🍘30〗ー1ーウクライナ侵略戦争と世界的飢餓リスク。無防備な食料自給率38%日本。~No.92No.93No.94 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2022年10月19日 MicrosoftNews 日刊ゲンダイDIGITAL「食糧危機に「無防備」なのは日本だけ…米国が穀物輸入国に変わると需給面に大ダメージ(杉村富生)
 © 日刊ゲンダイDIGITAL 小麦の収穫が激減のウクライナ(写真=2016年資料)/(C)ロイター
 表面的な事象ばかりにとらわれていると、本質(大きな流れ)を見失う恐れがある。
 1970年代の2度のオイルショック(石油危機)は1973年の第4次中東戦争、79年のイラン革命がきっかけになったと、これはだれもが知っている。
 しかし、意外に理解されていない事実がある。実は、現在のアメリカは原油天然ガスの主要輸出国(シェール革命の効果)だが、70年代には一時的に輸入国に転落している。これが需給を悪化させたのは明白だろう。
 今後、穀物市況(大豆、小麦、トウモロコシなど)、食品価格(パン、肉類など)が高騰する可能性がある。穀物輸出大国のウクライナ、ロシアの長引く戦争が主因か。
 いや、それだけではない。何と、アメリカが2023年には穀物輸入国に変化する(米農務省)というのだ。輸出国が輸入国に変わる。これは需給面に大きなダメージを与えるだろう。怖い話である。
 先進国(イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアなど)の多くは原則として食料を自給できる。まったく「無防備」なのは日本だけだ。日本は食料危機にどう対応するつもりなのだろうか。
 加えて、近年は干ばつ、豪雨などの気候変動が激しい。今年は欧米の穀倉地帯を熱波が襲った。自然災害の発生は農業生産に打撃を与える。
 穀物市況の高騰は牛、豚、ニワトリの飼料代にはね返る。暑いと、乳牛は乳の出が悪くなる。
 ちなみに、アメリカでは朝食用ベーコンが14.4%、フランクフルトが18.3%、鶏肉が15.9%、タマゴが39.8%、牛乳が17.0%(8月実績)と、値上がりが著しい。朝食は一日の活力なのに。
農林水産省は「みどりの食料システム戦略」推進も…
 日本はどうか。いや~、心もとない。生産者の高齢化、減少傾向が止まらず、生産基盤の脆弱化(山間部は耕作放棄地だらけ?)が進行している。危機感を強めた農林水産省は食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションによって実現する「みどりの食料システム戦略」を推進しているが……。
 関連法律の「みどりの食料システム法」が施行されたのは今年7月だ。EUは2020年5月に「Farm to Fork戦略」、アメリカは20年2月に「農業イノベーションアジェンダ」を策定、いち早く農業の改革に取り組んでいる。
 (杉村富生/経済評論家)」
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 10月25日 YAHOO!JAPANニュース 毎日新聞「「来年も記録的な飢餓リスク」 食糧危機長期化にWFPが警告
 日本メディアの取材に応じるWFPのクリス・ニコイ西アフリカ地域局長(左)とジョン・アリフ・アジア太平洋地域局長=東京都内で2022年10月24日午後1時54分、金子淳撮影
 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、世界的な食糧危機が長期化する恐れが強まっている。両国の穀物輸出が減少しているうえ、アジア・アフリカ諸国では肥料価格の高騰や洪水などの災害により農業生産が落ち込むとみられるためだ。国連世界食糧計画(WFP)は「来年も世界的に記録的な飢餓に陥るリスクがある」と警告し、さらなる支援を呼びかけている。
 「ウクライナ侵攻による大きな問題は、肥料不足だ。来年にわたり食糧や換金作物の生産に影響するだろう」。WFPのクリス・ニコイ西アフリカ地域局長は24日、東京都内で日本メディアの取材に対し、危機感をあらわにした。
