🍘22〗ー1ー南海トラフ。与那国島近海と伊勢湾震源で異常震域。~No.68No.69No.70 

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 2022年5月9日15:41 MicrosoftNews 日テレNEWS「与那国島近海でM6.6の地震 海面変動あっても津波被害の心配なし
 沖縄県与那国島近海でマグニチュード6.6の地震がありました。この地震で、津波による被害の心配はありません。
 気象庁によりますと午後3時23分頃、沖縄県与那国町で震度3を観測する地震がありました。この地震で若干の海面変動はあっても、津波による被害の心配はないということです。
 震源地は与那国島近海。震源の深さは20キロ。地震の規模を示すマグニチュードは6.6と推定されます。」
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 5月9日18:33 産経新聞「伊勢湾震源で「異常震域」 深さ340キロ、M5・1
 9日午後5時33分ごろ、福島、茨城、栃木、埼玉、千葉、東京の各都県で震度2の地震を観測した。宮城、群馬、神奈川の各県でも震度1の地点があった。気象庁によると、震源地は伊勢湾で、震源の深さは約340キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5.1と推定される。津波はなかった。
 気象庁は、震源から遠く離れた場所で揺れを観測する「異常震域」だったとみている。この現象は、太平洋プレート内部では、地震波が衰えないまま伝わりやすいのが原因で起き、震源近くではほとんど揺れがない。」
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🍞2〗ー7ー国連機関、ロシア軍はウクライナの小麦畑から穀物70万トンを略奪している。~No.8 

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 2022年5月7日 産経新聞「ロシア軍、穀物70万トン略奪か 国連機関
 ウクライナの小麦畑=2016年7月(ロイター=共同)
 国連食糧農業機関(FAO)当局者は6日の記者会見で、ロシア軍が侵攻したウクライナから約70万トンの穀物を略奪した可能性を指摘した。「トラックで穀物をロシアに運び入れている事例を確認している」と述べ、トラクターなどの「農業機械も盗んでいる」とした。
 またロシア軍による海上封鎖で黒海沿岸の港湾施設が使用できないことにより、船舶を利用した穀物輸出ができない状態になっていると指摘。世界的な穀物の供給悪化と価格高騰に拍車がかかることに懸念を示した。
 ウクライナではこれまでに、今年の夏の収穫に向けた作付けの約50%が完了。今年の収穫は例年の約7割になる予測で、戦況が悪化すれば見通しは不透明になるとFAO当局者は指摘した。(共同)」
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🍠28〗─7・A─日本は災害や戦争を境に激変していた。江戸川乱歩と横溝正史の探偵小説。~No.95 

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 2022年5月5日・12日号 週刊新潮英米で再評価
 デビュー100年目『江戸川乱歩
 生誕120年『横溝正史
 『エログロ』『変態性欲』が日本ミステリーを生んだ!
 独自の発展を遂げた、日本のミステリー小説。その基礎を築いたのが、江戸川乱歩横溝正史の二大巨頭である。巧妙なトリックの一方、両雄の創作の原点には、実に『エログロ』『変態性欲』の世界があった──。幻想文学研究家・風間賢二氏が解き明かす、異端の文学史
 風間賢二
 虚構上の〈知〉のスーパーヒーローといえば、英国の作家コナン・ドイルが創造した名探偵シャーロック・ホームズでしょう。わが国では江戸川乱歩が生み出した明智小五郎、あるいは横溝正史金田一耕助。若い世代にとっては漫画やアニメでおなじみの江戸川コナン少年といったところ。
 今日では、快刀乱麻、複雑な謎をさらりと解く天才的頭脳の持ち主として畏敬の念をもって口にされる『探偵』ですが、かつては嫌われ軽蔑された存在でした。
 ……
 いや、探偵に対する蔑視は、漱石ばかりではなく、明治時代では一般的だった。
 ……
 また、明治時代の探偵に密告者=裏切り者といったイメージがつきまとっているのは、当時の自由民権運動とも関係しています。
 ……
 では、我が国における文明開化以前の探偵に相当する職業は?岡っ引き、十手持ち、目明かしです。銭形平次野村胡堂)、神田河原町の半七(岡本綺堂)、人形佐七(横溝正史)が有名ですね。面白いのは、かれらが裏街道の顔役であることです。だから〝親分〟と呼ばれる。極端な話、岡っ引きの多くはかつて(あるいは現役の)極道だったわけです。
 虚構ではなく史実における世界初の探偵をご存じでしょうか?フランスのフランソワ・ヴィドック(1775~1857年)です。かれは犯罪者でした。殺人以外はあらゆる犯罪に手を染めています。……したがって投獄・脱獄をくりかえすうちに学習しました。犯罪は割に合わないと。 
 そこでまっとうな職に就きました。それがまたスゴイ。なんと警察官です。実質的には密偵・タレコミ屋。蛇の道は蛇というがごとく、裏社会や犯罪手口に精通したヴィドックは数々の手柄をあげ、最終的には国家警察パリ地区犯罪捜査局を創設して初代局長に昇りつめます。そしてパリ警察を退職後に開設したのが世界初の探偵事務所でした。
 このようにフランソワ・ヴィドックや岡っ引きの例からも明らかなように、探偵=犯罪者=忌まわしき存在というイメージははなからついてまわっていたのです。
 明智小五郎の誕生
 蛇蝎の如く嫌われ軽蔑されていた探偵が頭脳明晰なスーパ-ヒーローとして称賛されるようになったのは、日本では大正末期から昭和初期にかけてのことです。広義には1920年代から30年代、両大戦間の時期、文化的にはモガニズムの時代、俗にいう大正ロマン、昭和モダンの時期です。個人的には大正デカダンス、昭和エログロ・ナンセンスの時代でもあります。
 今述べた様々な呼称の時期に江戸川乱歩が登場して名探偵明智小五郎を産み出し、我が国に探偵小説の第1期黄金時代を招来させました。
 ……
 ところで乱歩が文壇デビューした1923年は大正12年です。そう、関東大震災の発生した年です。
 日本で欧米化された近代が始まったのは関東大震災以降だと言われます。それまでの明治維新から大正時代にかけての一般人の感性や文化・風俗は江戸時代とさほど変わらなかった。それが大震災にとって木と紙で造られた建築物が崩壊して鉄筋コンクリートのビルディングになり、大衆文化の中心地が浅草から銀座に移行し、見世物がレビューに、茶屋がカフェに、芝居がシネマに、和服が洋服にといった具合に都会の風景が様変わりして、初めて西洋風モダニズムが我が国に浸透したと言えます。
 探偵小説
