🌌31}─1─珊瑚礁の白化。海面上昇で水没する島。海の酸性化。2016年~No.133No.134No.135 @ 

気候変動 瀬戸際の地球 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

気候変動 瀬戸際の地球 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2016年3月31日 産経ニュース「95%白化 グレートバリアリーフのサンゴ、最悪評価で「危機遺産」のピンチ 地球環境に警鐘も
 世界最大級のサンゴ礁グレートバリアリーフ」を調査するダイバー=2015年6月、オーストラリア(ロイター)
 オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁帯「グレートバリアリーフ」で、海水温度の上昇による「白化現象」が深刻化している。全長2000メートルのうちほぼ半分の北側エリアにあるサンゴ礁520カ所を調査したところ、95%で白化が確認された。また白化したサンゴの50%がすでに死滅しており、過去最悪の状況にあるという。世界各地に異常気象をもたらしたエルニーニョ現象と温暖化が原因で、色彩を失ったサンゴが地球環境の危機を訴えている。(SANKEI EXPRESS)
 ■死滅率50%
 「人生で最も悲しい現地調査だった。ほぼ例外なく白化が起きており、(大規模な白化が確認された)1998年と2002年の状況を上回っている」
 29日に調査結果を発表した地元クイーンズランド州にあるジェームズクック大学サンゴ礁研究センターのテリー・ヒューズ教授は落胆をあらわにした。
 欧米メディアによると、3月にケアンズからトレス海峡に至る北側エリアを延べ4000キロにわたってヘリコプターで上空から観測。その結果、520カ所のうち白化が見られなかったのはわずか4カ所だけだった。02年に行った調査では、白化は全体の18%にとどまっていた。
 さらにダイバーによる潜水調査を行ったところ、サンゴ礁の面積の6割が白化する、最悪評価の「レベル4」のものが多く、白化したサンゴの死滅率は50%に達していたという。現在、ケアンズから南側エリアでも調査を行っている。
 サンゴは海水温度の上昇などのストレスを受けると、体内で共生する「褐虫藻」を体外に放出してしまい、酸素や栄養分が供給されなくなり白化が起きる。海水温度が1度上昇しただけでも起きる可能性がある。温度が下がれば回復するが、長期化すると死滅する。
 研究者は今回の白化について、南米のペルー沖の海面温度が上昇するエルニーニョ現象が昨年から今年にかけて強まったことが原因とみている。海水温度の上昇は、地球温暖化による気温の上昇が海に吸収されることでも起き、研究者は「気候変動が関係していることは疑いようがない」と指摘した。
 ■回復には10年
 深刻なのは、これまで白化を免れ、手付かずの自然の状態を維持してきた北側エリアのサンゴ礁で被害が確認されたことだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は昨年、グレートバリアリーフを「危機遺産」に指定しようとしたが、豪政府が北側のサンゴ礁の存在を強調し、指定を回避したという経緯がある。
 今回も豪政府のグレッグ・ハント環境相(50)は調査への財政支援を表明する一方で、「全体では98年や02年ほど白化は進んでいない」と予防線を張った。
 これに対し、ヒューズ教授は「政府の主張の根拠は希薄になっており、(危機遺産指定の)再検討を始めてもおかしくない」と反論。また調査に携わった研究者は海水温度が戻ったとしても、まだ死んでいない残り50%のサンゴ回復に「10年はかかる」と予想した。気候変動に対する取り組みはもはや待ったなしだ。」
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 2017年11月9日 産経ニュース「海面上昇で無人島が五つ消失 ソロモン諸島、水没の危機深刻 温暖化「首締め付ける」
 ソロモン諸島・マライタ島付近の海水が浸水したエリアに生えていた木=4日(共同)
 千近くの島と環礁から成る南太平洋のソロモン諸島。海面上昇などの影響により、数十年間で無人島が五つ消失した。「地球温暖化はゆっくり確実にわれわれの首を締め付けている」(ソロモン諸島政府高官)。ドイツでは気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が開催中。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を表明した米国に対し、水没の危機が迫る現地では失望の声が聞かれた。
 オーストラリア・クイーンズランド大のサイモン・アルバート教授によると、ソロモン諸島の海面上昇はこの20年間で年平均8〜10ミリ。世界平均の3倍で、周辺の島しょ国と比べても深刻だ。
 マライタ島の村には「キングタイド(潮の王様)」と呼ばれる大潮が年に2回やって来る。そのたびに護岸が決壊、浸水する。
 「あのマングローブの背後には大きなビーチがあったのに消えてしまった」。アウキから南10キロの小島、ブス島のステイーブン・ハーリさん(38)は、島の地形がすっかり変わったと嘆く。(共同)」
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 11月27日 産経ニュース「温暖化に影響、海の酸性化を定期公開 地球全体のデータは世界初 気象庁
 気象庁は27日、地球温暖化や生態系の変化に関連があるとされる海洋の酸性化について、同庁が解析した地球全体の状況をホームページで公開した。データは1990〜2016年分で、今後は年に1回、前年分のデータを公表する。地球全体の解析データを定期的に公開するのは世界初の取り組みという。
 海洋の酸性化は、大気中の二酸化炭素(CO2)が海に溶け、海水が弱アルカリ性から酸性に近づくことを指す。
 今後、海がCO2を吸収する能力が低下し、大気中のCO2が増えることなどで温暖化がさらに進むことが懸念されている。
 さらに、酸性化によってサンゴ礁や貝類、甲殻類の発達にも悪影響が出る可能性があるため、年ごとの変化を比較できる地球規模のデータ公開で新たな研究が期待される。」
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