🌌30}─3─海面上昇で沿岸諸国の沿岸部にある食糧生産最適用地がされつつある。~No.129No.130No131No.132 @ ⑳ 

人類の選択のとき
地球温暖化と海面の上昇 生命圏の崩壊はすでに始まっている

人類の選択のとき
地球温暖化と海面の上昇 生命圏の崩壊はすでに始まっている

  • 作者:岡留 恒健
  • 出版社/メーカー: 現代企画室 e託
  • 発売日: 2014/10/31
  • メディア: 単行本
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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2015年12月9日 朝日新聞「地球異変
 暮らしのみ込まれる
 海岸浸食 10年で200メートル
 廃墟となった教会のすぐそばまで波が押し寄せるベトナム北部のハイハウ海岸。数平方キロあった地区の3分の1が、この70年で海に沈んだ。教会近くに住んでいたグエン・ティー・ヒェンさん(56)は2003年、約1キロ離れた場所に移住した。だが、地元政府が提供した土地は以前の約10分の1。
 『狭くて野菜や家畜を育てられない。暮らしが厳しくなった』
 政府は10年前から海岸沿いの土の堤防をコンクリートで補強する工事を進めているが、波が堤防を越えることもある。堤防は亀裂も入り、放置すれば崩壊の恐れがある。調査を続ける茨城大学の安原一哉名誉教授(地盤工学)は『さらに浸食が進みかねない』と警鐘を鳴らす。温暖化は海面上昇とともに台風の巨大化ももたらす。『沿岸の人たちは高潮や浸水でより危険にさらされる』
 南へ約1,200キロ。世界有数の穀倉地帯として知られ、メコン川河口部に広がるメコンデルタも、海岸の浸食が進む。
 海岸沿いの町ビンチャウで11月下旬、茨城大学地球変動適応科学研究機関(ICAS)のグループがドローン(小型無人飛行機)を飛ばし、海岸線を撮影した。約10年前の衛星画像と比べて200メートル前後迫ってた。マングローブ林が消え、240メートル迫った。同大の田村誠准教授は『日本では年間3メートルが浸食の基準の最大値。すさまじいスピードで浸食が続いている』。
 国立カントー大のドゥオン・バン・ニー教授は浸食が進む理由について、①人口増加で内陸から沿岸に人が移り住み、マングローブの伐採が進んだ②ダム建設や開発で川から海に供給される砂の量が減った③地球温暖化による海面上昇、の3点を挙げてる。
 ビンチャウでは3ヶ月前から護岸工事が始まったが人の背丈ほどのブロックを並べ、波打ち際に木の柵を打ち込むだけ。潮位が上がると水没する。
 メコンデルタベトナム領内だけで九州に匹敵する約4万平方キロの広さがあり、年間約2,000万トンのコメを生産する。だが海水の影響で、すでに井戸水が使えなくなったり、塩害で農地の収量が堕ちたりしている。マングローブを伐採し、日本への輸出も多いエビの養殖池に転換する場所も多いが、地元のボー・バン・チャオさん(59)は『このままでは浸食で池が飲み込まれてしまう』と気をもむ。
 ベトナムでは年平均2.8ミリの海面上昇が観測されている。温暖化が加速し、2100年に海面が最大1メートル上昇すればメコンデルタの最大40%、国全体でも人が住む地域の面積の10〜12%が失われると政府は試算する。天然資源環境省のグエン・バン・ツエ気候変動局長は『政府内で沿岸の住民を内陸に移住させる計画も検討を始めている』と語る。
 カントー大のニー教授は『メコンデルタのコメは約40ヶ国に輸出されている。侵食対策への各国の資金援助は、ベトナムのためだけではない』と訴える。
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 途上国 被害軽減策求める
 COP21 ベトナムなど43ヶ国声明
 11月30日にパリで始まった国連気候変動会議(COP21)の初日。ベトナムも加わる43の途上国でつくる『気候脆弱性フォーラム』が声明を出した。『我々の国には温暖化の脅威がすでに迫っている』と強調し、温暖化の影響で難民となる人たちを支援する国際機関の設置などを求めた。
 これらの国は、交渉が温室効果ガスの削減策に集中していることに危機感を抱く。途上国支援の半分は、被害の軽減策に向かうべきだと主張する。30日の首脳会議でベトナムのズン首相も訴えた。『バランスのとれた合意が必要だ』」
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 12月7日号 週刊文春池上彰のそこからです!?
 ……
 連載235?『パリでの約束』なるか?
 私たちは一般的に『地球温暖化』という言葉を使いますが、国連の場で『気候変動』はという表現します。温暖化が進むと、地球上では一時的に寒冷化が進んだり、異常気象が増加したりするので、この言い方を使用します。人為的な温暖化が進むことを『気候変動』と呼び、自然現象で温暖化が進む場合は『気候変化』と称します」
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 地球温暖化に伴う海面上昇で被害を受けるのは、日本でも同様である。
 日本民族日本人は、水田稲作に適した平地に定住してムラを造って生活してきた。
 物資を運ぶ為に、海や河川に近い所に町を造って経済活動を行ってきた。
 外国との交易を行う為に、沿岸部に都市を造り、国際港を整備し、国際空港を建設してきた。
 海水面が上昇すると、沿岸部の都市、町、村が水没し、食糧を生産している水田の大半が消滅する。
 水田を失った日本の食糧自給率は、破滅的激減となる。
 日本は、島嶼国家である。
 島嶼国家である以上、日本も海面上昇に伴う被害は深刻である。
 その破滅的事態が目の前に迫っているにもかかわず、日本人は慌てふためく事なく、平然として暢気に人生を謳歌している。
 食糧自給率の低い日本は、食べ物を海外に依存している。
 大量の残飯を惜しげもなく捨てる「罰当たり」な日本人は、食料生産国に対して金を出せば好きなだけ食べ物を購入できると確信している。
 今がたらふく食えて楽しければ、明日の事は気にしないのが、現代日本人の生き方である。
 昔の日本民族日本人と現代の日本国民日本人では、物事の考え方が180度的に異なる。
 口で言うほど「もったいない」という気持ちは、現代日本人は持ち合わせていない。
 その証拠が、残飯の量である。
 今、ベトナムで進行している大災害は、明日の日本の破局である。
 護岸防衛のスーパー堤防は、海水面上昇による海岸浸食を食い止める事は100%不可能でり、無能無策の極みである。
 打つ手はない。
 だが、そうしたカタストロフを否定する楽観的な意見や学説も存在する。
 悲観的な生き方を嫌う楽天的な日本人は、科学の力で危機は乗り越えられると確信し、自分が信じたい情報のみを聞き、楽観的な希望を持ち、バラ色の夢を抱いて楽しい生活をエンジョイしている。
 悲観的に生きるか。
 楽天的に生きるか。
 昔の日本民族日本人は、生死に関わる甚大な自然災害多発地帯に生きる定めとして、精神的にバランスよく、悲観的に物事を考えながら心配し、楽天的にその日その日を生きていた。
 それが、食べもに対する「もったいない」と「罰当たり」である。

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海面上昇とアジアの海岸

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 古今書院
  • 発売日: 2001/09/01
  • メディア: 単行本
地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル

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