💫18}─2─地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?〜No.124No.125No.126 ⑰ 

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 2023年4月5日 MicrosoftStartニュース ラブすぽ「地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 地球の自転速度は遅くなり、月はだんだん遠くなる
 地球は一日24時間かけて自転していると思っていませんか?もしそう思っておられるなら、それは誤解です。一日は太陽が南中してから次の南中までの時間です。地球は太陽の周りをまわっているために一日経つと違った位置に移り、南中と自転の間に差が生じます。1自転は23時間56分、4分短いのです。
 むかし、時間はこの一日の長さを基準に測っていました。ですが、いまでは原子時計という天体の運行とは無縁の、格段に精度の高い方法で測られています。自転の速度は計測の精度が上がるにつれて結構変化していることが明らかになりました。例えば、季節によって自転速度は微妙に変わりますが、これは大気の運動、風が吹くことで地球の回転を速めたり、遅らせたりするからです。
 ニュースなどで「うるう秒」を挿入します、といったお知らせを目にします。「挿入」するだけで、「引き算」はありません。ということは一日の長さはだんだん長くなってきている(図3)ことを意味しているわけです。実は、この現象とは、地球の自転速度が遅くなってきていること、太陽の周りをまわる時間が一定とすると、一年の日数が減ってきていることを示しているのです。
 そうです、地球はむかしは一年が400日くらいありました(せわしないですね、ただし約4億年前ですが)。このままいけば、いつの日か自転が止まってしまうでしょう。なぜ自転速度は遅くなっているのでしょうか?それは、ブレーキ役がいるからで、海底と海水との間に働く摩擦力が原因と考えられています。
 といっても、物理法則は回転の運動量は保存する、と教えています(角運動量の保存則)。では、自転が遅くなって失われた自転角運動量は、どうなったのでしょうか?
 これは、潮ちょう汐せき力りょくを介して月の公転角運動量に受け継がれています。そのために地球の自転が遅くなるにつれ、月は公転が加速され地球からだんだん遠ざかっていきます(現在は約4㎝/年)。とすると、一年が400日もあった4億年前の月は、もっと地球の近くにあってかなり大きくみえていたはずなのです。
 地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』
・地球の成り立ちについて興味がある ・地震のメカニズムについて知っておきたい ・今後日本が直面する気候変動について学びたい etc….
 以上の方には「図解 地学の話」は大変おすすめな本です。
 6400㎞とは何の距離かわかりますか?東京と宇都宮の間の距離が約100㎞ほどですから、その64倍ということになります。また、本州の長さは測り方にもよりますが、約1300㎞ほどですから、その約5倍です。決して短い距離ではありませんが、かなりの長さというわけでもないですね。実は、これは地球の半径の長さなのです。「えっ、地球ってそんなに小さいの!」とびっくりする人もいるかもしれません。そうなのです、地球は本当に小さい惑星なのです。
 46億年。一年の46億倍。これはまた、気の遠くなるような時間の長さですが、これは地球の年齢。宇宙の年齢は138億年といわれていますので、それにくらべれば若いとはいえますが、それでも膨大な時間です。長く生きている小さな惑星、それが私たちの地球です。
 中学や高校で地学を学んだ方もいるかもしれません。地学は、こうした地球についてさまざまなことを教えてくれます。ですが、地学の分野はきわめて多岐にわたり、そのすべてについて詳しく知ることは、不可能ではないかもしれませんが、大変難しいことです。本書は、地学の種々の分野を体系的に知るための教科書ではありません。49の面白そうなトピックを選び、図解をまじえて、なるべく物語風に語ったものです。
 どの項目を読んでも、地学に興味のあるあなたなら楽しめるはずです。ぜひ本書を一読し、その深い世界を楽しんでください。
 地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 地球はどのようにして誕生したのか?
 この記事では多くの人が一度は疑問に思ったことがある、「地球はどのように誕生したのか?」を解説します。不思議でロマンあふれる地学の世界の一歩を踏みだしましょう。
 太陽系は、今から約46億年前にできました。太陽だけではなく、太陽系の惑星も同時にできました。最初は星間ガスの回転濃集から始まり、やがて中心星の太陽とそれを取り巻く円盤が形成されると、円盤の中にガスから固体の塵が晶出しました。その後、それらの塵が相互に合体して、岩石、微惑星、そして惑星や衛星が短期間に形成されました。惑星になれなかった小惑星、隕石、そして月の石の最古年齢は、いずれも46億年前であることから、それが太陽系形成年代とされています。
 ですが、地球にはそのような古い記録は残されていません。その理由は、地球では他の惑星にないプレートテクトニクスが働いていて、常に古い岩石を新しいものにつくり替えているからです。地球最古の岩石はカナダ北部でみつかった40億年前のものであり、最古の物質は43 億7000万年前のジルコンという鉱物粒です)。地球年齢が46億歳ということは間接的に推定されているわけです。
 地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 多様な隕石の2段階による合体でできた地球
 地球の岩石の化学成分はよく調べられており、しばしば惑星形成の材料物質であった隕石の組成と比較されます。すると地球岩石は多様な隕石の種類の中でも、特定のタイプ(エンスタタイト球粒隕石)と近縁であることが確認できます。
 地球の岩石の化学成分はよく調べられており、しばしば惑星形成の材料物質であった隕石の組成と比較されます。すると地球岩石は多様な隕石の種類の中でも、特定のタイプ(エンスタタイト球粒隕石)と近縁であることが確認できます。ところが、このタイプの隕石には、大気や海水をつくる軽い元素がまったく含まれておらず、エンスタタイト球粒隕石だけでは、現在のような水惑星地球をつくることはできません。地球の大気や海水をつくっている水素の同位体組成(普通の水素の他に重水素三重水素がある)は別のタイプ(炭素質球粒隕石)が起源であることを示しています。
 したがって、地球形成は、岩石/金属からなる部分をつくったエンスタタイト球粒隕石集積の段階と、その後の炭素質球粒隕石の追加という2段階を経てできたことがわかってきました。
 太陽系の中を実際に探査機が飛びまわって調べた結果、エンスタタイト球粒隕石は地球軌道周辺にも存在していたと考えられますが、水素などの揮発性成分を持つものは火星の外側の小惑星帯の中でも外側にしか分布していないことがわかりました。であれば、初期太陽系の円盤の中で大規模な物質移動を考える必要があります。
 地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 シリーズ累計250万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ
「図解 地学の話」と銘打っているだけあって、図解がふんだんに使われています。
 右ページに文章、左ページに図解で解説という形で全頁が構成。
 さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!この「眠れなくなるほど面白い図解シリーズ」は250万部を突破している大ヒットシリーズです。
 日々の生活の必須知識として家に置いておきたい一冊!
 春はいろいろな出会いがあり、新しい環境に身を置く人も多いでしょう。そして、よい人間関係のスタートを着る上で、心理学の知識は大いに役に立ちます。この一冊を読んで、コミュニケーションを深く知り、他者と良い関係を築きましょう。
 知的好奇心を満たす1冊!ぜひ『眠れなくなるほど面白い 地学の話』をご一読ください!
 出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』
 【書誌情報】 『図解 地学の話』 著者:高橋正樹 他
 地球が動くのを止めてしまうのはいつになるのか?【地学の話】
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 地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。
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📉25】─1・B─ゆとり教育が経済大国日本を衰退させ日本にIT人材不足をもたらした。〜No.52 

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 ゆとり教育を始めたのは、高学歴なリベラル派・革新派の政治的エリートと進歩的インテリ達であった。
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 戦前の科学技術による敗戦後から経済成長まで続いていた日本のもの作りのイノベーションとリノベーションは、ゆとり教育で潰された。
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 2023年5月2日19:27 YAHOO!JAPANニュース 文化放送ゆとり世代は他の世代に比べて勉強しなくなった世代であることは間違いない
 団塊の世代団塊ジュニア世代、ゆとり世代、ミレニアル世代、Z世代など年代ごとに〇〇世代と名付けられた呼び名がある。5月2日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」では、各世代の違いについて議論した。
 大島育宙「ミレニアル世代、Z世代も若くして才能を磨いている人が多いって言われるじゃないですか?上から見ると若い世代がそう見えるっていうふうになってきてるっていうことだと思います。それにしてもゆとり世代はあんまり言われないですね」
 西川「ゆとり世代だけ損してるのかな」
 大島「めっちゃ損してるかも」
 バービー「2人はゆとり世代ですけど、小学校入った時から週5でした?」
 大島「そうですね。ただ僕はちょっと特殊な国立の小学校だったんで…」
 西川「私も私立だったんで土曜日あったけど…」
 バービー「じゃあ全然ゆとってないですね」
 西川「大島さんをゆとりって言っちゃったらゆとり教育って何だろうってことになってきますけど…」
 大島「周りの子たち見てるとゆとりっぽかったけどな。受験勉強を親に頑張らされる子たちはめっちゃ勉強するけど、そうじゃない子たちは他の世代に比べて急激に勉強しなくなった世代であることは間違いない気がする。勉強の格差みたいなのが凄い広がった世代な感覚は同世代の他の人たちを見ててもちょっと思いますね」
 バービー「ゆとり世代から個性、個性って言われたんですよね。何となくですけど個性、個性って言われて個性があまりない人が増えたような気がする」
 大島「そこがゆとり世代なんですよ。たぶん個性がやっと出始めたのがミレニアル世代」
 番組では、この他にも世代の違いについて話し合っています。もっと聴いてみたいという方はradikoのタイムフリー機能でお聴き下さい。
 番組の「きょうのクリエイティ部」のコーナーでお伝えしています。
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 MAG2NEWS
 武田教授が痛感。“大失敗”ゆとり教育の犠牲となった若者の思考停止
 国内2021.06.17 by 武田邦彦武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』
