📉76】─1─「会社で使えない人材」を育てたのは高学歴重視の親である。~No.169No.170 

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 子供の好奇心を潰し意欲を奪ったのは親である。
 日本が衰退した原因は、家庭崩壊であった。
 伝統的家庭を潰したのは、文化マルクス主義戦後民主主義教育であった。
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 2023年5月31日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「「会社で使えない人材」を育てた親の問題点…勝間和代脳科学者が語る共通項 勝間和代×成田奈緒子対談 後編
 自由で自分らしい未来地図を描くために大切なことを説いた『一生自由に豊かに生きる! 100歳時代の勝間式人生戦略ハック100』(KADOKAWA=以下、ハック100)を上梓した勝間和代さん。『高学歴親という病』(講談社+α新書)の著者で小児精神科医脳科学者の成田奈緒子さんは、かつて勝間さんが過去に主宰したワーキングマザーのためのウェブサイト「ムギ畑」を支えに子育てをしたという。
 根拠のあるロジカルな思考が人を引き付けてやまない経済評論家と、子どもの脳とその発達に長年向き合ってきた小児科医。同じ時代に子育てをした二人に、子育てや学校教育など子どもにまつわる社会課題を大いに語り合ってもらった前編では、「お金教育」についてお伝えした。
 後編ではたとえ高学歴であっても「会社で使えない人材」と言われる人の背景に多くある、親の共通点をお伝えする。
 経済評論家で中央大学ビジネススクールでは客員教授もつとめる勝間和代さん
 © 現代ビジネス
 構成/島沢優子
 「会社で使えない人材」の陰に親あり?
 成田 会社で使えない人材が育ってしまう要因は何でしょう?
 勝間 N高事業の創設グループのリーダーであり、ドワンゴ創業者の川上量生さんの話で私が感心したのが、中学、高校のKPI(キー・パフォーマンス・インデックス=重要経営指標)が「有名大学合格」になっている現実。それがゴールになっちゃってる。そのゴールを、社会に適応できる、社会的なスキルを育成するほうにN高は変えたいそうです。
 成田 主体性とかコミュニケーション能力などですね。
 勝間 ただ、そのゴールは、親が変えないとどうしようもない。その部分で成田先生のご本がかなり役立つヒントになると思います。本を読んで一番感じたのは、親御さんにもうもう少し自分の人生に注目してほしい。そうすることでわが子に対する依存が薄まります。
 成田 同感です。学歴も高いし、社会的な地位も高い。でも、それを超えるか同じものを子どもに求めてしまうのは、多分ご自身の満足感が薄いのかもしれない。それは親御さんたちと話していてよく感じます。
 勝間 エネルギーが子どもに注がれ過ぎな感じがします。子どもに習い事をたくさんやらせますよね。どうしてしょうか?
 習い事は子どもの「好き」を伸ばすチャンスでもある。しかし子どもが望まないのにびっちりいれてしまうと… Photo by iStock。
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 成田 子どもの成長を短いスパンでしか見ていないのもひとつの理由でしょう。目の前に結果が欲しいので、小さいときから習い事を始めさせます。早くスタートした子のほうが、遅れて始めた子より成果を見せやすい。他の子より優れているように見えると(親は)安心できます。本に幼稚園児が5歳でサインコサインの問題を解いている話を書きましたが、私はそのような子どもの「大人になるまで」を見ているので早期教育のリスクを実感しています。
 勝間 私は子どもが嫌がった時点ですぐにやめていいよって言いましたね。そういうときってこちらもコストパフォーマンスが悪いなと思っているので笑。投資というか、ギャンブルに近い。
 自分ができなかった自己実現を子に託す親
 成田 自分ができなかった自己実現をわが子に任せたい、みたいな願望も見え隠れします。
 勝間 7割ぐらいの才能は遺伝で決まるという研究結果もありますよね。4割っていう結果もあるけど、少なくとも半々より大きいと言われていますよね。
 成田 もしかしたら皆さんあまりご存知ないかもしれない。
 勝間 知っていたとしても環境要因に頼りたくなるのかな。
 成田 実際、環境要因は重要だとは思うのですが、私の言う環境要因は「生活環境」なので。美味しいごはんがあって、ちゃんと寝られるところがある。勝間さんも睡眠を大事にされていますよね?生活リズムの重要性なども子育てされているときからご存知だったのですか?
