⚡41】─2─改竄・捏造・不正という新日本病。~No.190No.191No.192 * 

サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件

サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。  
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本製品の高い技術力と優良神話の化けの皮が剥がれ始めた。
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 不祥事・不正行為の隠蔽やデータの偽装・改竄・捏造で日本製品の信頼は地に落ちた。
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 日本企業は、モラルハザードより深刻なモラル崩壊を起こし、立ち直る自力浄化能力が機能していない。
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 日本企業は、先進国の企業どころか発展途上国並み、あるいはそれ以下のモラルしかないような有り様である。
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 革新派やリベラル派、左翼や左派、マルクス主義者や共産主義者らは、日本の未来の為ではなく、今の労働者の為に日本企業を潰そうとしている。
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 安全と確実の信頼・信用を信条とした日本の商い文化は、踏みにじられ、地に堕ち、衰退した。
 思考放棄・事勿れ主義・先送り体質の蔓延によって、日本の衰退は必然であった。
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 日本は、食糧・資源・エネルギーをアメリカの影響下にある諸外国から輸入し、金融・サービスをアメリカに依存し、輸送・運輸・交通をアメリカ軍の保護を受けている。
 日本には何一つとして自力できる事はない。
 共産主義者・反米派日本人ができる事と言えば、アメリカを口汚く罵り非難し、日米安保を解消し、アメリカ依存を止めるべきだと無責任に訴える事だけである。
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 2016年6月5日号 サンデー毎日三菱自動車東亜建設工業旭化成東洋ゴム工業東芝、スズキ・・・
 日本の名門企業はこうして堕落する
 日本を代表する企業による悪質な不正が立て続けに起きている。自動車、建設、電機、メディア、サービス業・・・と業種を問わず多数の企業が〝悪事〟を認め、経営トップが引責辞任に追い込まれた。偶然なのか。それとも日本の名門企業が堕落しているのか。
 新年度が始まってから三菱自動車東亜建設工業、スズキの3社が相次いで法令に違反する不正行為を明らかにし、経営トップが謝罪した。三菱自と東亜建設は社長が近く引責辞任する。
 さらに、韓国・環境省は5月16日、日産自動車の韓国法人が同国で販売したディーゼル乗用車に『排気を不法に操作する設定』があったと判断、販売した全車のリコール(回収)、在庫分の販売停止と課徴金3.3億ウォン(約3,000万円)の納付を命じた。韓国政府の主張が正しければ、国内乗用車メーカー8社中3社が燃費に関する不正に手を染めていたことになる(日産は不正行為を否定)。
 昨年も名門企業の不正行為がたびたび世間を騒がせた。横浜市都築区『傾いたマンション』の問題で発覚した、旭化成の子会社によるくい打ち工事に関するデータ改ざん△東芝の累計2,306億円に上る不正会計処理△東洋ゴム工業の子会社による免震ゴム製品の性能偽装と防振ゴム製品の検査偽装──の少なくとも3件で、会社側は不正行為を認め、社長ら経営幹部が引責辞任した。いずれも刑事事件に発展するだろう。
 どんな立派な人も企業でもミスを犯す。しかし、ここで挙げた各社の行為は、単なるミスとは見受けられない。三菱自東芝の経営トップは現場に対し高圧的に成果を求め、東洋ゴム旭化成の役員は不正が発覚する何年も前に把握しながら適切な対策を講じなかった。組織ぐるみの違法行為だった。不正の動機などの詳細がまだ明らかになっていない東亜建設やスズキを含む、過去5年間の名門企業による主な不正を表にまとめた。
 相次ぐ国内名門企業の失態に海外メディアは、『日本の企業風土』に原因があると報じている。英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、日本で名門企業のスキャンダルが頻発する要因として『過労、集団意識。ノルマ過剰で世界的に知られた』日本の〝サラリーマン・カルチャー〟を挙げる(5月3日電子版)。ロイターによれば、日本の企業風土は『内部通報者を尊敬することはまずなく、軽蔑する』。現にオリンパスの損失隠蔽を内部告発して解雇処分を受けたマイケル・ウッドフォード元社長は『日本では裏切り者として、まるでインドの不可触民のような扱いだ』と書く(同日配信記事)。
 日本企業は世界的に見て悪質なのか。
 ……
 『日本では利益連動型報酬は多くなく、正社員はまずクビにならないため、個人の利益が不正の動機になることはほとんどありません。日本では恥ずかしいことが起きて、それを〝臭い物に蓋〟とばかりに隠蔽するケースが大半です。実際、日本企業では安全性に関する不正が多い。安全性を重視する日本社会だからこそ「安全を損なうことをした我が社は非常に恥ずかしい」と考え、それを公表することは避けたくなるのです』(ベネシュ氏)
 問題を報告したら叱られる体質
 ベネシュ氏は典型例として雪印乳業パロマを挙げる。雪印は2000年に乳製品の集団食中毒事件を起こして社長が引責辞任した。さらに翌年には、子会社が農林水産省補助金をだまし取る目的で牛肉の産地を偽装したことが発覚、同社は解散し、実行役の従業員が有罪判決を受けた。両件による雪印グループは経営危機に陥り、解体した。
 一方、パロマは子会社が製造したガス瞬間湯沸かし器の使用により、1985?05年に計21人が死亡した。消費者庁は、事故が続出した要因としてパロマの責任を、『被害の拡大を防ぐための積極的な対応には至らなかった』『本件事故の根本的な原因を究明する努力がなされなかった』と指摘している。
 表で挙げた東亜建設、旭化成東洋ゴムの不正は、安全を損なうものだった。三菱自東芝などの不正は人命には直結しないものの、顧客、株式市場参加者や競合他社の経営利益を損ねたといえるだろう。
 『恥』を恐れる日本企業が不正を隠蔽に走る背景に、企業内部の力関係があるという。ベネシュ氏が続ける。
 『日本企業は年功序列という言葉があるくらい上下関係が厳しい。薄れているとはいえ、韓国あたりを除く海外の企業とは全然違います。体質が特に悪い企業では、報告を受けた上司は「自分で解決しなさい」「小さな問題で私を頼るな」と部下を叱り、報告内容を上層部に伝えない。部下は報告しなくなり、現場レベルで対応するようになります。本来、部下は問題を報告したら上司に感謝され、叱責などの報復を受ける心配をせずに済むべきです』
 ……
 東芝でも歴代社長が『チャレンジ』と称して過剰な業績改善を各事業部門に要求していた。昨年、取材した東芝社員らは『管理職が部下に「鉛筆をなめてこい」と、販売目標や技術資料の数値を改ざんするように圧迫する光景が日常的にある』と口々に語った。
 組織のためならインチキできる
 経済評論家の山崎元氏は、日本企業の集団論理をこう説明する。
 『自分のことならインチキはできなくても、組織のためならできるという心理があると思います。「会社のためにやっている」「ビジネスの現実だから仕方ない」と自分を納得させられる。国のためなら戦争で人殺しした人は英雄になるのと同じで、集団に帰属すると社会的、倫理的には悪いことでもできる人は多いでしょう』」
 企業の人間関係や力関係が変化する兆しはあるという指摘もある。企業の危機管理広報を担う『井之上パブリックレーション』(東京?新宿区)の尾上玲円奈(れおな)執行役員が言う。
 『不祥事が増加しているのではなく、露見しやすくなっているのだと思います。以前は従業員が勤務先の不正をメディアに告発するぐらいしか手段がありませんでしたが、今は当局にメールで通報したり、ネットに書き込んだりできます』
 東芝の不正発覚は、証券取引等監視委員会への内部通報が発端だった。オリンパスは、『内部の論理』に毒されていないウッドフォード氏を英国現地法人から本社社長に起用したことで発覚した。13?14年に続出したマンション施工ミスのいくつかは、工事関係者が購入予定者向けのネット掲示板に暴露したことがきっかけだった。
 前出のベネシュ氏によると、米国では企業の内部者が当局に不正を告発して摘発に至った場合、当局が企業から徴収する制裁金の10?30%を通報者に支払う制度に変わった。企業は従業員の当局への通報を恐れ、コンプライアンス(法令順守)から一歩踏み込み、『企業倫理』の担当者や専門部署を置くようになった。
 『米国でも従業員の多くは会社を裏切りたくないし、仕事を続けたいのです。だから会社は絶対に通報者に報復せず、不正の告発がしやすい風土に変える必要があります』(ベネシュ氏)
 企業風土とサラリーマン意識の変革は待ったなしである」
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 2017年10月8日14:19 産経WEST「神戸製鋼がアルミ製品データ改竄 国産ジェットMRJにも使用 副社長が謝罪
 愛知県営名古屋空港から離陸したMRJ=平成27年11月11日午前9時35分、愛知県(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)
 神戸製鋼所は8日、アルミ製品の一部の性能データを改ざんして納入していたと発表した。三菱重工業によると、開発中の国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)にも使われているという。
 神戸製鋼は昨年にもグループ会社によるステンレス製品のデータ改ざんが発覚しており、信用力の低下は必至だ。製品の供給先は約200社に及ぶとする一方、具体的な社名を明らかにしていない。
 アルミ製品のデータ改ざんは一部では10年ほど前から行われていたという。栃木、三重、山口の同事業の全ての工場で発覚し、神奈川県にある子会社の銅製品をつくる工場でも改ざんがあった。
 三菱重工は、神戸製鋼がデータ改ざんしたアルミ製品について、安全性に問題はなく、MRJの開発には影響しないとの見方を示した。
 神戸製鋼の梅原尚人副社長が東京都内で記者会見し「深く反省し、おわび申し上げます」と謝罪した。経済産業省に報告し、同省から法令違反や安全性に関わる事実関係を調査するよう指示を受けたという。
 神戸製鋼によると、顧客との間で取り決めた仕様に強度などが適合していない製品について、検査証明書のデータを書き換えていた。
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 神戸製鋼所 1905年創業。新日鉄住金、JFEスチールと並ぶ国内鉄鋼大手3社のひとつ。国際ブランド名は「KOBELCO」。アルミ、銅といった非鉄金属や産業機械の生産のほか、電力事業も手がける複合経営が特徴。2017年3月期連結決算は、中国事業の損失処理などが響いて純損益が230億円の赤字だった。」
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 2017年10月8日15:13 産経ニュース「神戸製鋼所、アルミ製品で性能データ改ざん MRJなどに出荷
 MRJ=2015年11月11日午前9時35分、愛知県(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)
 神戸製鋼所は8日、アルミ製品などで、強度や耐久性など性能面で、顧客の要求する基準に対応しているようにデータを改ざんしていたと発表した。対象となるのはアルミ製品が1万9300トン、銅製品が2200トン、アルミ鋳鍛造品が1万9400トン。自動車、航空機などの幅広く利用され、納入先は200社におよぶ。
 顧客との間で交した製品仕様に適合していない一部の製品で検査証明書のデータを適合しているように書き換えた。
 企業によるデータ改ざん問題では、平成28年に発覚した三菱自動車による燃費データ不正問題がある。三菱自の開発部門が高い燃費目標を達成するため、軽自動車4車種の燃費試験で意図的に燃費を良く見せるよう数値を改ざんしていた。三菱自日産自動車の傘下に加わるきっかけとなった。」
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 10月11日 産経WEST「【浪速風】「一瞬の信用失墜」を学ばなかったのか 神鋼、日産…「ものづくり日本」どうした?(10月11日)
 アルミ製品の一部で性能データを改ざんした問題について、謝罪する神戸製鋼所の梅原尚人副社長(中央)ら=8日午後、東京都港区
 これまで何度も引用した。「信用を獲得するには長い年月を要し、これを失墜するのは一瞬である。そして信用は金銭では買えない」。昭和30年、食中毒事件を起こした雪印乳業の社長が、工場の従業員に涙ながらに訓示した言葉である。経営者なら誰もが肝に銘じているはずだ。
 ▼神戸製鋼所がアルミ製品の強度などの性能データを改竄(かいざん)していた。10年以上も前からの不正という。製品は国産ジェット機や新幹線、宇宙ロケットにも使われ、なかでも影響が大きいのは自動車各社に納入されていたことだ。安全性に関わるなら大規模なリコール(回収・無償修理)につながる。
 ▼先に日産自動車が完成車を無資格者に検査させ、116万台のリコールを届け出た。品質管理を誇った「ものづくり日本」がどうしたことか。ドイツの鉄血宰相ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言った。補足すると、歴史とは「他人の経験」である。賢者はいないのか。
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 10月11日21:42 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】モラル軽視が浮き彫り、経営責任の追及は必至だ
 神戸製鋼グループのロゴマーク=11日、東京都品川区