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 「生きる力を育む教育」として鳴り物入りで導入されるも、国際学力テストの順位低下が報じられるや国民の間で批判が高まり、追われるように廃止された「ゆとり教育」。理念自体は崇高と言っても過言ではないゆとり教育は、なぜこのような末路を辿る結果となったのでしょうか。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』では中部大学教授の武田邦彦さんが、ゆとり教育が失敗に終わった理由を検証するとともに、教育の現場で自身が痛感したある事実を記しています。
 武田教授のメルマガご登録・詳細はコチラ
 失敗に終わったゆとり教育が生んだのは〇〇できない日本
 1990年に「ゆとりの教育」という話が持ち上がり、政界、学会、産業界はもとより、芸能人に至るまで「全員賛成」で初等教育の大改革が実施された。その時のうたい文句は「今までは生産の拡大だけが日本に必要だったが、これからは頭で考える人材でなければ国際競争には勝てない」ということであり、それを「全員」で賛成した。これも「日本的」である。
 「考えさせる教育」だから、それまでの「詰め込み教育」よりも教えるのに時間がかかり、一時的には成績が下がったように見えるのは覚悟の上だ。それに学校の先生が慣れていない。日本は文科省が威張っていて「学習指導要綱」というのを作り、先生は教科書とこの要綱にそって教えるだけだから、まず先生の「ゆとりの教育」が必要だったが、それを省いたので、何を教育すればよいのか先生が自ら考える力がない。
 日本中が賛成したので、ゆとりの教育がスタートしたが、もちろん、失敗した。準備なし、能力なしでのスタートだから当然のことだった。でも、それなりに成果を上げ始めたころに「国際テストの結果」がテレビで報道され、「ゆとりの教育の結果、日本の子供は世界のトップクラスから中堅に落下した」とされた。
 ビックリした国民は「ゆとりの教育が悪い。あれを止めてしまえ!」という大合唱となった。特に話題となったのは、円周率(π)を従来の3.14という数値から3として教えるということだった。「3.14という数値ぐらい覚えないで勉強と言えるのか?」「むしろ3.141592ぐらい覚えさせても」という声が起こった。
 でも、それは大変な誤解だ。
 円周率を計算する式は、L=πD(Dは円の直径)で例えば1メートルの直径の場合、円周は3.14メートルというわけだ。だから、日本の子供は、
 3.14を覚え、
 L=πDの公式を覚え、
 直径Dを与えられると、円周率と式を思い出して掛け算をして求める、
 という順序を踏む。
 ところが、この計算の本質はそんなことではなく、「直径がわかればその3倍が円周」というのである。つまり、例えば陸上競技で400メートルのトラックを作ろうとしたら、400メートルを暗算で3で割り「およそ長さが120メートルぐらいの土地があればできるのだな」ということがわかることだ。
 つまり、人に使用される場合は言われたことにそって計算すればよいが、自分で仕事をするときには概算で検討をつけることが大切になる。だから3.14と3では「質が違う」のである。
 せっかくゆとりの教育で「自分で考えられる人」を作ろうとしているのに、召使の勉強から離れたくないというのであるから実に馬鹿らしい。これでは日本は自立できないのだ。
 この問題は実は極めて深く、深刻な課題を示している。
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 2023年5月2日 MicrosoftStartニュース 東洋経済オンライン
 27カ国中最下位…日本がIT人材足りない根本理由 このままでは最大80万人が不足する事態に
 リチャード・カッツ 
 「2025年の崖」。最大の問題は?(写真:NOV/PIXTA
 © 東洋経済オンライン
 日本はデジタル分野の専門人材不足が深刻化する「2025年デジタルの崖」に直面する。経済産業省によると、2020年には30万人、2030年にはデジタルサービスの需要次第で45万人から80万人にまで不足が拡大するとされている。後者の場合、日本が必要とする190万人の専門人材を4割も下回ることになる。
 経産省は、日本がこの崖を乗り越えなければ、2025年以降、日本のGDPは予測よりも毎年12兆円も低くなると警告している。その損失は、2022年のGDPの2%以上に相当する。ところが、政府はDXなどという聞こえのいいスローガンを掲げるだけで、この状況を改善するためにほとんど何もしていない。民間企業では心強い変化も起きているが、それが政府の動きによって増幅されない限り、崖の高さを低くすることしかできないだろう。
 そもそも人材育成ができていない
 最大の問題は人材の育成ができていないことだろう。日本は数学と科学の分野で世界トップクラスの成績を収めた高校生の割合で2019年、韓国に次いで2位の成績を収めている。にもかかわらず、日本は27の富裕国の中で、科学や工学の分野でのキャリアを目指す優秀な学生の割合が最下位となっている。日本は、STEM(科学、技術、工学、数学)コースを専攻した大学卒業生の割合が22位である。これに対し、韓国は3位につけている。
 (出典:OECD、注:STEM=科学、技術、工学、数学)
 © 東洋経済オンライン
 これは単に優れたコンピュータを開発したり、新しいソフトウェアを書いたりする方法を知っている人たちが不足するという問題だけではない。今では、一般的な企業でもデジタル技術を使って業績を向上させる能力を持っている人が圧倒的に求められている。だが、現実的には多くの企業でこうした人材が不足している。
 デジタル分野に1円投資するごとに企業が得られる利益の大きさを示す「デジタルアジリティ」において、日本が63カ国中63位というのも当然のことである。さらに状況を悪化させているのは、日本の大企業と、日本の労働者の7割を雇用する中小企業との間にある大きな「デジタルデバイド」である。
 大企業が総投資額の10%をソフトウェアに割いているのに対し、従業員数300人以下の企業ではその比率はわずか4%である。2017年に何らかのデジタル機器やソフトウェアに投資した中小企業は、4社に1社にとどまっている。
 経産省が中小企業にデジタル技術の利用が進んでいない理由を尋ねたところ、「ITを導入できる人材が不足している」という回答が43%と最も多い結果となった。また、「IT導入の効果が不明確、または十分でない」が40%と僅差で2位だった。日本には、こうした中小企業にITを活用した売り上げの向上や、効率化の方法を示すコンサルタントが数多く必要なのだ。
 高校教育が遅れている
 この問題は高校から始まっており、教師自身のITスキル、こうしたテーマを教える能力、教師を養成するためのリソース、さらには十分な機器やオンライン学習プラットフォームといった重要な分野で、日本はOECDの中で最下位に位置している。
 政府の教育改革アドバイザーである鈴木寛氏は、大学入試にデジタルスキルが含まれていないことが大きな理由の1つだと指摘する。そのため、高校の教師は教える必要性をほとんど感じていない。
 鈴木氏によれば、2025年からは、入試にIT関連の問題が含まれるようになるとのことで、進んではいる。しかし、誰が教師を指導するのだろうか。そして、それにはどのくらいの時間がかかるのだろうか。
 また、優秀な学生がデジタル専門人材になるために必要な時間とお金を費やすインセンティブも、他の富裕国よりはるかに低い。ほとんどの企業では、給料を決めるのに、依然として職業よりも年功序列が重視される。
 2021年、日本のデジタル人材の平均年収は、2019年から4%減の438万円にとどまった。これは、日本の給与の中央値から2%下回る水準である。最もスキルの高いデジタル専門人材の給与では、その差はさらに大きくなっている。
 ある調査によると、デジタル人材の65%の年収が390万円から540万円であり、615万円以上は5%、1000万円は一握りである。また、他の17カ国では、IT技術者の給与が日本より高いという調査結果も出ている。
 残念ながら、DXは空虚な流行語にすぎないように思われる。日本政府は2021年にデジタル庁を創設したが、その使命は、政府内や政府と一般市民とのコミュニケーションのデジタル化に関するものがほとんどである。
 文部科学省は、STEM専攻の学生が支払う高い授業料と費用を、社会科学や人文科学専攻の学生が支払う低い水準に引き下げる財政支援策を提案している。成立すれば、年間約20万人の学生が恩恵を受けることになる。これは歓迎すべき一歩だが、デジタルスキルの教え方を知らない教師たちの問題を解決するものではない。
 外国人の高度人材にとっても魅力がない
 日本政府は、デジタルなどの分野で優れた技能を持つ移民を増やすため、複数の特別なビザを設けている。しかし、2022年現在、このビザ規則で高度専門職に指定された外国人は3275人にとどまっている。2022年の時点で、ICT分野の外国人就労者はわずか7万6000人ほどである。潜在的な人材が他の地域でもっと多くの給与を得ることができるので、不思議なことではない。
 さらに、2019年のOECDの調査では、高学歴人材の魅力度において、日本は35カ国中25位となっている。例えば、日本では外国人の子弟が学校で日本語の授業を受けることが認められているが、教師不足のため、対象者のうち65%しか支援を受けていない。
 昨年9月、岸田内閣の「教育未来創造会議」は、2032年までに大学のSTEM専攻者を半数以上にすることを提言したが、その方法はもちろん、そのような高い数値が望ましいかどうかも示さなかった。
 政府による措置がない中で、最大の前向きな動きは、世代交代による意識の変化によって、一部の高度な技能を持つ人材が、企業による採用競争によって、より高い給与を得られるようになっていることである。
 20代、30代の働き手は、親よりもずっと、自分が面白いと思えるキャリアを手に入れたいと考えている。また、専門的なスキルを持つ人は、終身雇用の必要性をあまり感じない。そのため、よりやりがいのある仕事、より高い給与を求めて転職を希望する人が増えている。
 1970年代から1980年代前半に採用された25歳から29歳の人たちが、最初は1つの会社に10年間勤めたとする。そのうちの70%は、少なくともさらに10年以上勤続している。しかし、15年後に採用された人たちでは、52%しか残らなかった。同様の傾向は、度合いは低いものの、それ以上の年齢層でも見られる。
 IT人材の給与を上げることは必然
 この世代交代に加え、専門的なスキルを持つ社内人材の不足に対応するため、現在では中途採用の人材を確保せざるをえない企業も増えている。1999年当時、中途採用を実施していた企業は、大小問わず37%にすぎなかった。今では70%近くになっている。
 さらに、優秀な中途人材を引きつけるために、企業はより高い給与を支払わなければならない。2009年当時、勤務先から別の勤務先に転職した人のうち、10%以上の賃上げを実現した人は13%にすぎなかった。しかし、2017年には、その割合は27%に倍増している。
 経験則や各種調査によると、この変化の恩恵を最も受けているのは、熟練したデジタル人材であることがわかっている。 富士通NTTデータなどの企業は、最もスキルの高いデジタル系社員に年間1000万円以上支払っている。
 2019年、NECは優秀な研究開発職の採用者に初任給1000万円を提示したが、これは何年も前に採用した他の社員よりも高い給与を与えることになるケースが多い。パーソルホールディングスは、人材紹介会社として、企業のデジタル人材の確保を支援するとともに、ITに関する研修プログラムも提供している。外資系企業や日本の新興企業は、従来の日本の国内企業よりも大幅に高い給与を支払っている。
 これだけですべての問題を解決することはできないが、正しい方向に進んでいることは間違いない。政府は、DXに関するレトリックを、しっかりとした現実的な対策に変えるべき時である。
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 ゆとり世代とは、「ゆとり教育」を受けた世代のこと。
 定義・範囲
 ゆとり世代については明確な定義、範囲はなく諸説ある。
