🍞2〗ー3ーウクライナ戦争と円安で肥料価格が高騰、食品価格に波及も。~No.4 

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 2022年4月22日 産経新聞「肥料価格が高騰 食品価格に波及も
 © 産経新聞 肥料原料は輸入頼みだ
 食料品の値上がりの要因となっている小麦などの穀物価格の高値が長期化する懸念が強まっている。ウクライナ侵攻などの影響でロシアや中国が主要輸出国の肥料原料の供給不安が広がり、国際価格が昨年1月比で3・2~4・8倍に高騰する事態が起きているためだ。全国農業協同組合連合会(JA全農)はロシア産の輸入分を全面的に他国産に切り替えるなど調達先を見直しているが、農産物の収穫量を左右する肥料価格の上昇は食料の安定供給も脅かしかねない。
 国内肥料の原料調達で5割超のシェアを持つJA全農は毎年6月と11月の年2回、農協や販売店向けの肥料価格を改定している。昨年6月からは値上げせざるを得ず、11月には前年比2割超の引き上げとなった。JA全農の担当者は「今年6月の値上げも避けられない情勢だ」と話す。
 農産物を効率的に生産するために使う肥料はカリウム、窒素とリンが「肥料の3要素」と呼ばれ、塩化カリウム尿素、リン酸アンモニウム(りん安)の形で利用する。
 日本は肥料原料をほぼすべて輸入しており、令和2年7月~3年6月の調達国別シェアでは、りん安の90%、尿素の37%を中国、塩化カリウムはロシアが16%、ベラルーシが10%を占める。
 原料価格は以前から、世界的な食料需要の増加や燃料高騰などにより上昇傾向にあったが、昨年10月、電力不足に陥った中国が自国内の肥料価格安定のため輸出検査強化を打ち出し、流通が停滞したことで需給が逼迫(ひっぱく)。さらにウクライナ侵攻と対露経済制裁による供給懸念が重なり、市場価格の上昇圧力が一段と高まる形となっている。
 JA全農では安定供給を確保するため、年間3~4万トンに上るロシア産塩化カリウムの輸入をカナダや中東からの調達に切り替えた。また、昨年からりん安は中国分をモロッコ産などで代替するなどの対応をとったが、その結果、輸送・保管コストが増加したという。全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は「農産物は価格転嫁が難しく農家の所得減になり、生産をやめる農家が出かねない」と指摘する。
 このため、政府は物価高騰の総合緊急対策に肥料原料の安定調達に向けた追加経費支援などを盛り込む方針だ。ただ、ウクライナ危機を受けた国際的な肥料原料確保の動きは争奪戦の様相を呈し始めており、肥料高は長引く可能性がある。(日野稚子)」
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 4月28日 産経新聞「肥料原料安定調達へ モロッコに武部農水副大臣派遣
 金子原二郎農水相
 金子原二郎農林水産相は28日の閣議後会見で、肥料原料の安定調達のため、5月に武部新(あらた)副大臣をモロッコへ派遣することを明らかにした。肥料原料をめぐっては、輸出上位国に自国需要を優先する中国の輸出制限やウクライナ侵攻を行うロシアが入ることから世界的に調達不安が広まっており、日本は調達代替国の1つ、モロッコとの関係強化をねらう。
 金子氏は会見で「(肥料原料の)天然資源の偏在の課題がある中、中長期的観点からも調達安定化に向けて、特定の輸入国からの依存をできるだけなくし、安定調達を図る」と述べた。
 主たる肥料原料のうち、りん安(リン酸アンモニウム)は9割を中国から、塩化カリウムはロシアとベラルーシから計2~3割を調達している。モロッコとの関係は昨秋、中国が肥料原料の輸出検査強化に踏み切ったことを機にりん安の代替先となったこともあり、今後の関係強化の働きかけのために訪問を決めた。金子氏は塩化カリウムの代替国への訪問についても「検討中」とした。
 政府は秋の作付けに向けて国内肥料需要が高まることを踏まえ、原油価格・物価高騰総合緊急対策で、調達国変更に伴う輸送費や保管費の負担増へ100億円を措置。世界的に調達が不安化する中、調達先を多角化することで国内肥料の安定調達を図りたい考えだ。
 今回の武部氏のモロッコ訪問は、5月13、14両日にドイツで開かれるG7農業大臣会合への出席に合わせたもの。武部氏は11~17日の日程中、ポーランドではウクライナへの食料支援物資15トンを在日ウクライナ大使館に寄せられた支援物資とともに引き渡す。(日野稚子)
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