 勝間 ええ。食生活と睡眠のほうが勉強より大事ですよね。それって常識じゃないんですか?
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 成田 残念ながら常識になってないです。有名塾などでは、帰宅したら今日習ったことを復習させてくださいって保護者に言うので、それを全部済ませると夜11時とか12時までかかるそうです。
 勝間 子どもの成長に関する研究結果などは無視されてしまうのですね。
 成田 結局そのやり方で、塾は子どもたちを高偏差値の中学校に合格させている。親御さんもそれを支持してしまう。受験が全ての結果であって、入学後に不具合が起きても塾に責任は問われませんから。
 睡眠時間が短い子は中学で成績が逆転する
 勝間 子どもの時には最悪でも10時ですよ。早寝しないと成長ホルモンが分泌しないから背も伸びないし、脳も成長しないことを知ってほしい。もちろん寝たほうが頭が良くなるとまで言いませんが。
 成田 とあるデータだと小学校5、6年生だと睡眠時間が短い子のほうがその時点での成績はいいんです。でもその子たちが中学生になると成績は逆転します。
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 勝間 それはその時点での話。勉強させるからですね。
 成田 そうなんです。やはり短期的な展望しか見てない親なんですが、そんな親に見捨てられる不安を抱いている子が多いですね。不安なので親の顔色を伺います。
 勝間 親世代も他者を気にしますね。「許可脳」の人たちが多い。私はこうしたいのですが、それでいいですか?と質問なさいます。失敗しても学びなのに。
 成田 自分で決められないんですね。
 勝間 加えて「レシピ脳」になってないかなって。何かするときにそれ通りにやればいいマニュアルみたいな。なぜそうなるのでしょう?
 成田 それこそが高学歴親の特性かなと思います。自分で勉強法を編み出す人ももちろんいらっしゃるけれど、塾などで教えられた方法論や公式や単語を覚えることでクリアしてきた人が多い。本人のせいではなく、自己決定や創造性を磨く機会をあたえられていません。
 そもそも学歴にこだわるのをやめたほうがいい
 勝間 そもそも学歴にこだわることをやめたほうがいい。そういう文化を創造したいけど、その価値観は長年にわたって植え付けられた価値観なんでしょうね。
 成田 そこを変革したいと思って今回の本を出したんです。親が学歴によって得られるメリットとデメリットを、特にデメリットも十分にあることを理解すべきです。無理させすぎて子どもが疲弊して学力が伸びない。「〇〇(塾名)疲れ」という言葉もあるそうです。
 勝間 小学校のときにものすごい出来た子たちが中高で伸びないのを間近で見ました。
 成田 私も中高一貫校でしたが、入学時と卒業時では成績順位が入れ替わってました。
 勝間 私、いわゆる下町の出身なのが良かったのかも。周囲に受験する友達はいなかったので、6年生まで友達との放課後遊びがあった。土曜の午後と日曜だけ受験生で、あとは普通の小学生生活でした。本当に中長期に役立つ学習は何かということを理解して、それ以外の超加工教育みたいなものを跳ね除ける勇気が必要でしょうね。
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 成田 それで慶応に受かったのだからそれが本当の学力なんでしょうね。そうではなく、入試に必要なスキルだけを学ばせてしまうと、勝間さんのおっしゃる中長期的に育む力には結びつきません。
 勝間 私、成績が良かった大きな理由の一つは、1年半ぐらい通ってたそろばんだと思います。中学受験で一番役に立ちました。指先が器用になるのと、数字の概念を空間認識で把握できるようになるんです。2桁×2桁の暗算とか。読み上げ算は、聞いた数字を脳の中でそろばんの玉に図式化していました。
 成田 なるほど。多分空間認知が得意な脳をお持ちなんでしょうね。
 「子どもの楽しい」が能力を伸ばす
 勝間 そろばん、すごく楽しかったんです。やっぱり子どもが楽しいと思えるものをどうやってつくるかが鍵ですよね。
 成田 その通りです。言語化が得意な子であれば、原理原則をロジックで考えていく学習をすればいい。どっちかっていうと私はそちら。左脳系ですね。例えば、ノートとかも黒板をそのまま写すのではなく自分なりの解釈で書いていた気がしますね。
 勝間 それぞれの特性を生かした学習を見つけられたらいいですよね。それでいうと、例えば高学歴の親の子どもたちって、読書するうえで漫画ってどのぐらい許可されているのですか?