 小中学校において2002年度施行(高等学校は2003年度)の学習指導要領による教育を受けた世代(1987年4月2日〜2004年4月1日生まれ)
小中学校において1980年度以降(高等学校は1982年度以降)の学習指導要領による教育を受けた世代(1966年4月2日〜2004年4月1日生まれ)。
 背景
 詳細は「学習指導要領」、「詰め込み教育」、「新学力観」、「ゆとり教育」、および「脱ゆとり教育」を参照
 詰め込み教育による落ちこぼれと剥落学力問題の反省から、大幅な学習量の精選と思い切った授業時間の削減が行われ、1980年度に「ゆとりと充実」を掲げて教育方針を掲げた学習指導要領、1992年度に「新学力観」を掲げた学習指導要領、そして2002年度に「生きる力」を掲げた学習指導要領が施行された。1980年から全面実施された学習指導要領の改訂では大幅な学習量の精選と思い切った授業時間の削減が行われた。
 1980年度学習指導要領以降、学力低下を危惧する声が出始め後にゆとり世代と呼ばれ始めた『日本の教育がよく分かる本』(PHP文庫出版)では、「詰め込み教育」世代と「ゆとり教育」世代に分けた時、1980年の学習指導要領改訂を論拠として、ゆとり教育世代には、当時(2014年1月)30代-40代も含まれると指摘している。更に、1980年から学校教育を受けた世代こそ「ゆとり世代」の草分けともされている。 また、ゆとり世代は1966年4月2日~2004年4月1日生まれとする意見と1987年~2004年生まれとする意見がある。
 学習量削減から20年が経過した(その間も削減傾向は継続された)2002年度に施行された学習指導要領をはじめに受けたことになる1987年度生まれの世代をメディア等で「ゆとり第一世代」と呼称するようになった。
 狭義のゆとり教育(2002年実施の学習指導要領)を受けたことのある世代は、1987年4月2日から2004年4月1日生まれである。 令和2年現在において20代~30代前半の若い世代のこととする意見もある。
 ただし、文部科学省ゆとり教育との言葉を用いてはおらず、マスコミによる造語である。
 しかし学力低下の不安から、小学校は2011年度、中学校では2012年度、高等学校では2013年度から学年進行で学習指導要領の再改定が実施された。この改定後の教育はマスコミから脱ゆとり教育と呼ばれている。
 なお、年代区分には諸説があるが以降は、特に記載がない場合、1987年生まれ以降に関する内容である。

 成長過程と経済情勢
 詳細は「さとり世代」を参照
 1986年にバブル景気が起きたが1992年に崩壊し、アジア通貨危機に伴うゼロ金利政策(1999年)や戦後初のデフレ宣言(2001年)が出された。2002年2月から2009年3月にかけていざなみ景気が起きたものの、リーマンショックに伴う不況が発生し、ゆとり世代の価値観に影響を与えた。
 このようなバブル経済崩壊のあとに長らく続く経済停滞の風潮を受け、戦後の経済成長期の世代と比較すると堅実で安定した生活を求める傾向があり、流行に左右されず、無駄がなく自分にここちいいもの、プライドよりも実質性のあるものを選ぶという消費スタイルをもっている。また、結果を悟り高望みをしないため、この世代は「さとり世代」とも呼ばれている。
 成長過程と経済情勢
 詳細は「さとり世代」を参照
 1986年にバブル景気が起きたが1992年に崩壊し、アジア通貨危機に伴うゼロ金利政策(1999年)や戦後初のデフレ宣言(2001年)が出された。2002年2月から2009年3月にかけていざなみ景気が起きたものの、リーマンショックに伴う不況が発生し、ゆとり世代の価値観に影響を与えた。
 このようなバブル経済崩壊のあとに長らく続く経済停滞の風潮を受け、戦後の経済成長期の世代と比較すると堅実で安定した生活を求める傾向があり、流行に左右されず、無駄がなく自分にここちいいもの、プライドよりも実質性のあるものを選ぶという消費スタイルをもっている。また、結果を悟り高望みをしないため、この世代は「さとり世代」とも呼ばれている。
 少子社会
 日本の出生数(棒グラフ)と合計特殊出生率(折れ線グラフ)。1947年(昭和22年)以降。近年、合計特殊出生率は増加しているにもかかわらず、出生数の減少は続いている。
丙午による出生率減によって合計特殊出生率が1.58であった1966年よりも低い1.57を1989年に記録したことが1990年に発表され、「1.57ショック」と呼ばれて注目を集めた。また、平成16年版少子化社会白書は、子どもの数が高齢者人口(65歳以上人口)よりも少なくなった社会を「少子社会」と定義し、1997年に少子社会へ突入したと記載している。
 ゆとり世代の一部が子どもを持つ年齢になった2010年代では、少子化問題がより顕著となった。2011年には第一子出産時の母親の年齢平均が30歳を突破し、2018年現在では30.7歳となった。合計特殊出生率は、2005年の1.26を記録以来微増し、2017年時点は1.43となったが、出産適齢期の女性が減っているため、出生数は減少し、2016年には年間の出産数が100万人を割った(2017年時点では94万6065人)。
 2017年時点での母親の年齢階級別の出生数では、30~34歳が最も多く34万5419人であるが、25~29歳が24万 933人、35~39歳が21万6938人と、30~34歳以外での出生数も多く、20~24歳も7万9264人、40~44歳も5万2101人と少なからずいる。そのため、7割がママ友・パパ友との年の差ギャップを感じているというアンケート結果もある。
 なお、ゆとり世代の子供世代は概ね令和生まれ(2019年(令和元年)5月1日生まれ以降)の世代である。
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🌌59}─1─日本の水道水が危ない。日本人だけが知らない衝撃の事実。~No.281 

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 昔の日本は「水と安全はただ」であったが、現代の日本は「水と安全は有料」である。
 日本人は、自然を愛し、自然を大事にし、自然を守は、ウソである。
 現代の日本人は、昔の日本人つまり日本民族とは違う。
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 2023年4月29日9:02 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「日本人だけが知らない衝撃の事実!「世界中で訴訟になっているヤバい化学物質」が、日本の水道水に大量に含まれていた
 自然環境ではほとんど分解されないという特徴を持ち「永遠の化学物質(フォーエバーケミカルズ)」とも呼ばれる化学物質「PFAS」(有機フッ素化合物の総称)はフライパンや半導体の製造など幅広い分野で使われてきた。
 【写真】逮捕された「美人すぎる寝屋川市議」の写真集全カットを公開する
 一方で環境や人体に悪影響を与える可能性があると指摘されてもいる。
 90年代米国で、PFASを製造する工場の近隣に住む住民がPFAS汚染への補償を求め、大規模な訴訟を起こしたことを皮切りに、世界ではPFASの製造・使用の全面禁止も含めた規制強化の流れが進む。
 実は、そんな厄介な化学物質に汚染された水を日本人は飲んでいるかもしれない。
 環境省が今年1月24日に公表した調査結果によれば、全国で少なくとも13都府県、81地点の河川や地下水で2020年に国が定めた飲み水や地下水などの暫定目標値、1リットルあたり50ナノグラムを超えるPFASが検出されたというのだ。
 京都大学大学院医学研究科准教授の原田浩二さんは日本で長年PFAS汚染の実情や健康に与える影響についての調査研究に携わってきた一人だ。
 PFASの特徴や世界での規制の流れについて聞いた前編「住民の6割以上が基準値越え! 国分寺市立川市民の体が汚染されているヤバすぎる可能性…がんも誘発する「永遠の化学物質」で、日本の水道水が危ない」に続き、後編である本記事では日本におけるPFAS汚染の実情や課題について、原田さんに話を聞いた。
 日本ではほとんど手付かずのPFAS
 世界で規制強化が進むPFAS、その一部に関しては、すでに日本でも製造、輸入が禁止されている。
 日本はPFASをはじめ環境や人体に悪影響を及ぼす化学物質の製造及び、使用の廃絶・制限を目的とした国際条約「ストックホルム条約(POPs条約)」に批准しているからだ。
 しかし、原田さんはこれまでPFASに関して何も対策を講じてこなかった日本では、ストックホルム条約への批准だけでは不十分だと指摘する。
 「欧州各国や米国などでは、国際的なガイドラインを待たずに国独自でPFASの毒性を評価し、規制値を定めようとする動きが進んでいます。
 一方の日本はほとんど手つかずの状態です。何もしていないのは先進国では日本くらいではないでしょうか。
 ストックホルム条約に批准し、国内でも一部PFASの新規製造・輸入が禁止され、この問題は終わった、という楽観論があったのかもしれません。
 しかし、実際には日本各地の水から高い値のPFASが検出されてしまった」(以下「」箇所は原田さん)
 日本では汚染実態の把握も遅れる
 実際、近年では2016年に沖縄で宜野湾市の水源から、2019年に国分寺市の井戸水から高濃度のPFASが検出され、大きな話題となった。
 「事態を受けてなのか、国は20年にやっと1リットル当たり50ナノグラムという、飲料水・地下水の暫定目標値を発表しました。
 ただ、この数字は日本独自の調査・研究によって定められたものではなく、アメリカが2016年に発表した1リットル当たり70ナノグラムという値を参照しているにすぎません。
 すでにアメリカでは23年3月14日に環境保護局(EPA)が1リットルあたり4ナノグラムという一層厳しい基準値の案を発表しています。一方で日本は諸外国の動きを受けて、規制強化に動き出すのかどうかすら定かではありません」
 日本では汚染実態の把握も遅れている。
 冒頭紹介した環境省の水質調査には続きがある。調査を受け、環境省は実態把握のための専門家会議を立ち上げ、その会合が3月28日に開かれた。そこで、PFAS濃度が国の暫定目標値を超えた地点の98%でPFASの排出源が特定できなかったという、調査結果が環境省から発表されたのである。
 このような中でも、PFAS汚染の原因の一つと目されているのが、米軍基地だ。
 沖縄、嘉手納基地や普天間基地周辺、横田基地のある東京多摩地域など、近年水道水から高濃度のPFASが検出された地域には、米軍基地近隣の土地の名前が並ぶ。
 「米・国防総省が米軍関連施設でPFASの使用履歴と近隣の地下水の汚染状況を調べたところ、4分の1の箇所で地下水がPFASに汚染されていたと発表しています。
 この調査では日本の米軍基地については触れられていませんが、日本だけが例外というわけではないはずです」
 市民団体の調査で分かった実情
 動きの鈍い国に代わり、各地で市民団体がPFAS汚染の実態調査に乗り出している。
 多摩地域では2022年秋から、市民団体「多摩地域有機フッ素化合物による水汚染を明らかにする会」が地域住民約600名の血中PFAS濃度の調査・分析を行っている。
 原田さんも同団体が集めた血液の調査分析に協力している。3月25日に発表された中間報告では調査を行った住民の約6割から米国の学術機関が「健康へのリスクが高い」とした血中濃度より高い数値が検出された。この結果をどう受け止めればよいのか。
 「明らかに高い数値です。確かに、依然としてPFASが健康に与えるリスクについて確実になっていない部分は多い。また、PFASは水俣病などの公害のように急性的な影響が出るものではないと考えられています。
 一方で血中濃度が高い状態が長期的に続くと、健康への影響が懸念されることはこれまでの研究から明らかです。行政レベルで、PFASの新たな摂取を抑え、定期的な健康状態のチェックができるような取り組みを行うことが求められます」
 と原田さんは語る。個人でできる対策は何かないのか。
 「汚染の状況については環境省やお住いの自治体の水道局ホームページでPFASの濃度にデータが公表されている場合があります。まずは調べてみましょう。