 アルミと銅製品の性能データ改竄が発覚した神戸製鋼所では、経営トップから全社員に対し、コンプライアンス(法令順守)強化を促すメールが送信されるなどの対応に追われた。同社をめぐっては、過去にも不祥事が相次いでおり、モラル軽視が浮き彫りになっている。川崎博也会長兼社長ら経営陣の責任論が浮上するのは必至とみられる。
 神戸製鋼がデータ改竄を発表して最初の営業日となった10日、川崎会長兼社長は全社員にメールを送信した。事実の経緯を説明した上で、再度、法令順守徹底を促す内容だったが、どこまで社員の心に響いたかは疑問だ。
 昨年6月には、グループの神鋼鋼線工業の子会社が、ばね用鋼材で日本工業規格(JIS)を満たしているように試験データを改竄したことが発覚。神戸製鋼は公表から1カ月もたたないうちに、法例などの順守状況の一斉点検結果をまとめ、「新たな不正はなかった」と安全宣言した。
 しかし、1年数カ月後に今回のデータ改竄が発覚。8日の記者会見で、梅原尚人副社長は「前回はJISに関連するため、法的規格に関しての監査を厳しくした。その一方で(今回問題となった)民間同士の取引に対する意識が乏しかった」と釈明したが、取引先の信頼を失いかねない発言で、企業統治コーポレートガバナンス)崩壊の危機だ。
 神戸製鋼では、平成21年に政治資金規正法に違反したとして犬伏泰夫社長(当時)が引責辞任しており、度重なる不祥事は経営に深刻な打撃を与えそうだ。
 「不祥事企業」のイメージがつきまとう中、法令順守の欠如に真剣に向き合い、徹底した原因究明と再発防止策が求められる。(平尾孝)」
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 10月14日 産経WEST「【神戸製鋼データ改竄】他部門の不祥事は「人ごと」? 多角化・縦割りで反省共有されず
 神戸製鋼所東京本社=東京都品川区
 神戸製鋼所がグループ会社9社による不正を新たに公表したことで、関連会社を含むグループ全体への不信が広がっている。建設機械、プラント製造などへ多角化を推し進め、子会社200社以上を抱える神戸製鋼。しかし関連性の薄い事業が並ぶ縦割り構造が企業統治の機能不全を招き、不正の温床となってきた。
 「報道で知ってびっくりしている。うちにも影響がないか心配だ。しかし(不正の公表は)神戸製鋼本体のことなので分からない」
 ある有力グループ会社の幹部は、一連の不正について情報が共有されていないことに不安を募らせた。
 一方、不正が公表された別の子会社の幹部は「グループ内のほかの不正は、ちょっと想像できない」と語り、他の部門の情報を持っていないことを明かした。
 鉄鋼メーカーで国内3位の神戸製鋼は、業界の世界的再編や中国などとの競争激化が進む中、規模の劣勢を事業の多角化で補う「複合経営」に取り組んできた。主要事業は鉄鋼、アルミ・銅、建機、溶接、発電など7分野に及ぶ。同社によると、平成29年3月時点で子会社は213社、それ以外の関連会社も56社にのぼる。
 ただ、企業経営に詳しい青木英孝・中央大学教授は「グループが複雑、巨大化すると、不正も隠しやすい状況に陥る」と指摘する。
 また、専門性の高い部署の間で連携や情報共有ができない「縦割り経営」の弊害も生まれた。楽天証券の窪田真之・チーフ・ストラテジストは、「神戸製鋼は独立会社の集合体のような特性がある。グループ内の問題に全社で対応できていたのか」と疑問を投げかける。別部門の不祥事は人ごとと受け流され、反省や教訓が共有されなかった可能性があるというのだ。
 実際、グループ内では18年から昨年までに、製鉄所の煤煙(ばいえん)データ改竄(かいざん)、グループ会社の鋼材試験データ捏造(ねつぞう)、ばね用鋼材のデータ改竄が相次いで発覚したが、教訓が生かされないままさらに不正が重ねられた。
 川崎博也会長兼社長は13日の記者会見で、不正が同時並行的に行われていたことについて「その分析がキー(鍵)だと考える。原因分析の最中」と説明。本社部門のマネジメントに問題があったと認め、「風土的なものを感じられるのも仕方ない」とも述べた。
 神戸製鋼は1カ月以内に原因分析と対策を経済産業省へ報告するが、その先には企業文化の刷新という難しい課題も待ち受けている。」
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 10月24日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】今期業績予想「未定」 「格下げ」で市場からの資金調達困難も
 神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区(沢野貴信撮影)
 アルミ製品などの性能データ改竄問題を受けて、神戸製鋼所の業績悪化懸念が強まっている。不正の経営への影響が見極めづらい中、同社は30日の中間決算発表に合わせて平成30年3月期の通期業績予想を撤回し、「未定」とすることを検討。一部顧客が他社に発注先を変更するなど、ビジネスへの影響も徐々に出始めている。(井田通人)
 神戸製鋼は30年3月期に3期ぶりとなる350億円の最終黒字浮上を予想している。上期は鉄鋼事業が好調に推移。問題製品の売り上げに占める割合も4%と低いことから、今期業績への不正の影響はそう大きくないとの見方が強い。
 もっとも、梅原尚人副社長は「(他社に発注先を替える)転注が全くないかというと、それはある」と一定の影響を認め、競合のアルミ大手も「顧客から代わりに作れるか打診が来ている」と話す。問題製品の出荷先は約500社。既に数社から点検や部品交換にかかった費用を請求されており、今期業績が従来予想通り着地したとしても、先行きの影響は避けられそうにない。
 信用が低下する中、資金調達にも暗雲が漂う。格付け機関の日本格付研究所(JCR)は17日、神戸製鋼の長期発行体格付けを債務履行の確実性が高いとされる「A」から格下げする方向で見直すと発表した。BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは「収益影響が大きくないとはっきりしない限り格下げになるだろう」と予測する。
 27日には200億円の社債償還が控えている。同社は現預金だけで2030億円(6月末)を保有。「当面の資金繰りに問題ない」(幹部)としているが、今回の償還を乗り切ったとしても今後の社債発行は困難となり、銀行融資に頼る場面が増えそうだ。」
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 10月30日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】中小企業への波及を懸念 東京商工リサーチ社長
 神戸製鋼本社=神戸市
 東京商工リサーチ河原光雄社長は30日、産経新聞のインタビューに応じ、神戸製鋼所で発覚したアルミ製品等の性能改竄(ざん)問題について「影響は、神戸製鋼が製造した部材を使って製品を作っている末端の取引先にも広がる」と述べ、中小企業への波及を懸念した。
 東京商工リサーチによると、神戸製鋼グループの取引先は、国内で直接取引する1次販売先が2376社、その先で取引する2次販売先は9090社で、計1万1466社にのぼる。
 河原社長は「神戸製鋼との取引量が大きければ、出荷・販売が停滞しただけで業績にマイナス影響が出てくる」と指摘。「1次販売先には何らかの救済対応がされるだろうが、その先まではわからない」と述べた。」
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 11月7日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】不正、役員も黙認 OB証言「技術系で」会社全体にまん延
 神戸製鋼所神戸本社の外観=神戸市中央区(沢野貴信撮影)
 神戸製鋼所によるアルミニウム製品などのデータ改竄問題で、過去に複数の役員らも不正を黙認していたことが6日、関係者への取材で分かった。神戸製鋼は上層部の関与は認めていないが、不正は会社組織全体にまん延していたことがあらためて浮き彫りとなった。
 神戸製鋼のOBが共同通信の取材に応じ「技術系出身の役員らは不正の事情は知っている」と証言した。神戸製鋼はこれまで工場長レベルが関わっていたとしてきた。
 不正を巡っては、性能などの仕様を満たさない製品を顧客に無断で納入していたことが判明している。仕様不足が軽微な場合、顧客の了解を得て購入してもらう「特別採用」という慣行があり、神戸製鋼はこれを悪用していた。別のOBの証言では、不正の許容範囲をメモにして歴代の担当者が引き継いでいた。
 経済産業省は原因究明と再発防止策をまとめるよう求めており、神戸製鋼は今週中にも報告する見通し。」
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 11月10日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】【神戸製鋼所会見詳報(1)】背景に組織の閉鎖性「何言ってもムダ」蔓延する現場
 データ改ざんの原因結果を発表する神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=10日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)
 神戸製鋼所は10日、データ改竄(かいざん)などの不正行為に関する社内調査の結果と再発防止策を発表。午後5時から東京・大手町で開かれた記者会見には、報道陣約300人が詰めかけた。
 説明に当たった経営陣は川崎博也会長兼社長と山本浩司常務執行役員、勝川四志彦常務執行役員の3人。冒頭で川崎氏が「取引先、株主をはじめ、多数の皆様に多大なご迷惑をおかけしていることを改めて深くおわびいたします」と陳謝し、そろって頭を下げた。
 一連の問題究明をめぐり同社は、社内調査に対する現場社員の不正隠しがあったことも踏まえ、客観性を担保するために社外有識者だけで構成する調査委員会を10月26日に設置している。年内をメドに、不正の原因究明と再発防止策がまとまる見通しという。
 一方、今回の報告書は「10月25日までの社内調査をひとまず総括し、現時点で可能な範囲の再発防止策を立てた」(川崎氏)という。この中では、数十年前から続いていたともされる不正行為の原因をこう分析している。
 (1)収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土
 (2)バランスを欠いた向上運営
 (3)不適切行為を招く不十分な品質管理手続き
 (4)契約に定められた使用の順守に対する意識の低下
 (5)不十分な組織体制
 このうち「閉鎖的な組織風土」について、川崎氏は「(不正に関して)『何を言ってもムダ』という空気が現場に蔓延(まんえん)していた」と苦渋の表情で説明した。」
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 11月10日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】企業風土改善を掲げるだけ…信頼回復の道のりは遠い ガバナンスは不全状態
 神戸製鋼所はデータ改竄(かいざん)問題に対する原因究明と再発防止策を10日に公表したが、信頼回復の道のりは遠い。国内外の多くの拠点で不正が常態化していた事実を再確認する一方、防止策としては企業風土改善を掲げるだけ。今回の不正以前にも、昨年発覚したグループ会社の日本工業規格(JIS)違反など不祥事が相次いでおり、現経営陣のコーポレートガバナンス企業統治)は不全状態だ。
 「経営体制を事業部門制にし、部門での収益重視の閉鎖的な組織風土が生じていた」。川崎博也会長兼社長は10日の記者会見で、問題の背景を説明した。
 データ改竄の原因としては、関係者も「各部門、各工場がそれぞれ“城”のように独立し、それぞれの価値観で判断していた」と明かす。部門の仲間内意識の強まりが、データ改竄という不正を日常的なものにしていた格好だ。
 原因究明の核心は不正が始まった時期や役員の認識の有無だ。川崎氏は弁護士で構成する「外部調査委員会の調査が続いている。これを待って報告したい」と、説明を避け続けた。
 企業経営に詳しい日本経済大学の西村尚純教授は「神戸製鋼の不祥事体質は根深く、解体的な出直しが必要だ。川崎氏の引責辞任はやむなく、現経営陣の経営責任は厳しく問わなくてはならない」と指摘する。さらに、再発防止策として西村氏は、神戸製鋼に出資する新日鉄住金の幹部や役員OBらを経営陣に招くなど「第三者、外部人材による徹底的な改革が必要だ」と強調した。(平尾孝)」
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 11月14日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】【主張】神鋼の品質不正 統治不全で信頼を失った
 神戸製鋼所神戸本社=10月20日、神戸市中央区(沢野貴信撮影)
 検査データの改竄(かいざん)などの不正を重ねていた神戸製鋼所が、社内調査の結果をまとめた。
 収益を重視するあまり、品質よりも生産量の確保や納期が優先の体質が不正を招いたとした。閉鎖的な社内風土も不正の連鎖を断ち切れなかった要因だという。
 現場による改竄に気付けなかったとする経営陣の責任にも言及した。だが不正が始まった時期や経営陣の具体的な関与の有無などは不明のままだ。「究明」にはほど遠い内容である。
 企業が収益を重視するのは当然である。そのことが組織ぐるみの不正を招いた原因だと釈明することに、違和感をぬぐえない。
 外部有識者による調査委員会が、年内に最終調査をまとめるという。不正の背後にある根本的な原因に向き合わなければ、信頼回復など望むべくもない。
 報告書は、複数の部署で製品の品質データの改竄などが長く続き、多くの社員が不正に関与してきたと指摘した。収益確保のために納期を守ることに追われ、品質を軽視する姿勢が不正を招いたとしている。
 それもそうだが、品質を確保しないこと自体、顧客との信頼関係を裏切り、契約そのものを欺くものだ。製造業としての存在を否定するに等しい。
 長年にわたる品質不正が、日本の製造業への信頼を失墜させた点への反省が感じられない。
 多角化を進めた神戸製鋼は、鉄鋼やアルミなどの金属に加え、発電や建設機械など幅広い事業を抱える。これらの事業は独立採算で運営され、社員の人事交流もほとんどなかった。