 ロシアは化学肥料の主要輸出国だが、ウクライナ侵攻の影響で価格が高騰。西アフリカでは作付けが始まった4月時点で、通常の42%しか肥料が行き渡らなかったという。収穫量が減れば食糧危機に拍車がかかることになる。
 アフリカ諸国では食糧の購入費を稼ぐため、出稼ぎに行く人も増えているという。だが、農業の担い手が農地を離れれば、農業生産の減少につながりかねない。ニコイ氏は「武力紛争も拡大しており、人の移動や生活の崩壊につながっている。農業や食糧輸送にも影響している」と懸念する。
 災害や政情不安も食糧危機を加速させている。アフリカ諸国にも米を輸出していたパキスタンでは今夏、大雨による大規模な洪水が発生した。WFPのジョン・アリフ・アジア太平洋地域局長によると、少なくとも米の15%が被害を受けた。アリフ氏は「輸出量が激減しても驚きはない」と指摘する。小麦も作付けシーズンを迎えたが、被災地では農作業が始まっていない地域も多いという。
 アフガニスタンでは昨年8月、イスラム主義組織タリバン復権し、政治や経済が混乱した。食糧危機も深刻さを極めており、国民の9割が十分な食事を取れていない状態が続く。治安が安定したことでWFPの支援は全34州に届くようになったものの、タリバンが女子教育を制限しているため、学校給食の支援に影響が出ているという。
 経済危機が続くスリランカでも食糧価格が前年比90%増に達し、国民の3割が食糧不足に苦しんでいる。こうした国々では医療費や教育費を取り崩したり、腎臓を売ったりして食糧購入に充てている人も少なくない。家畜や農機具など、食糧生産に必要なものを売らざるを得ないケースも相次いでおり、食糧不足がさらなる農業生産の減少を招きかねない状況だ。
 WFPによると、世界で深刻な飢餓に直面している人は昨年末時点では2億8200万人だったが、2022年はすでに過去最多の3億4500万人に増えた。アリフ氏は日本が来年5月に広島で開かれる主要7カ国(G7)首脳会議で議長国を務めることに触れ、「WFPと日本はあらゆる面で協力を深めてきた。G7でも食糧問題にフォーカスしてくれると信じている」と訴えた。【金子淳】」
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 10月28日 YAHOO!JAPANニュース 幻冬舎ゴールドオンライン「ジリジリ下がり続ける「日本の食料自給率」に危機感
 ジリジリ下がり続ける「日本の食料自給率」に危機感
 昨今よく耳にする「SDGs」という言葉。2020年以降、文部科学省が新学習指導要領に「SDGs」を盛り込んだことで、中学入試にも頻出するなど、話題が集中しています。小学生には難易度が高い学習項目「SDGs」を大人はどの程度理解できているでしょうか? ※本記事は、千葉商科大学教授・笹谷秀光監修の『大人が本当に答えられない!? ニッポンのSDGsなぜなにクイズ図鑑』(宝島社)より抜粋・再編集したものです。
 1965年頃は、70%以上の食料を国内生産していたが…
 日本の食料自給率推移 ※熱供給量ベース出典:農林水産省調査(令和3年度)
 【Q】 
 日本で食べられる食料のうち国産のものは何%?
(1)27%  (2)38%  (3)47%
 お店にさまざまな食べ物が並ぶ日本では、食料に関する問題は、どこか他人事のように映るかもしれません。しかし、見えにくくなっているだけで、実際は改善すべき食料問題があります。
 そのひとつが「食料自給率」の低さです。「食料自給率」とは、国内で生産される食料の割合。日本は全体の38%が国内で生産されています。では、残りの62%はどうしているのかといえば、外国からの輸入でまかなわれています。
 50年以上前の1965年頃、70%以上の食料を国内で生産していました。その後、食料自給率は徐々に下がり、1990年代には半分以上を輸入に頼るようになったのです。もし、災害や戦争などで外国から輸入できなくなれば、日本の食料事情は一気に悪化してしまうでしょう。安定的に食料を確保するには食料自給率を上げることが大切なのです。
 【A】 
(2)38%
 ~関連するSDGsの目標~
 2 飢餓をゼロに
 作っても、廃棄しても…多くのCO2が排出される衣服
 【Q】 
 日本で1年間に捨てられる洋服は4tトラック何台分?