 また、PFASの除去に関しては活性炭が有効だとするエビデンスがあります。100円ショップで売っている活性炭を使用した簡易な浄水器がありますから、気になる方は活用を検討してみてください」
 取材・文/小林空(週刊現代編集部)
 小林 空(記者)
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 住民の6割以上が基準値越え!国分寺市立川市民の体が汚染されているヤバすぎる可能性…がんも誘発する「永遠の化学物質」で、日本の水道水が危ない
小林 空記者
 蛇口から出た水をそのまま飲める国は世界で12か国しかないとされる。
 その一つが日本だ。日本の水の安全性は世界でもトップクラスに高いと言われ、東京都の「東京水」をはじめ、ペットボトルに詰められ、配布販売されている水道水すらある。
 そんな「日本の水は安全」という神話を揺るがしかねない問題がいま、起こっている。世界各地で規制の流れが進む化学物質「PFAS」が日本の水から検出されているのだ。
 国分寺の井戸水から化学物質が
 例えば、東京多摩地域では、2019年、都の調査により、国分寺市で水道水に利用していた井戸水から国の目標値の2倍以上にあたる、1リットルあたり101ナノグラムのPFASが検出された。
 この問題をうけ、市民団体「多摩地域有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」が2022年秋から地域住民から約600名のボランティアを募り、血中PFAS濃度の調査・分析を実施。
 3月25日に中間報告書を発表した(19市町村の21~91歳の男女、273名分)。中間報告書によれば、国分寺市の住民94.9%、立川市で78%、全体で61.2%の住民の血中PFAS濃度が米国の学術機関「全米アカデミーズ」が「健康へのリスクが高い」とした指標を超えたという。
 そもそも、化学物質PFASとはどのようなものであり、何が我々の健康にとって問題となるのか。PFAS汚染の問題に詳しい、京都大学大学院医学研究科准教授の原田浩二さんに話を聞いた。
 永遠の化学物質PFAS
 「PFASは平たく言えば、炭素とフッ素からできた、有機フッ素化合物、その総称を指します。代表的なものでははっ水スプレー、こびりつかないフライパン、半導体の製造、大規模火災のリスクが高い空港や基地に置かれている泡消火剤などにPFASは使われています。
 水や油をはじき火に強い。加えて安定性が高く長持ちするのが特徴です。一方でこの安定性の高さが、環境中に放出された場合、問題になります。自然の分解作用がほとんど働かず土壌や水の中に残されてしまうからです。そのため海外では『フォーエバーケミカルズ(永遠の化学物質)』とも呼ばれています」(以下「」箇所は原田さん)
 PFASは1940年代から産業利用が始まり、その数は約4700種類以上にあるとされる。そのすべてが人体に悪影響を与えるわけではない。
 「研究によりPFASの中でもとくにペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の2種については人間の体に取り込まれた際、分解されず、体内に蓄積されてしまい、健康に影響を与える可能性があることがわかってきました」
 近年ではこの2つに加え、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)とペルフルオロナン酸(PFNA)も健康への影響が懸念され始めている。
 米ではPFASを巡り巨額の訴訟も
 PFASメーカー内では、70年代ごろからこうしたPFASの問題が指摘されてきたという。広く一般に知られるようになったのは90年代後半から2000年代初頭のことだ。
 米化学大手3M社2000年にPFOS、PFASの新規製造を中止する方針を発表、2002年から製造を取りやめた。同社は22年12月28日に、25年末をめどに、PFAS製造から完全撤退する計画も発表している。
 また米化学大手デュポン社をめぐる裁判も一つのきっかけになった。99年、デュポン社の米ウェストバージニア州にあるPFOA製造工場の近隣住民が、工場から出た廃棄物の汚染により場で飼育していた牛が死亡したとして、同社を提訴したのである。裁判は2004年、デュポン社が住民側に7000万ドル(約80億円)を支払うことで和解となった。
 「裁判の和解条項には汚染対策だけでなく、健康への影響に関する疫学調査を行うことも盛り込まれました。調査は2005年~2012年にかけて、約7万人の地域住民を対象に行われています。
 その結果、PFOAの血中濃度の高さが、脂質異常症、腎臓がん、精巣がん、妊娠誘発性高血圧症(生まれる子供の低体重に関連する)、潰瘍性大腸炎甲状腺疾患に関連することが明らかになりました」
 世界で規制進むPFAS、一方日本は……
 PFASの摂取がこれら疾患に関連するメカニズムについては、いまだ謎が多い。だが、一部は解明されつつある。
 「PFASは脂質の構成要素の一つである脂肪酸に構造が似通っています。そのため、PFASが体内に入ると、脂質の代謝を促す刺激が入ってしまうのです。その結果、脂質代謝に異常をきたし、脂質異常症につながる可能性があると指摘されています。
 がんについては、少なくとも動物実験のレベルではPFASに発がん性はあるとされており、国際がん研究機構(IARC)はPFOAを発がん性の恐れがある物質に分類しています」
 このような背景があるため、2000年代初頭から現在まで、世界各国でPFASの規制強化が進んできた。また、人体や環境に悪影響を与える物質の製造および、使用の廃絶・制限などを目的とした国際条約「ストックホルム条約(POPSs条約)」による規制も進む。
 ストックホルム条約では付属書A(製造・使用、輸出入の原則禁止)付属書B(製造・使用、輸出入の制限)付属書C(非意図的に生成される物質の排出の削減及び廃絶)に分けて対象物質がリスト化されている。2009年にまずPFOSが付属書Bに、2019年にはPFOA、22年にはPFHxSが付属書Aに掲載された。
 では、日本ではPFASはどのような対策が進んでいるのか。原田さんによれば、日本ではPFASの汚染に関する調査研究、そして対策は「ほとんど手付かず」の状態なのだという。
 取材・文/小林空(週刊現代編集部)
 何故なのか、後編記事「日本人だけが知らない衝撃の事実! 世界中で訴訟になっているヤバい化学物質が、日本の水道水に大量に含まれていた」で引き続き、原田さんにその理由をを聞く。
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💫19}─2─「多様性が排除された集団」に起きる1つの悲劇。〜No.128No.129No.130 ⑱ 

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 2023年4月30日 MicrosoftStartニュース ダイヤモンド・オンライン「「多様性が排除された集団」に起きる1つの悲劇
 ヘンリー・ジー,竹内薫
 「この成功法則の通りにやれば、うまくいきます」。この世には、そんな「ハウツー」や「メソッド」があふれている。それらを習得することは、仕事や人生をうまくいかせる上で、ある程度は有効だ。しかし、次に何が起こるか予測不可能な今の社会では、「成功パターン」に頼りすぎることはむしろリスキーだと、サイエンス作家・竹内薫さんは語る。
 今回は、「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」まで全歴史を一冊に凝縮した『超圧縮 地球生物全史』(王立協会科学図書賞[royal society science book prize 2022]受賞作)の翻訳を手がけた竹内薫さんに、ビジネスパーソンが抱く悩みを、生物学的視点から紐解いてもらうことにした。
 生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書として、ジャレド・ダイアモンド氏(『銃・病原菌・鉄』著者)にも「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」と言わしめた本書を読み解きながら、人間の悩みの本質を深掘りしていく。あらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返してきた生命たちの奇跡の物語は、私たちに新たな視点を与えてくれるはずだ。本稿では、「なぜ集団には多様性が必要なのか?」をテーマに、お話を伺った。(取材・文/川代紗生)
 © ダイヤモンド・オンライン
 多様性の欠如がもたらすリスクとは?
――集団には「多様性が必要」とよく言われますが、多様性が排除された集団にはどんなことが起こるのでしょうか? 
 竹内薫(以下、竹内):「多様性」と一言にいっても、「生物多様性」と「文化的多様性」という考え方が存在します。
 今回はまず、生物学的な視点から考えてみたいと思います。
――「生物の多様性」からですね。はい、お願いします!
 竹内:生物多様性が失われるとは、つまり、遺伝的な多様性がなくなる、ということです。
 これの何が問題かというと、一つの致命的な感染症が広まったとき、その集団が絶滅する可能性が、非常に高くなってしまうんです。
 その集団が遺伝的な多様性を持っていれば、その感染症に感染する人と、しない人で、ばらけるわけですね。
――なるほど。みんなが同じ遺伝子だと、一気に全滅してしまうけれど、ばらけていれば、その種全体として、生き残る確率が上がるんですね。
 竹内:そのとおりです。気候変動などに関しても同様です。もし、寒さに弱い人ばかりの集団だったら、気候が寒冷化したとき、全滅してしまうかもしれない。
 しかし、寒さに強い個体・暑さに強い個体と、多様な個体がいればいるほど、種全体としては、生き残る確率が上がりますよね。
 つまり、その種が続くためには、「生物多様性」は絶対条件なのです。別の言い方をすれば、多様性がないことが、非常に大きなリスクになるわけですね。
 ナチスの悲劇から学ぶ文化的多様性の重要性
――なるほど、生物の多様性について、よくわかりました! 次に、「文化的な多様性」についてですが。
 竹内:これも、基本的な考え方はさきほどと同じです。集団の中から、文化的な多様性が失われると、その集団が誤った方向に行きやすくなるのです。
 たとえば、ナチス・ドイツの内部に、多様性はまったくありませんでした。ヒトラーが言うことはすべて正しいとされ、それに異を唱えるとすぐに殺されてしまう。ヒトラーの正義だけで動いていた組織でしたが、その結果、ホロコーストのような悲劇を生むことになってしまいました。
 つまり、集団の中には、違う意見を言う人がいなければいけないのです。「指導者が言ったことは100%正しい」という行動原理で動いていると、その人が言ったことが間違っていた場合、その集団はあっという間に滅びてしまいます。
 より身近な例を挙げるとすれば、会社組織のマネジメントなどにも同じことが言えるでしょう。
 会社の取締役をイエスマンばかりで固めようとする企業もありますね。統率が取りやすく、チーム一丸となって戦いやすい。というメリットもありますが、問題は、社長が常に正しい判断をしなければならない、ということです。
 人間ですから、当然、年齢とともに、判断力が低下する可能性もあります。そのとき、「社長の言う通りにしましょう」という人だらけだと、間違った判断のまま、突っ走ってしまうかもしれません。
 「社長、それはこういうリスクがあるのでやめたほうがいいと思います」とためらいなく言える人を、まわりに配置しておくこと。
 企業も一つの「集団」ですから、多様な意見・多様な人材を受け入れておかないと、生き残る確率が下がってしまいます。
 多様性のある人材を確保することで、変革期に強い組織を作る方法
――組織に多様性を取り入れたくとも、統率が取れるかどうか不安、というリーダーも多そうですよね。
 竹内:時代が安定しているときは、似たような人ばかりでチームを作ってもうまくいくんですよ。でも、いまのように環境が変化しているときには、「多様性」しか頼れるものがないんです。
――「多様性」しか頼れるものがない?
