🦋6〗─10・B─独身女性のおひとりさま老後はキャリアウーマンからマイペースへ。1970年代。~No.27 

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 2024年3月23日 LIMO | くらしとお金の経済メディア「結局「おひとりさま」は社会的弱者なのか…ロールモデルの不在に苦しむ独身女性の歩き方
 西田 梨紗
 未婚者が暮らしやすい社会になりつつも、未だ残る「結婚」のしがらみ
 結局「おひとりさま」は社会的弱者なのか…ロールモデルの不在に苦しむ独身女性の歩き方
 © LIMO | くらしとお金の経済メディア
 現代社会では、女性が男性と対等に働けることに一応はなっています。
 実際のところ、男性以上に仕事に注力する女性やハードワークをこなす女性も珍しくありません。
 女性の未婚率が高まり、子どもを望まない女性が増えたのは「女性の社会進出」や「女性の選択肢が増えた」からだという意見が多々あります。
 しかし、現代社会では以下のような悩みを抱える女性も多くいることを見落としてはなりません。
 「キャリアウーマンでもないし、仕事にやりがいもない。かといって、恋人もいない」
 「不安定な雇用形態で将来が不安。でも、結婚願望もそんなにない」
 当然のことながら、未婚女性のすべてが仕事を生きがいにしているわけでも、高い収入を得ているわけでもありません。
 むしろ、将来に不安を抱えている人や、経済的に不安定な人が現代社会におけるおひとりさま女性の過半数を占めていると考えられます。
 本記事では、おひとりさま女性に対してつくられてきたイメージや、おひとりさま女性の現状について見ていきましょう。
 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
 2000年代はじめ頃からつくられた「未婚女性=キャリアウーマン」のイメージ
 「おひとりさま」という言葉を世に広めたのは岩下久美子さんといわれます。
 岩下さんはいわゆるキャリアウーマンであり、精神的にも経済的にも自立した女性でした。
 彼女は青山学院大学の法学部を卒業し、おひとりさま向上委員会を主宰した他、現代社会におけるコミュニケーションの問題を追及し、ストーカー研究にも多大なる貢献をするなど、さまざまな実績があります。
 さらに『おひとりさま』(2001)のほか『ヴァーチャルLOVE』(1999)を出版するなど、著述家としても精力的に活動していました。
 彼女の著作『おひとりさま』では、おひとりさまとは「個」の確立ができた大人の女性であることが前提となっています。
 本著において経済的なゆとりのあるおひとりさまがイメージされていることは明らかで、バーやホテルステイといったきらびやかで、お金がかかるような娯楽の楽しみ方が伝授されています。
 また、テレビやスクリーンなどでは、天海祐希さんがおひとりさまのイメージを形成するのに一役買っているといえるでしょう。2008年に放送された『Around40 〜注文の多いオンナたち〜』(TBS系列)では優秀な精神科医の女性を演じています。
 彼女の趣味は旅館でひとりまったり過ごすこと。このような趣味が成り立つのも医師としての安定的、かつ高収入があることが前提になります。
 2012年に放送された『結婚しない』(フジテレビ系列)で天海さんはガーデンデザイナーの独身女性を演じました。彼女は上司からの信頼も厚く、マンションを40歳代前半にして購入できるほど経済的に自立した女性です。
 天海さんがドラマで演じている「おひとりさま」は、岩下久美子さん著『おひとりさま』がターゲットとしている読者層にもあてはまっているといえるでしょう。
 平成一桁生まれの女性たちは現在、筆者も含めて「結婚適齢期」ともいえる年齢になっています。
 中高生の頃こうしたドラマが放送されたことでドラマと現実は違うと分かりつつも、おひとりさまに対して「キャリアウーマン」をどこかでイメージしがちです。
 未婚者が生きやすい世の中になってきているとはいえ、現状の自分と作品で描かれてきたおひとりさまのイメージの乖離にあせりや不安を感じる人も少なくありません。
 現代社会のおひとりさま女性は「キャリアウーマン」よりも「マイペース」が多いのか?
