🐟16〗─1─国際的巨大種子企業の遺伝子組み換え種子と農薬で収穫した農作物による日本産加工食品。モンサント。~No.68No.69No.70 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 化学技術によっ作られた遺伝子組み換え種子は、農業における輝かしいイノベーションである。
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 国際的巨大種子企業は、日本農業を支配し、日本の食卓を植民地化している。
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 日本人消費者は、安全性が確保され、安定的に店頭に山積みされるのであれば、無理して高値の国産農産物より安心して安値の外国産農産物を買う。
 都市住民は、生活苦から税制優遇されている日本農家に対する反発は強く、日本人農業後継者がいなければ外国人農業移民を受け入れて日本農業を任せるべきだと考えている。
 重要なのは、家族が農作物を食べられる事である。
 安心して食べられるのであれば、生産地が国内であろうと海外であろうと関係ないし、日本人農民が作ろうが外国人農業移民が作ろうがどちらでもよいのである。
 安く買って、安心して食べる、それだけの事である。 
 守るべきは、日本農業であって日本人農家ではない。
 変わり者の日本人青年のみが、日本農業を続けようとしている。
 いずれにしても、日本農業人口は激減し、農家に嫁に来る日本人女性はほんの僅かに過ぎない。
 日本農業は、衰退産業で、消滅産業に近い。
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 2016年10月2日 サンデー毎日「幸せな老後への一歩 荻原博子
 規格外、直売所、市民農園・・・
 野菜高騰に負けない食卓を!
 台風の影響で、野菜が高騰しています。
 特にタマネギは、全国の生産量1位の北海道が台風に襲われ、2位の佐賀県も『べと病』で不作になるという状況で、通常の2倍の価格になるものも出てきています。また、ニンジン、ジャガイモ、インゲン、カボチャなど、ご家庭になくてはならない食材も高騰していて、食卓は今や大ピンチ!
 けれど、『規格外野菜』。昔ながらの曲がったキュウリやデコボコなトマト、虫食いカボチャなど、市場に出回らない野菜。こうした野菜は、農協などでも引き取ってくれないために『規格外野菜』として捨てられてしまうケースも。でも、それって、もったいない!
 実は、日本の食卓は、いまや外国資本に牛耳られています。同じ大きさの虫食いがない野菜は、従来の日本の種ではつくのが難しく、交配種(F1種)を海外から買っています。代表的なのがアメリカのモンサント社。この会社は、今や遺伝子組み換え作物の種の世界シェア9割という巨大企業。こうしたところが、世界の種市場をほぼ独占しています。
 しかも交配種は、種を取って次の年に撒くということができない一代限りの種なので、毎年買わなくてはならない。確かに生育が早く収穫量も多いのですが、こうした種は、農薬・化学肥料もセットで買わなくてはならず、農家は高い種代と農薬代を払っています。
 こうした種を使わなくてはいけない責任の一端は、消費者にもあります。曲がったキュウリよりも真っ直ぐで均一な大きさのキュウリを求めると、どうしてもこうした種でないとできない。
 農家がつくった野菜の3〜4割は、不揃いなどの理由で出荷できない『規格外野菜』だと言われていますが、こうした野菜は、農家も収穫しないので、そのまま放置され、畑の肥やしなどになる。もし、こうした野菜でも、おいしく調理して食べる消費者が増えれば、農家も助かるし、家計も助かるはずなのですが。
 ……」 
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 2016年10月23日号 サンデー毎日「TPPの罠 激変!遺伝子組み換え作物の現実  
 年1,600万トン トウモロコシ、大豆、菜種・・・大量輸入が加速する!」
 青沼陽一郎
 ……
 AP通信によると、いまでは全米の食品の75〜80%に遺伝子組み換え作物が使用されている。その米国からも、TPPによってこれまで以上に食品が流入しやすくなる。
 そこで、TPPにも関連して遺伝子組み換え作物について考えてみたい。
 そもそも、遺伝子組み換え作物とはどのようなものなのだろうか。