 竹内:誰も正解を知らないじゃないですか。この先、どんな仕事がなくなっていくのかわからない。どんな技術が生まれるのかわからない。経済がどう動いていくのかもわからないわけです。
 そんな変革期の世界で、生き残る確率が高い組織とは、どんな方向に転がっても対応できる人材がいる組織。つまり、多様性のある人材を確保している組織です。
――なるほど……。
 竹内:僕も最近、「ギフテッドの人を採用するにはどうしたらいいか」という相談を受けることが増えました。
 ギフテッドとは、突出した才能を持った人たちのこと。知能が異常に高いけれども、じっくり考えすぎてしまうとか、言語能力がとても高いけれど、他人に共感するのが苦手とか、高い才能を持つがゆえに、社会に馴染みにくい部分がありました。
 これまでの社会では「全体の統率を乱す」と言われ、採用されてこなかったような人たちを、今後は積極的に採用していこうという動きが少しずつ出てきています。
 「A君は、入社試験のときにはこちらと目も合わせられなかったけど、結果的には、あの子のコンピュータ技能のおかげでうちの会社は生き残れたね」など、そういう話が出てくるのではないかと思います。
 つい自分に似た人、価値観が似ている人を集めたチームを作りたくなるものですが、多様な人材がいる組織ほど、環境変化に強いものです。
 『超圧縮 地球生物全史』は、この予測不可能な世界で自分は何をするべきなのか、考えるいいきっかけになると思います。
 科学書には珍しく文学的で、一気読みしたくなるほど面白い本です。サイエンスに興味がない人にも、手に取ってもらいたい一冊です。
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🍘34〗ー3ー農業生産人口激減と人手不足で日本から「国産野菜が消える」。~No.106No.107 

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 2023年4月29日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「日本から「野菜が消える日」も近い? 深刻な人口減少・人手不足がもたらす「ヤバすぎる未来」
 現代新書編集部
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になっている。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。
 各業種・職種に何が起こるのか? ベストセラー『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 シリーズ最新作『未来の年表 業界大変化』は12月15日発売!
 © 現代ビジネス
 2056年、総人口は1億人以下になる?
 4月27日、日本テレビの朝の情報番組「ZIP!」に『未来の年表 業界大変化』著者の河合雅司氏が出演。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が発表した最新の「将来推計人口」について解説した。
 日本の将来の人口はどうなっていくのか――。
 将来推計人口によれば、2020年に1億2615万人だった総人口が2070年には8700万人にまで減少し、そのうち4割近くが高齢者になるという。また、外国人の割合は2020年は総人口の2.2%だったのが、2070年には10.8%にまで増加するとの推計だ。
 日本の総人口が1億人を下回る年は、前回の推計より3年遅い2056年とされた。なぜ遅くなったのか。それは、出生率は今後も低いものの、外国人の増加と寿命がやや延びるからだという。
 人口減少でどんな社会になるのか?
 2070年にかけて、15〜64歳人口のいわゆる生産年齢人口は大幅に減っていく。対照的に65歳以上のボリュームが増え、逆三角形型の人口ピラミッドを形成する。
 「生産年齢人口だけではなく、子どもたちの世代もものすごく減っているので、本当に厳しい状況です。しかし、今回の推計は、出生数も外国人の数もやや楽観的な数字を取っているので、1億人を割る時期はもっと早いのではないかと私は思います」(河合氏)
 これからの年金などを考えると、少ない若者が多くの高齢者を支えることができるのかが、深刻な問題になっている。人口減少はさまざまな問題を浮き彫りにさせるが、具体的にはどのような社会になっていくのだろうか。
 リクルートワークス研究所の2040年の予測によれば、建設業従事者や医療・介護スタッフが減少し、道路の22%修繕できず道路が穴だらけになったり、診察に長蛇の列ができたり、救急車の搬送に時間がかかったりするようになるという。
 番組では、人口減少問題に絡めたクイズも出題された。
 ひとつは、「街なかにある〇〇が売り切れ続出に?」というもの。
 答えは、「自動販売機」。
 どういうことだろうか。
 「機械化は進みますが、自販機に商品を入れるのは人です。ロボットではできませんから、人手不足で自販機の補充が進まなくなるという問題が起こってきます。自販機だけの話ではありません。あらゆる技術者が足りなくなるので、たとえばエアコン取り付ける人が減ってすぐに対応できず、熱中症につながる人が増えるようなことも起きるかもしれません」(河合氏)
 さらには、「食卓から〇〇がなくなる?」というクイズも出された。
 答えは、「野菜」。
 「農業従事者がかなり高齢化しているので、現在の農業従事者が働けなくなると、とたんに生産力が落ちてきます。国内で生産できないのであれば輸入すればいいという見方もありますが、世界の人口が増えて食料の奪い合いが起きるなかで、日本経済が弱ると思うように輸入ができない事態になるかもしれません。だからこそ、国内で生産性を上げるにはどうしたらいいのかを真剣に考えないといけないのです」(河合氏)
 人口減少を食い止めることはできるか?
 ますます深刻化する人口減少問題を食い止めことはできるのか?
 河合氏は「人口が減るのは止められない未来」と前置きをしたうえで、ベストセラー『未来の年表 業界大変化』でも強調していることをあらためて解説した。
 「2つ提言があります。
 ひとつは、高付加価値の商品をつくること。これからは消費者が減るとともに高齢化するので、企業は売上高を伸ばすことができませんから、商品一つあたりの価値を高める努力をして企業の縮みを遅らせるということです。
 もうひとつは、最低10万人の人口ごとに1つの商圏をつくること。とくに地方で居住地域の縮小が起きると生活に関わるさまざまなサービスが撤退してしまうので、なるべく集まり住むような状況をつくる必要があります」(河合氏)
 人口減少という不可避な未来を直視したうえで、なるべく減り方を遅くすることはできるか。人口減少社会で経済をどう維持できるのか。世界の国々が参考になるようなモデルケースを日本がつくれるか――いま、強烈に問われている。
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 4月29日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「日本人「大減少」の未来がやってくる…話題の人口推計「2070年に8700万人」より現実は深刻である
 河合 雅司
 「2120年に5000万人以下」という厳しい未来図
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が2020年の国勢調査を基に、新たな将来推計人口(=2023年推計)を公表した。
 同推計が描き出したのは、2070年の総人口は8699万6000人、2120年には4973万3000人にまで減るという厳しい未来図だ。
 総務省の人口推計によれば2022年の総人口は1億2494万7000人なので、2070年は約3割減、2120年に至っては約6割減となる。ここまで減ったならば「国のカタチ」は大きく変わるだろう。
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 だが、実際の変化はもっと速く、激烈である可能性が大きい。というのも、2023年推計はファンタジー満載の内容となっているためだ。
 驚くのは、2017年の前回推計よりも人口減少ペースが緩やかになると結論づけていることだ。
 ここ数年の出生数の減少スピードは急加速し、昨年の年間出生数が80万人割れしたことが大きな話題を呼んだにもかかわらず、である。
 総人口が1億人を下回る年についても、前回推計では「2053年」だったが、2023年推計では3年遅い「2056年」とした。
 将来推計人口の前提が甘すぎる
 なぜ、人口減少ペースが緩やかになるといった不可解な結論が導き出されたかといえば、前提が甘いからだ。将来推計人口というのは、前提をどう設定するのか、さじ加減1つで大きく変わる。
 一般的に、人口減少スピードを緩やかにする要素は(1)平均寿命の延び(2)出生数の増加(3)外国人の増加の3つであるが、平均寿命に関しては2070年に男性85.89歳、女性91.94歳になると仮定している。前回推計の2070年は84.95歳、91.35歳と比べても僅かな延びであり、問題はない。
 関連するビデオ: 50年後に「人口8700万人」予測 深刻な労働不足に…“4分の1”地域が事実上住めなくなる? (日テレNEWS)
 50年後に「人口8700万人」予測 深刻な労働不足に…“4分の1”地域が事実上住めなくなる?