 成田 「絵が描かれているものはいけません」っておっしゃる親御さんは結構多いです。なかには「字しか読んじゃいけません」と言う方もいますね。
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 勝間 字だけ?どうやって読むの?(笑)
 成田 絵のほうが捉えやすい子は結構多いのに、その子の特性を見極めずに「とにかく漫画は駄目」って言っちゃうケースも少なくありません。禁止しちゃう。これは本当には良くないです。
 勝間 私、漢字はまったく苦労していないのですが、小さいころから漫画を読んでいたからだと思うんです。ものによって難しい漢字が山のように出てくるので、小学生から読み続けていると中学受験レベルの読書は簡単なんですね。
 成田 うちの娘も同じタイプかも。漫画が大好きだったので、漢字はいつの間にかできるようになりました。
 泣きわめく子に漢字ドリルをやらせても…
 勝間 やっぱりその子に合う「入れ方」ってありますよね。
 成田 本当にそう思います。それなのに、泣きわめく子どもに漢字ドリルをひたすらやらせる方は、高学歴の親御さんに多いです。
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 勝間 私が子どものときは、手塚治(の漫画)があったんです。ブラックジャックとか、ほぼ全作品読んでます。手塚さんの漫画はすごいじゃないですか。人間関係とか全部学べて。
 成田 哲学も入ってますもんね。
 勝間 学習のための学習じゃなくて、生活習慣の中に学習が散りばめられるような教育形態にすればいいのでは?
 成田 文部科学省とかはそういったことを主眼にしましょうとものすごく言ってるけど、浸透しませんね。そもそも、親御さん自身が覚え込ませる教育とか、面白くもないのにひたすら書かせる教育を強いられてきています。教員も同じです。それゆえに、自分で考えたり、創造することの楽しさっていうのを身につけていない、経験させてもらっていない子どもが多いと感じます。
 勝間 成田先生は学校現場に行かれているから、鮮明に見えるのですね。
 成田 授業で問題が出されると、パターン認識で「この問題はこうやって解くんだよ」って小学5、6年生がやってます。中学受験を目指して塾が教えているやり方を、学校もやっている。文科省的には自分独自の考え方をしてみようみたいなことを奨励しますが、画一化しているのが現状ですね。なので、私は家庭から変えたい。教育の軸が変わる潮流をつくれたらと思います。
 勝間 家庭から変えたほうが早そうですね。そういうものが評価される文化から離れる。あえてストレートに表現すると、学習塾とか学校業界から自分たちが食い物にされている認識を持つことが重要ですね。
 子どもが生まれた瞬間に塾の予約?
 成田 ある親御さんに聞いた話だと「子どもが生まれた瞬間に有名塾を予約しないと入れてもらえない」とお母さんたちが焦っている、と。
 勝間 そこでも「予約したほうがいいよね?」と許可を取っている気がします。何が子どものためなのか。子育てこそ中長期的な展望に転換してほしいです。
 成田 転換するためのヒントを今日はたくさんいただけた気がします。許可脳を脱却して親御さん自身が自立することが重要です。勝間さんのハックを親御さんたちとともに学ばせてもらいます。
 「会社で使えない人材」を育てた親の問題点…勝間和代脳科学者が語る共通項 勝間和代×成田奈緒子対談 後編
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 「会社で使えない人材」を育てた親の問題点…勝間和代脳科学者が語る共通項 勝間和代×成田奈緒子対談 後編
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