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2022年5月21日 MicrosoftNews 現代ビジネス「日本人が「劣化」したワケ…受験勉強で「学歴の高いバカ」が大量生産されている! 中野信子氏と和田秀樹氏がホンネで語る
脳科学者・中野信子氏と精神科医・和田秀樹氏の初の対談本『頭のよさとは何か』(プレジデント社)が話題になっている。知識量の追求が日本人の「バカ」を促進した。「本当の知性」を取り戻すために今必要なこととはいったい──。
コンテンツの学力は役に立たない
和田 前回(『日本人は「世界一アタマが老化している」…中野信子と和田秀樹が警鐘を鳴らすワケ』参照)勉強のシステムハックが出ましたが、受験勉強を通じて身につけたコンテンツの学力というのは、ほとんど役には立たないんですよ。
中野 本当にその通りですね。
和田 数学の難しい問題が解けるようになろうが、物理の問題が解けるようになろうが、歴史の年号についてオタク的に詳しくなろうが、そのコンテンツは役に立ちません。
ただ、「勉強する能力」だけは身につきます。これは後々まで役に立ちます。
中野 わかります。物事を自分のものにしていく能力ですね。
© 現代ビジネス photo by iStock
情報より加工能力や応用能力が大事
和田 手前味噌になりますが、和田式の「勉強法」を勉強して東大に入った人のほうが、社会に出てから伸びることが多いんです。
たとえば鉄緑会(*)みたいな塾に入って死ぬほど宿題を出されて、上から言われた通りの勉強をやってきた子がいるとするでしょう。そういう子は、ある時期に「自分で勉強のやり方を工夫しなきゃ」って考えるようにならないと、医学部であれどこの学部であれ、大学に入学してから今度は「いい成績」を取るために教授の言うことを丸覚えするようになります。
*鉄緑会 中高一貫校の生徒を対象にした東京大学受験指導塾。
それでめでたく役所に入ったら、次は忖度官僚になって……みたいな。
知識量より、新しいことを思いつけるか
和田 僕は、頭がよくなるためには、やっぱり勉強しないといけないと思うんですよ。でも世間が言うところの勉強って、みんなインプット(入力)だけ。記憶だったり知識だったりの量が多いことを「よし」とするわけ。
でも、僕はそうは思わない。持っている知識は多少少なくなるかもしれないけれど、むしろ「加工能力」なり「応用能力」なりを磨いて、知識を生かして新しいことを思いついたり、発信できたりすることのほうが、ずっと「頭がいい」と思います。
ところが、いまだに日本では、過去に書かれたことをたくさん知っている奴が賢くて、新しいことを言う人が「変な人」に見られてしまう風潮がある。
いっぱい覚えないといけない、いっぱい知識や教養を持ってないといけない。それが絶対不変の真理だと信じ込んでいる人たちが幅を利かせています。
クイズ番組の勝者は「頭がいい」のか?
中野 たとえて言うなら、「クイズ番組が好きな人たち」でしょうか。
和田 そうそう。東大出や京大出のタレントは、知識が豊富なものだから、クイズ番組では常に勝者になる。それで世間は、「さすが頭がいい!」と喝采するわけ。「さすが東大、京大出だ」って。
でも、それだけ知識があるんだったら、加工してもっと面白いことをやれよ、という話なんです。インプットばかりで、知識を加工する能力が根本的に欠けているなあ、と感じることが多々あります。
中野 もちろん、出演者も自分の求められているものが何かということを分析して、きっちりその役割を演じ切っているところは素晴らしいのですが、気になるのは視聴者のほうです。クイズ番組は「ショー」でしかないということを、多くの人は理解していないように見えます。
虚構の王
中野 「✕✕王」と、ちょっとあおる感じのタイトルがついていたりするのですが、実際のところは純粋なエンタメです。
番組の虚構の世界の中で作られた“王”であって、本当にその人が実世界でどうかというのは、まったく別の問題ですし、そうだということをどこかで理解しておいてあげなければ、出演者も作られたイメージを押しつけられてしまって可哀想です。
和田 たとえば、伊集院光さんはクイズに非常に強い人ですが、「高校中退なのにすごく頭がいい」という評価になっちゃうんですよね。
僕は実際にお会いしたことはないけれど、彼のラジオ番組を聞いている限り、ちゃんと考える習慣を持った人、本当に頭のいい人だと思います。
でも、「クイズ番組で強いから頭がいい」と評価を下すことに対しては強い違和感があります。クイズ問題で的中するというのは、単に「物知り」だということですから。
頭のよさの基準って、クイズ番組で勝てることではないでしょう?