 これに対して、現実離れしていると言いたくなるほどに楽観的なのが、今後の出生数の見通しである。
 さすがに昨今の出生数の減少スピードの加速を無視するわけにはいかず、合計特殊出生率の仮定は前回の「1.44」から「1.36」に引き下げた。だが、直近の2021年は1.30である。「1.36」は、果たして妥当な数字なのか。
 社人研がコロナ禍の最中に実施した「第16回出生動向基本調査」では、未婚者の結婚や希望子ども数の低下が見られた。
 コロナ禍によって人々の価値観が大きく変わった可能性があるということだが、2023年推計は人口推計の手法に制約があることを理由に、こうした国民の意識の変化を反映させていない。
 国民の意識の変化を反映させないどころか、コロナ禍による婚姻件数や出生数の減少を「突発的」と片づけている。低迷は長続きしないとの立場だ。
 このため合計特殊出生率はしばらく「1.2台」で低迷するとしつつも、2023年を底に上昇して2029年に「1.3台」に回復することとしている。その後も上昇カーブが続くというシナリオなのである。
 この結果、年間出生数は2023年には76万2000人に落ち込むものの、2024年には77万9000人へと一気に1万7000人も増えることとなる。さらに2032年まではほぼ横ばいで推移し、77万人台をキープするというのだ。
 だが、実社会を見れば、出生数が増えるというシナリオに説得力があるとは言えない。
 国民負担率は5割近くに達している。賃金上昇が物価高に追い付かず実質的な手取り額が減っている人も多い。日本社会はすでに「低出生率の罠」に陥っており、「子どもを持つことは損」といった価値観が定着しつつある。結婚や子どもを持つことを希望しながら諦めている人は多い。しかも、コロナ禍の外出制限が長期化したことでも、この数年は「出会い」の機会も減っていた。
 出生数減少の「最大の原因」とは
 それ以上に、このシナリオが無理筋なのは、出生数の減少の最大の原因が出産期にある25~39歳の女性が激減していくことにあるためだ。
 総務省の人口推計によれば2022年10月1日現在の25~39歳の日本人女性数と、25年後にこの年齢に達する0~14歳の日本人女性数とを比較してみると、0~14歳のほうが25%近くも少ない。出産期の女性数が25年後には4分の3になるということは予測ではなく、「決定済みの未来」なのである。
 ここまで減るのでは、合計特殊出生率が多少改善したところで出生数は減り続けよう。2033年以降はかなりゆるやかに出生数が減っていくという将来像も描いているが、こちらも現実的だとは言い難い。
 社人研の出生数の推計は実績値を下回ることが常であり、これまでも試算の「甘さ」がたびたび指摘されてきた。推計が年金財政検証に利用されることから、「政権に都合の良い数字をはじき出しているのではないのか」といったうがった見方をする人は少なくない。
 そうした中でも2023年推計の甘さは際立つ。データに目を凝らすと、2023年推計の背後に意図と狙いが透けて見えてくる。
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🦋10〗─5─日本の災害史上初、陸の津波。東日本大震災でダム湖決壊、犠牲者8名。〜No.48No.49 

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 2023年3月11日 YAHOO!JAPANニュース FNNプライムオンライン「日本の災害史上初めて起きた「地震によるダム湖決壊」 家も人々も飲み込んだ濁流の一部始終と、その記憶を繋ぐ若い世代 #知り続ける
 マグニチュード9.0、最大震度7を記録した東日本大震災から、12年が経った。
 その膨大な記録の中には、まだまだ検証が出来ていない被害がたくさんある。
 【画像】震災前のダム湖は緑あふれる中で美しかった…
 未曾有の災害を決して忘れず教訓とするため、12年にわたり放送してきたシリーズ『わ・す・れ・な・い』。
 今回は、これまでほとんど伝えられてこなかった、日本の災害史上初となる「地震によるダム湖の決壊」を取材した。
 2つの集落を突如襲った濁流
 福島県中通りに位置する須賀川市
 その町を見下ろすように作られた藤沼湖という美しい農業用ダム湖が、あの日の揺れで、まさかの被害をもたらしたことはほとんど知られていない。
 あふれ出た水は山肌を伝い、麓を流れる簀ノ子川(すのこがわ)に流入すると、川沿いに広がる2つの集落を襲い、8人もの犠牲者を出した。
 湖からおよそ1キロ先にある滝地区が、最初の被害にあった。
 滝地区では家屋7棟が全壊し、濁流に流された人や、潰れた家の下敷きとなり亡くなった方もいた。
 自宅が跡形もなく流失 そして若い身内までも…
 当時、滝地区で暮らしていた森清道さんが、地震後に勤め先から戻ると、自宅は跡形もなく消えていたという。
 森さんの自宅周辺では、5軒ほどの家が流されていた。
 その絶望に追い打ちをかけたのは、若い身内を亡くしたことだった…。
 森さんの姉の孫、林萌子さん、14歳。その日はたまたま母親と、滝地区にある姉の家を訪ねていたという。
 「初めのうちはしっかりお母さんと手をつないで…。萌ちゃんと手をつないでいたんだけども、途中で手が離れちゃって、一言二言(萌子さんが母を)呼んだんだけども、そのまま聞こえなくなっちゃった。お母さんお母さんって、それは耳に焼きついてるってお母さん言ってるね…」(森さん)
萌子さんは、震災から1カ月以上が過ぎた頃、およそ40キロ下流で発見されたという。
 濁流の中ガードレールにしがみつく妻を夫が救助
 さらに、濁流は簀ノ子川沿いに下降し、長沼地区へ流れていく。ダム湖の決壊など知る由もない住民は、突然押し寄せた水の正体さえわからぬままだった。
 川沿いに住む内山さん夫婦が異変に気付いたのは、揺れが収まり隣に建つ実家を見に行った時のこと。
 普段は穏やかな簀ノ子川の上流から、護岸を乗り越えるほどの濁流が迫っていたという。
 迫り来る黒い濁流が何の水なのかも分らぬまま、それぞれの車に乗り込んだ2人。
 夫・賢二さんの車は間一髪で助かったが、妻・えみさんの車は濁流にのまれ、水没した。
 えみさんはかろうじて浮いていた車の窓を開け脱出したが、すぐにまた、流されてしまう…。
 その後、えみさんは建物の隙間に入ると腕を突っ張り流されないようにするが、再び流されてはガードレールにしがみつくなどして、懸命に耐えていたという。
 「いろんな大きい塊がどんどんどんどん流れてくるんですよ。これにぶつかったら死ぬなって思いながら…」(えみさん)
 ガードレールにつかまっていたえみさんを、夫・賢二さんが発見。水の中に飛び込んで、えみさんを濁流の中から救い出したという。
 「地震と今回の(ダム湖の決壊)は、全然関連付けて考えられなかったので、どうなってんだろうっていうのがまず、ずっと思ってたことでしたね」(えみさん)
 ダム湖決壊の原因は “液状化”と“すべり破壊”か
 日本の災害史上、初となった「地震によるダム湖の決壊」は、なぜ起きたのか。
 その原因を調査し報告書にまとめた、東京大学名誉教授・田中忠次氏を取材した。
 「戦後の時期に急いで造ったと。近くの材料で比較的砂っぽい材料が使われていた。だから地震で揺すられると強度が低下して、液状化的な現象が起こった」
 田中氏によると、液状化した堤防が上部から湖側に滑りはじめ、水が溢れ始めたことで堤防の強度が低下。一気に“すべり破壊”という現象が起きたのではないかという。
 藤沼湖決壊の記録史に込められた、切なる願い
 去年、地元の有志によって発行された記録史「あの日を忘れない」。
 数々の被害写真や、当時の体験記が収められている。
 中心となってまとめた柏村國博さんには、この記録を残すことに切なる願いがあった。
 「時間が経てば経つほど薄れて、みんなの記憶からなくなってくるし、慰霊碑だけでは伝わらないことがある。
 1冊の本を見てみれば、地震から藤沼湖ができた経過から、(水が)抜けてなくなって、どうやってもう一回復元したのか(がわかる)っていう、そういう記録史を作って後世に伝えようと。
 それでなかったら亡くなった人はかわいそうじゃないですか」
 沿岸部の被害に隠れてしまいがちだからこそ、後世に残すべき記録がある…。
 その思いは今、若い世代にも伝わっている。
 福島県須賀川創英館高校では、先人の経験を聞き、自ら現場に立つことによって次の被害を防ごうという試みが行われている。
 生徒たちは「実際自分が(藤沼湖に)行って自分の目で見てみて、ここが満水になるまでの水が入っていて、それが一気に流れて出てたって考えると怖いなって思いました」、「もし起きてしまった時の避難方法とかを、周りで確認しあっていくのも大切じゃないかと思います」などと話す。
 想定外は必ず起こる…。
 だからこそ、次の想定外に備えるために…。
 震災から12年。未曾有の災害を教訓とするため、今後も当時の記憶を若い世代に伝えていくことが求められる。
 (『わ・す・れ・な・い 映像教訓 巨大地震から生き延びる』より 2023年3月11日放送)
 フジテレビジョン
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 福島民報
 震災・原発事故10年ルポ 被災地の残像
 【震災・原発事故10年ルポ】災禍伝える活動続く 須賀川市・藤沼湖 「陸の津波」恐怖次代へ
 2021/03/08 08:12
 決壊した直後の藤沼湖=2011年3月12日午前11時ごろ(鈴木信弘撮影)
 堤防(左)が復旧し、農業用水をたたえる藤沼湖=2021年2月
■当時郡山本社から取材応援 鈴木信弘
 辺りは澄み切った冬の空気と静寂に包まれ、湖面は凪(な)いでいる。須賀川市長沼地区の農業用ダム「藤沼湖」を十年ぶりに訪れた。あの日、巨人の手で破壊されたかのように崩れ去った堤防は復旧し、当時の爪痕はない。今年も春になれば水田を潤し、一帯の自然公園は四季の移ろいとともに華やぐだろう。
 再建された堤の上を歩く。ダム決壊による「陸の津波」の猛威を見せつけられた当時の記憶がよみがえる。
   ◇  ◇ 
 二〇一一(平成二十三)年三月十一日。激しい揺れで藤沼湖の堤防は崩れ、鉄砲水が発生した。翌日、郡山本社報道部から取材の応援で現地に入った。ダムにあるはずの水は跡形も無く、本来なら見えないはずの湖底が目の前に広がっていた。
 百五十万トンもの湖水はダム付近の簀ノ子(すのこ)川に沿って下流域の滝、北町両集落に濁流となって押し寄せた。流された車や樹木が一面に散乱し、川沿いでは基礎部分だけを残した家の跡が点在していた。
 簀ノ子川の橋に、なぎ倒された巨木が引っ掛かっていた。「黒い水が宙を舞って向かってきたんだ」。橋の木にぶつかって空へと跳ね上がった鉄砲水を、当時目撃した住民はそう振り返る。
 取材をしていると、遺体を引き上げる捜索隊の様子が見えた。「決壊だなんて、想像もしなかった」。家を流された会社員男性(58)=当時=の言葉に、返す言葉は見つからなかった。
   ◇  ◇ 
 終戦直後の一九四九(昭和二十四)年に完成した藤沼湖は農業用水の役目を果たすとともに、自然公園としてキャンプ場や温泉、コテージが一帯に整備され、親しまれてきた。
 七人の命が奪われ、一人が行方不明となった内陸の災禍から十年。堤防や湖畔の道路は再整備された。被害が甚大だった滝、北町両集落には防災公園や集会所が設置され、住宅の建て替えも進んだ。真新しい慰霊碑を除けば、当時をしのばせるものは少ない。
 藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会は、震災後に湖底で見つかったアジサイを「奇跡のあじさい」と名付け、公園内での植栽や全国への株分けを通して震災の経験を伝えている。「記憶を風化させず、経験を次代に伝えることが大切」。自らも濁流の危機を間一髪で免れた深谷武雄委員長(75)は、強い思いを口にする。
 地元では有志による震災体験の証言集作りが進み、語り部を目指す高校生も記憶の伝承を誓う。被災地の人々のそうした思いや営みを伝え続け、風化と戦うことは報道の使命でもある。防災公園を歩きながら、その思いを改めて胸に刻んだ。(本社報道部副部長)
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 福島県須賀川市藤沼ダムの決壊 <事例報告>
 地震によるダム決壊の速報とその意義
 2011年3月11日東日本大震災では内陸部のアースダムの決壊も生じました。決壊した藤沼ダムは、須賀川市中心部から西へ約12の山間部に位置します。1949年に竣工した灌漑用のアースダムで、堤高約18.5m、貯水容量約150万あり、被災時はほぼ満水状況でした。地震後ダム堤体が決壊し、貯水されていた水が泥流となり本川を駆け下り、大災害となりました。アジア航測はダム決壊による被災状況をいち早く把握するため、空中写真(DMC:対地高度約1500m、地上解像度約16)を撮影し、関係機関に速やかに配布しました。
 被災状況
 藤沼ダムからの泥流は、ダム下流約3以上を流下し、河川沿いの家屋を飲み込み、死者・行方不明者8名、流出家屋11戸、床上・床下浸水55戸という大災害を引き起こしました。被害は田畑にもおよび、田植時期の土壌も流出しました。ダムから流下した泥流は、河川沿いの樹木も巻き込み、その破壊力を増したものと考えられます。地震によるダムの決壊は世界でもほとんど例がありません。当ダムは、土砂材料を台形に盛ったアースダムという形態で、ロックフィルダムのようにコア材とロック材のような複合構造は持ちません。地震動他と決壊の原因は詳細な調査を待つ必要がありますが、近隣の比較的新しいアースダムは無傷であったこともあり、この決壊には何らかの堤体部の要因もあったことを伺わせます。アジア航測の空中写真からは、ダム堤体部の決壊状況や下流側の侵食状況が詳細に分かります。また、周辺部の副堤付近にも亀裂や沈下などの変状が生じていることが分かります。
 アジア航測の対応
 未曾有の東日本大震災では、津波以外の被害も注目されています。アジア航測は、関係機関からの要請や社会的な意義も鑑み、積極的に情報収集に努め、どこよりも早く本現場の撮影計画を立て、3月14日に撮影を実施しました。撮影に際しては後続の図化などにも配慮し、1/1000図化も可能となるよう高解像度のデジタル空中写真(DMC)で実施しました。また、撮影範囲はダム決壊部だけでなく、泥流が到達した広い範囲を含めるようにし、土砂流出災害の全容を把握できるようにしました。撮影後は画像を速やかに関係機関へ配信・提供し、関係機関では被災状況の把握や原因究明のため即座に利用していただきました。
 我が国では、地震時に15mを越えるハイダムが決壊した事例は近年なく、社会的にも衝撃を与えた災害でした。東日本大震災のような、被災範囲が広く多様な災害が生じている状況の中で、どこをいつ撮影するのか、依頼の優先度はどうするべきなのか、自社責任でも撮影すべき箇所はどこなのか、機材繰りは大丈夫なのかなど、混乱の中、素早い意思決定が必要とされます。特に自社機を多く有するアジア航測では社会的な責任も含めて重要な判断となります。本ダム災害の撮影もその最中に決断されたものであります。本災害においては原因究明が重要な課題となります。老朽化や締め固め不足、遮水機能などの不足が言われていますが、現場での痕跡が少なくメカニズムの解明には時間がかかる状況です。そのような中、今回のDMC画像は解像度約16と高く、堤体に発生した亀裂などの状況を詳細に記録しているため、決壊発生の原因究明などに幅広い活用が期待されます。また、同様に老朽化したアースダムがある河川では、万一決壊した場合の被災シミュレーションなどの参考データとしても、防災上貴重な記録となっています。今後も、このような社会的に意義のある計測、撮影が自主的にできる会社であり続けることがアジア航測の責務と考えます。
 図の説明
 図1 決壊した藤沼ダムと泥流経路
 泥流は下流3以上まで達しました(青色矢印)。途中の家屋などを流出させ大惨事を引き起こしました。
 図2 決壊した堤体
 堤体頂部を通るアスファルト道路も含み、えぐり取られたように流出しています。下流渓岸部の樹木もなぎ倒され流出しています。
 図3 ダム堤体部の被災前の写真との比較
 アジア航測のLVSquareにより、新旧の写真を比較、閲覧できるようにしました。(上段の写真はGoogleEarthより)
 図4 ダム下流約500mの滝集落を直撃する泥流
 泥流(青色矢印)は家屋へ直交方向にぶつかり、再び河川沿いに向きを変え、より下流の集落にも達しました。(上段の写真はGoogleEarthより)
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 朝日新聞
 3.11 震災・復興
 データから見る被災地と少子化
 震災でダム決壊、怖かった 短大生になっても語り継ぐ記憶
 斎藤徹2022年3月17日 9時00分
 写真・図版
 藤沼湖決壊の犠牲者慰霊碑の前に立つ五十嵐夏菜さん=2022年3月6日午前10時24分、福島県須賀川市滝、斎藤徹撮影
 写真・図版写真・図版写真・図版
 東日本大震災で決壊し、死者・行方不明者8人が出た福島県須賀川市の農業用ダム「藤沼湖」。11年前、ダム近くの小学校で被災した五十嵐夏菜(かな)さん(18)が今春、閉校する地元高校を卒業した。ふるさとを襲った災害の語り部として、新しい一歩を踏み出す。
 あの日、小学1年だった五十嵐さんは、藤沼湖から1・7キロほどの長沼小学校の教室にいた。午後2時46分、大きな揺れに襲われ、校庭に避難した。
 揺れが収まって校舎に戻ろうとしたとき、誰かが叫んだ。「水がきたぞ。逃げろ!」。ゴーッという音とともに校庭に濁流が入ってきた。何が起きているかわからないまま、高台にある体育館付近に逃げた。
 地震の揺れでダムが決壊し、150万トンもの水が流出。川沿いの集落で家や人が流された。自分の家族や家屋に被害はなかったものの、土砂に埋もれたほかの集落や壊れた道路を見て、とても怖かったことをいまも覚えている。
 ダム決壊により、生まれ育った地域でどんな被害があったのか。毎年3月11日が来るたび、心にひっかかっていた。被災した住民から話を聞いて育ったが、家族や友だちと災害の話をすることはなかった。
 意識が変わったのは長沼高校2年のときだ。社会科の先生に勧められ、県内各地の高校生が震災や復興について話し合う「ふくしま創生サミット」に参加。ダム決壊について話した。
 浜通り津波被害や原発事故はみんな知っているのに、内陸の災害はあまり知られていなかった。つらい思いをしている人がまだいるのに、このままではやがて忘れられてしまう――。危機感が募り、「私が語り部になって語り継いでいこう」と決心した。
 地元小学校の防災学習などで体験を話してきた。そんなときに伝えているのは、自分たちの住む地域で想像できないような災害が起きた事実と、ふだんから避難経路の確認など防災の意識をもつことの大切さだ。
 今月1日、五十嵐さんは長沼高校を卒業した。同校は4月から市中心部の高校と統合されて閉校する。「最後の卒業生になったのはさみしい。でも、だからこそ、ふるさとで起きた災害をこれからも伝えていこう」。そんな思いが、わいてきた。
 6日に被災現場であった「大震災と藤沼湖の記憶をつなぐつどい」にも参加し、「誰かが語り続けなければ歴史は消えてしまう。それができる1人が私なんだ」との思いを新たにした。
 4月から郡山市の短大に通い、栄養士をめざす。新生活が始まっても、語り部の活動は続けていくつもりだ。(斎藤徹
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 朝日新聞
 「あの日を忘れない」 須賀川市ダム決壊の記録誌、地元住民らが発刊
 斎藤徹2022年3月4日 10時30分
 写真・図版
 記録誌「あの日を忘れない」を編集した柏村国博さん=2022年2月28日午前10時17分、福島県須賀川市長沼、斎藤徹撮影
 写真・図版
 11年前の東日本大震災で8人の犠牲者が出た福島県須賀川市の農業用ダム「藤沼湖」決壊をまとめた記録誌を、災害を体験した地元住民らが作った。原発事故に埋もれがちな地元の災害を記録に残すことで、災害の風化を防ぎ、今後の防災に役立ててもらおうとの願いを込めた。
 記録誌は「あの日を忘れない ~そして語り継ぐ未来へ~」。地元住民らでつくる犠牲者慰霊碑建立の実行委員会が、須賀川市補助金や全国各地からの寄付金を活用して編集・作製し、今月1日に発刊した。
 ダムの決壊直後、約150万トンの水が濁流となって集落を襲う様子を撮影した地元住民の写真や、被災者28人の聞き取り証言、県の決壊原因調査報告書、地元紙の関連記事のほか、藤沼湖が造成された背景や復旧の過程も載せた。A4判で全128ページある。
 編集作業の中心として携わったのは、地元の長沼地区の区長を務める柏村国博さん(66)。2018年から住民の聞き取り調査などを始めた。
 被災した顔なじみの住民に「話を聞かしてもらえないかい?」と頼んで回ったが、「つらい被災体験を思い出したくない」と断られることもあった。それでも趣旨を説明すると、「あんたになら話す」と重い口を開いてくれた。
 住民の証言から、見えてきた災害の全容はこうだ。
 大きな揺れの後、山の木がバキバキと音をたてながら、立ったまま黒い水とともに集落に迫ってきた。そして濁流にのまれた家々が流され、崩れた。車とともに流れの中に消えていった人、木につかまって助けを求める人、家族や隣人を助けようと濁流に飛び込んだ人がいた――。
 当時須賀川市職員だった柏村さんは災害発生時、市中心部で仕事をしていた。時を経て被災者の証言を聞き、想像を絶するような災害が身近に発生したことに、改めて戦慄(せんりつ)を覚えた。同時に、住民同士助け合って救助にあたり、惨事を乗り越えてきたことに心を揺さぶられた。
 ダム決壊で家を流され、親族を失った森清道さん(65)も、柏村さんとともに冊子編集に携わった。「遺族や被災者にとって震災の記憶を思い出すのはつらい経験だが、それでも誰かが記録を残さなければならない。それが九死に一生を得た我々の役目だと思う」
 記録誌は3500部作り、地区の全世帯や全国の支援者、行政機関に寄贈する。市内の全小中学校にも配り、防災学習に役立ててもらうつもりだ。作製の過程で、これからを生きる子どもたちに災害の実相を伝えていくことが大事だと痛感したためだ。
 災害は全国どこでも起きる可能性があり、だれもが当事者になりうる。柏村さんは「自然災害や、災害で亡くなった人の生きた証しを継承していくことが、次の災害に備えることにつながる」と話している。(斎藤徹
     ◇
 〈藤沼湖の決壊〉 藤沼湖は農業用水をためるため、土を台形状に固めて造成された貯水量約150万トンのダム。2011年3月11日、震度6強地震で決壊し、ダムの水が周囲の谷底を濁流となり流れ、簀(す)ノ子川沿いの集落を襲った。7人が死亡し、1歳の赤ちゃんが今も行方不明。住宅22戸が全壊し109戸が浸水、約90ヘクタールの農地が土砂で埋まった。ダムは16年に復旧した。