 閉鎖的な縦割り組織で収益重視の「身内の論理」が優先され、契約や法令の順守という基本的な責任の放棄につながった。
 それを防ぐのが企業統治だ。神鋼の場合、これまで何度も法令違反などで経営トップが引責辞任している。不正を断ち切れない統治不全は深刻である。
 今回の品質不正では米司法当局なども調査を始めている。国内外からの賠償請求も避けられまい。すでに調達先を神鋼から他社に切り替える動きも出ている。
 同社は本社に品質監査部を設け再発防止に乗り出すというが、どこまで効果があるだろうか。企業統治の立て直しから始めるべきではないか。」
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 11月15日 産経ニュース「【神戸製鋼データ改竄】新たにJIS法違反 国際規格取り消しも
 コベルコマテリアル銅管の秦野工場=神奈川県秦野市(万福博之撮影)
 神戸製鋼所のグループ会社コベルコマテリアル銅管秦野工場(神奈川県秦野市)の銅管製品が、工業製品の品質や安全性の基準である日本工業規格(JIS)の認証を取り消されたことが15日、分かった。規格を満たさない製品にJISマークを付けて出荷していた。この工場でJISに関する法令違反が発覚するのは10月に続き2回目。
 秦野工場が、国際標準化機構(ISO)の品質管理に関する国際規格の認証を取り消されたことも判明した。品質管理の体制が不十分だと判断された。
 ISOやJISなどの規格は製品の性能や品質管理体制を保証し、取引の条件に指定する会社もある。認証が取り消されれば製品の信用が低下し、販売に影響する恐れがある。」
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 11月23日 21:10 産経ニュース「【データ改竄】疑われかねない素材メーカーの体質 傷つく「メード・イン・ジャパン」の信頼
 三菱マテリアルの本社が入るビル。同社は複数の子会社で品質を巡る不正があったと発表した=23日夕、東京千代田区
 三菱マテリアルが23日発表した子会社3社での品質をめぐる不正。神戸製鋼所のアルミ・銅製品などと同様の性能データ改竄(かいざん)の発覚は、素材メーカーの体質とも疑われかねない。問題の製品は幅広い分野で使用されており、相次ぐ不正に「メード・イン・ジャパン」の信頼がさらに傷つく恐れもある。
 三菱マテリアルによると、問題製品を出荷した可能性がある顧客企業は、詳細を明らかにしていない三菱アルミニウムを除き、三菱電線工業三菱伸銅合わせて258社。鉄鋼大手の神戸製鋼が問題の製品を納入していた525社の半数に迫る数字だ。
 三菱マテリアルは「現時点で安全性にかかわる問題は報告されていない」としているが、三菱電線が不正を説明したのは納入の可能性のある顧客企業40社にとどまり、今後増える可能性もある。3社は神戸製鋼同様に具体的な納入先は伏せたままで、一般消費者の不安も招きかねない。
 不正判明後の公表の遅れも神戸製鋼と共通している。三菱マテリアルによると、三菱電線は今年2月にシール材でデータ改竄を把握したが、問題製品の出荷を止めたのは10月23日。親会社の三菱マテリアルに報告したのは25日だった。
 神戸製鋼の場合、8月30日には経営陣が不正を把握していたにもかかわらず、1カ月以上過ぎた10月8日になってようやく公表したことで、消費者を軽視していると批判された。
 三菱マテリアルも、不正の把握から1カ月近くが過ぎているにもかかわらず公表せず、隠(いん)蔽(ぺい)と受け取られても仕方ない状況だ。出荷停止後にようやく不正を知ったという経営陣のガバナンス(企業統治)も含め、経営姿勢が厳しく問われることになる。(井田通人)」
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 11月23日12:46 産経ニュース「三菱マテリアル子会社も品質不正 基準下回る製品、納入の疑い
 三菱マテリアルの子会社、三菱電線工業(東京)で製品の品質に関する不正が見つかったことが23日、分かった。顧客企業が求めた基準を下回る製品を納入した疑いがあり、近く公表する。
 企業の品質管理を巡っては、神戸製鋼所がアルミニウムや銅といった製品で性能データの改ざんなどを重ねていたことが発覚しており、同種の問題が他社に拡大する。
 三菱電線で不正があったのは、航空機などに使われる工業用の樹脂部材とみられる。供給先が多方面にわたれば交換などの影響が大きくなりそうだ。
 三菱電線の2017年3月期の売上高は295億円、同期末の従業員数は約510人。親会社の三菱マテリアルはセメントから銅、工具、アルミ缶まで幅広く手掛けている。」
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 11月24日 07:06 産経ニュース「航空機大手2社が調査 三菱マテリアル子会社の不正 海外に影響拡大も
 米西部シアトルにあるボーイングの拠点=2015年10月(AP=共同)
 三菱マテリアルの子会社2社による一部製品の検査データ改ざん問題を受け、航空機大手の米ボーイングと欧州エアバスが、自社製品への影響を調査していることが23日、分かった。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が報じた。
 自衛隊の航空機や艦船のエンジンの一部に仕様書の要求値に満たない製品が使われていたことが既に判明しており、海外の企業にも影響が拡大する恐れが出てきた。
 ボーイングは同紙の取材に「この問題について調査しており、必要に応じて適時、適切に対応する」と回答。エアバスは、三菱マテリアル子会社で航空機向け部材を製造する三菱電線工業(東京)から「直接調達していない」としたが「当社に部品を供給している企業に影響がないか調査している」とした。
 米CNNテレビは「かつては卓越した技量で世界の羨望の的だった日本株式会社がもがいている」と伝えた。(共同)」
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 11月25日 産経ニュース「【三菱マテリアル不正】「神鋼よりも悪質」 問題把握後の出荷に批判
 検査データ改ざん問題について会見で謝罪する三菱マテリアルの竹内章社長(左から2人目)=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)
 三菱マテリアルの子会社による性能データ改竄問題で、経営陣が不具合を知りながらも、出荷を継続したことに批判が強まっている。データ改竄の不正は神戸製鋼所と同じだが、神戸製鋼は経営陣が把握した段階で、該当製品の出荷は停止していた。三菱マテの問題は、コーポレートガバナンス企業統治)の面で、神戸製鋼よりも悪質との評価だ。(平尾孝)
 三菱マテ子会社の三菱電線工業は、今年2月に不正が品質保証担当者に報告されて発覚。3月に村田博昭社長ら経営陣に伝えられたが、顧客に通知したり、出荷を停止したりするなどの措置はとられず、10月23日に出荷を停止するまで、問題製品の出荷が続いたことになる。
 村田氏は今月24日の記者会見で「常時生産製品は4万点あるが、出荷先でどんな製品に使われるかを特定し、どの程度逸脱していたのかを分析する必要があった。対応できる人材も限られ、時間がかかった」と説明。出荷停止にしなかったのは「あいまいな情報で、(不正を)公表すると大混乱になる」と、顧客、営業担当がパニックになることを恐れたためと弁明した。
 出荷先が特定できたことから、10月23日に出荷停止措置をとったというが、その一方で、それ以降の出荷状況は、現時点でも精査中という不明瞭さだ。
 さらに、理由がどうであれ、不正な製品が出荷される可能性を経営陣が知りながら、それを認めていたことには批判が出ている。
 流通大手の幹部は「うちの経営陣が商品不具合を知れば、とにかく即日の自主回収を指示する。それ以外の選択肢はない」と、三菱電線の対応を疑問視する。
 企業経営に詳しい日本経済大学の西村尚純教授は「経営陣が知った上での出荷継続と聞いて、開いた口がふさがらない。神戸製鋼との比較以前に前代未聞の最悪の対処だ」と嘆く。
 さらに、こうした子会社の企業統治のずさんさを放置してきたとして、「三菱電線だけでなく、親会社の三菱マテにも経営責任があるのは自明だ」と強調する。」
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 11月28日13:10 産経ニュース「【東レのデータ改竄】当事者意識薄い? 淡々と発表 顧客の安全宣言完了せず
 記者会見で質問に答える東レの日覚昭広社長(手前)=28日午前、東京都中央区
 「安全性に問題はない」。子会社で不正が発覚した東レの日覚昭広社長はこう繰り返して説明したが、全ての顧客からは安全宣言を得られていない。手元の資料をうつむきながら読み上げて回答する場面も多く、当事者意識の薄さを感じさせた。
 28日午前に東京都内の東レのオフィスで始まった緊急記者会見。日覚氏は冒頭で「まことに申し訳ございません」と陳謝し、約20秒にわたり頭を下げた。だが、その後は淡々と会見を進めた。
 東レは今回の問題を昨年7月に把握した。公表が大幅に遅れており、会場の報道陣からは「裏切られたような気分だ」との声が上がった。今月初旬、インターネット上に不正に関する書き込みがあり、発表に至った。日覚氏は自発的な公表を「考えていなかった」と説明し、独り善がりの対応との印象を強くした。」
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 11月28日13:12 産経ニュース「【東レのデータ改竄】神鋼問題なければ「公表しなかった」 日覚昭広・東レ社長らの一問一答
 厳しい表情で記者会見する東レの日覚昭広社長=28日午前、東京都中央区
 東レの日覚昭広社長と子会社、東レハイブリッドコードの鈴木信博社長の記者会見の一問一答は次の通り。
 ?不正の動機は。
 鈴木氏 規格値からの外れが僅差で、品質上、異常でないという勝手な解釈から行われた。(不適合製品を顧客の了承を得た上で納入する)特別採用という慣習も動機になった。
 ?公表が遅れたのは。
 日覚氏 昨年に不正を把握していたが、安全性に問題はないため、発表は考えていなかった。ただ、今年11月にネット掲示板で書き込みがあり、正確なことを公表すべきだと考えた。
 ?神戸製鋼所三菱マテリアルの問題がなかったら公表しなかったのか。
 日覚氏 しなかった。
 ?今後の対応は。
 日覚氏 厳粛に受け止め、コンプライアンスの強化や信頼の回復に全力で取り組んでいく所存だ。」
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 11月28日19:59 産経ニュース「【東レのデータ改竄】素材産業で相次ぐ不正 モラル低下、消費者軽視、縦割り…共通の問題も 揺らぐモノづくり
 東レハイブリッドコードが製品検査データの書き換えを行った件で会見する、東レの日覚昭広社長=28日午前、東京都中央区(寺河内美奈撮影)
 神戸製鋼所三菱マテリアルに続いて東レ子会社でもデータ改竄が発覚した。素材メーカーの相次ぐ不正からは、現場のモラル低下や消費者軽視、縦割り組織の弊害といった、共通の問題が浮かび上がる。世界有数の技術を誇り、自動車など幅広い産業を支えてきた素材産業が力を失えば、日本のモノづくりの根幹が揺らぎかねない。
 「特別採用という慣習も動機になった」
 東レハイブリッドコード(THC)の鈴木信博社長は28日の記者会見で、不適合製品を顧客の了承を得た上で納入する「特別採用(トクサイ)」と呼ぶ日本独自の商慣行が隠れみのになったとの認識を示した。
 改竄は、歴代の品質保証室長2人が責任者としての権限を使い、検査成績書の承認段階で行っていた。同社は、ほかに関与者はいないとして組織ぐるみとの見方は否定した。
 トクサイの悪用は神戸製鋼三菱マテリアル子会社でも発覚。契約順守や安全優先の意識が薄れつつあることがうかがえる。
 日本の素材各社は、凋落が目立つ電機に比べると経営が安定している。だが近年はM&A(企業の合併・買収)で世界規模の巨大メーカーが相次ぎ誕生し、中国勢も台頭。押された日本メーカーは、技術頼みの姿勢を強めている。
 東レの不正は、再検査などの煩雑な作業を嫌ったのが動機という。収益確保が難しくなり、技術的なハードルも高まる中、納期順守のプレッシャーを感じていた可能性もある。
 神戸製鋼は、傘下にアルミ・銅など7つの事業部門を抱える。三菱マテリアルは事業別に4つの社内カンパニーを設け、権限を大幅に委譲していた。東レも多くの事業を抱え、子会社を含む事業部間の人事交流はあまりないという。縦割りの組織は閉鎖的な風土を生み、経営陣の監視の目も行き届きにくい。
 さらに、消極的な情報開示姿勢でも3社は共通している。東レの日覚昭広社長は神戸製鋼の問題がなければ今回の不正を公表しなかったとの考えも示しており、消費者軽視の姿勢は批判を集めそうだ。(井田通人)」
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 12月12日 産経ニュース「揺らぐ「ものづくり日本」 免震偽装の東洋ゴム子会社に罰金刑 透ける「消費者軽視」の姿勢
 初公判を前に枚方簡裁に入る東洋ゴム化工品の森下敏彦社長ら=9月26日、大阪府枚方市
 日本のメーカーでは今秋、神戸製鋼所東レといった業界大手で品質管理体制をめぐる不正が相次いで発覚。世界有数の技術力を誇る“ものづくり大国日本”の根底が揺れた。
 神戸製鋼所東レ三菱マテリアルでは製品データの改竄(かいざん)を、日産自動車、スバルでは無資格者が製品検査を行っていた。これらの不正には、日本独特の商慣行が影響を与えたとみられている。「特別採用(トクサイ)」だ。
 不適合な製品を顧客の了承を得た上で納入する手法で、「相手が受け入れたのだから問題ない」というモラルハザード(倫理観の欠如)を生じかない。神戸製鋼所は不正の原因の一つを「顧客からクレームがない限り、検査の軽視が許容されていた」と結論づけた。
 こうした考えには「消費者軽視」が透けてみる。東洋ゴム化工品による免震データ偽装事件の公判でも検察側は「国民の生命、身体の安全をないがしろにするもので、厳しく非難されるべき」と消費者に与える影響を重視した。
 一連の問題は、それぞれ専門性が高い分野だけに不正が発覚しづらい。こうしたことも踏まえ、各メーカーには高い規範意識が求められている。」
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新書813内部告発の時代 (平凡社新書)

