🌌22}─1─日本海の酸性化。日本海で進む「海の温暖化」。海洋の生態系に大きな影響。~No.105No.106No.107 @ 

海の温暖化 ―変わりゆく海と人間活動の影響―

海の温暖化 ―変わりゆく海と人間活動の影響―

  • 発売日: 2017/07/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本海の名称は、イエズス会が1500年後半から日本海命名して世界地図に記載していた。
 韓国が主張する「東海」ではなかった。
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 日本列島を中心として、南は沖縄・台湾・揚子江河口流域から北は北方領土樺太・千島列島まで、西は朝鮮半島南半分まで縄文人が住んでいた。
 縄文人は、南方系海洋民の子孫として日本海は盛んに行き来していた。
 日本民族日本人は、縄文人の直系の子孫で、朝鮮人とは直接関係ない。
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 旧ソ連海軍太平洋艦隊は、廃船とする原子力潜水艦など多数の艦船を日本海に沈めた。
 北朝鮮は、多数のミサイル・ロケットを日本海で日本に近い海域に撃ち込んでいた。
 甚大な被害を被ったのは、日本の漁業関係者であった。
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 2018年5月18日 産経ニュース「日本海の新種クリオネ、絶滅の危機…進む海水の酸性化
 「流氷の天使」の呼び名で知られる海の生物、クリオネ富山湾で昨年発見された新種が同湾以北の日本海の複数箇所でも見つかり、日本海で独自の進化を遂げた固有種と考えられることが北海道蘭越町(らんこしちょう)などの研究者グループの調査で分かった。日本海の閉鎖的な環境が進化を促した形だが、生態系に影響を与える海水の酸性化の進行が速く、新種クリオネの絶滅が懸念されている。
 ユーラシア大陸と日本列島に囲まれた日本海は、最大で水深約3800メートルだが、海峡部は深くても200メートルに満たず、いわばおわんのような構造。多くは、氷河期が終わりに近づき海面が上昇し始めた8万年前ごろに北のオホーツク海などから流れ込んだ冷たい海水で構成される。対馬海峡から対馬暖流が流れ込む以外は海水の入れ替わりがほとんどなく、300メートルより深いところは「日本海固有水」と呼ばれている。
 今回の新種を発見し、2年前にもオホーツク海で別の新種を確認している蘭越町の貝類博物館「貝の館」の山崎友資学芸員によると、今回の新種は、かつてオホーツク海から流れ込んだ海水に生息していたものが閉じ込められ、8万年の間に進化して元の種から分かれたとみられる。
 独自の進化に貢献した日本海の環境だが、危険な側面も。海水に大気中の二酸化炭素(CO2)が溶け込み、海洋の生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがある酸性化の進行が、閉鎖性も一因となって速いとみられている。
 「クリオネの生息を安定して観察できるかどうかが、酸性化の進行度を測る指標として重要」と山崎さん。クリオネが食べる「ミジンウキマイマイ」という巻き貝の一種は殻が非常に薄く、酸性化した海中で溶けてしまうからだ。唯一の餌とされるマイマイがいなくなれば、クリオネも絶滅の危機に直面する。
 閉じられた環境の日本海は、世界全体に比べて循環のスピードが数十倍速いとされ、酸性化の傾向を捉えやすいという。山崎さんは「将来的に世界の海で起こることを日本海で先取りして見られる。海の危機を教えてくれる生き物として、多くの人に日本海クリオネを取り巻く環境を知ってもらいたい」と話している。
 クリオネ 北極海北大西洋などの冷たい海に生息する巻き貝の仲間で、成長すると貝殻が退化してなくなる。透き通った体や、胴体に生えた一対の翼足をひらひらと動かして泳ぐ姿から「流氷の天使」とも呼ばれる。肉食性で、捕食の際は頭部から「バッカルコーン」と呼ばれる6本の触手を伸ばす。日本海の新種を含め、世界で5種が確認されている。」
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 7月29日 産経ニュース「【クローズアップ科学】日本海で進む「海の温暖化」 異変が世界に先行、漁業に打撃懸念
 観測や採水のための装置を日本海から引き揚げる研究チーム=昨年6月(国立環境研究所提供)
 豊かな水産資源を育む日本海で異変が起きている。地球温暖化で深海の酸素が減少しており、生態系に悪影響を及ぼす恐れがあると専門家は懸念する。温暖化の影響が表れやすいとされる日本海に、世界の注目が集まっている。
 漁獲量が変動
 日本近海のスルメイカは近年、記録的な不漁が続いている。漁獲量は海水温の周期的な変動によって増減することが知られており、現在は低温の不漁期にあたる。
 ただ、北海道大の桜井泰憲名誉教授(海洋生態学)は「周期変動だけが不漁の原因とは断定できない。温暖化で北極の氷が解け、一部の海域が冷えた影響もあるのでは」と指摘する。
 すしネタの代表ともいえるクロマグロ。その漁獲量は近年、日本海で増加している。東京大の木村伸吾教授(海洋水産学)は産卵場の移動が原因とみる。従来は主に東シナ海で産卵していたが、温暖化で水温が上がったため、冷たい海を求めて日本海へ北上した可能性があるという。
 木村氏は「クロマグロは重要な水産資源だが、環境変動の影響を受けやすい。温暖化にどこまで順応できるか」と懸念する。
 季節風が引き金