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🗡62〗─2─中国軍のドローン兵器とロボット犬による「沖縄本島制圧作戦」。~No.198No.199 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本の自衛隊は、中国軍のドローン兵器には勝てない。
   ・   ・   ・   
 元来、民生用であったドローンやロボット犬は、今や殺傷能力の高い精密兵器として開発が進んでいる。
 日本のリベラル・革新・一部の保守の護憲派反戦平和主義者は、如何なる兵器開発にも猛反対している。
   ・   ・   ・   
 2023年4月26日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「「世界一の技術力とシェア8割」もし中国のドローンなら「陸自ヘリ撃墜」は朝メシ前?…日本の国境を脅かす「中国のドローン大国化」がヤバすぎる
 SF映画スター・ウォーズ』に登場する近未来の戦闘が現実のものとなりつつある。中国のドローン兵器は自軍の血を流さず、どこまでも合理的に敵軍を殲滅することができる。その実態に迫る。
 中国がドローン大国に
 4月6日、沖縄県宮古島沖で陸上自衛隊のヘリコプターが突如、消息を絶ち、19日までに機体の一部と6人の隊員の遺体が海底から引き揚げられた。墜落した原因は今も調査中だ。
 近年、沖縄沿岸、そしてその上空に中国の不審船や航空機が侵入を繰り返し、事故当日も中国軍の情報収集艦が沖縄本島宮古島間を通過していた。そのため、事故発生当初に関与を疑った人は少なからずいるだろう。
 防衛省は「攻撃の痕跡はない」とその可能性を否定した。実際、今回の事故に中国軍は関与していないと見られる。
 © 現代ビジネス
 ただ、中国軍にとって、現実に海上を飛行する自衛隊のヘリを撃墜することは赤子の手をひねるようなものだ。それを可能にするのが、当局が急速に開発を進める最新ドローン兵器である。
 中国は今や「ドローン大国」として君臨し、その開発力は日に日に進化している。
 ドローン兵器が軍の主力に
 「現時点で中国が持つドローン兵器の技術は世界一であると考えてもいいでしょう。武器の国際見本市を見ると、中国のドローン技術は『すべて』を持っているからです。同じくドローン大国であるトルコ、イスラエル、そして対立する米国の技術すらもコピーしているのです」(ドローン兵器に精通するフォトジャーナリストの柿谷哲也氏)
 中国はDJIなど巨大ドローン企業を有し、世界シェアは'22年時点で、約8割を占める。習近平国家主席は「軍民一体」となり、ドローンの軍事利用を進めてきた。
 © 現代ビジネス
 「中国には米軍に対抗する際、通常の兵器や人員を増強するだけでは太刀打ちできないという認識があった。そこで習近平は'20年に『ドローンを軍の中心戦力に据える』という方針を示し、開発を進めてきました」(安全保障に関する先端技術を専門とする慶應義塾大学総合政策学部教授の古谷知之氏)
 習近平の言葉は荒唐無稽な夢想ではなかった。'23年2月、中国航空力学研究開発センターが、AIが操縦する無人機と有人機を実戦形式で戦闘させたところ、前者が勝利した。決着はわずか90秒でついたという。
 ドローン兵器はさらに強力に
 性能もさることながら、恐ろしいのは生産力だ。ストックホルム国際平和研究所によると、中国は過去10年間で282機の軍用ドローンを輸出。これは米国の約24倍に当たる。主要取引先は紛争が止まないアフリカ、中東などの途上国だ。
 ここで、中国が「ただ儲かっているだけ」なら問題ではないだろう。しかし、真の目的は金儲けではない。中国は「実戦データ」を収集しているのだ。つまり、売れば売るほどドローン兵器は進化することになる。
 © 現代ビジネス
 「ドローンは戦場でしか分からないニーズに応じて、装備を変えるなどして改良されていきます。実際、中国製のドローンは中東やアフリカの紛争地帯で導入されています。直近の実戦経験をAIが学習し、機能も改良することで中国のドローン兵器はさらに強力になっています」(元航空自衛隊空将補の杉山政樹氏)
 そしてその先に、習近平が見据えるのが台湾制圧だ。中国としては、台湾防衛における最重要拠点・沖縄も同時に無力化する必要がある。
 後編記事『中国の「世界一のドローン技術力と生産力」によって日本の「沖縄本島制圧作戦」はすでに進行している…「その時」の完全シミュレーション』に続く。
 「週刊現代」2023年4月29日号より
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 4月26日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「中国の「世界一のドローン技術力と生産力」によって日本の「沖縄本島制圧作戦」はすでに進行している…「その時」の完全シミュレーション
 SF映画スター・ウォーズ』に登場する近未来の戦闘が現実のものとなりつつある。中国のドローン兵器は自軍の血を流さず、どこまでも合理的に敵軍を殲滅することができる。その実態に迫る。
 前編記事『中国の「世界一のドローン技術力と生産力」によって日本の「沖縄本島制圧作戦」はすでに進行している…「その時」の完全シミュレーション』より続く。
 自衛隊はすでに消耗状態
 日本政府は防衛費に過去最大の6兆8219億円を計上し、有事に備えている。だが、もう手遅れかもしれない。ドローン兵器による作戦はすでに始まっているからだ。
 「TB-001Aという偵察・攻撃型ドローンが配備されているのですが、すでに沖縄本島宮古島周辺を飛行しています。制圧作戦を行うにあたり、最適な高度、季節風、天気などのデータを収集していると思われます」(情報安全保障研究所首席研究員の山崎文明氏)
 © 現代ビジネス
 こうしたドローンの接近に自衛隊スクランブル発進で対応している。否、「させられている」のだ。空自は現在、日常化するドローン接近のせいで、燃料が不足。さらに、スクランブル発進は1回で一機あたり最低400万円以上のコストもかかる。中国は安価なドローンを飛ばすだけで、情報収集を行うだけでなく、自衛隊を消耗させ、資金を削っているのだ。
 次ページの写真は台湾、沖縄制圧作戦に導入される可能性があるドローン兵器の一覧だ。順番に見ていこう。
 強力な無人兵器
 まず脅威となるのが、'22年11月に発表されたばかりの超大型偵察・攻撃型無人機の翼竜3だ。全長は約12m、翼幅約24mに及ぶ。設計担当者は「最大16個のミサイル、爆弾を装備可能で、搭載量はあらゆる面で既存の無人機を超越する」と中国メディアに語った。
 「特筆すべきは大型化でパワーアップし、航続距離1万km、航続時間40時間以上という耐久力です。米軍のグアム、ハワイ基地までもが作戦範囲に入ります」(英誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』東京特派員の高橋浩祐氏)
 世界初となる「ドローン母艦」である珠海雲も登場し、'23年1月に就役。自身も全長88・5mの無人艦であり、12時間の単独航行が可能だという。中国当局は「科学調査船」としているが、軍事利用される可能性は高い。搭載された無人観測システムは監視や偵察に活用できるうえに、甲板に小型攻撃ドローンを数十機積むこともできる。
 徘徊型ドローン、ZT-180は目標に群れで突っ込む飽和攻撃を行う。同時運用可能機数は最低でも500機だという。
 「詳細はまだ不明ですが、自立運航能力を持ち、管制が必要ないとされています。さらに、低空で侵入してくるため、防衛レーダーに引っかからないのが厄介です。爆破力はビルの角が欠ける程度ですが、大量に飛来すれば被害も甚大となります」(前出・山崎氏)
 中国の「世界一のドローン技術力と生産力」によって日本の「沖縄本島制圧作戦」はすでに進行している…「その時」の完全シミュレーション
 © 現代ビジネス
 極超音速ドローン、MD-22の最大飛行速度はマッハ7(時速8575km)を超え、最大飛行高度は近宇宙にも及ぶという。具体的な性能は明かされていないが、当局がとくに力を入れて改良を進めているだけあり、大きな脅威となるだろう。
 米国からウクライナに700機以上が供与され、大きな戦果を上げた小型攻撃ドローン、スイッチブレードに匹敵する能力を持つのが飛鴻901だ。
 「地上からボタン一つで発射でき、戦車の弱点である車体上部を狙う『トップアタック』を敢行できます」(前出・高橋氏)
 ロボット犬が敵軍を蹂躙
 大型無人偵察・攻撃機、彩虹7はレーダーに探知されにくいステルス性能を持つ。対空ミサイルに加え、レーザー光線と高出力マイクロ波を搭載できるとされる米国の超攻撃的無人ステルス戦闘機X-47Bから技術を盗み、同等の能力を持つとされる。
 そして今後、地上戦の主役となり得る無人兵器がM-81である。犬を模した軍用ロボットで、広義のドローン兵器に含まれる。背中に対戦車ミサイルや機関銃を装備し、戦場を駆けるという、まさに近未来の兵器だ。ロシア製だが、中国との間で1兆円を超える商談が成立し、アリババが類似の機体を開発している。
 © 現代ビジネス
 これらの兵器は日本が持つ既存の防衛技術では、迎撃が困難なものばかりだ。前出の山崎氏が語る。
 「中国はドローン防衛用の電子妨害システムに対抗するため、電磁シールドを貼った機体も開発済みである可能性が高い。防衛省マイクロ波兵器の開発を急いでいますが、それは有効範囲が狭い。現状、ドローンによる大規模攻撃に自衛隊ができることがあるとすれば、弾幕を張ることくらいでしょうか」
 もし、沖縄制圧作戦に先述したドローン兵器、もしくはそれらを改良した後継機が導入されたら、どうなるのか。
 そのシミュレーションは次の通りだ。
 ドローン兵器が沖縄を襲うー
 202X年、航空自衛隊那覇基地で警報が鳴り響く。沖縄の近海上空に複数の不審な飛行物体が侵入したからだ。自衛隊F-15戦闘機2機をスクランブル発進させる。現場に急行したパイロットが見つけたのは、5機の翼竜3。機体には中国国旗が描かれている。その後方につけたパイロットは警告無線を飛ばすが、再三の警告に全く応答せず、なおも沖縄本島へ飛んでいく。その機体に対し、自衛隊司令部は「威嚇射撃」を指示する。
 しかし、それでも止まらない。ここで自衛隊は「撃墜」を決意する。パイロットは照準を定め、射撃を開始。その瞬間だった。翼竜3の隊列は機体を翻し、一気に散開。統制の取れた動きで、F-15に照準を絞らせない。弾丸から巧みに逃れ、難なく沖縄上空に到達した翼竜3は那覇基地を爆撃する。
 © 現代ビジネス
 沖縄の自衛隊基地、米軍基地は尋常ならざる事態に浮き足立っていた。そんななか、沖縄沿岸に珠海雲が姿を現す。
 甲板には数十機ものZT-180。やはり、人の姿は確認できない。それは甲板から飛び立ち、一糸乱れぬ隊形を取る。
 現実を見据え対策を
 その群れは沖縄上空で一斉に散らばり、那覇、嘉手納、普天間などの米軍基地に突っ込んでいく。レーダー、防空システム、通信設備が破壊され、自衛隊と米軍の指揮系統は崩壊寸前だ。
 沖縄各地で炎が上がるなか、基地近くにM-81をぶら下げた夥しい数のパラシュートが次々に落下し、折り畳んであった4本の足を伸ばす。その姿は大型犬のようだが、金属製の胴体には機関銃を装備している。その群れはやがて弾丸を発射しながら前進し、基地内の兵士を倒していく—。
 © 現代ビジネス
 このシミュレーションは今や「空想」ではない。中国はそれを現実にするドローン兵器をすでに持っている。
 日本はその脅威にどう備えていくのか。現実を見据えた対応が必要だ。
 「週刊現代」2023年4月29日号より
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