新書813内部告発の時代 (平凡社新書)

💫5}─2─人類は未完成、欠陥品、失敗作。未来可変。運命選択可。〜No.44No.45No.46 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 人間は、他の動物と比べて身体能力や生理機能で劣っている点が多々ある。
 人間が、他の動物のように、「個体」として自然に生きる事は不可能である。
   ・   ・   ・   
 日本列島の自然は、不完全で安定せず絶えず目まぐるしい変化を繰り返し、いろんな条件で激甚災害が引き起こして、そのつど深刻な破壊をもたらす。
 そして、時がその甚大な破壊を元通りに修復し、再生させ、蘇らせ、そして、その中から新生が現れ変化をもたらす。
 咲いた事のない花が咲き、そして環境に馴染めば定着し、他の花と争う事なく共生し、土地に咲き誇り色を添え栄養となる。
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 2019年11月3日号 サンデー毎日「今週の新刊
 『人体、なんでそうなった?』 ネイサン・レンツ  久保美代子/訳
 評・三浦天沙子
 健康あれば憂いなし
 ヒトの身体の進化は残念なデザイン!?
 人間は生きるためにバランス良く栄養を『食べて補充』しなければならない。なぜかと言えば地球上のほぼすべての動物が体内で作り出すことができるビタミンCを人間は作り出せないからだ。B12は大腸で作り出せるにもかかわず、大腸が栄養吸収器官である小腸より下にあるため、ただ作ってトイレに流している。種の保存のためのシステムも不備やエラーだらけだ。現代人にとってやっかいなのは自己免疫疾患やアレルギー。どちらもヒトの免疫系の間違った攻撃によって起こる。細胞にバグが生じコントロールが利かなくなってがんになるが、細胞の分裂やコピーによって身体(からだ)の恒常性が保たれているのだから、言ってみればこうした病気は不可避なデザインミス。
 身体の中でもっとも優れた進化を遂げたと見なされている脳でさえ、残念な失敗を繰り返す。認知バイアス(偏りに属するさまざまなエラーの例を挙げてみる、自分が信じているものを裏付ける情報を、真実であると解釈する『確証バイアス』。ヒトは信頼性にかかわりなく、最初に与えられた情報を重要な基準値にし、それと比較して価値を判断しようとする『アンカリング・バイアス』等々。
 著者は、人間の脳や身体のイケてなさを、ユーモアをまぶした読みやすい語り口で、臣下の歴史とともにこれでもかとリストアップしていく。面白いのは、脳や身体がダメであればあるほど、何とか使いこんなんして生き残ってきた人間という存在が、愛すべきものに感じられてくるところ。加えて、本書の最良の美点はエピローグにある。人間は多くの欠落を持ちながらも、それを補い自分たちや地球を救うことのできる科学を手にしている。あとはそれを実行する意志をもつことだけだと締めくくる」
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⛻4〗─2─聖武天皇は高僧・行基の土木と社会福祉を支援した。東大寺の盧舎那仏像。~No.12No.13No.14 

