🌌2}─1─地球の寒冷化。温暖化理論破綻。2030年ミニ氷河期説氷河期スキップ説。~No.2No.3No.4 @ 

新書791地球はもう温暖化していない (平凡社新書)

新書791地球はもう温暖化していない (平凡社新書)

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 深井有『地球はもう温暖化していない』「科学と政治の大転換」
 「実際に温暖化が起こっていたのは7〜8年に過ぎず、その後、世界の平均気温は頭打ちになって、今はむしろ下降傾向にある」
 (太陽活動は今後、数十年〜100年で弱まり)
 「これまで数百年ごとに訪れて、たびたび飢饉をもたらした小氷河期がまさに再来しようとしている。温暖化よりは寒冷化に備えなくてはならないのだ」
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 世界・大陸、取り分け日本列島の歴史、日本民族日本人の歴史は、冷夏が原因の凶作による飢饉との闘いであった。
 飢饉の度に、数万人から数十万人が餓死し、数十万人以上が栄養失調による疫病に苦しめられた。
 だが。日本民族日本人は、わずかな食べ物を巡って殺し合うという暴動や内戦を起こさず、飢餓難民として日本列島から朝鮮半島や中国大陸に逃げ出し者は皆無であった。
 何故か。それは日本天皇・皇室が神聖不可侵の神の裔として存在し、多様性に富んだ柔軟にして寛容な日本神道・日本仏教・陽明学儒教が根を張っていたからである。
 それが、自然災害多発地帯日本列島で生きてきた日本民族日本人の智恵であった。
 日本国民の日本民族日本人は、天皇が寄り添い、皇室が存在する事で、繰り返し襲い来る災難や困難を安心し一つにまとまって乗り越えてきた。
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 2015年11月17日 産経ニュース「【科学】温暖化理論を破綻させた「南極の氷増加」 科学者も困惑…海面上昇の原因はどこに…
 南極の氷の上に立つペンギン。NASAの観測では南極の氷はむしろ増えており、従来の説を覆した(ロイター)
 地球温暖化の影響で減少し続けているとされてきた南極の氷が、実は増えていたことが米航空宇宙局(NASA)の観測結果で5日までに分かった。温暖化で南極の氷が溶け出し、海面が上昇しているとの従来の学説を覆すものだ。NASAでは、「海面上昇の要因が南極以外にあることがはっきりしただけ」としているが、温暖化問題を論ずる際の大前提が揺らいだのは事実であり、今月末からフランス・パリで開かれる国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)での議論にも影響を与える可能性がある。
 ■増加率は鈍化傾向
 1日付米紙クリスチャン・サイエンス・モニターや、3日付米CNNテレビ(いずれも電子版)などによると、NASAゴダード宇宙飛行センター(メリーランド州)らの科学者でつくる研究チームが10月30日、学会誌に発表した。
 研究チームは、NASA欧州宇宙機関人工衛星が1992〜2008年に南極氷床の高さを観測したデータを収集し、詳細に調査した。その結果、氷は92年〜01年には年間1120億トン増えた。03年〜08年も年間820億トンの増加を記録するなど、増加率が鈍化していたものの、一貫して増加傾向をたどっていたことが判明した。
 では、なぜ氷が増えたのか。その原因は1万年前から降り続く雪だという。雪は毎年1・7センチずつ積もり、数千年にわたって氷の中に圧縮されていく。増加分はこれらの雪とみられる。
 ■定説の理論が破綻
 これまでの学説では、海面上昇の原因は、南極大陸グリーンランドから溶け出した氷だといわれ、南極西部の氷が溶け出すと地球の海面が約3メートル上昇するといわれてきた。
 国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)が13年に発表した報告書では、温暖化の影響で南極の氷は減り続けており、海面が上昇していると断言していた。
 また、多くの学者もこれまで、南極の東部や内陸部では氷が増加傾向にあるものの、南極半島と、この半島を含む西部の一部では、温暖化の影響で氷が溶けて減少し続けていると主張。全体として氷は減少しているとして、もはや異論を差し挟む余地はないとみられてきた。