 実際の社会において「おひとりさま=経済的に自立した女性」というわけではありません。
 それどころか、恋愛に対する関心が低い女性の方が恋愛に積極的な女性よりも仕事にもどこか消極的という傾向もあるのです。
 日本労働組合総連合会は「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」を実施。対象者は非正規雇用で働く女性(20歳〜59歳の女性1000名の有効サンプルを集計)です。
 本調査では初職の雇用形態別に配偶者(事実婚・同性パートナーを含む)の有無についても明らかになっています。
 【図表1】配偶者の有無と初職の雇用形態の関係性
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 【図表1】では初職の雇用形態が「正規雇用」の人の方が配偶者が「いる」割合が高くなっています。
 非正規雇用など比較的不安定とされる職に就いている女性の方が、配偶者がいる=結婚しているというイメージもありますが、実情は異なるようです。
 自ら「非正規雇用」を選んだおひとりさま女性
 さらに興味深いのは、非正規雇用で働いている配偶者のいない人の多くが自ら望み、こうした働き方を選択していることです。
 【図表2】世帯形態別・今の就業形態を選んだ理由(複数回答)
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 【図表2】によると、配偶者が「いない」人たちからもっとも多くの回答を集めたのは 「ある程度 労働時間・労働日を選べるから」が36.8%と最多でした。次いで、「通勤時間が短いから」を選んだ人が多いという結果に。
 一方、「正社員・正規職員として働けるところがなかったから」と回答した人の割合は16.6%となっています。
 もちろん、職を選べず仕方なく選んだ人もいるでしょう。しかし、なかには別の理由をもって非正規雇用を選択した人もいるのかもしれません。
 おひとりさまの貯蓄額は既婚者よりも少ない傾向に
 続いて、金融広報中央委員会の調査から40歳代における単身世帯と2人以上の世帯の金融資産保有額を見ていきましょう。
 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」では、40歳代・おひとりさま世帯の金融資産保有額は以下のようになっています。
 【図表3】40歳代・単身世帯の金融資産保有額【一覧表】
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・金融資産非保有:40.4%
・100万円未満:11.1%
・100~200万円未満:5.2%
・200~300万円未満:4.0%
・300~400万円未満:3.7%
・400~500万円未満:2.5%
・500~700万円未満:4.6%
・700~1000万円未満:7.7%
・1000~1500万円未満:6.2%
・1500~2000万円未満:2.2%
・2000~3000万円未満:4.3%
・3000万円以上:4.3%
 あわせて、二人以上の世帯の貯蓄額を見ていきましょう。
 【図表4】40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額【一覧表】
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・金融資産非保有:26.8%
・100万円未満:9.6%
・100~200万円未満:8.9%
・200~300万円未満:4.9%
・300~400万円未満:5.7%
・400~500万円未満:3.8%
・500~700万円未満:7.4%
・700~1000万円未満:5.6%
・1000~1500万円未満:7.4%
・1500~2000万円未満:3.5%
・2000~3000万円未満:5.3%
・3000万円以上:6.5%
 【図表3】と【図表4】を比べてみると、単身世帯よりも二人以上の世帯の金融資産保有額が高いことが明らかです。
 おひとりさまの方が経済的に厳しい傾向にあるといえるでしょう。
 社会的に認められてきたおひとりさま、社会の変化をキャッチして
現代社会ではおひとりさま女性にとってのロールモデルは少ないといえます。
 「結婚」という選択はせず、仕事を楽しみ年齢を美しく重ねている女性もいます。
 とはいえ、ほとんどのおひとりさまにとって自分の生活や状況と彼女たちを重ねることは難しいでしょう。
 たとえば、テレビで活躍する未婚を選んだ女性から老後についての話題が出ることもあります。
 しかし、マンションを買って隣同士で住む……といったプランを実現できる人は一部に限られており、“普通の”おひとりさまにとって現実的ではありません。
 また、現在の結婚適齢期の世代やその少し下の世代は、親や祖父母は結婚が当たり前という価値観の中で結婚適齢期をすごした人たち。
 このため、親や祖父母を手本にしたり、親族からアドバイスをもらったりするのも難しいでしょう。
 今後はますますおひとりさまが増えると言われているものの、単身世帯の高齢者を対象とした制度や入院時の対応などはまだまだ整っていません。
 年金の受給も十分に見込めないおひとりさまの「よりどころ」も限られているといえます。
 「結婚しない」という生き方を社会的に肯定するといった感情論だけではなく、彼らが生きやすいような仕組みを整えていくことも求められています。
参考資料
岩下久美子「おひとりさま」
・『結婚しない』(フジテレビ系列)
・『Around40 〜注文の多いオンナたち〜』(TBS系列)
日本労働組合総連合会「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
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 ウィキペディア
 キャリアウーマン(女性長期賃金労働者)とは、専門的な職務遂行能力を生かして長期に仕事に就く女性の呼称である。専門分野で就労する女性を呼ぶこともある。
 長期に渡り、企業における管理職志向が強い女性に対して使用された言葉であり、社長夫人が取締役に名を連ねたような、勤務実態の無い形では使用されなかった。1970年代頃からよく使われるようになった言葉であるが、女性がキャリアを持つことを特別視する言葉でもあるため、現在ではあまり使われなくなった。
 概要
 日本の企業は従来より、女性従業員に対しコピーやお茶汲みなどの雑務を任せるなど、女性の仕事は寿退社(結婚による退職)までの花嫁修業と考えられていたが、1980年代に男女雇用機会均等法が制定され、女性に対する労働上の差別をなくすための法改正が行われた。それ以降、さらなるキャリアアップを望み有能な成績を持つ女性が多く職場社会で長期に雇用されている。オフィスでの事務作業だけでなく、自動車整備士や鉄道運転士など、これまで女性の就労例が少なかった現業職に女性が就くことが増えている。
 かつては企業などで男性より優秀な実績を上げている女性が、女性という理由だけで昇進できないという時代もあった。しかし現代では男女平等化の促進により、各々の実績に応じて性別に関わらず管理職にも起用しようという流れがある。むしろ近年では同等の実績をあげている者の場合、女性を優先させるという動きが強い。
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