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 2019年10月22日 産経新聞WEST「【高僧・行基】土木と社会福祉聖武天皇を支える
 京都府の南西端にある大山崎町は古代から交通の要衝だった。奈良時代平城京と山陽方面を結ぶ山陽道が通り、桂川、木津川、宇治川の3川が合流し淀川を形成するあたりにあって、水運の拠点にもなっていた。この川に行基(ぎょうき、668~749年)が山崎橋を架けたのは、神亀2(725)年のことである。(編集委員・上坂徹)
 桂川宇治川、木津川の合流地点。このあたりに、行基の山崎橋がかけられていた=京都府大山崎町から八幡市(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)
 古代から交通の要衝
 『行基年譜』(年譜)や『行基菩薩傳』(平安時代末)によると、山崎橋は行基の仏教の師である遣唐使僧、道昭(629~700年)が架橋したものの、橋桁が朽ち果てていた。行基は橋脚だけが残っていたのを見て、再建を思い立ったという。
 『続日本紀』では、行基畿内に建立した寺院(道場)は49カ所あるとしており、『年譜』には所在地リストが記載されている。そのうちの一つが「山崎院」で、山背(城)国乙訓郡山崎郷(現在の大山崎町)にあり、天平3(731)年に建立されたとある。
 推定地の発掘調査では、遺構は確認されていないものの、平城宮と同型の瓦や壁画片、塑像、人名瓦などが出土している。瓦の人名は行基の「知識」(行基に帰依して付き従った人たち)に関わる氏族名で、橋の建造にも参加したとみられる。
 『年譜』では架橋と同じ神亀2年に、対岸の河内国交野郡一条内(現在の大阪府枚方市)に、49院の一つ、久修園院(くしゅうおんいん)を建立したとある。山崎橋は山崎院側と久修園院側を結ぶ位置にあったとみられる。このあたりは奈良時代の幹線道路・南海道が通っており、橋は山陽道南海道をつなぐ重要な役割をもっていたようだ。
伝道と事業をセット
 一方、行基の前にこの場所に橋を架けた道昭について、『続日本紀』では、遣唐使随行して入唐し、伝奇小説「西遊記」の三蔵法師のモデルとなった玄奘(げんじょう)三蔵に禅を学んだことなどを記している。
 帰国後は仏教を教える一方、各地を回り橋を架けたり、井戸を掘ったりという社会事業を行ったという。道昭も山崎橋近くに、古い寺を改修して寺院を営んだことが分かっている。
 山崎院関係の発掘調査をしている大山崎町教委の古閑正浩主幹は「見つかった人名瓦は、『秦氏』など地元を拠点とした氏族名ばかりで、土塔の人名瓦と共通したものはありませんでした。事業に協力した知識は特定の人たちではなく、現場ごとに地元の知識が協力していたのでしょう」と話す。
 さらに、「行基は社会事業と寺院建立をセットで展開しています。伝道と社会事業の一体的な行動を、師である道昭から学び、それをより、大規模に行ったのでは」と指摘する。
大僧正に任命
 行基の架橋事業ついて、『年譜』では、山城(京都府南部)で山崎橋、泉大橋(相楽郡泉里=現在の京都府木津川市)の2カ所。摂津で高瀬大橋(嶋下郡高瀬里=現在の大阪府守口市)、長柄、中川、堀江(いずれも西成郡=現在の大阪市)の4カ所としている。
 このうち、泉大橋は地名から、木津川市を流れる木津川に架けられたと推測できる。近くには『年譜』に示された49院の一つで、天平12(740)年に建立された発菩提院泉橋院があったとみられる。
 この時代、聖武天皇は都を次々と変えた。天平12年に、平城京から恭仁京(くにきょう、木津川市)に遷都。その造営中に紫香楽宮(しがらきのみや、滋賀県甲賀市)の建設を始めた。16(744)年に難波宮大阪市)に都を遷したものの、翌年には紫香楽に行った後、平城京に還都した。
 泉大橋は恭仁京に近く、泉橋院の建立時期に築造されたとすれば、恭仁京遷都との関連がうかがえる。『続日本紀』には、17(745)年に、恭仁京に向かう聖武天皇の車駕(しゃが=行幸で乗る車)が「泉橋」にさしかかったときに、人々が「万歳」の声をあげたという記載がある。同年、行基聖武天皇により、大僧正に任じられている。
 また、摂津国西成郡に架けられた3つの橋の具体的な位置は不明だが、橋の名から、難波宮周辺地域とみられる。難波宮は遷都の前から、平城京の副都として整備が進められており、その動きに連動していた可能性はある。
  ◇  
【解説】聖武天皇の彷徨5年
 聖武天皇神亀元(724)年、第45代天皇として即位した。文武天皇の第1皇子で、母は藤原不比等の娘、宮子。夫人は不比等の娘、光明子遣唐使を派遣し、唐の文物・制度を導入した。
 在位中は国内で疫病が流行し、政権を支えた貴族らも次々と病死。政権争いが激化する中、天平12(740)年には、藤原広嗣が乱を起こした。
 その後、聖武天皇は遷都を繰り返す。恭仁京難波京紫香楽宮と移して、5年後に平城京に戻った(聖武天皇の彷徨5年)。それにより政治的混乱をも引き起こした。この間、全国に国分寺国分尼寺を置く制度を整え、大仏造立を発願。総国分寺として建立した東大寺天平勝宝4(752)年、大仏の開眼供養を実現した。
 光明皇后とともに国家鎮護の仏教政策を遂行した一方、経済政策としては、天平15(743)年に墾田永世私財法を発して、墾田の私有を認めた。墾田増進が目的だったが、律令制の根幹をなした公地主義の変革で、律令体制崩壊を早める原因ともなった。
     ◇  
【プロフィル】上坂徹(うえさか・とおる) 昭和56年、産経新聞大阪本社入社。振り出しの奈良支局で社寺・埋蔵文化財を担当。社会部では主として事件・司法の取材に当たる。東京・大阪両本社の文化部長を経て、大阪本社編集長。その後、大阪・東京各制作局長、日本工業新聞社代表取締役社長。今年7月、編集委員として10年ぶりに編集局に復帰した。」
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 東大寺の仏像(とうだいじのぶつぞう)では、奈良県奈良市にある聖武天皇ゆかりの寺院・東大寺に伝来する仏像について説明する。
 8世紀に日本の首都であった奈良を代表する寺院である東大寺は、「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されている。東大寺には、「奈良の大仏」として知られる、高さ約15メートルの盧舎那仏(るしゃなぶつ)像をはじめ、日本仏教美術史を代表する著名作品が多く所蔵されている。
 本項では東大寺に所在する仏像彫刻について概観する。なお、東大寺の概要については「東大寺」の項を、大仏については「東大寺盧舎那仏像」の項を参照のこと。
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 東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)は、奈良県奈良市東大寺大仏殿(金堂)の本尊である仏像(大仏)。一般に奈良の大仏(ならのだいぶつ)として知られる。
 聖武天皇の発願で天平17年(745年)に制作が開始され、天平勝宝4年(752年)に開眼供養会(かいげんくようえ、魂入れの儀式)が行われた。その後、中世、近世に焼損したため大部分が補作されており、当初に制作された部分で現在まで残るのはごく一部である。 「銅造盧舎那仏坐像」の名で彫刻部門の国宝に指定されている。
 正式には大仏は「盧舎那仏坐像」、大仏殿は「金堂」というが、本項では以下「大仏」、「大仏殿」とする。また、文中の( )の年はユリウス暦、月日は全て和暦、宣明暦の長暦による。
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 行基(ぎょうき/ぎょうぎ、天智天皇7年(668年) - 天平21年2月2日(749年2月23日)、奈良時代の日本の僧。寺と僧侶を広く仏法の教えを説き人々より篤く崇敬された。そして行基集団を形成し、道場や寺院を49院、溜池15窪、溝と堀9筋、架橋6所、国家機関と朝廷が定めそれ以外の直接の民衆への仏教の布教活動を禁じた時代に、禁を破り畿内(近畿)を中心に民衆や豪族など階層を問わず困窮者のための布施屋9所等の設立など数々の社会事業を各地で成し遂げた。朝廷からは度々弾圧や禁圧されたが、民衆の圧倒的な支持を得、その力を結集して逆境を跳ね返した。その後、大僧正(最高位である大僧正の位は行基が日本で最初)として聖武天皇により奈良の大仏東大寺)造立の実質上の責任者として招聘された。この功績により東大寺の「四聖」の一人に数えられている。
 生涯
 河内国大鳥郡天平宝字元年(757年)に和泉国へ分立、現在の大阪府堺市西区家原寺町)で天智天皇7年(668年)、父・高志才智、母・蜂田古爾比売の長子として生まれる。
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 高志 才智(こし の さいち)は、飛鳥時代の人物。名は羊(ひつじ)または佐陀智・貞知(さだち)とも書かれる。姓は史。子に行基がいる。
 出自
 高志氏(高志史)は王仁を祖とし河内国和泉国に分布する百済系渡来氏族。高志の名称は大和国高市郡阪合村越の地名に由来すると想定される[3]。諸書においても、行基百済人の後裔で和泉国大鳥郡出身としている。
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⚡41】─1─ウソで信用をなくした日本安全神話。2015年。~No.187No.188No.189 * 

