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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
ネアンデルタール人は、血縁の小家族主義で小規模な集団「家族」を形成し人口を激減させた。
ホモサピエンスは、宗教と政治の大家族主義で大規模な集団「国」を形成し人口を激増させた。
ネアンデルタール人は家族運命共同体で絶滅し、ホモサピエンスは国家運命共同体で生き残ってきた。
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多様性・共生を、ホモサピエンスは持っていたが、ネアンデルタール人は持っていなかった。
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2024年10月4日 MicrosoftStartニュース BUSINESS INSIDER JAPAN「ネアンデルタール人絶滅の理由は「孤立」「小規模な集団」かもしれない
ネアンデルタール人は4万年前に絶滅した。その謎を解く鍵が次々と発見されている。
ネアンデルタール人の最後の生き残りの1人から、彼らの絶滅の謎を解く手がかりが発見された。
そのネアンデルタール人の歯からとったDNAの配列を解析することで、これまで知られていなかった系統の集団が存在していたことが分かった。
DNAは近親交配の痕跡を示しており、それがネアンデルタール人が絶滅した一因となった可能性がある。
ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか。科学者たちはその大きな謎の解明に一歩近づいたようだ。
ネアンデルタール人は、我々現生人類に最も近い親類にあたる。しかし約4万年前、不思議なことに彼らは姿を消してしまった。
最近の研究で、最後のネアンデルタール人の1人から抽出されたDNAを分析したところ、現生人類が現在も繁栄を続ける一方で、なぜ彼らが絶滅したのかを解明する手がかりが見つかった。
最後のネアンデルタール人の謎
ネアンデルタール人の歯を持つ考古学者のリュドヴィック・スリマック。
何万年も前、現在のフランス南東部にネアンデルタール人が住んでいた。その1人の遺骨が2015年に発見された。遺骨の主はトーリンと名付けられ、彼がいつの時代に生きていたのかについて、科学者たちの間で論争が巻き起こった。考古学者は5万年前から4万2000年前の間だと推定したが、遺伝学者はDNA分析の結果から10万年前の遺骨だと主張した。
この違いについて解明するために、7年にわたって調査が行われた。遺伝学者はネアンデルタール人のDNAを世界各地から集め、それらをトーリンのDNAと比較したところ、彼が生きていた時代は10万年前ではなく、5万年前だったと考えるようになった。
この研究をまとめた論文がCell Genomicsに掲載された。筆頭著者のリュドヴィック・スリマック(Ludovic Slimak)はBusiness Insiderにこう語っている。
「この時点で、遺伝学者たちはツールを調整し、これまでのネアンデルタール人に関する知識を一新することにした」
つまり、ネアンデルタール人が単一の均質な集団であったという従来の考えを見直したのだ。
トーリンのDNAは、彼の年齢に近い他のネアンデルタール人とは大きく異なっていたため、彼はまったく新しいネアンデルタール人の系統に属していたはずだと研究チームは考えた。そしてトーリンの祖先の系統は、10万3000年前に分岐したと推定した。
このことによって、トーリンの骨よりもDNAの分析結果の方が、はるかに古い年代を示したことが説明された。彼のDNAは10万年以上前に生きていたネアンデルタール人のものに似ているが、彼自身はその5万年後の時代に生きていたことが最新の研究で示されたのだ。
何がこの遺伝的分岐を引き起こしたのだろうか。トーリンが属していた集団は、他のネアンデルタール人から分岐した後、トーリンが死ぬ頃まで、他の集団との接触がほとんど、あるいはまったくない孤立したコミュニティだったのではないか。つまり、このコミュニティでは5万年以上にわたって内部のメンバーだけで交配し、他のネアンデルタール人の集団とは異なる独自の系統を生み出したのではないかと研究者たちは考えている。
これほど長い間孤立したコミュニティでは、必然的に近親交配が起こるだろう。実際、トーリンのDNAからその証拠が見つかった。
コミュニティが孤立していたことは、トーリンが最後のネアンデルタール人の1人であったことの説明にもなる。近親交配によって遺伝的多様性が失われ、集団が病気や有害な突然変異、環境変化に対する脆弱性を高めることにつながったのだろう。
孤立した1つのコミュニティだけでネアンデルタール人全体を代表させることはできないが、この種が絶滅した理由の解明につながる重要な行動を示すことはできる。
「彼らは信じられないほどすっかり姿を消してしまった。人類最後の大絶滅だ」とスリマックは述べた。
孤立を選んだから絶滅したのかもしれない
スミソニアン自然史博物館に展示されているネアンデルタール人の骨格。何千年もの間にネアンデルタール人の体格がどう変わったのかを示している。
トーリンのコミュニティが孤立していたのは、地理的な理由ではない。彼らは孤立することを選んだのだとスリマックは言う。
「人類は境界、つまり社会的な境界に直面している」
トーリンのコミュニティは、フランスの中央高地で暮らしていたが、そこから歩いて数週間のところに他のネアンデルタール人も暮らしていたことが、研究で明らかになっている。
もしトーリンのコミュニティが、隣人であるネアンデルタール人を無視したのだとすれば、そうやって孤立したことが、遺伝的なことだけでなく、文化的・社会的なことにも影響を与えたという。
「これは、彼らがどのような集団だったのか、最終的になぜ、そしてどのようにして姿を消し、絶滅していったのかを理解する上で、非常に重要で中心的な観点だ」
トーリンのコミュニティは、孤立することで何万年にもわたってうまく機能してきたかもしれないが、最後には運が尽きてしまった。
「彼らの小さな社会的ネットワークは自ら崩壊し、静かに消え去った」とスリマックは述べた。
現生人類が生き長らえたのは、巨大な社会的ネットワークのおかげかもしれない
クロアチアのクラピナ・ネアンデルタール博物館では、洞窟で暮らしていたネアンデルタール人家族の様子を展示している。
ネアンデルタール人の間で、このような孤立主義的な行動がどれほど普遍的であったのかはわからない。だが暮らしていた地域の資源が足りなければ、彼らは自分たちの集団を守るために、より内向的になっていっただろう。
「競争の激しい環境の場合、集団は閉じた社会を維持するという考えは、それほどおかしなことではないはずだ」と、ビクトリア大学で旧石器時代について研究する考古学者、エイプリル・ノウェル(April Nowell)は述べている。彼女は今回の研究には参加していない。
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