© 現代ビジネス photo by iStock
勉強法か情報か
中野 勉強法を身につけるのか、コンテンツ(情報)を身につけるのかという問題につながると思いますが、これってけっこう根が深い問題だな、と感じますね。
コンテンツを身につける方法ですと、短期的にはすごく成果が出るんですよね。ただ世の中が、この短期的な成果にあまりにもフォーカスしすぎてしまっているように思えてなりません。いわゆる「皮膚炎でステロイドを塗るとすぐ治る」療法を想起させます……。
だけど、それは根治療法というよりは、対症療法です。本当は根治療法をやらないといけないのに、どうして誰もそこに目を向けないの?っていう疑問を持たざるを得ない場面を目にすることが多々あります。
知らない世界を探求してモノにする
中野 「勉強法を自分で考える」というのは、まさに根治療法みたいなものではないでしょうか。「知らない世界」をどれだけ自分のものにできるか、そのパワーの強さが試されるものだと思います。
「知らない世界を探求し、自分のものにするトレーニングを10代のうちにやったほうが得ですよ」と伝えたい。それこそ本来の学びであるはずだ、と思います。そこの部分が、高等教育の世界でもあまりにも揺らいでしまっているのが、根の深い問題としてあると思います。
和田 たとえばスポーツなら、成果がいちばん出るやり方が最も優れているから、ある時期から「やり方」が徹底的に研究されだしました。
僕らの時代で当たり前のようにやっていたうさぎ跳びも禁止されたし、「水を飲むな」という指導も禁止されました。“ど根性”だけではダメだということが徹底されてきたわけです。でも勉強だけは、いまだにど根性が幅を利かせている
受かるだけでいいなら、東大理三ですらど根性だけで受かってしまう現実があるから。
「ど根性勉強」のワナ
中野 受験勉強には、ある程度「型」のようなものがありますからね。「塾歴社会」という言葉もありますが、ノウハウを蓄積した塾でひたすら反復練習をすればテストの点は取れる。
和田 中学受験のSAPIXとか東大受験の鉄緑会は、まさにど根性なわけ。そして、ど根性だけで入試まではなんとかなっちゃう。一方でこのやり方が、大量の落ちこぼれを生み、勉強嫌いを生むんですけどね。
勝ち組は勝ち組で、単にど根性で知識量を増やして入試を突破しただけなのに、「自分は頭がいい」と勘違いしてしまう。さらに、ど根性でなんとかしただけの人は、その先の人生もど根性で切り抜けようとする。それはメンタルヘルスにも悪いんですよ。
中野 それはそうでしょうね。タスクをこなした満足感はあるかもしれませんが、やはり苦行には違いないでしょうから。
学歴の高いバカ
中野 経済学者の友だちから聞いた話で、すごく印象に残っていることがあります。ある親御さんが子どもを塾に行かせたところ、子どもは楽しそうに勉強していて、成績も上がったそうです。それはとてもいいことでしょう?
ところが親御さんは、子どもにその塾をやめさせたというんです。なぜ、と詳しく話を聞くと、要するにその親御さんの感覚では、「楽しそうに勉強しているのは認められない」「苦行じゃないといけない」と捉えていた。本末転倒です。
和田 僕は、鉄緑会を出て東大に入って、その後、みずから起業した人の話を聞いたことがない。あれだけ大勢が受かっているのに。
だから、誤解を恐れずに言えば、「ど根性勉強というのは学歴の高いバカしか生まない」と思っているわけです。そのうえ、将来的には人生のどこかの段階で行き詰まって、うつ病になることも多いのだろうなって。
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「優秀な規格品」人材の時代は終わった
中野 コンテンツを勉強することは、極言すれば「優秀な規格品を生む勉強」でしかありませんね。
和田 ですね。たしかに、かつてはそういう「優秀な規格品」でなんとかなった時代もありました。
中野 高度経済成長期などで、社会システムがちゃんとしていて、進むべき方向がはっきりしていれば……。
和田 その通り。日本も戦後の高度経済成長期までは放っておいても成長していましたし、アメリカの真似をしていたらそれでよかった。会社も完全に年功序列、終身雇用で、その中での“歯車”を求めていたわけです。
そういう時代には、規格品の東大生がよかったんです。
勉強法を工夫する能力の重要性
和田 しかしいまの時代、僕がもし企業の人事担当者にアドバイスを求められたら、「東大生を採るなら、高校時代に優等生だった人より、『下の成績だったのになぜか東大に入った人』を採ったほうがいいよ」と言うと思います。
後者のほうは、間違いなく「勉強法を工夫する能力」があるわけだから。
僕は、受験勉強の本質というのは、目の前にあるひとつの難問を解く力じゃなくて、たとえその問題が解けなかったとしても、どうにかして志望校に入る力を育むことであり、また、そのための「考える力」を身につけることだと思っています。
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現代日本の衰退、日本社会の頽廃と怠慢そして日本人の自堕落・無能・幼稚・無気力・無関心をつくりだし悪化させ深刻にしたのは、メディア・マスコミ、学者・教育関係者である。
平成時代初期に、メディア・マスコミ、学者・教育関係者によって日本人の結婚観、人生観、家族観などが大きく歪められた。
彼らは、
青少年男性に、結婚だけが幸せではなく、家族を持たず一人だけで悠々自適な生活を満喫する独身貴族こそが理想的な生き方だという表面だのバラ色の夢で洗脳した。
青少年女子には、人生の勝ち組になる為に三高結婚を目指せと。三高とは、高学歴・高収入・高身長そして義理の親の老後面倒を看ない為に長男を避けるべきだと洗脳した。
そして、子供は愛の結晶ではなく、子供は鎹(かすがい)ではなく、自分の貴重な時間と金と労力を無駄に無益に浪費を強制する邪魔者と洗脳した。
個人として自立し成長する為には自分投資・自分磨きが大事で、その為には収入から家賃と食費の出費を削る必要があり、その理想人生を達成する為には、結婚せず親と同居するパラサイトシングルこそが理想のライフプランで、親の時間・金・労力(自分を養わせる)を食い潰せ、トコトン「親の脛をかじりつくせ」と洗脳した。
そうしたメディア・マスコミと専門家、学者・教育関係者とは、反民族でグローバル志向が強いリベラル系左翼・左派系の高学歴な知的エリート・進歩的インテリであった。
そうした理想が、少子高齢化による人口激減が顕在化し始めた現代の2020年代に待ったなしの解決方法のない袋小路的深刻な問題をつくり出し押し付けている。
彼らは、日本を発展、進歩させるのではなく衰退させ後退させ破壊する事の貢献した。
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