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 安全性や信用を無視した、パクリ、偽装、隠蔽、粉飾決算、偽報告。
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 日本民族日本人は、朝鮮と違って中国化を避けながら生きてきた。
 日本国民日本人は、韓国・北朝鮮同様に中国化してきている。
 中国人と付き合いながら生きて行くには、中国人化するしかない。
 それが、日本人の宿命である。
 日本人である事を捨て中国人化する事を喜ぶ日本人がいる。
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 金儲けの為に嘘偽り偽証で誤魔化して信用なくした日本安全神話
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 2015年12月号 WiLL「五輪騒動に見る日本人の志 D・アトキンソン
 エンブレム問題の核心 
 日本はよく海外から、『矛盾の国』と言われます。たとえば、日本にはトヨタのような素晴らしい企業がありながら、一人あたりGDPは世界26位だったりする。極めて生産性の低い企業が数多くあるためです。
 先の東京五輪をめぐる騒動は、その矛盾を象徴する出来事のように感じました。
 まず、エンブレムの問題です。
 7月、グラフィックデザイナー・佐野研二氏発案のデザインが東京五輪エンブレムに選ばれました。
 その後、ベルギーの劇場のロゴと酷似していることが発覚。パクリ疑惑が浮上し、世間を騒がせました。
 私が矛盾を感じたのは、佐野氏、委員会側の言い分です。彼らは8月5日の会見で、『先方は商標登録してない。こちらはエンブレムの発表と同時に商標を確認しているから問題ない』と説明しました。
 『商標登録されていないから問題ない』などという理屈は、いかにも中国、韓国が言いそうなセリフです。
 最近、中国で私が勤めていたゴールドマン・サックスの名前をパクった企業が出現しました。その名も。『ゴールドマン・サックス(シンセン)ファイナンシャル・リーシング』
 もちろん本家、ゴールドマン・サックスとは何の関係もない会社で、向こうの言い分は『商標登録されていないから問題ない』。
 これまで日本は散々、中国のこのようなパクリを批判してきたはずです。おころが今回、日本は中国と同じ理屈を使って自身を正当化しようとしました。これでは、もう中国のことをとやかく言う資格はないのではないでしょうか。私が尊敬する日本はもっと志の高い国です。
 私がエンブレムの件でもう一つ問題に感じたのは、『似ている、似ていない』(もちろん、個人ブログの写真を無断流用したなどの問題は論外ですが)という低レベルな議論に終始していた点です。
 大切なことは、エンブレムのデザインが東京五輪に相応しいかどうかです。世界を挙げてのイベントである五輪のエンブレムは、世界を驚かせる画期的なデザインであるべきです。
 私個人の感想としては、佐野氏のエンブレムはインパクトに乏しく、抽象的で、あまりいい印象は持ちませんでした。
 ベルギーの劇場に使われているレベルのデザインに似ている時点で、五輪のエンブレムとしては相応しくないと考えるのは私だけでしょうか。
 私は日本人のクリエイティビティの高さを知っていますから、なぜもっと素晴らしい、世界を感動させるものが出なかったかが気になりました。
 問題は予算の根拠
 新国立競技場の問題にも矛盾を感じました。日本人は真面目な民族と言われます。もしそうが本当であるならば、なぜ予算が増えたり減ったり、あんないい加減なことをしているのか。
 日本は、2018年に平昌五輪開催を控えている韓国の競技場建設の遅延や財政難を批判しています。これでは中国のパクリ同様、もう他人のことは言えなくなってしまいました。
 新国立建設で問題なのは、予算の根拠を十分に示していないことです。
 予算が多いか少ないかは、中身を見ないと分かりません。ところが、マスタープランをはじめ、中身の詳細、海外よりなぜ高いかなどの根拠を示さず、3,000億円だ、2,000億円だと数字を弄んでいる。
 いまの時代は情報開示が基本です。根拠となるデータを出さないと、議論が今回のようにおかしな方向に行ってしまいます。
 『もっと低い予算でやれ』との批判がありますが、それも考えものです。
 文化財修理の世界では、入札制度によって過剰な価格競争が起き、請負金額が著しく下げられ、文化財修理の品質が落ちてしまっている問題があります。
 『安ければ安いほどいい』というのは、アメリカ的な考えです。
 ……
 医療費や社会保障費を負担しているヨーロッパの国々で、この考え方は通りません。
 ……
 日本は、アメリカ型で行くのか、あるいはヨーロッパ型で行くのか、この新国立の問題で決断を迫られているのではないでしょうか(むろん、私はアメリカ型は日本には相応しくないと思います)。
 集団的自衛権の暴論
 話を戻すと、日本人の議論には根拠が足りないことが多い。集団的自衛権の議論にしてもそうです。
 集団的自衛権行使反対の人たちは、安保法制によって『戦争法案だ』『徴兵制につながる』と言い募ります。
 私の母国であるイギリスは集団的自衛権を認めていますが、徴兵制はなく、集団的自衛権の塊でさえ、徴兵制はない。つまり、反対派の言い分には根拠がないのです。
 しかし反対派は、『集団的自衛権=徴兵制』と騒ぎ立てる。暴論としか言いよがありません。
 もしこれがイギリスの議会であれば、『徴兵制が復活する』と批判する民主党をはじめとする野党は、徹底的に突っ込まれています。
 本を正せば、そもそも旧国立競技場を取り壊してまで、新国立を建てる必要があったのか。
 ……
 現在は高度経済成長の時に比べて海外の人間との交流の機会が激減したためか、日本人のグローバル感覚がどんどん失われている気がします。
 最終的に、新国立の問題は下村博文文科相が責任を取る形になりました。日本人はよく責任問題を取り上げますが、不正を働いたなど明らかに問題がある場合は別にして、私はこの責任問題というのが好きではありません。なぜなら、建設的ではないからです。
 本来は、その組織のどこにどういう問題があって、どのように改善するかという議論のほうが大事なはずです。組織の問題点を改善することこそが、『本当の責任を果たす』ということなのではないでしょうか。
 責任問題を追求する余裕があるならば、もっと別のところにエネルギーを注いだほうがいいように思います。
 改善を妨げる人々
 私は、この五輪騒動の背景には日本人の抱える二つの大きなが問題あると見ています
 一つは、最近、みな下ばかり向いて大きな志をたえてない、ベストを尽くさないことです。
 今回の問題で言えば、世界をあっと言わせるようなデザインのエンブレム、競技場をつくるのが最大の目的だったはずですが、日本の議論を見ていると妥協の繰り返しで、まったくベストを尽くしていない。
 『こちらのほうが現実だから』と妥協することは、イギリスで『mabe by committee』(委員会仕事)と言われ、最悪の仕事とされています。
 私がかかわってる観光についてもそうです。
 ……
 突貫工事はさせない!
 もう一つの日本人の抱える問題は、『実行力の低下』です。
 その証拠に、いつまで経っても新国立の建設は始まらず、ほかの施設の建設についても雲行きが怪しくなってきています。
 ……
 現在の五輪の運営をみていると、バブル以前のような素晴らしい、力強い英断ができておらず、曖昧なまま進められてしまっている印象を受けます。五輪は世界を巻き込んだイベントです。日本人のなあなあ文化は内輪では通じるかもしれませんが、世界には一切通用しないことを知るべきです。
 このままでは、日本は中国、韓国と同じくらい、いい加減な国だと世界に思われかねません。先述しましたが、私は長年、日本に住み、日本人の真面目さ、クリエイティビティの高さを知っています。
 これ以上、日本の信用を損なわせないためにも、日本人の生産性を高めるためにも、一刻も早く、問題を改善、検証をしていただきたいと思います」
   ・   ・   ・   
 日本が無能な怠慢で劣化するとアメリカ化ではなく中国化するのが歴史的地理的心情的定めである。
 日本は、幕末以来、坂の上に聳えていた欧米列強の豊かさに憧れ、西欧列強の様になる為に最新知識と最先端科学技術を謙虚に学び、寝食を忘れて働いた。
 その結果、見える実体としての「メイド・イン・ジャパン」を生みだし、信用を勝ち取った。
 それが、1980年代までの日本であった。
 それ以降の日本は、自業自得的に、怠惰となり堕落し衰退していった。
 坂の上に登り切って視界が開けるや、憧れていた欧米列強が自分と変わらない欧米諸国と知るや安心と共に意欲をなくし、目標を失って哀れな貧者となった。
 江戸の外国語を知らない日本人庶民は、世界に類例のない独自の文化と芸術を生み出し、粋に、いなせに、そして、雅に、あでやかに、日々の生活を楽しんでいた。
 1980年代以降の日本人市民は、世界が驚くような、文化も芸術も、メイド・イン・ジャパンと称する斬新な新製品を生み出さなくなった。
 敢えて誇れると言えば、アニメなどのオタク文化と寿司やラーメンなどの消滅の危機にある和食文化ぐらいに過ぎない。
 日本の高速道路は、サンフランシスコ地震で壊れた高速道路より頑丈だと自慢したら、阪神・淡路大震災で呆気なく倒壊した。
 日本の原子力発電所は、チェルノブイリ原発より安全でと自慢したら、東日本大震災原発事故を起こした。
 日本の政治は二流でも経済は一流と自慢していたら、東芝やその他の国際的日本企業のお粗末な経営実態が次から次ぐと明らかになって、高学歴の経営者が頭を下げて陳謝している。
 日本の建造物は、ソウルの百貨店のように倒壊はしないと太鼓判を押したら、基礎の杭打ちに改竄が相次いで発見された。
 現代日本は、以前の日本とは異質な日本に生まれ変わってしまっている。
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 10月25日 産経ニュース「【横浜マンション傾斜】学校など公共施設は前倒し公表 石井国交相「13日待たず発表する」「データ不正改竄は想定せず」
 傾斜が判明した横浜市都筑区のマンション
 横浜市都筑区のマンションが傾いている問題で、石井啓一国土交通相は25日に出演した民放番組で、「原因究明をしっかりした上で、建築基準法上の検査、報告のあり方を含めて検証していきたい」と述べた。
 今回の問題で行われたデータ改竄(かいざん)は、建築基準法に基づく着工前、中間、完了後の段階別審査をいずれもすり抜け、見抜かれることはなかった。石井氏は番組の中で「くい打ちについては施工後にデータを検査することになっている。まさかデータを不正に改竄するなんて想定しておらず、巧妙に偽装されると見抜きにくい」と指摘した。
 国交省旭化成側に対し、旭化成建材が過去約10年間に携わったくい打ち施工現場についての調査結果を11月13日までに報告するよう求めている。しかし、石井氏は番組後に報道陣の取材に対し、データを改竄した現場管理者が関与した41件のほか、学校、病院などの公共施設について「13日をまたずに、まとまり次第発表したい」と述べた。
 責任の所在については、「三井不動産レジデンシャルは売り主として、三井住友建設は元請けとして、旭化成建材は実際に施工した者として、それぞれの役割分担に応じて責任がある」とし、中請け業者を含めた全ての企業に責任があるとの考えを示した。」
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 12月21日 産経ニュース「厚労省、化血研に立ち入り検査 ボツリヌス毒素無断運搬で
 血液製剤やワクチンの国内メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)が、強い毒性を持つボツリヌス毒素を都道府県公安委員会への届け出をせずに運搬していた問題で、厚生労働省は21日、感染症法に基づき、化血研へ立ち入り検査を行った。管理状況や運搬の記録を調査したうえで、行政指導を行う見通し。
 化血研などによると、平成19年10?12月と今年10月の計4回、感染症法で運搬には事前の届け出が必要となる0・1ミリグラムを超えるボツリヌス毒素を、県内の事業所から別の事業所に運んだ。化血研ではボツリヌス毒素を中和する抗毒素を製造しており、担当者が運搬量の確認を怠っていたという。
 化血研をめぐっては、昭和49年以降、国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していたことも明らかになっており、同省は業務改善命令など、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく行政処分を行う方針を固めている。」
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 2016年1月13日 産経ニュース「廃棄ビーフカツが流通 壱番屋、不正転売と説明
 産業廃棄物処理業者が不正に転売した壱番屋ビーフカツ
 カレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)は13日、異物が混入したため廃棄した「ビーフカツ」が流通していたと発表した。処理を依頼した産業廃棄物処理業者が不正に転売したと説明している。
 壱番屋によると、産廃業者は「ダイコー」(愛知県稲沢市)。問題のビーフカツは昨年9月、愛知県内の工場で製造した。その際に最大8ミリの樹脂製部品が混入した可能性があるとして、同年10月に約4万枚をダイコーに引き渡した。」
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 2月5日号 週刊朝日「劣化するニッポン 格安が招く悲劇
 旅行、食品、保育、医療・・・
 安価な深夜ツアーバスが死亡事故を起こし、捨てられるはずのココイチカツが安売りされて消費者の口に入る。
 消費者はついつい安さを喜び、業界は価格競争に疲弊する。
 格安社会の行き着く先に何が待っているのか。
 ……
 バス運転手の待遇が悪化した背景に、2000年の規制緩和がある。かつて2,336社(1990年度)だった貸し切りバス会社は、2倍近い4,512社(13年度)にまで膨れ上がった。規制緩和以降、黒字路線をめがけて新規バス会社が参入。赤字路線の採算を黒字路線の収益で賄っていたバス会社は、経営が困難になってきた。既存のバス会社は、赤字路線だけを集めて子会社を設立。その子会社の赤字を黒字にするために、人件費を削り、安全にかかるコストを減らす。そして、新規参入業者に追随して運賃を下げる──。今回の事故では国のバスツアー運賃下限額約27万円に対し、バス会社は19万円で請け負っていた。
 運転手の6人に1人が60歳以上と高齢化も進む。運賃の値下げ競争に歯止めをかけて運転手の労働環境を改善しない限り、また同じことを繰り返すだけだ。
 格安競争で品質の劣化が止まらないのは、食品業界も同じだ。1月13日には、カレーチェーン『CoCo一番屋』の冷凍ビーフカレー約4万枚が不正転売されていたことが発覚。異物混入のおそれがあるため廃棄される商品が廃棄物処理業者『ダイコー』(愛知県稲沢市)によって横流しされ、愛知県内などのスーパーで一般客に売られていた。
 ……
 なぜ、このようなことが起こるのか、農産物流通コンサルタントで『激安食品の落とし穴』の著書がある山本謙治氏は、こう指摘する。
 『日本は食品の品質管理が厳しく、食品ロスが年間500万?800万トンあります。異物が混入した商品は論外ですが、賞味期限間近の商品が格安スーパーなどに出回ることは日常的にあり、結果的にそれが通常商品の値下げ圧力にもつながっています』
 たとえば、10年ほど前まで3パック120円前後で売られていた納豆は、今では60円を切ることも珍しくない。納豆業界関係者は、『納豆は客寄せのために激安特売の対象になることが多い。スーパーなどの小売店から価格を下げろと言われると、断れない』
 〝イジメ〟とも思えるビジネスも横行している。
 『ある納豆メーカーは、大手スーパーの要請でPB(プライベートブランド)商品の製造を始めました。PB商品は単価が安くて利益が薄くても、大量の数の安定生産が見込めたからです。ですが、いざ製造を始めるとスーパーから「もっと価格を下げてほしい。できないなら、他のメーカーに変える」と言われた。取引をやめれば売り上げが大幅に下がり、工場もストップする。そのため泣く泣く値下げに応じたそうです。なかには倒産したメーカーもある』(納豆メーカー関係者)
 価格の低下で品質が劣化
 納豆以外でも、豆腐や卵、ソーセージなども価格競争に苦しんでいる。豆腐製造業の元関係者は、『カナダ産の大豆を国産と偽っていた』と話す。価格の低下が、品質の劣化を招いていたのだ。前出の山本氏は言う。
 『結局、小売店が業者に値下げ圧力をかけるのは消費者が安い商品を求めるから。企業努力にも限界があり、価格を下げれば品質も下がる。それを防ぐには、消費者が食べ物の最低価格を知り、極端に安い食品は「おかしい」と思わないといけない』
 保育の現場でも価格競争は進んでいる。
 ……
 医療、美容業界でも格安商品がある。例えば、視力を回復させるレーシック手術。安全を保つための入念な精密検査や設備を要するため、大病院ならば40万?50万円かあるが、ある大手クリニックは現在7万円という格安価格をうたう。
 ……
 教え子のゼミ生4人を今回のバス事故で失った、法政大学教授の尾木直樹さん(69)は、NHKの番組でぶちまけた。
 『怒りです。自分への怒りでもあるし、うちらの国、おかしくなっているよと』」
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 『利益最優先』主義が引き起こした悪夢  森永卓郎
 今、日本人のモラルがとてつもなく低下している。人間としてやってはいけないことの区別さえつかなくなっていると思います。日本人の価値観の最上位に『お金』が君臨している。『お金さえ稼げばそれで良い』『稼いだもの勝ち』という考えが蔓延しているのではないでしょうか。社会主義市場経済という『拝金主義』を貫く中国が典型的な例ですが、日本もほとんど大差がなくなってきているように感じます。
 今回起こったバス事故も、廃棄食品の横流し問題も、明確に定められたルールを無視した行動です。利益より安全性が優先されるべきというルール以前の共通認識すら機能しなかった。これはつまり、ルールを厳罰化したところで解決する類いの話ではないのです。
 いつからそんなふうになったかと考えると、私は2005年のライブドア事件がターニングポイントだったのではないか思っています。あの事件によって『捕まりさせしなければ、何をやっても良い』という姿勢があらわになり、社会問題になるほど大きな波紋を呼びました。
 今回の事故を起こしたバス会社や廃棄物処理業者も、本心では『見つかっちゃったか。ヘマしちゃったな』程度にしか思っていないんじゃかと思います。
 『だって、お金を稼ぐには仕方のないことでしょ?みんなやっていることでしょ?』と、本心では開き直っているかもしれない。残念ながら、それが今の日本社会のリアルな姿です。
 会社が利益を追求するのは当然のことですが、従業員や消費者、地域社会を軽視することは間違っている。この根本的なことを社会が議論し尽くさなかったツケが今、回ってきているんじゃないかと思います。
 そんなふうにすっかりおかしくなってしまった日本を、安倍政権の弱肉強食政策がさらに追い打ちをかけて加速させています。アベノミクスによって、ごく一部の人にとてつもない所得が集中していて、格差がさらに拡大している。非正規労働者が2,000万人を超す中、7割が年収200万円に届かないことがわかって波紋を呼んだばかりですが、格差が広がり続ける歪んだ社会構造が顕著になってきています。
 問題なのは、それが表面化していないこと、安倍政権が掲げる『一億総活躍』なんて、戦時中の『進め一億火の玉だ』のスローガンと何ら差がないでしょう。『成長』と『競争』、そして『利益』が最重視される社会構造に拍車がかかっている。利益最優先を追求するがゆえに、立て続けに象徴的な事件が発生しているというのに、これは本当に危機的な状況です。
 解決策がすぐに見つかる問題ではありませんが、本質的には『モラルを取り戻す』こと以外に対策はないと思う。少なくとも、『価値観の最上位=お金』という社会ではいけない。社会全体が、いかに危機感をもって金銭至上主義からの脱却に取り組めるか。今まさに問われているのではないでしょうか」
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 2016年2月25日 産経ニュース「相次ぐ食の産地偽装 一部業者の不正でブランドに…
 鶏肉の産地偽装発覚で謝罪する「都ジャパン」の久後勝巳社長。食の安心に対する消費者の信頼を裏切った=京都市南区
 鶏肉やワカメなど食品の産地偽装が相次いでいる。食品表示は、消費者にとって商品を選ぶための大事な目安。一部の業者の不正のために、業界全体に疑いの目が向けられかねない。ブランドをどう守ればいいのか、販売業者や支援する自治体にとっては頭の痛い問題だ。(平沢裕子)
 ◆10年前から偽装続く
 「注文に対して何とかまかないたかった」。食肉加工会社、都ジャパン(京都市南区)が、九州で飼育された安価な食肉用若鶏(ブロイラー)を鳥取県産の自社ブランド「大山都どり」と偽装して出荷していたことが発覚し、17日に会見した久後勝巳社長は偽装の動機をそう説明した。
 同社によると、産地偽装は約10年前から行われ、大山都どりとして販売した肉のうち4?5割の産地を偽装していた。敷地内の別会社の工場で、宮崎県産や鹿児島県産のブロイラーなどを「大山都どり」と記載されたポリ袋に詰め替え、出荷していた。京都府警は不正競争防止法違反の疑いで捜査している。
 そもそも大山都どりは、鳥取県で飼育されている銘柄鶏「大山どり」とは異なる。偽装発覚後、「大山どり」を飼育、加工販売する大山どり(鳥取県米子市)は「当社とはいっさい関係ない」とする見解をホームページで発表。同社広報担当の尾崎正秀さんは「多くの鶏肉業者は真面目に仕事をしているのに、一部の業者が不正をすることで業界全体が疑われてしまう」と憤る。
 ◆抜き打ち検査で発覚
 昨年11月と今年1月には徳島県で、中国や韓国など外国産のワカメを「鳴門産」として販売していた2業者による偽装が相次いで発覚した。
 鳴門産は、三陸産と並ぶ国産ワカメの2大ブランドの一つで、平成26年の同県の出荷量は6820トン。産地偽装は、商品の抜き打ち検査などをする同県の「食品表示Gメン」の調査で判明した。市販のワカメに含まれる成分を調べ、産地を科学的に分析。「鳴門産」と表示されていたワカメの中に、中国産や韓国産のものが含まれていた。
 鳴門産の産地偽装は以前から繰り返されている。地元加工業者は20年、再発防止のために「鳴門わかめブランド対策部会」を設置、対策に乗り出していた。しかし、1月に偽装が発覚した業者の専務は同部会の会長を務めており、業界内の自浄作用は機能していなかった。同部会は今月10日、解散に追い込まれている。
 ◆分かりにくい違い
 ウナギやコメ、有機野菜…。さまざまな食品で偽装が行われてきた。農林水産省食品表示・規格監視室長として食品表示Gメンの指揮官を務めていた「食の安全・安心財団」の中村啓一事務局長は、「一般論だが、食べても違いがそれほど分からず、価格差が大きいものほど偽装が起こりやすい」と指摘する。
 例えば、ウナギは中国産と国産で3倍以上の差があるものも珍しくない。また、国内で流通するワカメは8割が中国や韓国で養殖されたものだが、日本が養殖技術を指導していたこともあり、国産と遜色のない商品も少なくないという。中村事務局長は「産地偽装は外部からは分かりにくく、摘発は難しい」と指摘する。
 徳島県は鳴門産ワカメのブランドを守ろうと26年、トレーサビリティー(加工履歴管理)を備えた加工業者を県が認定する認証制度を開始。制度の信頼性を高めるため昨年4月には、仕入れ関係の書類など記録の保存を条例で義務付けた。同県は制度の活用を呼びかけていたが、摘発された業者は認証制度を利用していなかった。
 同県安全監視課は「不正は一部の業者によるもので、真面目に加工に取り組んでいる業者は多い」としたうえで、「加工履歴を厳しくチェックし、ごまかしができない体制を整えている。認証シールを信用して鳴門産を買ってほしい」と呼びかけている。」
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 2016年3月17日 週刊文春「出る杭は伸ばせ! 辻野晃一?のビジネス進化論
 リーダー受難の時代に
 ……
 優先社長三代に渡る粉飾決算問題で揺れる東芝も、以前は経団連会長を務めた石坂泰三氏や土光敏光氏といって偉大な経営者を輩出した。土光氏は我欲を越え、会社だけでなく社会全体を見通す経営を貫き、私生活では清貧を通した。そんな東芝ほどの名門でも、今や、『会社のため』を大義と勘違いして、悪びれずに部下に不正を強要するような人達がリーダーの座に就く会社になり果てた。東芝が発覚して頭を下げる経営者の光景は日常にすらなっている。
 中長期より短期を
 一方で思うのは、今は『リーダー受難の時代』ということだ。会社経営では、欧米流のコーポレートガバナンスが否応なしに適応され、短期的な成績ばかりが求められる。中長期の視野があっても、世間はその成果を待ってはくれない。サラリーマン経営者が増え、在任中の成績を優先してそつなく立ち回ろうとする傾向もやむなしという状況だ。
 『日本人にかえれ』の著作もある出光佐三氏は、出光興産の最高にあたり、玉音放送の直後に『愚痴を止めよ』と全社員に告げた。敗戦国の分際で、大国イギリスや石油メジャーの圧力に屈することなくイランにタンカーを差し向けた『日章丸事件』は、石油の自由貿易再開を勝ち取り、日本人が誇りと自信を取り戻すきっかけにもなった。あえて火中の栗を拾ったその行為は、リーダーかくあるべしとの教えでもある」