の分野でも同じようなことが言えます。西欧の実証主義的なものの見方、科学的・合理的思考法に慣れていなかった日本人にとって、ミステリー小説といっても海外の本格的な謎解きパズラーものはなかなか受け入れられませんでした。それまで翻案されて探偵小説と銘打たれた作品の多くはフランス産の、犯罪メロドラマ調のものでした。因果律にもとづく推論の妙が巧みなものより、犯罪にまつわる愛憎渦巻くドロドロの人間ドラマがサスペンスフルに語られている作品です。
 和製シャーロック・ホームズの異名をいただく『半七捕物帳』が人気を博したのは、半七の見事な推理力よりも、犯罪の動機となった共感できる人間ドラマや当時失われつつあった江戸情緒・風俗がノスタルジックに語られていたからでした。
 そんな昔ながらの文学風土を大震災並に大きく揺るがしたのが乱歩の『二銭銅貨』であり、それに続く先ほどあげた作品、……。
 そして満を持して、西欧型モダニズムの典型とでも称すべきキャラクターが1925年に誕生します。いわゆる暇をもてあそぶ〝高等遊民〟の青年明智小五郎です。初のお目見えは、やはり『新青年』誌上での『D坂の殺人事件』(1月増刊号)。
 関東大震災後に登場した新しい学問に今和次郎考現学があります。人類の残した文化や遺物・遺跡を研究する学問は考古学ですが、その現代版──今そこにある社会現象や世相・風俗を記録して考察するのが考現学です。乱歩の探偵と和次郎の考現学者がシンクロするかのように出現してきたのがおもしり。どちらも異常なまでの細かな観察と尾行追跡を手法として、物的証拠を収集し分類して考察します。そこから普段は隠されていて見えないの、あたりまえと思われているものの異相が明るみに出されます。
 変格探偵小説家
 この『D坂の殺人事件』にはもうひとつ、大きな特徴があります。同作は、古本屋の美人妻が密室で絞殺された難事件を、明智小五郎が快刀乱麻を断つ名推理で解き明かす話です。物語の前半は考現学的ですが、後半はやはり当時巷間で話題になっていた〈変態性欲〉や〈変態心理〉という学問分野の影響下にあります。……
 この〈変態〉は、ヘンタイと表記されるように、今日ではなにやらいかがわしくて印象の良くない言葉と受け取られがちですが、明治時代後半から用いられた(これも翻訳語です)当初は、〈正常〉に対する〈異常〉という意味合いでした。逸脱した事象を指していたわけです。したがって、普通なら注目しないようなもの(自殺の場所や女学生の1日の行動、婦人の寝姿とか)を対象とした考現学なども〈変態〉的だったわけです。
 〈変態〉という、いわば学術用語を文芸で最初に使用したのは森鷗外だと言われています。それは『ヰタ・セクスアリス』(明治42年)ですが、主人公の哲学者が大胆な性欲描写が問題視されて発禁処分になりました。その性的遍歴をあからさまに語った小説を執筆するさいに鷗外が参考にしたと思われるのが、ドイツの精神科医クラフト゠エビングの著作です。つまり19世紀末の西欧で誕生した性科学(セクソロジー)です。
 ともあれ、〈変態〉は〈異常〉のことであり、身体の〈正常〉に対する〈異常〉は、健康に対する病気に等しい。そして社会における病気とは〈犯罪〉にほかなりません。かくて精神を病んだ者が常軌を逸した犯罪を行う猟奇的な物語が、〈変態性欲〉や〈変態心理〉の名のもとに探偵小説として人気を博しました。
 江戸川乱歩というと、誰しも小中学生のころに読んだでしょう児童向けのシリーズ、〈怪人二十面相〉や〈少年探偵団〉、そしてもちろん名探偵明智小五郎のイメージが一般的ですが、かれが活躍した大正末から昭和初期の乱歩は、謎解き推理をメインとする〈本格探偵小説〉ではない〈変態〉、いや〈変格探偵小説〉の作家であり、エログロ・ナンセンスの旗頭と見なされていました。乱歩自身は、そのことを不快に思っていました。社会と人間の実相を虚構として語る探偵小説を新たな文芸様式と考えていたからです。
 怪奇と幻想味に満ちた妖美で異形な作品を乱歩ワールドの真骨頂と考えるファンは多いようです。いずれの作品も大正デカダンス期から昭和エログロ・ナンセンス期に発表されています。
 今こそエログロ異端思考を
 エログロ・ナンセンスの時代を第一次世界大戦後の爛熟し頽廃したモダニズム文化の到達点とすれば、第二次大戦後の焼け跡文化──カストリ雑誌の時代は、いわばエログロ・ナンセンスの第二の黄金期でしょう。この時期に頭角をあらわしたのが横溝正史であり、かれの創造した名探偵金田一耕助が人気を博しました。
 横溝正史は乱歩より8歳年下ですが、実は作家としてのデビューは早い。『新青年』の懸賞小説に応募して入選した『恐ろしき4月馬鹿(エイプリルフール)』(1921年4月号)が処女短編として知られています。その後は、『新青年』の編集長を務めています(1927年3月号─1928年9月号)。乱歩に〈変格もの〉の傑作『パノラマ島奇談』と『陰獣』を執筆させて編集したのは横溝正史でした。
 正史もまたエログロ・ナンセンスの昭和初期には『新青年』に猟奇耽異な名編『鬼火』(1935年2月号─3月号)や『蔵の中』(1935年8月号)を寄稿しています。かれの作品が乱歩の大方のそれと異なるのは、土俗的な奇怪幻想エログロ趣味に彩られてはいるものの、謎解きパズラーとして精緻な推理と巧妙なトリックが用意されている点です。
 ……
 正史の前近代的、農村的、封建的風習が濃厚な生活環境で発生するおどろおどろしい猟奇殺人事件の数々は、江戸時代の妖異耽美にして血みどろの読本や草双紙の世界とも通底しています。とりわけ、閉鎖的な村社会における迷信や民間信仰を背景にした『八つ墓村』に顕著です。もちろん、その物語が岡山県で実際にあった『津山30人殺し事件』(昭和13年)に材をとっていることは、あまりにも有名でしょう。
 ……
 個人的には、100年ほど前にモダニズム文化の悪趣味B級化──キッチュ化したエログロ・ナンセンス文化を図らずも牽引することになった探偵小説の両雄の作品を今一度読み直すことで、〈変態〉が、そのポップな形態のエログロが、実は正常・正統という虚飾をまとった体制的な視点から逸脱する自由な精神の謳歌であることを再確認したい。
 グローバル化が唱道されながらもきな臭い世界情勢、同時にコロナ禍によってなにやら人間の本性まで垣間見られる昨今。この不安定で先の見えない閉塞した社会においてこそ、これまで〈正常〉とか〈普通〉、〈自然〉とか言われてきたものの見方からはずれた〈変態〉的思考が必要とされるのではないでしょうか。」
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 日本の激変が分かるのは新たな減災対策を施した町の復興・再生であり、その代表例が、戦争・合戦であれば戦国時代から江戸前期にかけての江戸・大坂・名古屋などの各地の城下町であり、人災であれば明暦の大火であり、天災であれば関東大震災であり、戦災であれば太平洋戦争後の名古屋と広島である。
 現代日本の防災と減災による復興・再生の能力は、阪神淡路大震災東日本大震災を見ればわかる。
