⚡63】64】─1─石油・天然ガス開発事業サハリン2問題でこの冬は“停電覚悟”か。~No.266No.267No.268No.269No.270 

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 日本は、食糧・物資・エネルギーを海外で購入して輸入し、滞ると生活に困る。
 特に、石油・石炭・天然ガスを輸入できないと、夏の冷房・冬の暖房、農産物や各種工場などの生産現場が困る。
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 2022年7月31日09:05 MicrosoftNews TBS NEWS「不透明な「サハリン2」問題 この冬は“停電覚悟”か!?【Bizスクエア】
 プーチン大統領は、日本企業も出資する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」を事実上、ロシア政府の管理下に置く大統領令に署名した。日本が輸入する液化天然ガスのうち約1割を「サハリン2」に頼っているため、今後の調達に懸念が広がっている。今冬、電力不足が懸念される日本は、このエネルギー危機とどう向き合うべきなのか?
■エネルギーを武器に“揺さぶり”をかけるロシア
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 ウクライナ侵攻以降、ロシアはエネルギー資源を武器に各国にゆさぶりをかけ続けている。プーチン大統領は、ロシアとヨーロッパを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運転を停止することを示唆した。
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 さらにロシアの揺さぶりは、日本にも。極東ロシアのサハリンで進められている石油・天然ガス開発事業「サハリン2」には三井物産三菱商事も出資しているが、プーチン大統領は、全ての事業主体をロシアの新会社に移管する大統領令に署名し、日本にも動揺が広がっている。
■「受けられない条件であれば断念もありうる」
 日本は「サハリン2」に液化天然ガスの輸入量の約1割を頼っており、日本政府はガスの安全調達に「サハリン2」は欠かせないとして権益維持を支援する姿勢を明確にした。
 萩生田光一経済産業大臣
 「企業が単独で判断するのではなく政府としてもしっかりサポートしたい」
 一方、「サハリン2」に出資する三井物産のトップは“撤退”も有りうるとの考えを示した。
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 三井物産 安永竜夫代表取締役会長
 「ロシア側からどういう形で出てくるかを見て対応する。受けられない条件であれば我々としては断念することもあり得ます。ただ、安定供給を確保するためには権益を維持していくことがやはり重要だと考えています」
 ただ、日本側が出資を希望しても、受け入れるかどうかの判断はロシア側にあり、不透明な状況が続いている。
■全てのオプションを使わないと届かない
 また専門家は、日本が「サハリン2」から調達する全量を輸入でまかなうのは難しいと指摘する。
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 日本エネルギー経済研究所 小山堅首席研究員
 (天然ガス調達先の)比率で見ると9%はあまり大きくないように見えるが、日本は世界で中国と1位2位を争う最大の天然ガスの輸入国で、9%はLNG・約600万トンという非常に大きな数字。日本としてはすべてのオプションを使わないと600万トンには届かない。ヨーロッパも追加的なエネルギー調達に必死になるので、ヨーロッパの主要消費国と日本が調達を巡って競争するということが冬にかけて起こるかもしれない。
■世界のLNGは2025年まで売り物がない
 一方、日本は天然ガスの開発プロジェクト「サハリン2」で揺さぶられている。すでにイギリスのシェルが撤退を表明。日本からは三井物産三菱商事が権益を持っているが、プーチン大統領が6月30日に署名した大統領令では、参画を続ける場合はロシアが提示する条件への同意が必要としている。
 細川昌彦氏(明星大学経営学部教授)
 強制的な接収だと言われないように、微妙なやり方をしています。ロシア新会社に対して日本の権益を持っている人たちも参画を続けたければその意向を伝えてこいと、こういう言い方をしていますから、強制的ではないというフリはしている。
 まだ新会社も設立しておらず、日本企業が参加するための条件も明らかになっていないが、日本としては引き続き権益を維持したいという方針なのか。
 細川昌彦氏
 というか権益を維持しないと日本のエネルギー安全保障にかかわるということだと思います。新会社(事業主体)の中で株主としての地位を持つ、これが権益の意味です。もうひとつ、この事業主体と日本の8つの会社が個別の調達契約をしているわけですが、分けて考える必要がある。株主としての地位がないと発言権がなく、調達契約もロシアのいいなりになる。これが個別の契約にも今後影響してくるということだと思います。
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 権益を持っているからこそ長期的に安い価格で安定的に輸入契約ができる。これが止まればスポットで買わなければならなくなる。北東アジアのLNGのスポット価格を見ると40~50ドルで、高いときには80ドルを超えている。日本の平均LNG輸入価格は長期契約なので、10~20ドルだ。サハリン2からはどれぐらいで買っているのか。
 細川昌彦氏
 だいたい10ドルぐらいと言われています。権益を持っているので非常に安い価格で安定的に。ほかから調達すればいいのではないかという人もいますが、世界のLNG市場では争奪戦が起こっていて、2025年まではすでに売り切れで売り物がないのです。26年以降でないと長期契約はあり得ないというのが世界のLNG市場なのです。
■今冬は“停電覚悟”?
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 日本の電源構成を見ると、最大の39%を天然ガスでまかなっており、天然ガスの8.8%をロシアから調達している。「サハリン2」の権益を失った場合、日本にどれだけの影響があるのか?
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 細川昌彦氏
 日本の発電にどれだけ影響あるかというと、電気の供給量の中で3%の予備率をもっていないといけないと言われていますが、この冬はロシアから天然ガスが来なくなると、マイナスになる。停電覚悟です。停電をなんとか逃れようとすれば、スポットで高いものを調達しなくてはならない。そうすると年間2兆円ぐらい上乗せになり、電気料金に跳ね返ってくるという構図だと思います。
 冬に向けて電気、ガスをどう確保するのか。大きな課題が横たわったままだ。
 (BS-TBS『Bizスクエア』 7月23日放送より)」
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 7月31日18:50 産経新聞「「サハリン2」露側が決済口座変更要請で揺さぶり 中国は露産エネルギー輸入拡大
 永田 岳彦
 三塚 聖平
 有料会員記事
 サハリン2で液化天然ガスを積み込むLNGタンカー=2021年10月、ロシア・サハリン州(AP)
 ロシアのプーチン大統領が、日本の商社2社も出資する極東サハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の運営を新たな露企業に移管させる大統領令に署名して約1カ月。日本側は引き続き権益を維持する構えだが、経済制裁の報復で露側が液化天然ガス(LNG)を遮断する可能性は残る。露側はまだ新会社を設立していないが、現在の運営会社が取引先の電力・ガス会社に決済口座の変更を求める動きが明らかになり、各社はその対応や調達の見直しに追われている。」
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