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欠陥住宅事件 ここが危ない! 事例と教訓

欠陥住宅事件 ここが危ない! 事例と教訓

欠陥住宅被害救済の手引

欠陥住宅被害救済の手引

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 民事法研究会
  • 発売日: 2008/12/01
  • メディア: 単行本

⚡38】─3─社会主義の日本病が日本社会・経済を蝕み衰退させている。 ~No.169 * 

 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 社会主義経済政策は、人口爆発にともなう戦後復興・高度経済成長・バブル経済までは成功したが、人口激減が始まったバブル経済崩壊以降では失敗の連続であった。
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 2017年9月29日号 週刊朝日「虎穴に入らずんばフジマキに聞け 藤巻健史
 中央銀行マンの矜持はいずこに?
 ……
 当コラムで以前、日本の労働配分率の低さは終身雇用のせいではないか?と書いた。
 安倍首相が賃上げをいくら求めても、経営者が人材喪失のリスクを感じないと、賃上げのインセンティブが働かない。終身雇用で不況期でも従業員を解雇しにくければ、固定費化しやすい人件費をなるべく上げたくない。好況期であっても、不況期に備えようとするのは無理もないだろう。
 人材獲得の競争が激しい新卒採用市場は、初任給がそれなりに上がった。労働市場が競争的ならば、賃金は上昇する。日本人は終身雇用という安定と引き換えに、高収入をギブアップしている気がしてならない。
 政府は次の国会の目玉として、『働き方改革』を挙げている。ただ、所得税の累進カーブの修正、終身雇用と年功序列制の廃止を盛り込まないと、抜本的改革など無理なのだ。
 米企業では、労働者全員が明日にでも解雇される恐れがあり、全員が非正規とも言える。望まない転勤を強いる企業はない。同一労働は同一賃金だ。
 成果をあげれば、十分な報酬を出す。そうしないと従業員はみな辞め、操業停止に追い込まれるからだ。そうなれば株価も落ちる。
 転職市場が発達していれば、退職は怖くない。労働需要は日本全体で一定のはずなだから、1人辞めれば1人の需要が生まれる。経済を活性化させて失業率をゼロ近くにしておくことが、政府の大切な仕事になる。
 ところで、私が日銀OBと話をすると、黒田東彦総裁の異次元の量的緩和に、みな非難ごうごうだ。しかし、現役職員はこうした批判の声をあげられない。心の中で『まずい』と思っても、声を出せないのだろう。中央銀行の矜持はいずこにと思ってしまうが、これも終身雇用制の弊害なのかもしれない。
 クビを切られたり、閑職に追いやられたり、定年後の仕事の斡旋がなければ、生活のめどうを失う、転職市場が米国ほど発達していない日本では、非常に怖い話だろう。終身雇用制が、国の基幹政策さえも誤らせているのかもしれない。
 官僚が政治家にペコペコし、企業が監督官庁に弱く、政治家が有権者に弱いのも、仕事を失うのが怖いからだろう。次の仕事が簡単に見つかるなら、辞める自由が出る。言いたいこと、正しいと信じることを自由に言うのだが」
   ・   ・   ・   
 10月13日 週刊朝日藤巻健史
 英国病から日本病に、危機感乏しい日本人
 私が英国に赴任した1982年、経済が低迷し『英国病』て真っ盛りだった。英国とアルゼンチンが争ったフォークランド紛争の勃発直後。『アルゼンチンに爆撃されたら、地下鉄に逃げ込め』と脅しのような励ましを受けながら赴任したことを覚えている。
 当時、地下鉄は動く灰皿だったうえ、ストでしょっちゅう止まり、公衆電話の7割は壊れており、ごみ収集車が動かずに街がくさかった。『英国病』とはまさにこういうことか。妙に感心したのを覚えている。
   ★   ★   
 先日、『THE INTERNATIONAL ECONOMY』という雑誌が送られてきた。世界的に権威ある経済誌だ。
 各国の元財務相、元中央銀行総裁、元銀行頭取やチーフエコノミストハーバード大、ロンドン大など著名大学教授ら、そうそうたる論客が寄稿している。2017年夏号の特集は『Japan Disease(日本病)』だった。
 かつて『英国病』と揶揄(やゆ)された英国に代わり、世界は今や日本経済を『日本病』と名付けているのだ。世界から、当時の英国病並みの状況とみられているのかと思うと、あまりにも情けない。
 『デフレから脱却できない国』などという生やさしい分析ではない。
 世界がこれほどまでに『日本経済に問題あり』と考えているのを、日本人は知っているのだろうか?
 世界の投資家はそんな国の株式には投資しない。デイトレーダー以外、そんな国の通貨を『比較的安全な通貨』などとは思わない。世の中、『昨年より景気がよくなった』『アベノミクスでよくなった・悪くなった』と議論しているが、そんな次元の話ではないのだ。
 財政出動と金融緩和を極限まで出動しても、日本の名目GDP(国内総生産)はこの30年間でわずか1.5倍にしかなっていない。米国は4.1倍、英国は4.9倍、韓国は17.8倍、中国は何と75倍にも増えているのに。
 この事実にこそ目を向けて原因を分析し、改革しなければならない。小手先ではなく根本的な改革だ。それが政治家の務めだろう。
 ただ、送られてきた雑誌に記されていた原因分析や解決策は、表面的でしかないと思った。他国の学者やアナリストは、日本人からの聞きかじりの話をたいそうな論文に仕上げる。モルガン銀行時代によく経験したが、あの時と同じだ。
 私にも寄稿依頼が来ていたのだが、都議選の応援で忙しく、英語原稿を書く余裕がなかったのが残念だ。
 私は、30年間の日本経済の低迷は『日本が世界最大の社会主義国』だったから、と考えている。
 行きすぎた格差是正で結果の平等を求め、相変わらず規制が多く、世界に冠たる国民皆保険を自慢している大きな政府の国なのだ。その結果が『国力に比べて強すぎる円のレベル』にもつながっている。
 それが私の分析で、改善しないと日本の未来はない。日本国内では、『資本主義は終わった』などという主張をよく聞くが、そうではない。『日本は社会主義だった』から、ダメになった。資本主義を積極的にとり入れた中国はこの30年間で、名目GDPを75倍にもしている」
   ・   ・   ・   
 10月20日号 週刊朝日藤巻健史
 急増する訪日外国人、その意味することは・・・
 ……
   ★   ★   
 豪州政府関係者によると、今度赴任した駐日大使は元政治家だそうだ 元政治家は米国・英国・日本の3ヵ国にしかおらず、日本重視の証拠とのことる。
 ……
 今や豪州を訪れる日本人よりも、訪日する豪州の旅行者のほうが多いそうだ。少し意外だったが、『訪日旅行者が増えたのは、日本への旅行が安くなったと感じるからではないか』という。
 私は『円が強すぎる』が持論。豪州人にとって日本旅行は高すぎるはずだ。1987年に、1豪ドル=約101円、現在は約89円だから円は強くなり、豪ドルが弱くなった。
訪日旅行が安くなった感じるとは到底思えない。おかしい。
 議論していてわかったのは『豪州の1人あたり名目GDP(国内総生産)は、30年前に日本の約65%。ところが今や1.5倍近くに上昇した』ことだ。30年前と比べ、豪州の名目GDPは7.4倍に膨らんだのに、日本はわずか1.5倍。一人あたりで逆転したのも確かに当然だ。
 一人あたり名目GDPが上がれば、一人ひとりの生活レベルが上昇したことになる。所得水準もそれ相応に上がったはずだ。生活がより豊かになった豪州人からすると、多少の円高豪ドル安になっても、日本旅行が安く感じられるのだろう。
 80年、1人民元を購入するには160円も必要だった。今や16円ぽっちで買える。中国側からみると、通貨がこんなに安くなれば海外旅行がべらぼうに高くなり、できなくなるはずだ。でも、日本中にこれほどまでに中国人旅行客があふれるのはなぜか?
 大幅な人民元安のおかげで、中国の名目GDPが30年間で75倍になったからだ。通貨が10分の1に減価しても
 7.5倍の豊かな生活ができる。何度もこのコラムで指摘した点だが、豪州旅行者が増えたのもそれと同じ理屈なのだ。
 そう考えると、訪日旅行客が増えたのもそれと同じ理屈なのだ。
 日本は『日本病』にかかり、生活水準が相対的に落ち込んでいる。ゆえに、訪日旅行が安く感じられるようになっていたら、情けない。『生活レベルに差があるがゆえにすべてが安い』との理由で、かつて日本人が大挙してアジアに旅行していたのと、事態が逆転しつつあるのだ。
 名目GDPを伸ばす必要がある。そのためには、社会主義からの脱却をはかることと円高是正が急務だ」
   ・   ・   ・   
 10月19日号 週刊文春「それでも社長になりたいあなたへ 宋文洲
 『働き方改革』の本当の意味とは何なのか。
 もう少し日本の人事習慣について話を続けます。
 『終身雇用』に代表される日本の人事習慣は企業や経済だけでなく、社会や家族関係に対しても、間違いなく悪影響を与えています。何度も言うように、経営者には米国や中国並みの高収入を与え、結果が出なかったらすぐ辞めてもらう。そちらの方が企業にとっても大変有益なのだ。
 数年前、日本を代表する某ハイテク企業の役員に役員室を案内してもらったことがあります。名誉会長に挨拶しに行ったのですが、部屋の電気は点いておらず真っ暗でした。だだっ広い部屋の奥で、名誉会長本人は豆電球を点け、読書していました。
 『なぜ部屋の電気を点けないんですか』と私が聞くと、『馬鹿野郎、もったいないだろう』と一喝されました。
 いやいや驚きました。電気代どころか、部屋に専用車、祕書、そして報酬。社員何人分の費用がかかっているのか。そして何よりも彼の存在によって改革できず、企業がどれほど損失を被っているのか。この名誉会長がそうした事に目を向けることはまずないでしょう。さらに恐ろしい事は、
 会長、社長も名誉会長の座を狙っていたことです。
 直接的な費用について言っているわけではありません。高齢の経営者が居座ることで、その間、企業は確実に死んでいく。ならば2倍の年収を払って65歳以上の役員を退社させた方が、その企業は何兆円も得をする可能性があります。
 大企業の場合、社員がいくら頑張ろうとも、企業の方向性が時代に合わなければ淘汰される。経営上最も重要なのは、企業の方向性を定めるための経営者の能力を発揮することです。
 これと同様に、会社内の仲間意識も経営上の無駄でしかありません。社会のニーズに合わない事業を解体し、人材を別の事業や企業へ振り分けることは企業にとっても社会にとっても正しいことです。しかし『うちの会社で働けて、社員は幸せでしょう』と真顔で口にする経営者も少なくない。
 経営者と同様、社員に対しても高い給料を支払い、業績が悪ければ、すぐ辞めてもらうシステムをつくるべきだと思います。こういう議論になると『成果主義は日本に向かない』と主張する人が多いのですが、確かに日本人サラリーマンには意識改革が必要です。
 多くの日本人サラリーマンは会社や上司に対し、家族のように処遇されること期待する。高度成長期の名残かもしれません。しかし以前、お話ししたように、経営者は娼婦のような気持ちで、顧客、株主に尽くすべきですし、サラリーマンは社長や上司の使用人という意識が必要です。
 アマチュアではなくプロ意識を持てということです。そうしないと会社に座っているだけの社員が増え、折角の『人材』がただの『人在』になっていく。
 この延長線上にあるのが企業トップの『人在』です。それが高齢化していくと、改革を阻害する『人罪』になっていくのです。こうした『人罪』が『社員を家族のように考え、会社を我が家のようにとらえる』のです。
 地位に恋々とせず、会社組織にしがみ付かず、ビジネス上の結果を出すことで報酬を得る。その報酬を生かし、会社の外で家族や友人と人生を楽しむ。
 こうした生き方を目指す若いサラリーマンが増えれば、本当の意味での『働き方改革』が実現すると思うのです」
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 有能人材を抱え込む為の終身雇用・年功序列・毎年給料昇給という経営モデルは、人口爆発期では有効であるが、人口激減期では無効である。
 バブル経済までのビジネスモデルや成功モデルは、人口爆発期の経済モデル為に人口激減期には通用しない。
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 長期経済停滞期であった江戸時代では、終身雇用・年功序列・毎年給料昇給は存在せず、自己責任と自己努力で、一切の社会や生活の保障がなく、生きるのも死ぬのも個人の完全なる自由であった。
 江戸時代は、如何なる甘えも許されない能力主義実力主義が大原則であった。
 江戸時代の社会とは、誰も助けてくれない為に、生きたければ、金持ちになれたければ、自分の才覚で実現するしかない苛酷な社会であった。
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 現実の日本社会には「甘え」などは存在しない。
 「甘え」は人間が作る夢想して恣意的に作る幻である以上、「甘え」が支配する現代の日本は自然環境ではなく人工環境である。
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 人口爆発期では好景気で働き口は全国各地にあった為に、正社員にならず非正規として全国を渡り歩き、好きな仕事・やりたい仕事・自分に合った仕事を選びながら気ままに転職できた。
 人口激減期では、それができない。
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 将来、会社を背負って立つ優秀な人間は、毎年採用する新卒社員数百人どころか数年か十数年の採用者の中に一人いるかどうかである。
 そのたった一人の金星を逃がさない為に、そこそこの人材や有象無象の社員と共に終身雇用・年功序列・毎年給料昇給で縛り囲い込んでいた。
 なぜなら、それ程の優秀な人材は、大会社に頼る事なく独立してベンチャー起業しても成功できるからである。
 真の企業エリートとは、そうした人間の事で、試験で高得点を取る高学歴者ではない。
 現場の名人級技術者・技能者や創造性豊かな研究者・開発部員でも同様である。
 日本式終身雇用・年功序列・毎年給料昇給そして義理人情の浪花節的家族主義は、そこそこの人材や有象無象の社員を守るのではなく、会社を背負って企業エリート一人の為に存在していた。
 会社は、全ての社員を面倒を見てくれる有り難い保護組織・互助会ではない。
 自分は有能な人材で自分の存在が会社の業績を上げていると自惚れる無能者が増え蔓延ると、日本式終身雇用・年功序列・毎年給料昇給は有害となって会社を衰退させ、最悪倒産か良くて外国資本への身売りとなる。
 それが、バブル経済崩壊後の日本の姿である。
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 本当に得難い人材とは、会社に連綿と為ず、その気になれば会社を辞めて独立してベンチャー起業し成功するものである。
 残念ながら、そうした人材は、欧米諸国に比べて日本ではほんの僅かで貴重な人材である。
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自治労の正体 (扶桑社新書)

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現代民主主義の病理 戦後日本をどう見るか (NHKブックス)