 研究チームのリーダーを務めるNASAの雪氷学者、ジェイ・ツバリー氏も今回の研究成果が「南極に関して言われている一般論と食い違っている」と指摘。そのうえで、大陸西部にある南極半島などでは他の研究と同様に減り続けているが、「西部でも内陸部では、東部とともに減少分を上回る勢いで増えていることが確認できた」と明言している。
 今回の研究結果が正しいとすれば、「温暖化で南極の氷が溶けて海面が上昇している」との論理は破綻することになる。
 ■グリーンランドの影響大
 もっとも、ツバリー氏ら気候科学者たちは、今回の研究結果が温暖化の終わりを意味するものにはならないともくぎを刺す。
 ツバリー氏は「IPCCの報告書の内容が間違っているとしたら、(グリーンランドなど)他の地域で起きている氷の融解などの影響が、従来の推定より大きいことになる」と指摘、海面上昇の原因が南極以外にあることがはっきりしただけで、問題がより複雑化するとの考えを示している。
 さらに、今回の研究結果で、南極西部での氷の溶け方が加速する一方、氷の増加傾向は近年、緩やかになっていることも判明しており、ツバリー氏は「(西部での氷の減少ペースが)今のまま続けば、今後20年〜30年で全体でも減少に転じるのではないか」ともしている。
 今回の結果は、温暖化そのものを否定するものではないが、ことは地球規模での重大な問題だけに、予断を持たずに議論することの重要性を改めて示したといえそうだ。(SANKEI EXPRESS)」
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 2017年2月10日号 週刊ポスト「〈今年の寒さは予兆でした〉
 2030年、地球を氷河期が襲うって本当?
 約400年前、英国・テムズ川が凍りついた危機が再び──
 英国研究チームは97%の確立で来ると予測!
 さっ、寒い!この冬の厳しい寒さにこたえいる人も多いはず。昨年11月に観測史上初の『都内11月積雪』を記録。1月には強い寒波が日本列島を襲い、岩手県奥州市では観測史上1位タイの氷点下16.5度を記録した。
 日本だけではない。ヨーロッパでも1月中旬からの厳しい寒波によって少なくとも65人以上が死亡した。全世界が寒さに震えているのだ。
 この状況、もしかして〝あの説〟は眉唾ではないのかもしれない──。
   *  
 『2030年、世界は氷河期に突入する』──15年7月、この説を発表したのは、英国ノーザンブリア大学のバレンティーナ・ザーコバ教授率いる研究チームである。
 同チームの研究によれば、太陽の活動は2030年代に現在の60%にまで減少し、1645年に始まった『ミニ氷河期』(マウンダー極小期)の時代に近い状況になると結論づけた。この『ミニ氷河期』の説明は後述するが、その確率は『97%』と高いという。
 ザーコバ教授が解説する。
 『太陽内部の表面に近い2つの層の電磁波の同期がずれると、太陽の活動が低下して地球の気温が下がる。この現象は2030年頃から本格的に始まると予想されるのです。
 すでに太陽の活動が停滞し始めているのは間違いない。近年、欧州襲っている寒波もこれに関連していると思われます』
 モスクワ国立総合大学のヘレン・ポポヴァ博士やNASA(米航空宇宙局)の元コンサルタント、ジョン・ケイシー氏らも同意見だ。
 ザーコバ教授らが『2030年氷河期』説を発表した直後の15年10月には、NASAも『寒冷化』を裏付ける報告を発表した。
 人工衛星から南極氷床の高さを計測した最新の分析データによれば、南極の氷は1992年から2001年にかけて1,120億トン、03年から08年にかけても820億トン増えているというのである。
 この結果は『南極の氷が溶け、海面上昇を引き起こして南太平洋の島々は水没する』という地球温暖化の議論をリードしてきたIPCC気候変動に関する政府間パネル)の予測を覆すものだ。
 ここ数年、夏は猛暑続きで『温暖化の影響か』と感じている人は少なくないだろう。しかし、『これは寒冷化の影響』と語るのは理化学研究所の主任研究員・戎崎(えびすざき)俊一氏だ。
 『寒暖がどちらも極端になり、異常気候が連続するのが「ミニ氷河期」の特徴です。極端に暑い夏、極端に寒い冬を多くの人が体感しているはず。
 ザーコバ教授らの発表通り、いま太陽の活動は非常に弱くなっている。私はすでに「ミニ氷河期」に入っていると見ています。昨年11月に都内で積雪があったのは、まさにその影響かもしれません』