 世界における2015年の遺伝子組み換え作物の栽培面積は1億7,970万ヘクタールになる。これは日本の国土の約4.8倍に相当する。
 そのうちもっとも多いのが大豆であり、その次がトウモロコシだ。
 大豆においては、世界の栽培面積1億1,100万ヘクタールのうち、9,070万ヘクタール、すなわち82%が遺伝子組み換えで占められる。旧来種はわずか18%にすぎないの実情だ。
 その遺伝子組み換え大豆でもっとも多いのが『除草剤耐久型』と呼ばれる種類のものだ。
 その昔から農作物において除草作業はたいへんだった。畑に生える雑草を抜かないと、十分な作物が育たない。除草剤を撒こうにも、栽培作物にかかってしまうと、それもいっしょに枯れてしまう。栽培作物を避けて脇にかける必要がある。とても面倒で労力のかかる作業だ。
 そこへ除草剤『ラウンドアップ』(グリホサート剤)を製造販売していた米国の化学メーカー『モンサント』が、遺伝子組み換え技術によって、ラウンドアップをかけても枯れない大豆を開発し、いまからちょうど20年前の1996年から、米国で本格的な栽培がはじまった。これが食糧供給に参入していく最初となる。
 害虫抵抗型トウモロコシも登場
 遺伝子組み換え技術とは、細胞核にある二重配列構造のDNAに、その生体にはない他の特性を生み出す遺伝子を持ってきて、『ぶち込む』作業のことだ。
 例えば、ある病気に強い植物から、その効果を生み出す遺伝子を特定して切り出す。その遺伝子をトマトに『ぶち込む』ことによって、病気に強いトマトを発生させる。
 これはいわゆる『かけあわせ』『交雑』とは違う。こちらは単純に言えば、異種どうしの〝ハーフ〟を生み出すことによって品種改良を進めていく。
 除草剤でも枯れない耐久性のある大豆。これを作付けすれば、広大な畑に一斉に除草剤を撒いても大豆だけが枯れない。労働負担、作業コストが激減し、大農場であれば人件費も削れる。
 大豆の次ぎに普及が進むのが遺伝子組み換えトウモロコシだ。占有率は世界のトウモロコシの30%にすぎないが、総栽培面積1億8,400万ヘクタールのうち、5,520万ヘクタールを占めている。それだけで日本の国土面積の約1.46倍に相当する。
 トウモロコシは『害虫抵抗型』が主流だ。
 トウモロコシには、実に茎を食い荒らす虫が付く。駆除のためには、殺虫剤を散布する必要がある。
 そこで遺伝子組み換えによって、害虫を殺してしまうタンパク質を自ら生成するトウモロコシを開発した。つまり、このトウモロコシを食べた虫は、たちまちコロリ!と死んでしまう。作物が自ら害虫に抵抗して防除する。
 そのため、殺虫剤を散布する必要がなくなる。農薬を購入する費用がかからず、散布の手間はもとより、散布のためにトラクターを動かすこともない。燃料代が浮く。二酸化炭素排出の低減にもなる。環境に優しい農業が実現でき、害虫被害を受けないから安定した収量が確保できる。農家にとっては、収益の向上につながる画期的な発明だ。
 日本では作付けの実績はないが、実は日本人はそんな遺伝子組み換え作物を大量に消費している。
 例えば、大豆の国内自給率はわずか7%しかなく、あとの93%は輸入に頼っている。このうち輸入量の64.4%を米国に依存し、次ぎにブラジルの20.0%、カナダの13.8%と続く。その米国では、大豆の栽培面積の93%が遺伝子組み換え品種なのだ。
 同様にトウモロコシ。こちらは国内生産は1%にも満たず、ほぼ100%を輸入に依存している。そのうち74.7%が米国からの輸入。トウモロコシの米国の作付面積の88%が遺伝子組み換え品種である。
 また、国内生産0%の綿の場合だと、総輸入量の94.3%がオーストラリアからの輸入だが、同国では100%が同じ性質を持つ遺伝子組み換え品種だ。
 菜種は約241万トンを輸入しているが、このうち96.8%を占める輸入相手国のカナダでは、作付けの98%が遺伝子組み換え品種で占められている。
 これを2012年の日本の総輸入量の実績でみると、トウモロコシ輸入の1,437万トンのうち1,147万トン(79.8%)、大豆は269万トンのうち224万トン(90.7%)が、菜種は241万トンのうち229万トン(95.0%)がそれぞれ遺伝子組み換え品種となり、合わせると1,600万トンを超える。
 大量に国内に流入する遺伝子組み換え作物については、品種ごとに国が安全審査を行っている。現在、食品306品種、添加物24品目について、安全審査手続きが終了し、これらを国内で食材として使用してもいいことになっている。
 『未使用』表示には『5%ルール』
 東北地方のある酪農家は、