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 昔の日本人の防災と減災による復興・再生には、現代の日本人が盲信している安全神話を生み出す前例主義や横並び、出る釘は打たれるなどという無能を証明するような愚策は存在しない。 
 昔の日本人と現代の日本人の違いは、生きるか死ぬか、天災・人災・戦災・その他の不幸・不運に「いつか必ず」襲われであろう自分達の命がかかっているからである。
 それが、事に当たる上での真剣度が雲泥のさほどに違いにあられてくる。
 それこそが、「正しき言霊」である。
 地獄の様な災厄に備える防災・減災を封じ込め排除する各種安全神話とは、「悪しき言霊」である。
 その悪しき象徴的事故が、ウソの安全神話が原因で起きた東日本大震災福島第一原発事故という人災である。
 故に、悪しき言霊を盲信する現代の日本人は、正しき言霊を信奉していた昔の日本人とは全然違う日本人である。
 「転ばぬ先の杖」。昔の日本人は人は必ず転ぶとして杖を用意し、現代の日本人は自分は転ばないとして杖を用意しない。
 現代の日本と昔の日本の明暗の違いは、ここにある。
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 日本の民族文化の隠された正体とは、美醜混合のエログロ・ナンセンス、変態性欲である。
 日本民族がドン底から這い上がる活力・底力もまた、美醜混合のエログロ・ナンセンス、変態性欲であった。
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 徳川幕府は、庶民が贅沢にして豪華ではなやかな町人文化を花開かせると、質素倹約で弾圧した。
 庶民は、御上が押し付ける清廉潔白を良とする儒教的道徳に逆らう様に、野卑で淫靡なエログロナンセンス、変態性欲を持て囃して反抗した。それが、艶話や物の怪話、春画や怪奇画などであった。
 春画の代表的作品が、葛飾北斎の「蛸と海女の戯れ」である。
 が、同じ性風俗と言っても、昔の日本と現代の日本とでは全然違う。
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 日本は、江戸時代の昔から深刻な被害をもたらす甚大な災害が起きると、その後の復興事業では必ず減災対策を施してきた。
 その代表例が、明暦の大火と関東大震災であった。
 が、戦後の日本、特にバブル経済繁栄以降の日本人は何ら根拠のない愚かな安全神話に取り憑かれた偏狭信者として悪しき言霊をまき散らして日本の屋台骨の強靱度を軟弱にし無力化して、日本は数多くの破壊的壊滅的自然災害が同時多発的に複合発生する恐ろしい危険地帯である事を忘れてしまった。
 それが、阪神淡路大震災東日本大震災及び福島第一原発事故であった。
 つまり、現代の日本は昔の日本とは全然違う日本である。
 その違いは、復興・再生までにかかった年月である。
 昔の日本人と現代の日本人との違いは歴然としている。
 言霊には、人を殺す悪しき言霊(呪詛)と人を生かす正しき言霊(言祝ぎ)が存在する。
 なぜ違うかと言えば、それは数万年前の石器時代縄文時代、数千年前の弥生時代古墳時代からの先祖が命を犠牲にしながら育んできた民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力を持っているかいないかである。
 では、その犯人が誰かと言えば、リベラル派・革新派そして一部の保守派やメディア関係者と学者・教育者らである。
 つまり、昔の日本の復活を阻止してきたキリスト教価値観及びマルクス主義価値観の戦後民主主義教育世代である。
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⚡30】─1─チャイナマネーは、日本のライフ・インフラ・エネルギーを奪い日本を丸裸にする。洋上風力。〜No.128 * 

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 2022年5月6日 産経新聞「国境がなくなる日
 宮本 雅史
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 中国企業が洋上風力発電に触手 日本を丸裸に
 秋田港湾に建設が進む洋上風力発電秋田市(萩原悠久人撮影)
 太陽光や風力を利用した再生可能エネルギー事業が拡大する中、今年に入り中国企業が日本の洋上風力発電事業を受注したことが報じられ、関係者に波紋を広げている。中国資本が太陽光発電事業でわが国に手広く進出していることは、昨年11月22日付本紙で報告したが、洋上風力発電にも手が伸びてきたのか。日本の沿岸で何が起きようとしているのか、検証する。
 日本にメーカーなく
 中国資本が参入すると経済紙が伝えたのは、富山県入善(にゅうぜん)町で進められている洋上風力発電事業。再生可能エネルギー事業を展開する「ウェンティ・ジャパン」(秋田市)が、60億円をかけて洋上風力発電所を建設、運営するプロジェクトだ。EPC(事業の設計、風車などの調達、建設)を担当する清水建設が、設置が予定されている3千キロワット級の風車3基を中国の風力発電大手「明陽智慧能源集団」(明陽智能)に発注したというのだ。」
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 2020年7月12日 読売新聞「洋上風力 中国を排除 
 政府 領海情報 流出防ぐ
 政府は、今後拡大が見込まれる洋上風力発電事業について、事業者を『国内法人』に限定し、日本領海内の海洋情報が外国に流出しないよう監視を強化する。事業者が海洋調査に外国船舶を使う場合には、政府の事前同意も義務づける。経済安全保障の観点から、中国企業を事実上排除する狙いである。
 事業者『国内法人』に限定
 資源エネルギー庁国土交通省は6月24日、長崎県五島市沖の洋上風力発電事業で、昨年4月に施行された洋上風力発電利用促進法に基づく国内初の事業者公募手続きを開始し、公募参加資格について、国内に本店や主たる事務所を有する『国内法人』と明記した。今後も同様の基準とする。
 公募で選ばれた発電業者は最長30年間、海域を占有した事業が認められる。事業者が収集する海底地形や地質、海流などのデータが外国に流出すれば、潜水艦の航行や特殊部隊の上陸作戦など軍事目的に利用される懸念がある。
 ……
 日本領海内では昨年、中国系の調査船が経済目的で海洋調査しようとする事案が3件相次いだ、2件は洋上風力、1件は海底ケーブル敷設するものだった。
 一方、洋上風力発電では、実績のある欧州企業との協力が見込めている。こうした企業は、日本法人を作ったり、日本の特別目的会社に出資したりすれば参入できるのが、外資系の日本法人に対しては、国家安全保障局警察庁などが安保上のリスクを精査し、慎重に対応する考えだ。
 政府は、再生可能エネルギーの拡大を図る一環として、洋上風力発電を普及させようとしている。……」
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 7月13日 産経新聞「電力供給安定化なるか 「容量市場」で初入札 非効率石炭廃止で重要性増す 