 飢餓と病気で20億人が死ぬ
 前述したように、いまから約400年前にもミニ氷河期があった。1645〜1715年は、『マウンダー極小期』とも呼ばれ、太陽の黒点の数が著しく減少した。
 ザーコバ教授はいう。
 『マウンダー極小期には地球の平均気温が1.5度下がりました。今回の寒冷化はその時よりももっと気温は低くさせられるでしょう』
 当時、その影響は甚大だった。欧州では英国・テムズ川やオランダの運河が凍りつき、日本でも同時期に寛永の大飢饉(1642〜43年)、延宝の飢饉(1674〜75年)、天和の飢饉(1682〜83年)、そして元禄の飢饉(1691〜95年)と、立て続けに大飢饉が起きている。
 『ミニ氷河期とはいえ、本格化すれば北海道まで氷河が押し寄せ、アメリカは五大湖まで氷に覆われる。欧州も壊滅的です。穀倉地帯の大部分で収穫が不能になり、食糧危機は必至です』(前出・戎崎氏)
 『日本列島SOS』(小社刊)の著者で、元NASA上級研究員の桜井邦朋博士はこうシミュレーションする。
 『世界の穀物地帯や漁場が変動する影響で、世界人口80億人のうち、約20億人が飢餓と病気で死亡する危機性があります。とくに日本のように食料自給率が低い国はその影響を強く受け、国家存立さえ危うくなるかもしれません。
 1665年の欧州でのペスト流行も、寒さのためにネズミのエサがなくなり、人里に下りてきたため感染が広がったといわれている。食糧を巡る戦争、紛争も多発するでしょう』
 広島大学大学院生物圏科学研究所の長沼毅教授がいう。
 『一番怖いのはミニ氷河期がトリガーとなって、氷期に突入してしむことです。食料難に加えて、エネルギーが閉ざされる。さらに池や川があまねく凍るので、水不足が深刻になる。私は温暖化対策ではなく、来る氷期に備えた省エネ社会を作ることこそ急務だと思います』
 ……」
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 自然災害は出たとこ勝負。
 2017年12月号 新潮45「達人対談
 国際標準となった奇跡の『年縞(ねんこう)』
 中川毅VSビートたけし
 ……
 次は琵琶湖を掘りたい
 ……
 たけし 数十万年単位で見た場合、現代は氷期氷期の間の間氷期ということになるけれど、古気候学の先生の立場からしても最近は明らかに温暖化ですか。
 中川 この100年ぐらいは間違いなく温暖化です。ただ、放っておくと地球は間違いなくまた氷期にはいっていくはずなんです。最後の氷期がおわってから、今はざつくり1万1,600年ぐらいたっています。氷期の後の暖かい時代が1万年以上も続くことは、地球の歴史上あまりない。前回の氷期は暖かい時代はせいぜい数千年で終わっている。前々回も前々々回の氷期の後も暖かい時代はせいぜい数千年。それから比べると現代のような温暖な時代は例外的なんです。ですから、『人間の活動が、来るはずの氷期を遅らせているのではないか』と言う説もあります。何が温暖な時代を引き延ばしているかというと、一つは『8000年前にヨーロッパ人が森林を伐採して、二酸化炭素が増え始めたこと』で、もう一つは5000年前から温室効果ガスのメタンガスが増えているこですが、これは『アジアで水田耕作が始まったせい』と言う人がいますね。
 たけし 何千年も前から温暖化がすでに始まっていたとはね。そういえば、70年代は『これから氷期になって、寒冷化していく』と言っていた学者もいた。科学雑誌なんかでも、都会が氷で覆われたようなイラストを掲載している。
 中川 無責任な未来予測がいっぱい書かれていましたね。あの頃は『これから寒くなるぞ、大変だ』と騒いでいて、今は『これから暑くなるぞ、大変だ』と騒いでいる。
 急激な気候変動は文明をも滅ぼす
 たけし 『変わらないまま』というのはないんですね。
 中川 変わらないというのは、古気候学の感性からすると、それだけは絶対あり得ない。私自身は温暖化でも寒冷化でも、実はどっちでもいいと思っています。人間は熱帯からグリーンランドまで住んでいますから、どうであれ生きてはいけるんです。問題なのは、気候が安定しているか、それとも変わりやすいかのほうです。今はわりと気候が安定した時代です。しかし、1万2000年前ぐらいより昔は、今とは比べ物にならないほど、頻繁に気候が暖かくなったり寒くなったりしていた。そういう時代がもしまた来るとなると、農業に基盤を置いた現代のライフスタイルというのは、ちょっと難しくなるのかなと思ったりします。
