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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
江戸時代のままではあり得なかった庶民の痛快な快挙である。
近代化による国の発展と国民の富は、身分が低い職能人達のイノベーションによりベンチャーのお陰である。
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戦前の金持ちは、天皇と御国の為なら私財を投げ出し、優秀な貧困家庭の子供には無償で学費援助を行い、世の為になる産業を興そうとする起業家に資金援助を行っていた。
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現代の富裕層は、戦前の金持ちの足元にも及ばない。
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2017年1月13日・20日号 週刊ポスト「『あの時代、この国には夢があった、活力があった』
こんなに凄かった戦前の大金持ち列伝
『東洋のロックフェラー』と呼ばれた薩摩治郎八
孫文を支援した辛亥革命のパトロン梅屋庄吉
『死の商人』と呼ばれても筋を曲げなかった大倉喜八郎
金持ちほど質素・倹約に務めるのが『日本の美点』であると、私たちは思い込んでいる。しかし戦前に目を向けて見れば、その価値観は吹き飛んでしまう。当時の大富豪たちは、今では考えられないほどのスケールでカネを稼ぎ、そして使いまくっていた。彼らは、世界と伍していくために邁進していく戦前の日本の映し鏡でもあった。
出口治明
巻頭言『戦前の日本にはスティーブン・ジョブズがゴロゴロいた』
長崎に遊びに行こうと思って何げなく長崎市のホームページを見ていたところ、梅屋庄吉さんという実業家の存在を知りました。説明を読むと、梅屋はあの孫文に巨額の寄付をし、辛亥革命を莫大な資金によって支えていた、という。その金額は事業で稼いだお金のほぼ全てと言われるほどで、現代人の感覚からすると俄かには信じがたいものがありました。
僕は自分自身も会社を経営しているわけですが、いまの時代にもし孫文のような人がいたとしても、会社の稼ぎの全てを一人の男に寄付するような経営者はいないでしょう。いったいこの梅屋という人物はどのようにして金を稼ぎ、なぜそれを無尽蔵に孫文の革命につぎ込んだのか。考えれば考えるほど、不思議な気がしたしたのです。
同じ明治生まれの薩摩治郎八は、パリで豪遊をして今のお金で何百億円もの散財をしたと言いいます。
そうした人々のエピソードを知ると、僕は戦前の日本のイメージが自分の中で変化していく気がしました。実はあの時代には近年のシリコンバレーのような自由な雰囲気があって、アップルのスティーブン・ジョブズのような実業家がゴロゴロいたのではないか。明治から大正・昭和にかけてのあの時期、資本主義が芽吹いていく日本には、おそらく僕らが想像する以上に豪快な人物たちを生み出す気風があったのだろう、と。
僕がライフネット生命を起業する前に勤めていた日本生命にも、弘世助太郎という明治生まれの社長がいました。
彼は日本生命が日本一となった後の1930年代、家族を連れて欧米を漫遊する旅に出ます。そのとき自分たちがいかに井の中の蛙であったかを思い知り、1年後に帰国してから次のような旗印を高々と掲げます。
『臥薪嘗胆20年 世界制覇』
僕はこの話を社史で知ったとき、やはり明治・大正の実業家のスケールの大きさに触れた思いがしたものです。何しろ社長がアメリカやヨーロッパに行って、いきなり『世界制覇』を言い出すわけです。社員はさぞかし驚いたでしょうけれど、戦前の経営者にはそのような気宇壮大な精神性があった。弘世助太郎の発想も、同時代を生きた梅屋庄吉や薩摩治郎八に通じると思います。
彼らのような人物が、今の日本の実業界にどれほどいるでしょうか。
財閥や政界といった歴史のメインストリームから離れた場所を生きた彼らは、一方で資本主義の勃興期に世の中に大きな影響力を持ち、自らの持つ金を夢へと変えた人々だといえます。僕はそんな人たちの物語を知るとき、自分が経営者として、そして日本人としてとても勇気づけられるのです。
……」
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