 中長期的に日本全体で必要となる発電能力を確保するために創設された「容量市場」の初入札が今月行われた。電力の小売りや送電の事業者が発電事業者の4年後の供給力に対して費用を負担する仕組みで、発電事業者は将来の売電収入を見込みやすくなり、将来的な投資を進めることができる。非効率な石炭火力発電の廃止が進めば新規の発電設備の建設が必要となる可能性があり、容量市場で発電事業者の収益の見通しをつけやすくすることの重要性が増している。
 容量市場では、市場管理者となる電力広域的運営推進機関(広域機関)がすべての電気事業者の供給計画に基づき、4年後に確保したい供給力と価格の関係を示す需要曲線を提示。発電事業者などが提供予定の発電所などの供給力と価格を示して応札し、契約される供給力と価格が決まる。
 入札は毎年1度行われ、初めての実施となる今年は今月1日から7日まで行われた。初入札で調達する令和6年度の供給力の目標量は約1億7747万キロワット。落札量と落札価格は8月下旬に公表される。広域機関は小売り事業者らから拠出金を集め、発電事業者らに支払う。
 こうした仕組みが必要になった背景には、平成28年4月の電力小売り全面自由化がある。大手電力はかつては必要なコストに応じて電力料金を決める「総括原価方式」が認められ、発電所への巨額投資を電力料金ですべて回収できた。しかし全面自由化後には発電された電力が卸市場で売買されるようになり、市場価格の変動の結果、得られる収入が見通しづらくなった。
 このため大手電力にとって新たな発電所の建設や老朽化設備の建て替えは難しい判断だ。老朽化施設の閉鎖だけが進み、需要に対して供給力が足りなくなれば、電力料金が高い状態が続いてしまう恐れも指摘されている。
 また、太陽光や風力といった発電量を安定させにくい再生可能エネルギーの導入が世界的な潮流であることや、非効率な石炭火力のように発電の機会を失う設備が広がる可能性も収益の不透明感を強めている。
 こうした問題に対応することを目的とした容量市場は米、英、仏などですでに導入されている。経済産業省資源エネルギー庁は発電事業者がさらに長期的に投資を進めることができるようにする新たな制度作りも検討している。(飯田耕司)
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 中国共産党は日本に対して様々な謀略を実行し、中国軍は軍事的威嚇を続けている。
 それが、中国伝統の「微笑み外交」である。
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 福沢諭吉が著した「脱亜論」は正しかった。
 悪友の中国・朝鮮を切り捨て良友の欧米に接近して真似るべきだと訴えた「脱亜論」を否定する日本人が存在する。
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 伝統的なキリスト教価値観に基づく国際法・世界基準・世界ルールを作って守っているのが欧米諸国である。
 中国共産党は、中国共産党価値観に基ずく国際法・世界基準・世界ルールを作り、一帯一路構想で世界に広めようとしている。
 日本は、その二者択一を迫られる事になる。
 現代日本が歴史を教訓とできるかどうかが、日本国の存続と日本民族の生存の鍵となる。
 が、現代日本人には歴史力がない。
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 日本国内には、チャイナマネーに協力する日本人が存在する。
 中国共産党・中国軍の脅威を訴える事は、中国・中国人への人種差別を増幅させるヘイトスピーチと激しく批判され潰される。
 そうした日本人は、日本国を憎み、日本民族を嫌い、日本天皇を恨み、日本人である事を恥じているが、日本列島で生活する事を望んでいる。
 日本の国益を毀損して損害を与えても、各種安全保障を弱めて日本が不安定になってもも、気にはしない。
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 国家の赤字は、1,100兆円を突破し、毎年約40兆円ずつ膨らん行く。
 政府は、少子高齢化伴う人口激減で収入が減り支出が増える為、公共財を高額を国内外の民間企業に売っている。
 規制緩和とは、国家資産の売却の為に行われている。
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🗡59〗─3・A─ウクライナ戦争。防衛産業、基盤強化に本腰=相次ぐ撤退に危機感―政府。~No.187 

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 2022年5月5日 MicrosoftNews 時事通信「防衛産業、基盤強化に本腰=相次ぐ撤退に危機感―政府
 © 時事通信 提供 海上自衛隊の新型護衛艦「くまの」=4月10日、神奈川県横須賀市海上自衛隊横須賀基地
 自衛隊の装備品を生産する防衛産業から企業の撤退が相次いでいる。背景には、低い利益率や調達数の減少があるが、これらの企業は有事に際しても装備品の維持・整備を担うため、撤退は日本の防衛力低下に直結する。政府は防衛産業を「防衛力の一部」と位置付け、対策に本腰を入れ始めた。
 この数年だけでも、防衛省から直接受注する主要企業の撤退が目立つ。2021年には三井E&S造船が艦艇建造をやめたほか、住友重機械工業は新型の機関銃事業から手を引いた。20年にもダイセルが航空機パイロットの緊急脱出装置の生産停止を決めた。
 撤退の理由の一つは、利益率の低さにある。現在、防衛省が発注する装備品は原価に7%程度の利益が上乗せされているが、10%を超えるとされる欧米諸国と比べると低い。納品後の利益率では、材料費の高騰や為替の影響により利益率が2~3%まで目減りしているケースもあるという。
 また、装備品の高度化・複雑化により調達単価が上がった一方、F35戦闘機などの高性能な米国製装備品の輸入が増え、国内からの調達数は減少。この結果、受注間隔が空く「お久しぶり生産」が増え、安定的な事業維持が難しくなっている。
 装備品を輸出できれば事業維持や価格抑制などの効果が期待できるが、高価で自衛隊のニーズに応じた装備品を買う国は少ない。これまでに完成装備品の輸出契約が実現したのは、フィリピンへのレーダー4基のみだ。
 こうした状況を打破すべく、防衛装備庁は企業の支援に乗り出している。防衛省は装備品の製造工程に3Dプリンターや人工知能(AI)などの先進技術を導入するための経費6億円や、中小企業のサイバーセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性調査・設備導入などの費用8億円を22年度予算に盛り込んだ。
 さらに、鈴木敦夫装備庁長官の下に、装備品の利益率見直しや輸出に関するワーキンググループを設置し、具体策の検討を進めている。防衛省幹部は「以前は利益率が低くても『お国のため』と応じてくれたが、今では通用しなくなった」として、実効性のある対策が急務との認識を示した。」 