 たけし その時は人口激減も考えられるんですか。
 中川 あまり考えたくないですけど。そこはぜひ、技術革新で乗り切っていただきたいところですが。
 たけし 文明がここまで発展してきたのも、安定した気候があったおかげなんですね。
 中川 そうです。温暖化が進むだけなら、そういう時代も過去にはあったのでいいと思うんです。しかし、温暖であったとしても気候が不安定な時代になったら、それはよくない。そういう可能性も常にあるので、環境に余計な刺激を加えないほうがいいとは思います。『昔も温暖化の時代があったのなら、温室効果ガスは排出しても構わないんですか』とよく聞かれるんですけど、そうではない。
 たけし 急激な気候変動は文明を滅ぼすという。先生の本に書いてあるけれど、マヤ文明が滅んだのは、スペインの侵略以前に、気候の変動による度重なる干ばつで不作が続いて、すでにマヤの文明が弱体化していたこと。
 中川 ええ。不安定な環境に対して、意外と現代文明も脆弱だと思います。マヤ文明は3回衰退するんですね。先古典期、古典期、後古典期とあって、それぞれの文明の後に衰退があって、次の文明に移ってる。スペインは最後の文明にとどめを刺したんです。その前の2回はなぜ滅んだのかが、私たちの興味を持っているところです。
 たけし それが気候の変動ですか。
 中川 急激な気候の変動じゃないかというのが、今のところ有力な説の一つです。それだけではないと思いますけど。
 たけし 安定した気候というのが、やはり人類が平穏に暮らしていくのには欠かせないわけですね。
 中川 実は私は次に氷期はやがて来るとずっと思っていたんです。だけど、今年だったと思いますが、『今の二酸化炭素の濃度というのは高過ぎて、地球が本来持っているリズムを上書きして、次の氷期をなくしてしまうぐらいの温暖化である』という論文が出ました。もしその論文が正しいとすると、氷期を一回スキップするので、少なくともあと5万年、長ければ10万年ぐらいは、今のような温暖で暮らしやすい時代が続くという話になるらしいです。
 たけし そう考えると気が楽ですね。ただ何万年という気候の変動の話を聞いていると、何が起ころうと、がたがた焦っても仕方がないような気がしてくる。
 中川 古気候の研究をしていると、つい気候や環境は『変わって何ぼ』みたいな感性になってしまう。しかも予想もつかないようなことが常にあるので、予測をして対策を立てるという考え方が姑息に思えることがあります。よく自然災害があると『どうして誰も予測して対策を立てていなかったんだ』という声が出て来ます。でも、私たちのような研究をしていると『そんなものは分かるわけがないから、人のことを責めるのはやめようよ』という気分になるんです。出たとこ勝負力を鍛えるほうがいいと思いますね。
 たけし 極地から砂漠まで、人間はどんな環境でも適応できる。だから、本来は出たとこ勝負力が強いはずだけど、そんな力がだんだん弱くなってきている気がします。
 中川 天気予報も当たるようになってきましたからね。当たらないほうがいいかもしれません。雨が来ようが嵐が来ようが大丈夫という前提で生きていく。
 たけし どんな状況でも誰かが生き残るように、やっぱり多様性を担保しておくのが大切ですよね。
 中川 いろんなことを思いつく人がごちゃごちゃといれば、多分何とかなるだろうと思うんですよ。
 たけし そういえば、あれだけ時間と予算をかけた東海地震の予知もできないことが判明した。自然の変化に万全の準備なんてありえない。それが人間の驕りであることを水月湖の年縞は教えてくれているのかもしれない。」
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 12月17日 産経ニュース「【日曜に書く】この寒い冬の「不都合な真実」 地球は実は寒冷化? 環境問題がマネーの問題に変質している 論説委員長辻象平
 「最近の冬は結構、寒いね」「地球温暖化は、どうしたのだろう」。しばしばこんな会話を耳にする中、今年も日本列島は猛烈な寒さに包まれている。
 予兆は夏の東日本の長雨から顔を見せていた。10月の東京都心では最高気温が12月中旬並みの12・3度の日が出現。60年ぶりの異変だった。
 続く11月は全国的に冷え込んだ。札幌市では最高気温が0度を下回る「真冬日」が5日あった。105年ぶりの異変だった。12月に入ると日本海側で暴風雪。気候がおかしい。