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🍘8〗─2─2019年の台風19号被害と八ツ場ダム建設問題。〜No.23No.24No.25 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 コンクリートから人へ。
 無駄な箱モノから実益な生活用品に。
   ・   ・   ・   
 限られた予算を有効に使う為に「100年に1回の災害対策よりも今の問題解決に使うべき」、という政策が災害を拡大させた。
   ・   ・   ・   
 最初に襲い来る災害は天災だが、次に襲い来る災害は人災である。
   ・   ・   ・   
 想像力が乏しい政治家や官僚・役人の無作為のせいで、被害は拡大し、夥しい犠牲者が出る。
 政治家は、選挙の票にならない事や政治献金が得られない事には関心も興味もない。
 官僚・役人は、退職後の天下り先に役に立たなければ動く気はない。
 つまり、無駄な事はやりたくないのが本音である。
   ・   ・   ・   
 2019年10月16日 産経新聞「「八ツ場ダムで民主党批判はナンセンス」 立民幹事長が反発
 台風19号の影響で、濁った水がほぼ満杯近くまでたまった八ツ場ダム=群馬県
 立憲民主党福山哲郎幹事長は16日、台風19号に伴う利根川の氾濫防止に寄与した八ツ場ダム(群馬県)の建設工事を一時、凍結した旧民主党政権を自民党が批判したことについて「台風対応に懸命に取り組まなければいけないのに、批判すること自身がナンセンスだ」と反発した。国会内で記者団に語った。
 福山氏は「後から鬼の首とったような議論をするのは今の段階で適切だとは思わない」とも話した。同時に「頻繁に災害が起こる中で何が一番、国民負担が少なく、安心・安全な国土形成ができるのかという議論をすべきだ」と強調した。 自民は参院予算委で、松山政司元科学技術担当相が八ツ場ダムについて「(旧民主党政権が掲げた)『コンクリートから人へ』というかけ声のもとで、紆余(うよ)曲折を経てきた」などと述べた。
 また、安倍晋三首相は「財政負担は何世代にもわたって対応しないといけないが、同時に後世の人たちの命を救うことにもなる。そういう緊張感の中、正しい判断をしていくことが大切だ」と話した。」
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 産経新聞iRONNA
 関連テーマ
 台風大国、日本を蝕む「緊縮汚染」
 過去最強クラスの台風19号は、河川氾濫や堤防決壊など東日本に甚大な被害をもたらした。こうした中、群馬県の八ツ場ダムが本格運用を前に「フル稼働」したことで、民主党政権下の建設凍結問題も話題に上った。「台風大国」日本で国民の命と財産を守るために防ぐべきものは、あの時から広がる「緊縮汚染」だ。
 台風19号、八ツ場ダムが教えてくれた深刻すぎる「緊縮汚染」
 『田中秀臣』 2019/10/16
 田中秀臣上武大学ビジネス情報学部教授)
 東日本を縦断し、記録的な暴風や大雨をもたらした台風19号は各地に深刻な爪痕を残した。被害の全貌がいまだにはっきりしないが、死者・行方不明者が多数に上り、多くの方々の生活の場が奪われ、ライフラインも切断されてしまっている。
 今回、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたい。そして、一刻も早い復旧・復興を願っています。
 筆者の勤め先である上武大は群馬県内の二つのキャンパスからなるが、それぞれが利根川水系の河川のそばに位置している。特に伊勢崎キャンパスでは、13日の夕方にすぐそばを流れる利根川本流が氾濫危険水位を超える可能性があったため、伊勢崎市から避難勧告が出された。
 幸いにして氾濫しなかったが、周辺に住む多くの学生たちや、普段から見知った地域の方々を思うと気が気ではなかった。その利根川といえば、今回の台風で、同水系の上流、吾妻(あがつま)川にある八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)が注目を浴びた。
 八ツ場ダムは、今月1日に来年の運用開始を見据えて、貯水試験を始めたばかりだった。本来であれば、水をためてダムの安全性を確認する「試験湛水(たんすい)」を進め、3~4カ月かけて満杯になる予定だったが、今回の台風の影響で水位が1日で54メートルも上昇し、満水時まで10メートルほどに迫った。
 関係者によれば、今回の台風に関しては、八ツ場ダムに一定の治水上の効果があったという。八ツ場ダムが利根川流域の氾濫を事実上救ったといってもおおげさではないかもしれない。
 八ツ場ダムといえば、民主党政権下で政治的な理由から建設中止が発表されたことがある。さらに地域住民も賛成派と反対派に分かれたことで、問題は深刻化した。
 今回の台風被害を契機に、インターネットを中心として、民主党政権時代の「脱ダム」や、スーパー堤防(高規格堤防)の事業廃止(後に限定的に復活)などの記憶が掘り起こされ、旧民主党出身の国会議員らが批判を浴びている。
 それは率直にいって妥当の評価だろう。旧民主党政権は、デフレ不況の続く中でそれを放置する一方で、財務省の主導する公共事業削減などの政府支出カットにあまりにも傾斜しすぎた。国民の生活や安全を忘れた愚策だといってもよいだろう。
 ただ、当時の民主党政権の「脱ダム」に象徴される公共インフラ削減に対しては、国民世論の強い後押しもあったことは指摘しておきたい。政権発足直後、民主党の緊縮政策=デフレ政策で日本経済が危機を迎える、と筆者があるラジオ番組で発言したところ、後で番組に空前の抗議が起きたという。
 事実、筆者のツイッターもまさに「民主党政権信者」たちの抗議で炎上した。当時、筆者の意見を後押しする人はほとんどいなかったことは、自分の記憶に今でも鮮明に残っている。世論がこれから賢明であることを伏してお願いしたい。
 去年、テレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』に出演したとき「日本の防災」をテーマに議論を交わしたことがあった。その際、同じく出演していた治水の専門家、土屋信行氏から著書『首都水没』(文春新書)を頂いた。
 本書では、八ツ場ダムの建設中止が、利根川水系荒川水系の洪水調節方式を崩壊させる愚の骨頂であると指摘されている。洪水調節については、利根川も荒川も上流に「ダム群」、中流に「遊水地群」、そして下流に「放水路」か「堤防補強」で対応している。
 八ツ場ダムは上記のように、利根川水系の上流ダム群の一つであり、民主党政権が掲げた「コンクリートから人へ」のスローガンは、この洪水調節方式を破綻させる行為だった、と土屋氏は著作で記している。
 今回の台風でもそうだが、最近の大規模な自然災害でよく分かることは、「コンクリートから人へ」のような政治スローガンに踊らされることなく、どのような防災インフラが必要なのか、それを真剣に考えることの大切さである。
 国民の命と財産を守るためには、コンクリートも何でも必要ならば排除すべきではないのだ。単純で極端な二元論は最低の議論と化してしまう。
 最低で極端な議論といえば、民主党政権下で行われた、スーパー堤防(高規格堤防)廃止に至る「事業仕分け」の議事録を今回読んだが、その典型だった。また、日本に巣くう「本当の悪」が誰なのか、今さらながら再確認できた。
 その議事録によると、財務省主計局の主計官がコストカットを求めたことに対して、国会議員や有識者、国交官僚といった他の委員が「忖度(そんたく)」をしていたことがうかがえる。もっと言及すれば、出席した財務官僚が納得しなければならない、という「財務省中心主義」が見えるのである。
 つまりは、みんな財務省の顔色をうかがっているのだ。これでは、主権者が国民ではなく、一官僚であるかのようだ。
 このコストカットありきの姿勢、今でいう「財政緊縮主義」こそが、財務省の絶対的な信条であり、そのため、今回の河川氾濫でも明らかなように、防災インフラの虚弱性をもたらしている権化である。まさに「人殺し省庁」といっても過言ではない。
 その信条が、今日も仕事の一環で国民の生命を危機に直面させているのだ。まさに恐怖すべき、軽蔑すべき官僚集団である。
 さらに財務省の緊縮主義は、日本のマスコミを歪(ゆが)んだ形で汚染している。今回の台風を受けて、日本経済新聞の1面に掲載された論説記事が話題になった。
 書かれていることは、公共工事の積み増しの抑制と自助努力の要請である。今の日本では、防災インフラの長期的整備の必要性が高まっていても慎むべきだ、というのは非合理的すぎる。
 例えば、費用便益分析を単純に適用しても、今の日本の長期金利がかなりの低水準で推移していることがポイントとなる。つまり、国債を発行して、長期の世代にまたがって防災インフラを整備するコストが低い状況にあるのだ。
 むしろ、国土を永久的に保つ必要性からいえば、永久国債を発行しての資金調達もすべきだろう。日経の上記の論説はこのような点からかけ離れていて、まさに緊縮主義の行き着く先を示してもいる。
 そこで、長期的な経済停滞を防ぐために「国土強靱(きょうじん)省」のような省庁や、オランダなどで先行例のある国土強靭ファンドを新設すれば、国民の多くは長期の財政支出が続くことを期待して、デフレ停滞に陥るリスクを「恒常的」に予防する。この恒常的な防災インフラ投資が、金融緩和の継続とともに、日本の経済停滞を回避するための絶好の両輪になるだろう。
 もちろん、このような規模の大きい財政政策には既得権益が発生し、国民の資産を掠(かす)める官僚組織や業界団体が巣くう可能性は否定できない。また、それらを完全に排除できると考えるのも楽観的すぎる。
 それでも、このような国民の「寄生虫」たちを一定レベルに抑制した上で、長期的な防災インフラの整備を進めることは、国民にとって大きな利益をもたらすことは疑いない。これこそ政治とわれわれ国民が立ち向かう価値あるチャレンジではないだろうか。
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 10月1717:36日 産経新聞スーパー堤防、ダム全部作ればいい」 岡田元副総理が与党批判
 無所属の岡田克也元副総理は17日午後、台風19号に伴う利根川の氾濫防止に寄与した八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設工事を一時、凍結した旧民主党政権を自民党が批判したことについて「的外れだ」と述べ、不快感を示した。国会内で記者団の質問に答えた。
 同時に「1つの事例を捉えて大規模ダムの建設を正当化するのは当たらない。それならば、すべてスーパー堤防にして、全部ダムを作ればいい」とも語った。岡田氏は旧民主党政権時代に外相や党幹事長などの要職を歴任した。
 自民党は16日の参院予算委員会で、松山政司元科学技術担当相が八ツ場ダムについて「(旧民主党政権が掲げた)『コンクリートから人へ』というかけ声のもとで、紆余(うよ)曲折を経てきた」などと指摘した。
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 10月17日18:47 msnニュース KYODO 共同通信社台風19号、特定非常災害に指定 首相表明、被災者救済へ特例措置
 © KYODONEWS 避難所を訪問後、宮城県丸森町で記者の質問に答える安倍首相=17日午後
 政府は17日、広範囲で甚大な被害を出した台風19号を「特定非常災害」に指定する方針を決めた。復旧作業の長期化が見込まれることから、被災により、さまざまな行政手続きができなくなった人を特例措置で救済する。運転免許証の有効期間延長や、破産手続きの一時留保などが想定される。阪神大震災東日本大震災などに続き6例目。安倍晋三首相が視察先の宮城県丸森町で記者団に「被災者の人権を守り、生活再建に向けた動きをしっかりと後押しする」と述べた。
 台風19号を巡って政府は、自治体の復旧事業に対する国庫補助率を引き上げる「激甚災害」に指定する方針だ。」
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 10月18日 産経新聞「「八ツ場」に野党ピリピリ 神経質に反論、“反省”の言葉なし
 立憲民主党福山哲郎幹事長
 旧民主党出身の議員が「八ツ場(やんば)」との言葉に神経質になっている。政権時代に「無駄な公共事業」として建設凍結に動いた八ツ場ダム(群馬県)が台風19号で一定の治水効果を発揮したとされるためだ。しかし、かつての当事者から「反省」の言葉は聞こえず、むしろ批判に反論する発言が目立っている。
 八ツ場ダムをめぐっては、自民党旧民主党政権が掲げたキャッチフレーズに引っかけ「『コンクリートから人へ』とのかけ声のもとで、紆余(うよ)曲折を経てきた」(松山政司元科学技術担当相)などと野党を攻撃している。
 これに対し、菅直人政権の官房副長官だった立憲民主党福山哲郎幹事長は16日、記者団に「台風対応に懸命に取り組まなければいけないのに、批判すること自体がナンセンスだ」と反論した。一方、建設を一時中断した判断そのものへの言及は避けた。
 副総理や外相などを歴任した岡田克也衆院議員は17日の記者会見で「1つの事例を捉えて大規模ダムの建設を正当化するのは当たらない。それならば、すべてスーパー堤防にして、全部ダムを作ればいい」と反発。建設中止を決定した当時の首相で、政界を引退した鳩山由紀夫氏も18日のツイッターで、八ツ場ダムの効果を主張する声に「事実ではない」などと反論した。
 折しも旧民主党勢力を中心とした野党統一会派の結成直後だけに、「過去の亡霊」の払拭に必死のようだ。」
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⚡38】─2─危機感が乏しい日本経営者達。日本企業の時価総額ランキングは低下している。~No.154No.155No.156 * 

現代日本企業の競争力―日本的経営の行方

現代日本企業の競争力―日本的経営の行方

  • 作者:林 正樹
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: 単行本
   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2017年9月8日号 週刊ポスト「『ビジネス新大陸』の歩き方 大前研一
 ジャングルで勝ち抜く戦闘力をつけろ
 第584回 経済同友会アベノミクス批判は『犬の遠吠え』である
 ……
 夏季セミナーを開いたのは東京都議選自民党が惨敗した後であり、〝安倍一強〟に陰りが見えた時期に、俄(にわ)かに批判するのは『犬の遠吠え』でしかないと思う。
 松下・盛田と比ぶべくもない
 もはやそんな『遠吠え』をしている場合ではないことは、世界の現実を注視していれば、嫌でもわかる。
 前号では、中国・深?(しんせん)における新興ビジネスの隆盛ぶりを紹介し、その一方で日本が世界の潮流から取り残されつつあると指摘した。新聞などは、中国の通信機器メーカー・ファーウェイ(華為技術)の日本進出で日本の技術と人材が取り込まれるとか、東芝半導体事業売却で技術が盗まれるとか報じているが、その認識も大間違いだ。すでに多くの技術や人材は海外に流出してしまっている。
 さらに、世界の企業の時価総額ランキングは、1位アップル、2位アルファベット(グーグルの持ち株会社)、3位マイクロソフト、4位アマゾン、6位バークシャー・ハサウェイアメリカ勢が上位を独占している。そして7位が中国eコマース最大手のアリババ、8位が中国NSN最大手のテンセントだ(両社の順位は8月に入れ替わった)。日本企業はトヨタ自動車の45位が最高である。
 業界別の世界ランキングでも、日本企業の低迷は明らかだ。たとえば、製薬会社は経済同友会の前代表幹事だった長谷川閑史さんの武田薬品工業が売上高で18位、化学メーカーは現在の経済同友会代表幹事の小林さんが会長を務める三菱ケミカルが同9位、海運会社は前述した武藤会長の商船三井がコンテナ船積載量で11位で、後はランキング下位に沈んでいる。
 1980年代?90年代前半に世界で大活躍した日本企業が、なぜここまで落ちぶれてしまったのか?国内競争から世界競争に移っていった業界の変化の中で、経営者たちが惰眠を貪っていたとしか思えない。経団連経済同友会は、この20年間で国際競争から脱落した企業の集合体だが、それでも彼らがトップでいられるのは、日本の業界や会社が甘いからである。
 ……もっと日本企業や日本経済の現状に危機感を持たねばならない。
 前述したように、アベノミクスはセオリーそのものが間違っているお粗末な経済政策であることはスタートした時からわかっていたわけだが、経済同友会は政権におもねり、批判の矛先も鈍かった。しかし、世界的なスコープで今の日本が置かれているポジションを見れば、企業も地域も復活・反転している例はほとんどない。中央集権が強すぎて、花咲く場所がないのである。アベノミクスはその権化なのだから、経済同友会はもっと早くその間違いを指摘して財界として正論を提言すべきだった。
 パナソニック創業者の松下幸之助さんやソニー創業者の盛田昭夫さんら、かつての財界リーダーたちは、時の政権に厳しい提言を正面切って突き付けていた。それの比べたら、今の経団連は論外であり、経済同友会も〝学芸会レベル〟だ。
 財界は政府に対し、さっさと中央集権から道州制による真の地方自治に移行しろとか、東京や大阪などで世界に冠たる街づくりをしろとか、世界競争に晒された業界では国内しか見ない独占禁止法を廃止しろとか、もっと21世紀の日本の大きな問題についてストレ?トに提言すべきである。そうしなければ、日本企業は熾烈な国際競争の中で枕を並べて討ち死に、ということになりかねない」
   ・   ・   ・   
 日本は、食糧・資源・エネルギーをアメリカの支配地もしくは影響下地から大量に輸入し、金融・サービス・輸送そして安全をアメリカに依存している。
   ・   ・   ・   
 人口爆発で成功したビジネス・モデルを新宗教の教義のように信仰し、ビジネス・モデルの手法を律法・戒律のように墨守しようとしてる日本企業には、人口激減を生き残る価値はない。
   ・   ・   ・   
 人口爆発期は、内需として国内競争で生きられた。
 人口激減期は、外需として国際競争力で生きるしかない。
   ・   ・   ・   
 日本は中国より優秀である、日本人は中国人よりも世界で愛されている、それは幻影に過ぎない。
 日本は日本人が信じたいと強く思っている程には、優秀でもないし、愛されてもいない。
   ・   ・   ・   
 現代日本人は、痴呆老人のように昔の豊かだった日本を夢見て、絶対に不可能なのに当時の生活を続けようとしている。
   ・   ・   ・   
 世界市場で、メイド・イン・ジャパンの日本製品は昔ほど売れてはいない。
   ・   ・   ・   
 日本企業の国際競争力は低下の一途を辿っている。
 日本の大学には国際社会で活躍できる人材を育成する教育力が衰えている。
 語学能力が今よりも遙かに弱かった昔の方が、日本企業は国際競争力は旺盛であったし、大学卒業者は国際社会で活躍していた。
   ・   ・   ・   

   ・   ・   ・   
検証 日本の「失われた20年」

検証 日本の「失われた20年」