 日本海の深海は、酸素が豊富な表層の水が沈み込んでおり、魚にとってすみやすい環境だ。だが観測データによると、1960年代から酸素濃度は低下し、水温も上昇を続けている。この異変は地球温暖化が引き金になって起きたことを、国立環境研究所などのチームがロシア極東の気温を基に突き止めた。
 仕組みはこうだ。日本海では冬場にロシア極東から冷たい季節風が吹き、表層の水が冷やされ、重くなって深海へ沈み込む。ところが温暖化で季節風の冷たさが弱まり、表層水の冷却が不十分になって沈み込みが鈍くなったため、酸素が深海に供給されにくくなっているのだ。
 深海の酸素は、ロシア極東が厳冬になると増加に転じることも、温暖化の影響を裏付けている。
 このまま温暖化が続くとどうなるのか。同研究所の荒巻能史主任研究員は「仮に深海への酸素供給が完全に止まると、100年で無酸素状態に陥る」と警鐘を鳴らす。
 魚介類の生息域が変わって漁場や漁期の変更を余儀なくされたり、不漁に陥ったりするなど、水産業に大きな打撃を与える恐れがある。チームはそのメカニズムや影響を探る研究を年内に開始する計画だ。
 循環する「ミニ大洋」
 日本列島と大陸に挟まれた日本海は水深3千メートル超の深海が広がる一方、太平洋とはごく浅く狭い海峡でつながっているだけだ。深海は厚さ約200メートルの表層水にふたをされた形で、海水が独立して循環している。
 この循環は、大西洋からインド洋、太平洋へと海水が巡る世界の海洋の大循環とそっくり。このため研究者は日本海を「ミニ大洋」と呼ぶことがある。
 日本海の水は約100年で循環するのに対し、世界の海洋では2千年かかる。日本海の現象を詳しく調べれば、地球規模で起きる温暖化の影響の予測に役立つ可能性があるという。荒巻氏は「日本海ではビデオの早送り再生のように温暖化の影響を先行して観察できるのでは」と話す。
 国連は2007年にまとめた気候変動に関する政府間パネルIPCC)の第4次報告書で、日本海は規模が小さいため温暖化による変化が「素早く全体に及ぶ」と指摘。深海での酸素減少も報告され、世界の専門家が注目している。
 温暖化が進むと、海に囲まれた日本列島にさまざまな影響が及ぶ。食文化を支える海の幸を守るためにも、異変の解明と対策で世界に先例を示す役割が期待されている。(科学部 草下健夫)
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 2021年3月19日 MicrosoftNews tenki.jp「日本近海で海洋酸性化が進行 海洋の生態系に大きな影響を与える懸念
 © tenki.jp 提供 日本近海で海洋酸性化が進行 海洋の生態系に大きな影響を与える懸念
 気象庁によると、海洋生態系に大きな影響を与えることが懸念されている海洋酸性化が、日本近海で、世界と同程度の速さで進行していることが分かりました。
●日本近海で海洋酸性化が進行 世界平均の速さと同程度
 化石燃料の燃焼などにより人為的に大気中に排出された二酸化炭素のおよそ30%は海洋に吸収されています。二酸化炭素が海水に溶けることにより、長期的に海水のpHは少しずつ低下(酸性化)しており、これを海洋酸性化と呼んでいます。海洋酸性化が進むと、サンゴや貝類などの海洋生物が炭酸カルシウムの骨格や殻を作ることを阻害されるなど、海洋の生態系に大きな影響を与えることが懸念されています。
 気象庁は、海洋観測で得られたデータを用いて、日本の近海の海面付近のpHの変化の状況を日本南方、関東沖、北海道周辺・日本東方、日本海、九州・沖縄の5海域に分けて調査しました。これまで観測データの不足から日本近海の海洋酸性化の実態は詳細に把握できていませんでしたが、近年、気象庁海洋気象観測船をはじめ、これらの海域での観測データが増えてきたことを受け、過去に遡って海面のpHを推定する手法を開発し、日本近海の海洋酸性化の実態把握が可能となりました。いずれの海域においても、海面付近で酸性化が進んでおり、日本近海で平均すると1998年から2020年にかけて10年あたり約0.02の速度でpH(※)が低下していることが明らかになりました。このpH低下速度は、世界平均の速さ(10年あたりおよそ0.02低下)と同程度です。
 ※pH:水素イオンの濃度により表される、酸性・アルカリ性の度合いを示す指数。酸性では7より小さくなり、アルカリ性では7より大きい値となる。
●海洋酸性化により懸念される影響
 海洋生態系への影響:海洋酸性化の進行は、海洋の生態系に大きな影響を与える可能性があります。例えば、生物多様性の宝庫となっているサンゴ礁では、その発達や形成が阻害され、プランクトン、貝類、甲殻類といった生物は、殻や骨格の成分である炭酸カルシウムが溶出して小型化するのではないかと考えられています。今後酸性化が進めば、水産業や、サンゴ礁等の海洋観光資源に依存する観光産業などの経済活動への影響も深く懸念されます。
 海洋の二酸化炭素吸収能力の低下:海洋が大気中の二酸化炭素を吸収する能力について、海洋酸性化の進行がさらに進めば、将来、その能力が低下する可能性が指摘されています。その結果として、人間活動によって排出された後に大気中に留まる二酸化炭素の割合が増え、温暖化が加速することが懸念されます。これは、弱アルカリ性の海水が酸性側に変化してゆく(pHが低下する)ことで、化学的に二酸化炭素が海水に溶けにくくなるためです。」
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海から見た地球温暖化

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