(1)2万台分  (2)10万台分  (3)12万台分
 日本では、1年間で約79万トンの衣服が処分されています。そのうち、リサイクルや再利用に回されず、ごみとして焼却処分されてしまう衣服は約63%にのぼります。数でいうと、29億着が作られ、そのうち15億着が捨てられているのです。これは、4tトラック12万台分にのぼります。衣服を作るだけでも多くの二酸化炭素が排出されるため、環境にも大きな影響をおよぼします。
 こうした問題の原因は、アパレル業界でこれまで行われてきた大量生産・大量消費だけではありません。買う人の「服は使い捨て」という考え方も、ごみを増やす原因になっているのです。
 ごみを減らすには、日ごろから長く着られる服を買ったり、服を捨てたあとの影響を考えたりすることが大切です。また、リサイクルや寄付の活用もSDGsへの貢献につながります。
 たとえば、あるファッションブランドは、自分たちの服を回収して新しい服にリサイクルしたり、難民キャンプや被災地に届けたりする取り組みを行っているのです。
 流行が過ぎ去ると、まだ着られるうちから捨ててしまうような洋服の買い方や使い方をしっかり見直すようにしましょう。
 【A】 
(3)12万台分
 ~関連するSDGsの目標~
 笹谷 秀光
 千葉商科大学教授 博士(政策研究)
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 10月30日 YAHOO!JAPANニュース TBS NEWS DIG Powered by JNN「「“食”の安全保障」世界各国が奔走する食料確保 食料自給率38%の日本は?【風をよむ】サンデーモーニング
 中国・習近平主席が強く訴える「食料安全保障」。それは、日本も他人事ではありません。
 【写真を見る】「“食”の安全保障」世界各国が奔走する食料確保 食料自給率38%の日本は?【風をよむ】サンデーモーニング
■中国が進める「食料安全保障」とは?
 10月22日、閉幕した中国共産党大会。習近平国家主席への、より一層の権力集中が話題となったこの大会で、こんな発言がありました…。
 習近平主席「食料安全保障の基盤を全方位で固め、中国人の食料を自らの手でしっかりと確保する」
 習主席が訴えたのは、「食料を巡る安全保障の強化」。その発言の背景にあったのは、中国の食料自給率の低下です。
 14億という巨大な人口を抱え、食料需要が増え続ける中国。かつて100%近かった食料自給率は近年急激に下落し、最新データで65.8%。中間層拡大による輸入量の増加が大きな要因です。
 食料が海外頼みとなることへの懸念。そうした危機感からか、2022年4月に、習主席自ら足を運び訪れたのは、中国南部・海南島にある「タネの研究所」でした。
 習近平主席「我々の手でタネをしっかりと握ってこそ、中国人の茶碗、中国の食料を確保することができる」
 国産のタネを品種改良し、野菜などの収穫量をより一層上げる必要があると力説。
 タネの品種改良会社の担当者「品種改良の目的は、『他人に自分の首を絞められないこと』です」
 中国は、野菜のタネの90%以上を、西側からの輸入に頼っており、その脱却を図っているのです。
 中国が真剣に取り組み始めた「食料安全保障」は、国際社会にとっても重要な課題です。
ウクライナ侵攻がもたらした食料危機
 それを強く認識させたのは、ロシアによるウクライナ侵攻。
 ロシアとウクライナは世界有数の小麦などの食料輸出大国ですが、ロシア軍が黒海沿岸の港を封鎖したために輸出がとまり、世界的に小麦などの価格が高騰。
 この状況に「国連世界食糧計画」のトップは…
 WFP・ビーズリー事務局長
 「ロシアの行いは、《食料安全保障》への“宣戦布告”だ」
 輸入に頼るアフリカ諸国などでは、一時およそ5千万人が深刻な飢餓に見舞われました。
 こうした状況にもかかわらず、ロシアのメドベージェフ前大統領は、食料の重要性を逆手にとり、侵攻に利用しているかのような言葉をSNS上に書き込みました。
 「我々の食料は武器である。静かだが、強力な武器だー」
 さらに、ウクライナ問題に加え、近年の温暖化による異常気象が引き起こす洪水や干ばつが、世界の食糧生産に深刻な影響を及ぼしています。
 その結果、自国の食料確保を優先するため、小麦の生産量で世界2位のインドをはじめ、22か国が今も食物の輸出規制を行っています。
■日本の「食料安全保障」の現状は?