 異論は理解されにくい
 地球は寒冷化に向かおうとしているのではないか。以前から私はそう感じている。
 「パリ協定」によって世界が温暖化防止に動いている中で、奇妙に思われることだろう。
 「気候変動に関する政府間パネルIPCC)」も「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)」も気温上昇を食い止めようとしている。
 二酸化炭素(CO2)に代表される温室効果ガスの排出削減は、地球の未来を救う美徳であるとされている。こうした状況の中で、寒冷化の可能性をつぶやくのは難儀なことだ。
 CO2の温室効果は科学的事実。人類の活動で大気中のCO2濃度は増加中。世界の気温は高くなり、日本の夏の暑さも殺人的。そうした事実と現実があるからだ。
 太陽黒点が減っている
 では、どうして寒冷化を思うのか。理由はこの四半世紀、太陽の活動が低下し続けているためだ。黒点数が減っている。
 太陽は、核融合反応で活動する磁場の星だ。黒点は磁力線が太陽表面を貫いている場所なので、その個数に太陽の活動度が反映されるのだ。
 黒点の観測には400年の歴史があり、過去に黒点が減った1645年からの70年間や1800年前後の30年間は、寒冷だったことが知られている。
 今の黒点の状況は、200年ぶりの寒冷期再来を予告しているのだ。
 1970年代に寒冷化への不安がささやかれていたことを覚えている人もいるだろう。
 実は当時の太陽の活動周期(サイクル20)では、黒点数がその前の同19に比べ、大幅に減ったのだ。雨の降り方が不安定で、小氷期の到来が心配される状況だった。
 だが、次のサイクル21(1976〜86年)と22(86〜96年)で黒点数は復活し、寒冷化への気配は消えた。
 逆に地球温暖化が国際的な関心事となり、97年12月に「京都議定書」が採択された。
 20世紀後半に地球の気温は上昇したが、黒点数でみた太陽活動も、1600年以降で最高だったのだ。
 しかし、世界の気象学者らは、こぞってCO2の増加だけに注目した。こうして太陽関与説は、懐疑派学説の烙印(らくいん)を押されることになったのだ。正しい地動説が迫害された科学の暗黒時代を連想してしまう。
 CO2が営利の手段に
 太陽の活動は、サイクル22以降、現サイクルの24まで大きく下がり続けている。
 普通に考えれば、ただごとでない。太陽科学者たちは警鐘を鳴らしているが、その声は政策決定者に届かない。
 本来の環境問題が、CO2の排出量取引などを通じてマネーの問題に変質している。
 温暖化防止という本来の「目的」よりも、CO2削減という「手段」の方が重要なのだ。
 緑化などで改善できる都市のヒートアイランド対策に国は不熱心だが、努力しても減らせないCO2の削減策には巨額の予算を投入し続けている。
 太陽の活動低下は、科学上の重大事であるにもかかわらず、多くの関係者にとっては“不都合な真実”であるらしい。
 CO2の削減には、海洋酸性化の防止、化石燃料の温存という効果もある。だが、多様な学説に背を向けると、旧ソ連時代の「ルイセンコ学説」の悪夢の再来だ。太陽を無視した、CO2一辺倒の取り組みの先にある将来は極めて危うい。
 気象庁は11日、南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」と発表した。これが起きると日本の冬は寒くなりやすい。加えて、首都圏に大雪を降らせることが多い黒潮の大蛇行も拡大中。覚悟が必要だ。
 寒い冬は、野菜類の値上がりを招き、エネルギー需要と価格を押し上げる。寒冷化は温暖化以上に困難な事態なのだ。(ながつじ しょうへい)」
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二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)

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地球温暖化論のウソとワナ

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「地球温暖化」論に騙されるな!

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