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⚡4】─1─日本は医療AI後進国! コロナ禍で開発が加速した世界に追いつくには?~No.33 

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 日本は、もう先進国ではなく、三流並み・途上国並みに後退・衰退している。
 現代日本人は、その現実・事実を理解できないし、認めようとし、受け入れる事ができない。
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 2022年5月3日 MicrosoftNews AERA dot.「日本は医療AI後進国! コロナ禍で開発が加速した世界に追いつくには? 東京慈恵会医科大学・中田医師が解説
 © AERA dot. 提供 慈恵医科大学病院の中田典生医師(撮影/高野楓菜)
 AI(人工知能)医療で一歩も二歩も先を行っているのが画像診断の分野だ。CTやMRIといった医用画像機器の劇的な進歩で、1回で何千枚という画像が撮影できるようになり、さらに3D画像に落とし込むことも医療現場では行われ始めている。そんななかで、人間の目ではこれまで見つけられなかった微細な画像の変化を検出したり、病変の見落としをなくしたりといった技術の医療現場での普及が、現実味を帯びている。週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる2022』で取材した(東京慈恵会医科大学放射線医学講座准教授・人工知能医学研究部部長)に、話を聞いた。
  *  *  *
 人工知能計算用のパソコンを自作してAI研究を行う、東京慈恵会医科大学(東京都港区)准教授で人工知能医学研究部部長の中田典生医師は、AIの台頭についてこう説明する。
 「AIと一口に言っても実ははいくつかのレベルがあり、一般的な人工知能機械学習ディープラーニングなどに分かれています。このうち最も高度なディープラーニングは、我々人間の視覚野をシミュレーションしたもの。目に入った情報を脳で受け止める、その仕組みを応用したものです」
 AIが画像診断などに強いのはそのためで、画像処理や車の自動運転などに見られるように、視覚野の部分においては、人間と機械では情報処理力に圧倒的な差が生じており、その点では確実に人間からAIに置き換わっている。
 一方で、中田医師はAI医療に関しては俯瞰した見方をしている。ごく簡単に言えば、「社会のAI実装があってこそ、医療のAI実装が可能になる」という視点だ。背景にあるのは、“AI技術はどの産業においても、使われているアルゴリズムが基本的に一緒”というもの。産業界でのAI化が進むほど、それを応用したAI医療機器が病院にも入ってくるという構図だ。
 「工場の物流を考えてみましょう。例えば、部品を運ぶ自走式のロボットにはAIが必要です。工場は自動車組み立てに関するオートメーション化、効率化が非常に進んでいるのです。そこには多様なオプションへの対応や、労働力不足を補うシステムの構築なども含まれます。これは結果的に病院のオートメーション化にも非常に役立つはずです」
■日本はITや医療AI化の後進国
 これを医療分野だけで完結しようとすれば、専門の企業や技術者が少ないため、規模も小さくなり、コストも高くなってしまう。さらに医療ではさまざまな規制があって認可が必要になる医療機器が多いため、そこを乗り越えるのには時間もかかる。
 だからこそ、他の産業で構築したAIの技術を医療に応用する、中田医師が「カスケード型の医工連携」と名付けたやり方がよいのだという。カスケードとは「いくつも連なった滝」のこと。AIで用いられるアルゴリズムはどの産業においても同じであるため、技術進歩の上流にあたる自動車産業や精密機械産業で培ったAI技術を、下流にあたる医療などの分野に応用するといったイメージだ。
 実は、そうしなければならない理由もある。中田医師が問題視しているのは、“日本のAI技術の遅れ”だ。
 「正直言って、日本はIT業界において後進国です。AppleGoogleマイクロソフトamazon、Meta(旧Facebook)は世界をリードしていますが、それに引っ張られるような形でアメリカではベンチャー企業が台頭してきています。一方日本では、アメリカと同じくらいベンチャー企業はありますが、浮き沈みが激しい業界ということもあり、できては消えて……という状況です」
 それは医療のAI化においても同じだという。
 世界ではDX(デジタル変革)の波が押し寄せている。皮肉にも、AI開発が急速に発展したきっかけとなったのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。海外では、コロナ病床をロボットが自動で紫外線消毒したり、AIカメラを利用して感染の危険性がある人を振り分けたり、コロナ肺炎の診断を支援する画像診断装置も開発されたりと、AIを用いた医療機器が誕生し、実用化されていった。中田医師はこう危惧する。
 「もっと重大なのは、AI医療機器の認可が日本では非常に遅れていることです。2021年12月時点で17ほどしかないのです。欧米では100以上認められているのにもかかわらず、です。AIに関していえば、非常に劣勢であることは間違いないでしょう」
 加えて、日本は国民皆保険制度であることも、足を引っ張っているという。
 「メーカーが開発した医療機器を市場に上げたとしても、診療報酬の関係でマネタイズ(収益化)は限られてしまいます。これは医療を受ける側としては非常にいいことなんですが、自由競争で世界と戦うには大きなハンディキャップになります」
 ただ、希望もある。それは医療のAI化が”医療以外のところから進む”可能性だ。
 「具体的に言うと、検体を持ったロボットが病院の廊下を移動するとか、車イスが自動運転できるようになるとか、これらは医療機器ではないので、導入しやすいのです」
■「2025年の崖」とは!? 日本のAI化が加速するのは2030年以降
 実際、自走する車イスに関しては、「AIホスピタル」プロジェクトで実装実験段階に入っている。AIホスピタルとは、第二次内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で採択された「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」のことで、AIやICT、ビッグデータの技術などを組み込んだ、先進的な医療サービスを提供する病院モデルを作り、社会実装するプロジェクトだ。
 「DXのためには、AI技術が必須。病院のオートメーション化には非常に有用だと思いますが、ネックは政府がこの手の分野を苦手とすること。新設されたデジタル庁に期待したいところです」