 世界各国が懸命に食料確保に追われる「食料安全保障」。
 日本の場合、食料自給率はG7の中でも突出して低く、今年の発表では38%。
 この数字は、20年ほど、おおむね横ばい状態が続いており、一向に改善される気配が見えません。専門家は…
 資源・食糧問題研究 柴田明夫代表
 「政府の危機感の欠如があった。経済合理性だけを考えれば、安い食料を海外からどんどん輸入した方がいい、いくらでもお金を出せば買えるという発想になる。そこにコロナパンデミック、戦争、異常気象の問題で、もはや海外から必要なものをいくらでも持ってくる時代ではなくなった」
■“持たざる国”日本の未来は?
 現在の歴史的円安の影響も深刻です。輸入食材の価格高騰に加え、中国を中心とする海外業者に「買い負け」し、仕入れできない状況が生まれています。
 また農業生産に欠かせない肥料や、家畜の飼料用トウモロコシも、99%以上を輸入に頼っており、円安の影響は農家や畜産家を直撃しています。
 さらに、食料安全保障の基本となる「有事の備え」についても、日本の備えは万全とはいえません。
 例えば、日本の政府が備蓄しているコメはおよそ100万トン。これは20日で底をつく量と試算され、これに対し、中国はおよそ半年分を備蓄しているといいます。
 資源・食糧問題研究所 柴田明夫代表
 「日本も、改めて、国内での食料生産、あるいは備蓄を厚くするとか、そういう方向に転換せざるを得ない。しかし日本は農業の弱体化が
 深刻な形で進んでる。農業の就業人口、農地が減っている。その面ではもう手遅れになりかねない、待ったなしの状況になっている」
 今、日本の農業生産を高めようにも、農業従事者は10年前に比べ4割減少、また65歳以上が7割を占めているのです。
 危機的状況の中、日本にも真剣な「食料安全保障」への取り組みが求められています。
 (「サンデーモーニング」2022年10月30日放送より)
 TBS NEWS DIG Powered by JNN
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 10月30日20:32 YAHOO!JAPAN 時事通信「ニュースロシア、穀物輸出合意の履行停止 「テロ」理由に国際社会揺さぶり
 トルコ沖で検査を待つウクライナ産の穀物を積んだたくさんの貨物船=22日、イスタンブール(EPA時事)
 ロシアのプーチン政権は29日、ウクライナ南部クリミア半島を拠点とするロシア黒海艦隊が「テロ攻撃」を受けたとして、黒海経由のウクライナ穀物輸出を巡る合意の履行を無期限停止すると発表した。
 【図解】ウクライナとロシアの戦力比較
 ウクライナ側は関与を否定。ロシアは合意に不満を抱き「離脱の口実を準備していた」(米シンクタンクの戦争研究所)とされ、食料危機を再びあおって国際社会を揺さぶる心理戦に出た可能性がある。
 プーチン政権は最近、放射性物質をまき散らし広範囲を汚染する「汚い爆弾」の使用準備をウクライナが進めていると根拠を示さずに訴えた。東・南部の戦場で苦戦を伝えられているロシア軍は、情報戦を交えたハイブリッド戦に力を入れ始めたとみられる。戦争研究所は「ウクライナ軍が無人ボートでフリゲート艦を攻撃したようだ」と報告したが、敵の仕業と訴え責任をなすり付ける「偽旗作戦」説もくすぶる。
 ロシア国防省の説明によると、2014年に一方的に併合したクリミア半島の軍港セバストポリが29日未明、無人機と無人ボートによる攻撃を受け、掃海艇などが損傷した。ただ、フリゲート艦には触れていない。背後に「英軍事顧問」がいると非難し、9月に発生した天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の破壊工作にも英軍事顧問が関与したとやはり根拠を示さず主張している。
 国防省はさらに、掃海艇は穀物輸出合意に基づく安全確保を担っていたと指摘。ロシア政府は、合意の履行を「無期限停止する」と国連などに通告した。
 一連のロシア側の発表について、ウクライナのクレバ外相は「(輸出阻止に向けた)取って付けたような口実」と批判。英国防省も「途方もないうそ」と否定した。「汚い爆弾」を巡っても、ショイグ国防相から電話を受けた米英仏が外相の共同声明で「見え透いた虚偽の主張」と一蹴し、国連安全保障理事会でもロシアの言い分は相手にされなかった経緯がある。
 ロシア国防省は今月8日、ウクライナ侵攻を統括するスロビキン総司令官の任命を発表した。現場トップの交代は、ハイブリッド戦重視への移行にも影響したとみられる。
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