた『コンクリートから人へ』を踏襲するように、防災対策も公共事業ではなく避難についてのソフト施策や国民の自助努力こそを中心とすべきである、それにもかかわず、政府の国土強靱化は徒(いたずら)に財政を拡張させる危険なものである、という主張を展開しました。
 私は朝日新聞に直接抗議して反論を書かせてくれと編集部に乗り込み、2014年3月13日に『私の視点』という欄に〈国土強靱化 防災と経済織り込み議論を〉と題する意見を掲載してもらいました。
 この?末(てんまつ)が典型ですが、とにかく朝日新聞共産党は、防災であっても『国家を挙げて行う』施策に嫌悪感を示す。緊縮財政派と組んで、いわば『アンチ・インフレ』勢力として国土強靱化批判、公共事業批判を展開するのです。ただし、そんな批判が成功すれば成功するほどに多くの日本人が死んでいくことになる。
 つまり、憲法や安全保障、皇室の問題と同様に、『国土強靱化』や『公共事業』も彼らとの戦いの現場の一つになっていることを申し上げおきたいと思います。
 大石 もし私たちが、実際にはほとんど可能性のない財政緊縮リスクの虚像に怯(おび)え、国土強靱化を軽視することがあれば、将来の日本人から『平成の日本人とは、何と視野の狭い、身勝手な連中だったんだ』と後ろ指を指されることになります。こんな情けない話はない。
 何より、こうしている間にも、次の災害が発生する可能性が高いと指摘されている地域で、実際に災害が起きてしまうかもしれない。南海トラフ地震や首都直下型地震などは、人間側の都合など待ってくれません。できるだけ早く施策を進めることが、被害を軽減に繋がる。『財政規律を守って国滅ぶ』という事態は、何としても避けなければなりません。」
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 2018年9月6日号 週刊新潮「エコノミー  小野塚秀男
 不適切な言語を含む財政用語
 徴収した税金や社会保険料、発行した公債を原資として行われる経済活動を研究対象とする財政学。この学術用語に、大人が子供に対して不適切に関わる事象に起因する言語を含んだものがある。
 ……現代世代が支払うべき請求書を将来世代に押し付けることになりかねないからだ。 2001年、小泉首相戊辰戦争で窮地に陥った長岡藩に届けられた援助米を食糧として費消せず、学校建設に充てたという『米百俵』の精神を所信で表明した。今の痛みに耐え、効率的な政府を作ることが財政構造改革の眼目であることを忘れてはならない」
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 日本の気候風土には、数万年前から受け継いできたローカルな伝統的な日本民族日本人の生き方・考え方・行動が適しているが、グローバルな西洋や中華の生き方・考え方・行動は適さない。
 同時に、日本の気候風土で生き残る為には、グローバルな西洋や中華の生き方・考え方・行動を参考にし、取り入れるべきは柔軟に取り入れなければ生き残れない。
 日本の気候風土とは、それほど過酷である。
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 気象変化が激しく自然災害が多発する不安定な日本では、安定した西洋や中華の様に永遠に変わらないモノなど存在しない。
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 新聞・雑誌やテレビ・ラジオなどメディアは、無味乾燥の正論か正義の味方的な非難や批判が虚しく垂れ流されている。
 インターネットでは、さらに無責任さが目立ち、被災地・被災者迷惑なデマ・流言飛語が渦巻いている。
 信用に足るモノ、安心できるモノは千に一つ、万に一つと言うのが、現代日本である。
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 現代日本に洪水のように氾濫している巧言令色の言葉は、無味乾燥で意味のない、空虚で、虚しい。
 現実離れした、美辞麗句の文章。
 現代日本人が話す言葉には、真を表す言霊はない、ウソの言霊である。
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 日本は、1980年代を境に昔の日本とは全く違う日本に変貌した。
 現代日本人は見た目では姿形、言葉つかい、行動などが似ているが、昔の日本人とは違う。
 その傾向は、年々酷くなってきている。
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 1980年代とは、戦前の教育を受け戦時中を生き抜き戦後復興と高度経済成長を成し遂げた世代が引退して社会の一線から身を引き、戦後教育を受けた人間が社会の一線に立ち始めた時期である。
 つまり、団塊の世代の時代である。
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 日本の国家は、いざという時、気弱になり腰砕けとなり、対処不能となって国民を見捨てる事がある。
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 現代日本人の行動は、増えすぎたネズミが暴走して一斉に海に飛び込み集団自殺するににいる。