 国自体も尻に火がついたのか、重い腰を上げつつあるという。19年に経済産業省がDXに関するレポート(「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開」)を作成した。「2025年の崖」とは、このまま国内でDXが進まないと、25年以降最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある、ということを指している。
 日本では20年度から、すべての小学校でプログラミング教育が必修となった。今後はコンピューターを「使う」だけではなく、「操る」人材が増えると思われる。それも踏まえ、中田医師はこう言う。
 「『2025年の崖』を迎えた後、30年ぐらいからは日本でもAI化が加速するのではないかと考えています。思い返すと、電子カルテが標準になったのは医療以外の分野でIT化が進んだから。医療のAI化を考えるときは、産業としてのAI技術の進歩を注視していかないとといけない、ということです」
 中田典生(なかた・のりお)医師
 東京慈恵会医科大学放射線医学講座准教授、総合医科学研究センター人工知能医学研究部部長、同大学病院超音波センター・センター長、情報通信技術(ICT)戦略室室長。医学博士、日本医学放射線学会放射線科専門医。1988年、東京慈恵会医科大学医学部卒。2001年、同大学高次元医用画像工学研究所で鈴木直樹教授に師事。17年、厚生労働省保健医療分野におけるAI活用推進懇談会構成員、20年から現職。専門は放射線科(画像診断)、超音波医学(診断、専門医・指導医)、人工知能医学。 (文/山内リカ)
 ※週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる2022』から再編集、加筆・改変」
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📉96】─1─少数の秀才を作る優れた中国教育、多数の鈍才を量産する劣った日本教育。〜No.218No.219 * 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本が栄える中国に比べて衰えたのは、リベラル派・革新派そして一部の保守派が好奇心豊かな子供たちに押し付けた現代教育が原因であった。
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 2022年の人口。
 日本、1億2,000万人。
 中国は、14億人。
 少数精鋭は、少数からではなく多数の中から作られる。
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 プレジデント ウーマン
 シンガポールから見た「日本人とお金の不思議」
 #インターナショナルスクール
 #シンガポール
 2020.10.06
 やはり"タイガーマザー"は凄いのか
 日本を抜いてアジアで首位に! 世界的富豪も認める「中華圏のすごすぎる教育」の実態
 花輪 陽子(はなわ・ようこ)
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。世界の大学の最新のランキングをイギリスの専門誌が発表しました。アジアからは、中国とシンガポールという中華圏のトップ校が日本を抜いて上位にランクインしました。今回は、今世界でも注目されている中華系の教育力について分析したいと思います。
 中国の学校の教室で、書き取りをする少女
 ※写真はイメージです(写真=iStock.com/MediaProduction)
 ジム・ロジャーズ氏が語るアジアの教育の素晴らしさ
 英国の教育専門誌『Times Higher Education(THE)』が、大学の教育の質や国際性などを総合的に評価する「THE世界大学ランキング2020」を発表しました。1位が5年連続でイギリスのオックスフォード大学、2位がアメリカのスタンフォード大学、3位がハーバード大学で、上位13校までを米英の大学が占めました。アジアの大学の中では中国から清華大学(20位)と北京大学(23位)、シンガポールからはシンガポール国立大学(25位)と南洋理工大学(47位)、日本の東京大学(36位)と京都大学(54位)などが上位にランクインしました。
 このランキングには資金力も影響しているようです。今回、中国の大学の研究による収入の中央値が初めてアメリカの大学を上回り、専門家は「新型コロナウイルスの影響で、アメリカの大学の収入が落ち込み、米中の大学の差が縮まるきっかけになるかもしれない」と指摘しているようです。中国からは2019年と同じ7校が上位200校に入り、ほとんどの学校が順位を上げています。シンガポールは基本的に財政黒字で準備金の蓄えがありますが、日本は財政難から教育など政策投資に投じられる予算は削られる一方です。
 15歳児を対象にした国際学力テスト(PISA)では科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの3分野で2015年にシンガポールは世界首位でした。2018年度には中国(都市部)に抜かれたもののシンガポールは2位です。その他、3位マカオ、4位香港など中華圏の学力の高さには圧倒されます。ちなみに、日本は6位、韓国は7位、イギリスは13位、アメリカは25位でした(2018年)。世界3大投資家のジム・ロジャーズ氏も、娘たちの教育のためにシンガポールに移り住み、娘をローカルスクールに入れているほどです。取材のたびにアメリカの教育はひどく、アジアは素晴らしいと言います。留学でアメリカを目指す日本人はいまだ多いものの、実はアジアの教育の方がよいのでしょうか。
 中国人の家庭の多くでは、3カ国語を一度に学ばせている
 筆者はシンガポールで子供を欧米系のインターナショナルスクールに入れています。8月で学年を区切るために、日本よりも1学年繰り上がり、小学生になりましたが、英語の読み書きに苦労をしています。英語の場合、日本語のひらがなと違って、例外的な読み書きをする単語が多くあります。学校では単語カードなども持たせてくれるのですが、発音のためにマニアックな単語も多く、辞書で引いても出てこないような単語もあって、苦戦しています。当然、親がネイティブではないと学校では不利です。
 しかし、娘が入っているELL(English Language Learner)という英語サポートクラスには、アメリカ人など英語ネイティブスピーカーの子もいて驚かされました。母国語なので喋ることができても、低年齢だと読み書きができない生徒も多いよう。ELLは想像以上にアジア人が少なく、中国や韓国の生徒などの姿はあまりありません。学校では中国と英語を学ぶので、韓国人や日本人の場合、両方とも母国語ではないのでどう考えても不利です。
 両親ともに中国人や韓国人の家庭に英語の教育をどうしているか聞いたところ、学校の外でも英語の読み書きを習わせていると言います。シンガポールに来ている中国や韓国、インドの親はエリートが多く、両親共にアメリカの大学で大学院まで出ていて、英語が堪能なカップルも多いです。インド人の親などはボーディングスクールを出ている人も。中国から母子留学で来ていてELLに入っている生徒もいますが、英語の家庭教師などをつけて必死に授業にキャッチアップしています。