 『虫が囓(かじ)ったらコロッと死んでしまうようなトウモロコシを牛に与えて、本当に安全なのかわからない』
 そう語って、ずっと以前から遺伝子組み換えでない穀物を与えていたが、その確保も難しく、コストが高くつくのが現実だ。
 無論、飼料も国の許可を得たものに限られているが、遺伝子組み換え作物を食べた牛、豚、鶏の肉、あるいは卵や乳製品を間接的に摂取していることになる。
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 表示義務付ける連邦法が7月成立
 米国から日本に大量に輸入され、世界中で生産が拡大している遺伝子組み換え作物。日本では抵抗感を覚える消費者も少なくない。
 そうした中で、米国でも遺伝子組み換え食品を見直す動きが出てきている。
 バーモント州では、食品に遺伝子組み換え表示を義務付ける州法が成立し、今年の7月から施行されている。これに複数の州が倣う傾向にあった。
 そこに反発したのが食品メーカーだった。州によってパッケージを変える必要が出てくると、手間もコストもかかることになる。
 そこで、足並みを揃えるため、業界団体が中心になって、あえて米国全土で表示を義務付ける連邦法の成立を働きかけたのだ。
 ……
 表示義務をどこまでの食品に求めるのか、これも不確定要素になっているのだが、
 『食用油まで入れるという話もでています。だが、そこまで現実的に実行できるのか、そこが問題です』(同)
 食用油までとなれば、現在の日本の表示義務より厳しくなり、醤油や菓子、即席麺にも表示が必要になる。
 そうなると、TPPによって米国が自国と同様に表示義務の厳格化を日本に求めることも考えられる。
 ならば、原産地表示はもとより、遺伝子組み換え表示義務を、いまこそ国内で検討すべきではないだろうか。年間1,600万トンが輸入される遺伝子組み換え作物は、TPPによってさらに輸入加速が見込まれる。」
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 人類の歴史は、人口の増加と食糧生産の増量である。
 人口の増加が先で食糧生産の増量が後か、食糧生産の増量が先で人口の増加が後かは分からない、が。
 消費の人口と供給の農産物が、バランスを保っていれば社会は安定し、どちらかに偏重
すると社会は不安定となる。
 消費の人口が多ければインフレで、供給の農産物が多いとデフレとなる。
 インフレは克服し易いが、デフレは克服しずらい。
 世界大恐慌は、農業のイノベーションで生産量が急増して消費の人口が増えなかった事が遠因となって発生した。
 人類の総人口が100億人に向けて人口爆発で続いている現在、100億人を食わせるだけの食糧を確保する為に農業イノベーションとしての遺伝子組み換えは避けては通れないのが現実である。
 今そこに迫りつつある深刻な食糧クライシスに対処する有効な方法でる遺伝子組み換え作物を、好き嫌い言っていられない。
 食糧生産を脅かしているもう一つの深刻な問題は、地球温暖化による耕作可能地の現象と農業生産輸出国の工業生産国への方向転換にともなう農地破壊である。
 地球上いおける耕作地の消失に伴う農作物生産量の減少を補う為には、単位面積での生産量を増やす農業のイノベーション遺伝子組み換え作物は必要である。
 地球温暖化で最も心配されるのが、食糧となる農産物生産量を直撃する事である。
 北極のシロクマも絶滅ではなく、人類の生存である。
 貧富の格差とは、食料確保の格差である。
 富裕層は、健康を気を付けて、高価で安全な国内産の食料を少量だけ食べる。
 貧民層は、健康を考慮するゆとりはなく、安価で危険な外国産の食料を大量に食べる。
 が。遺伝子組み換え作物は、将来、人類を襲う食糧危機を救う切り札となるが、人体に悪影響を及ぼす危険性も心配される諸刃の剣である事も事実である。
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 大規模農家で、人件費や燃料費を下げ、農作業の単純化と簡素化するには、遺伝子組み換え作物を栽培し、大量の農薬を使用するしかない。
 日本の農政が、零細・中小農家を統廃合して大規模農家に発展させると言う事は、遺伝子組み換え作物と農薬を本格的に導入すると言う事である。
 外国人農業労働移民を増やし消滅した日本人農家を与えた時、農作業は神道的自然保護の日本農業から合理的自然破壊の大陸農業に切り替わり、やはり、収量増大を目的として遺伝子組み換え作物と農薬が使われる事になる。