 その滅びの笛を、誰かが吹いている。
 それは「○○の陰謀」などというくだらない与太話では決してない。
 「○○の陰謀」を言う人間こそ疑うべき人間であり、信用してはならない人間である。
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 国の公共事業やインフラ整備の予算に群がり暴利をむさぼる大手企業。
 予算配分の利権に群がる政治家。
 利権を利用して天下り企業を確保し、そして増やす官僚。
 国土強靱化計画も、何処までが本気で、何処までか利権や金儲けなのか分からない。
 何故なら、政府や国会そして官公庁に、ウソと詭弁と見苦しい言い訳が蔓延しているからである。
 ために、国民の多くは、政治家や官僚を信用せず、政治に関心を持たず、期待もしていない。
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 バブル経済時代に、全国で数百億円を投じて公共施設を幾つも建設し、使わず、年間数億円の維持費を垂れ流して赤字を膨らませる為に数億円で民間に払い下げた。
 無駄な公共投資で国に損害を与え、国民に赤字を押し付けた政治家や官僚は、誰も責任をとらなかった。
 リベラル派・革新派・エセ保守派そして一部の保守派は、無能な保守派と官僚による公共事業という無駄な投資を止めるべく、コンクリートから人へ、官僚主導から政治か主導を訴えた。
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 保守派と官僚が膨らました財政赤字を解消する為に、命は金で解決できるとして、防災対策より財政再建が優先され。
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 少子高齢化による人口激減で、納税者が減り、消費者が減る為に、税収を確保する為にて生産性を上げてさらなる経済成長を目指さねばならない。
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 金持ち・資産家が、日本に絶望して海外に移住するのもやむを得ない。
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 貧富の格差が、生存可能性の格差を生み、高額所得者・金持ち・資産家は逃げ切って助かる可能性があるが、低賃金労働者・貧乏人・貧困者は逃げ切れず死ぬ可能性がある。
 少子高齢化によって若者が少なく老人が多い地区では、多くの高齢者は救助されず逃げ切れず死んでいく。
 貧困の老人は、絶望するしかない。
 絶望して逃げない貧しい老人の為に、助けに向かった若者達は意固地な老人の我が儘に付き合わされて死んでいく。
 人口激減時代は、その惨劇がさらに深刻に増えていく。
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 日本の宿痾とも言うべき、事なかれ主義、問題先送り、無責任体質、成功より失点回避、対策を立て予算をつぎ込み被害が起きるより被害が起きない事に恐怖する、などが問題を深刻化させ、被害を甚大に拡大している。
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 人口激減で問題なのは、労働者不足ではなく消費者消滅である。
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 少子高齢化で問題なのは、個人資産を持つが消費しない年金生活の老人が増え、安月給で資産が無く貧困化する若者が増える、事である。
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 問題を解決する唯一の方法が、日本民族日本人の人口を増やす為の「産めよ殖やせよ」政策しかない。
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 外国人移民1,000万人計画(主に中国人移民)を行えば、日本は外国系日本国籍取得者日本人が多数はとなり、自然災害が起きれば被災地は他国同様の惨状となる危険性がある。
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 日本民族日本人と外国系日本国籍取得者日本人とでは、同じ日本国民日本人といっても考え方も行動も全てが違う。
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 外国系日本国籍取得者日本人が多数派になれば、日本民族所縁の全てが消滅する。
 外国人移民1,000万人計画推進派や民族増加の産めよ殖やせよ政策反対派は、日本民族所縁の全てを日本列島から完全消去する事を悲願としている日本人である。
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 日本民族日本人は、数万年かけて、自然災害多発地帯で生きる智恵としてローカルな伝統・文化・宗教・精神・日本国語・生活・習慣・風習などを生みだしてきた。
 それが、日本中心神話・天孫降臨神話などの日本神道天皇制度であった。


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