 中国人の家庭の多くでは英語とスペイン語を学校で学ばせ、家では中国語を教えているようです。「3カ国語を一度にやるのは大変ではないか」と聞いても、絶対に学ばせたいし、子供も興味があるからと強い熱意で言うので感心をしました。中国語の授業の際も熱心に授業に参加しているのはインド系などアジア人で、欧米人は苦手意識が高いようです。
 小学校入学前に英語の文章が書けないとダメ
 新型コロナの影響で、祖国に帰る欧米人が多く、シンガポールのインター校の生徒の割合はアジア人が高くなっています。中国やインドからの生徒の割合が上がり、授業のレベルが押し上げられます。実際に中国の親などは授業のレベルを上げてほしいと学校側に要求をするためにカリキュラムが前倒しになる傾向があるようです。
 日本では小学校1年生でひらがなを学び、算数は足し算などをしますが、シンガポールではインター校でも小学校1年生で英語の文章をかけ、簡単な本が自分で読めるようにならなければなりません。ローカル校だと、さらに1年早いようで、小学校入学前に英語でセンテンスが書け、中国語も学び、小学校ではタイピングをするようです。子供用のキーボードを探していると友人は言っていました。友人は図書館が開けるほどの児童書やDVDなどを買っているのですが、毎日読み聞かせ続けた結果、ある日子供が自分で英語の本を読めるようになったと言います。
 また、学校では学力テストが多く、学年でのレベルに満たない場合は英語や算数で特別なサポートを受ける形になります。小学校の新学期が始まってすぐに英語、算数などのテストをするために授業スピードが早いです。様子を見るということもなく、できることをなるだけ早くやるようです。家庭のサポートも容赦なくリクエストしてくるので、毎日20分程度は子供の勉強のサポートをしています。
 中華圏の子供たちは習い事も多くさせていて、週6などで予定が入っている子供も多いです。集合住宅で外遊びをしているのは欧米人やインド人がほとんどだと感じます。その他の子供たち(主に中華系)は習い事や塾などでしょうか。最近は、同じ集合住宅の中国人の子供と放課後に遊ぶ習慣ができたのですが、勉強は得意でもなんとなく運動は苦手そうに感じます。少し走るとむせたりするようです。スポーツや文化的な活動に関しては欧米や日本の教育に分がありそうです。しかし、学力は驚異的なものがあるために、将来、大学受験の際に彼らと競争をしなければならないとなると、先が思いやられます。
 欧米の教育と中華圏の教育と、どちらも極端な部分があります。真ん中くらいがよいと感じる家庭も多いようでそれに合わせた教育を提供する教育機関も見受けられます。子供の個性に合った教育機関を各家庭で慎重に探す時代になっているのかもしれません。
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 講談社ホームページ
 2018.12.11
 # 中国
 # 在日中国人
 在日中国人が悩む「日本の学校ユルすぎ、子ども入れて大丈夫か」問題
 有名私立か中華学校か、揺れ動く親たち
 中島 恵ジャーナリスト
 プロフィール
 「子どもを日本の学校に通わせるのは、正直いって不安があるんです。だって、日本の学校教育はゆるすぎるから!」
 東京都内に住む30代前半の中国人女性、張琳さんはこう打ち明ける。彼女は都内の企業で働きつつ、2歳半の子どもを育てている。同じ中国人の夫は独立して会社経営しているため、一家は当面、日本に住み続ける予定だ。目下の悩みは、早くもその幼い子どもの進路だという。
 「中国に住んでいたときは、日本ではクラブ活動とか総合教育を重視すると聞いていて、すばらしいな、と思っていたんです。でも、いざ自分に子どもが生まれてみると、やっぱり勉強第一、と思うようになりました。ちょっと迷いが生じています」(張さん)
 『日本の「中国人」社会』(日経プレミアシリーズ)を上梓したジャーナリストの中島恵氏は近年、在日中国人を取材するなかで彼らの「ある悩み」に気づいたという。教育大国・中国に出自を持つ彼らならではの悩み、そしてその背景を中島氏がレポートする。
 有名私立校の「お受験」に励む人たち
 私はこれまで数百人に上る在日中国人を取材してきた。日本には全在日外国人のうちで最も多い約73万人もの中国人が住んでいる。
 彼らは仕事や結婚、家庭などさまざまな悩みを抱えつつ、この日本で生きているが、主に都内に住む20代後半から40代のホワイトカラー(エリート層)に限定すると、彼らの大きな悩みは「子どもの教育をどうするか」という問題。そこには、在日中国人ならではの理由がある。
 私が都内で取材した範囲では、有名私立か、中国人のための中華学校か、という主に2つの選択肢で悩む人が多く、私が聞く限り、進学校を選択する人が多かった。
 その理由は何なのか。子どもを私立の有名小学校に通わせている女性、王慧さんはこう語る。
 「中国には私立の学校自体まだ非常に少なく、選択肢は多くありません。日本の私立は校風が明確、一貫教育をしてくれるところも多く、子どものレベルもある程度、担保されるからです。その学校は夫の友人の子どもが通っていて、とてもお子さんの感じがよかったことと、勉強熱心なこともあって、そこをお受験しました」
 〔PHOTO〕iStock
 ほかにも、有名私立に通わせている、あるいは有名私立に通わせたいと語った親は多かった。日本の有名私立は、中国の学校にはない“立派で高価な制服”があり、規則も厳格なことが多い。それが彼らの目には新鮮で魅力的に映っているということがある上、将来の設計も見通しやすい、という安心感があるようだ。
 また、小学校は公立にして、同時に進学塾にも通わせ、有名私立中学を受験させるというコースを選ぶ家庭も少なくない。これは日本人の教育熱心な家庭とほぼ同じといっていいだろう。
 しかし、迷った末に進学させた有名私立であっても、実際に通ってみると在日中国人の人々の目には「ゆるく」映るケースが少なくないのだという。
 50代のある中国人女性は、2人の子どもを“中国式”のスパルタで育て、公立の小学校→私立の中高一貫校から見事、2人とも東京工業大学に進学させた。
「テストが少なすぎる」「宿題が少なすぎる」
 その女性はこう語る。
 「悪い意味ではなくて、日本人の場合は、そこそこがんばれば、ある程度やっていけるのです。だってここは日本で、日本人の国なのですから。日本人にはさまざまな選択肢があります。でも、私たちは “マイノリティ”、どんなにこの国に長く住んでも、やはり外国人なんですよね。
 中国人と日本人、まったく同じ成績だったら、日本人のほうが有利だし、就職でも先に採用されるでしょう? それは仕方がないこと。
 だから、私たちは日本人よりもがんばらなくちゃいけないんだ、という気持ちで、日本のゆるい教育に流されることなく、歯をくいしばってやってきたんです。それは、子どもはこの国で暮らしていくんだから、という意思表示でもありますね」
