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2022年5月14日17:16 産経新聞「G7農相会合 ウクライナ支援や食料安全保障を議論、低自給率の日本は対応急務
G7農相会合に出席した武部新・農水副大臣(中央)ら各国代表=13日、ドイツ・シュツットガルト(共同)
13日からドイツ南部シュツットガルトで開かれている先進7カ国(G7)農相会合は14日、ロシアに侵攻されたウクライナの穀物生産や輸出支援、世界の食料安全保障などについて議論。ウクライナのソルスキー農業食料相も招待され、支援を求めた。会合は同日、共同声明を採択して閉幕する。
日本から出席した武部新農林水産副大臣は、ウクライナ政府に食料物資を届けたことを紹介。米国の不作にウクライナ侵攻の影響も重なり、日本では政府が輸入小麦を製粉会社に売り渡す際の価格が4月から17・3%も引き上げられるなど、穀物価格の高騰にも触れ「この状態が長く続くと、価格だけでなく量の危機に陥る可能性がある」と対応の必要性を訴えた。
ウクライナでは、ロシアによる海上封鎖で黒海沿岸の港湾施設が使えず、輸出が停滞している。ソルスキー氏は会合で、ロシアが穀物を略奪しているとも明らかにした。
声明では、各国がウクライナと連帯し、食料の安定供給支援に努めるなどの内容を採択するとみられる。G7は3月にも臨時農相会合を開き、ロシアを強く批判する声明を採択し、ウクライナへの食料生産支援などで一致している。
ただ、最近のG7の声明では紛争下での食料安全保障への危機や懸念を共有することなどにとどまっており、具体的な対策までは踏み込んでいない。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「食料備蓄システムの構築など、食糧危機にひんする新興国に対して実効性ある具体的な取り組みまで議論しなければ、会合開催の意味がない」と批判する。
さらに、G7で著しく食料自給率が低く、周囲を海に囲まれた島国である日本の場合、食料安全保障上の課題は大きいという。山下氏は「中国の台湾侵攻により重要な海上交通路(シーレーン)が使えなくなることも想定した食料安全保障対策が急務だ」と指摘。その上で、「農地を増やし、日本の主食であるコメの生産量を拡大するなどの有事の備えが必要」と警鐘を鳴らす。(西村利也)」
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