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 ウィキペディア
 モンサント社は、アメリカのミズーリ州 クレーブクールに本社を持つ多国籍バイオ化学メーカー。
 2005年の売上高は62億ドル、2008年の売上高は110億ドル、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%。研究費などでロックフェラー財団の援助を受けている。
また自社製の除草剤ラウンドアップに耐性をもつ遺伝子組み換え作物をセットで開発、販売している。バイオ化学メーカーとして世界屈指の規模と成長性を誇り、ビジネスウィーク誌が選ぶ2008年の世界で最も影響力があった10社にも選ばれた。一方、民間療法と有機栽培を強力に推奨し遺伝子組換え作物を拒否している団体であるNatural Societyは、モンサント社の遺伝子組換え作物やラウンドアップなどが人間の健康と環境の両方を脅かすとし、モンサント社を2011年最悪の企業に認定している。
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 朝日新聞グローブ (GLOBE)
 世界の種苗業界はいま、大きな2つの波にさらされている。1つは遺伝子技術の発展によるGM作物の本格化、もう1つはこの技術で市場シェアを急拡大させたバイオメジャーが仕掛ける中堅・中小メーカーへの買収攻勢だ。
 台風の目となっているのが、米国資本のモンサント。もともとは化学メーカーだったが、農薬分野へと領域を広げ、さらに環境規制の強化を受けてバイオテクノロジー企業へと変身した。
 1990年代半ばには、自社の除草剤「ラウンドアップ」とその除草剤に強い抵抗力をもつGM作物「ラウンドアップ・レディー」を組み合わせて売り出すことに成功し、種苗メーカーの最大手に躍り出た。
 農薬を散布してもGM作物は耐性があるので生き残る結果、周囲の雑草だけを退治できる。
 米国やアルゼンチンなどで大規模農場を経営する農家がこぞって飛びつき、同じ化学・農薬メーカーの一部門として発展したシンジェンタや、デュポンの子会社パイオニアなども後を追った。
 業界は企業買収が活発化。寡占化が進み、いまでは上位3社で約4割を占めるとみられている。
 1990年代半ば、遺伝子組み換え技術を用いて、最初に商品化されたGM食物は、実は、トマトだった。
 米国企業が開発した「フレーバー・セーバー」と呼ばれるトマトで、日持ちをよくして、枝についたまま完熟できるように改良したのだ。
ト マトソースに加工した缶詰などが、GMトマトを使ったことを明示して、スーパーに並べられた。価格が安いこともあり、当初は手軽な加工食品などとして、受け入れられたようにもみえた。
しかし、BSE(牛海綿状脳症)問題が起きた英国などで、GM作物やGM食品への反対論が台頭。「フランケンシュタイン・フーズ」などと呼ばれるようになり、市場から撤去されることになった。
 ただ、種苗会社にとって、野菜を含め、GM技術の重要性は変わらない。このため、GM化への積極姿勢をみせるインドと中国への関心は高く、現地に研究所を置く動きも加速している。
 今年10月21日、シンジェンタは、米カリフォルニアが本拠地の花きの種苗大手「ゴールドスミス・シーズ」を7,400万ドルで買収したと発表した。
大輪の赤いバラを「美しい」と思う感性は万国共通。花きは、野菜ほど安全性、地域性に左右されないため、多国籍大手の間では「GM技術はまず花で」との動きも活発化している。
 「彼の頭のなかには、アジアで育つトウガラシの特徴が、すべてインプットされているんです」
 「サカタのタネ」の韓国現地法人サカタコリアの中島政治さんは、同社の育種研究所副所長、趙大煥さんのことを、尊敬の念を込めてそう評す。
 趙さん中心に生まれた新品種が、「吉祥」だ。さほど辛くなく、キュウリのようにバリバリ食べられる。もともと中国向けに開発中だったのを、韓国でも売り出したら、人気を呼んだ。
 それぞれの国や地域の人たちの好みにあった野菜を作り出していくうえで、カギをにぎるのが、趙さんのようなブリーダー(育種家)の存在だ。
 どの品種とどの品種を掛けあわせ、新しい野菜を生み出すか。車でいえば新車開発のチーフエンジニア。車そのものの性格を考え、デザイン、エンジンを決め、設計図を描きだすまでを一手にこなす。ブリーダーの手腕が、会社の強さを決める。
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