 彼らが日本の教育を「ゆるい」というのは、あくまでも母国・中国との比較に過ぎないのだが、たとえば「宿題の量が少なすぎる」、「テストが少なすぎる」などの例を挙げる人が多い。
 中国では普通の小学生でも宿題は毎晩11時までかかっても終わらないほどの量で、テストも毎日のように行われているからだ。テストのたびに成績も発表され、優秀な順にクラス分けされる。中国では中高でも日本人が考えるような本格的なクラブ活動はほとんどなく、恋愛禁止、勉強一辺倒の生活を送ることがごく普通だ。
 〔PHOTO〕iStock
 当然、日本の学校の「ゆるさ」は、現在子どもの進学先を選んでいる在日中国人にとってみれば迷いを生じさせる要因となる。それゆえ、冒頭の張琳さんのように不安を抱えてしまう人がいるのだ。
 「最低でも早慶以上でなければ」
 とはいえ、子どもを東工大に入れた女性のように、スパルタを意識して子どもを育て、日本の一流大学に進学する子どもはかなり多い。
 帰化している例もあるため、中国人の子弟の日本での進学率を示す統計はないが、日本人の私の友人で、都内の学校に中高生を通わせている親からも「うちの子のクラスメートに中国人がいて成績優秀だ」という声は頻繁に聞こえてくる。10年前までは考えられなかったことだ。
 私が取材した趙剛さんは在日中国人2世で慶応義塾大学の学生。中国の内陸部出身の両親はともに20年以上前に来日し、都内の一流企業に勤務している。
 趙さんは父親が親しくしている中国人家族と食事会やゴルフに出かけることがあるそうだが、そこで一緒になる子息たちは、多くが東京大学京都大学など国立の名門校の出身ばかりだったとか。
 「びっくりしたんですよね。大学院まで行っている人もかなりいました。私は少年野球をやってきて、中学から慶応でした。ずっと野球漬けの学生生活を送ってきたので、ちょっと肩身が狭くて……。
 彼らに会うのは気が引けました。父の友人の中国人コミュニティでは、私のような存在は少数派かもしれません。皆エリートで教育熱心な人が多く、『(子どもの)大学は最低でも早慶以上でなければね……』という雰囲気でした」
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 日本のエリート学生が「中国の論理」に染まっていたことへの危…
 中華学校という選択
 母国の厳しい競争を考えると……
 彼ら(両親)が子どもを日本の進学校や有名大学に進学させたいと願うと同時に、日本の学校で大丈夫かと悩んでもいるのは、在日中国人同士のライバル心やメンツがある。そして、母国・中国での激しい受験戦争も関係している。
 中国では幼いころから詰め込み教育が行われるのが普通だ。人口14億人の中で抜きん出るためには、人一倍努力しなければならない。中国では生まれた場所、戸籍などによって、努力だけでは一流大学に進学できないが、もし一流大学に進学できれば、二流大学、三流大学の人よりも高い給料を得ることができ、いい人生を送ることができる。
 13 億人の競争を勝ち抜かなければならない〔PHOTO〕iStock
 価値観が多様化し、いい大学に行くことだけがいい人生ではない、と考える人もいる日本とはだいぶ異なるのだ。
 その母国の情報が今ではSNSなどで簡単に入手できるため、日本に住む中国人は「うちの子はこのままでいいのだろうか?」「中国に住む友だちの子どものほうが先に進んでいるんじゃない?」という“焦り”を感じてしまうのだ。だから余計に教育に熱が入る。
 中華学校という選択
 一方、もうひとつの選択肢が中華学校だ。中華学校とは海外に住む中国人のための学校のことを指す。日本には中国系、台湾系合わせて5つの中華学校がある。東京(四谷)、横浜2校、大阪、神戸だ。
 中でも有名なのは横浜山手中華学校で、同校には小学部、中学部の合計で約600人の子どもが在籍している。95%が中国にルーツを持つ子どもたちだ。近年は在日中国人の増加に比例して入学志願者も増加し、小学部の倍率は約5倍という狭き門。
 横浜山手中華学校〔PHOTO〕著者提供
 「わざわざ関西方面から受験にやってくる中国人もいるし、引っ越してくる人もいる。問い合わせは日本全国からある」(張岩松校長)というほど人気となっている。
 同校の小学部では中国語による授業が全体の70%を占める。基本的に校内での会話は中国語なので、12歳までに中国語を自然と身に着けることができるのが大きなメリットだ。
 中国人の先生も多く、日本の学校では習わない「中国文化」について、基本的な知識を得られるのも魅力だ。保護者の多くは30~40代で、冒頭の女性と同じように「日本の教育はゆるすぎるから(ぜひ、こちらで)」と心配しているケースが少なくない。
 「母国語を習得させたい」という動機
 中国語をきちんと習得させて、中学卒業後は中国の高校に子どもを送り出したいと思っている親もいて、「中国に提携校(高校)はないのですか?」という問い合わせもある(実際、要望が非常に多いため、2017年に中国の3校と提携し、進学できるようにした)。
 中国人に限らないが、海外に住む人にとって、子どもの母国語問題は心配のタネだ。日本生活が長くなってくると、子どもは日本語がネイティブになるが、本来、母国語のはずだった中国語は“外国語”となる。
 ずっと日本に住むつもりなら、子どもも日本語がネイティブのほうがむしろいいのかもしれないが、親自身もこの先、一生、日本で仕事を続けていくかどうかわからない場合、また、子どもの将来の可能性を考えたときに、「日本語しかできなくて、日本の大学を出て、日本で就職するというだけでいいのだろうか?」という不安にかられる。もちろん、中国人としてのアイデンティティにも関わってくる。
 そのため、日本の学校に通わせながら、週末だけ中国人専用の中国語塾に通わせている親もかなりいる。
 また、「幼いころは中国に住む祖父母の元に預け、中国語がある程度話せるようになってから呼び寄せ、その後、日本の学校に入れる」という手段を取る人もいた。そうでないかぎり、日本に住んでいるので、親子の会話はどうしても日本語になってしまうからだ。
 母国から離れているからこその不安
 中国には「孟母三遷」という有名なことわざがある。孟子の母が、最初は遠くにあった住まいを、子どもの学校の近くに3回も引っ越して、子どもの教育のためによりよい環境を整えようとしたという話だ。
 この言葉からもわかる通り、中国人の親には、子どもの教育のためならば、自分の全エネルギーを傾けるくらい情熱を注ぐ人は珍しくない。
 経済成長が著しく、社会の変化があまりにも激しい中国でも、教育にかける親の熱だけは相変わらずだが、それは「中国社会のミニチュア版」である在日中国人もまったく同じだということだ。
 しかも、彼らは中国から遠く離れている分、余計に日本での教育を心配し、日本人とは違うところで思い悩んでしまうのだろう。
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