・ ・ ・
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・{東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2025年12月2日 YAHOO!JAPANニュース THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)「先進国のなかで一人負け…“名目GDPが28年間でマイナス24%”の日本、「国内生産」より「海外投資」に注力し過ぎた末の悲劇
名目GDPを先進国で比較すると、もはや一人負け状態にある日本。「海外投資」に力を入れ続けたことで、30年間も経済が停滞する「失われた30年」に陥ってしまった。一方、国内生産に力を入れたドイツは、賃金、輸出産業、失業率など多くの領域で成長を見せた。同じものづくりの国で明暗を分けた理由とは。本記事では、岩本晃一氏の著書『高く売れるものだけ作るドイツ人、いいものを安く売ってしまう日本人』(朝日新聞出版)より、日独の経済パフォーマンスを、さまざまなデータをもとに比較・解説する。
年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
先進国で一人負けの日本━━各国GDP比較
日本とドイツのマクロ・ミクロの経済パフォーマンスの比較によって、同じものづくりの国でありながら、近年の経済成長に差が出ている日本とドイツの違いを明らかにする。
両国の経済活動の結果、表れてくる各種データを比べてみるだけで、同じものづくりの国とは言っても、日本とドイツの産業構造・産業組織が大きく異なっていることに気づくだろう。
これから紹介する数字は、1995年を起点としている。なぜなら、日本の「失われた30年」は1995年を起点として発生しているからだ。1995年はインターネット元年とも言われている。
日本の名目GDP(IMF統計)を見ると、1995年が5兆5460億ドル、2023年が4兆2130億ドルとなっていて、28年間でマイナス24%となっている。1995年以降、多少の高低はあるものの、ほぼ一定水準を維持してきたが、近年の円安の影響で、ドルベースに換算した数字が低下している。
一方、ドイツの名目GDP(IMF統計)は、1995年が2兆5950億ドル、2023年が4兆5270億ドルとなっていて、28年間で、プラス74.4%となっている。1995年以降、多少の変動はあっても、着実に増え続けている。
そして28年前に日本の47%しかなかったドイツの名目GDPが、その28年後、日本に追いつき追い抜いたのである。では、他の国々はどうなっているのだろうか。
1995年から2023年の28年間に世界各国の名目GDPは、アメリカがプラス263%、中国がプラス2378%、インドがプラス910%、イギリスがプラス151%、フランスがプラス92%と増えている。中国の成長が驚異的であり、インドの増加も著しい。
だが、かつて「英国病」と呼ばれ、職にありつけない若者が大量に街を彷徨して社会がすさんでいたイギリスでさえ、2倍以上に増えている。欧米先進国は、1995年から2023年の間、大体2〜3倍に増えていると言える。その中にあって、日本だけが先進国の中でまるで走りを止めたランナーのようである。
貿易大国であり、輸出大国のドイツ
[図表1]輸出入額の日独比較
日本の低迷とドイツの成長を、図表1にある輸出と輸入の観点で比べてみよう。
注目したいのは、ドイツの輸出の多さと伸び率の高さである。ドイツは「日本の3分の2サイズの国」でありながら、日本の2.37倍(2023年)の輸出がある。ドイツの輸出の伸びは、1995年から2023年の間に3.25倍となっており、日本は同期間に1.62倍である。輸出の伸び率はドイツの方が圧倒的に大きい。
2023年の貿易総額(輸出+輸入)で見れば、ドイツの3兆1700億ドルは、中国、アメリカに次ぐ世界第3位の数字であり、世界第5位の日本は1兆5030億ドルにすぎない。比較すると、ドイツは日本の2.1倍ある。また、名目GDPに占める輸出の比率(2023年)を見ても、日本は17%であるのに対し、ドイツは38%である。
つまり、ドイツは「貿易大国」であると言ってよい。そうした貿易を可能にしているのが、世界に冠たるドイツの「ものづくり」なのである。
かつて、日本は「加工貿易の国」と言われた時代があった。外国から原材料を輸入し、加工し、外国に輸出して外貨を稼ぐことにより、日本国民が生活していることを象徴的に表現した言葉である。
だが、時代が経つにしたがって、日本からの輸出はさほど伸びず、ついに貿易収支はマイナスになった。逆に増えたのが、海外生産によって得た利益である。海外で得た利益の一部を海外で再投資し、一部を日本の本社に送金する。こうして得た利益を、日本国内で付加価値を創出する投資に回さず、雇用も生み出さなかった。
そうして日本企業の内部留保、正確には利益余剰金が2023年度末に600兆9857億円となった。そこに、株高、ゼロ金利、円安などが重なり、一部の企業、一部の個人にのみ、お金が溜まるという現象となって現れた。
国内生産にではなく、海外投資に力を入れた日本
[図表2]貿易収支と経常収支の日独比較
次に図表2の貿易収支(輸出輸入)と経常収支を見てみよう。ここに日本とドイツの産業構造・産業組織の違いが典型的に表れている。日本は、かつてものづくりの国ではあったが、じつはドイツほどに強力かつ大々的に輸出する力量はなかったのである。そのことを、かつてプラスだった日本の貿易収支が、大幅にマイナスになっていることが表している。逆に、ドイツは貿易収支のプラスを大幅に拡大させている。
逆に増えたのが、経常収支の黒字である。巨額の貿易赤字を補ってなお余りあるほど、海外投資によって得た利益を国内に送金する金額が増えたのだ。日本の企業は、海外に投資し、稼いだ金を日本の本社に送金する体質に変わっていった。
その反対に国内では投資を抑え、人件費を抑えるという構造に変化した。それでは国内に雇用は生まれず、賃金も上がらないし、再投資も行われない。国内消費は冷え、GDPは増えない。GDPの主要構成要因のうち「国内消費」「投資」「貿易収支」の3要素が失速したのである。
1社だけなら「利潤最大化」という経済学上適切な行動かもしれないが、それを多くの企業が同時に行ったため「合成の誤謬(ごびゅう)」が発生し、日本国内は、「デフレスパイラル」に陥った。
一方、ドイツは輸出を継続的に増やし、貿易によって大きな額を稼いできた。貿易収支の急増ぶりがそれを物語っている。経常収支の黒字額も増えているが、ドイツの強さは輸出によって得られたものと言っていいだろう。
国内に投資して、できた製品を輸出に回すと、国内に雇用が生まれ、賃金が増え、国内消費を拡大させ、それがGDPの増加へとつながっていく。いわゆる「プラスの連鎖」であり、これが通常の健全な経済成長のパターンである。
失業率の優等生ドイツは「若者がきちんと就職できる国」
[図表3]就業者数の日独比較
図表3が示すように、ドイツは就業者数も大きく増えている。28年間の伸び率で比べても、日本はプラス4.5%でドイツはプラス20.4%と大きく違う。ここにも、輸出によって得た付加価値が、国内において雇用を生み出している様子が見て取れる。
失業率については、ドイツは1990年に東西統一が行われ、2005年には11%まで悪化したが、その後、経済力の回復に伴って急速に改善し、2023年には3%にまで下がっている。
欧州主要国の若年層および全体の失業率(2025年1月)では、ドイツは欧州の中でも特に低く、ユーロ圏の失業率は6.2%、若年失業率は14.1%だが、ドイツはそれぞれ3.5%、6.4%となっている。ドイツは若者層の失業率が低い。
若者の就職口がなくて、若者が街をぶらぶらしている社会はすさんでいる。その点から言えば、若者がきちんと就職できるドイツは幸せな国と言える。輸出によって得た付加価値により、若者に就職口が確保されているのである。
27年間の賃金の変化でも日独の違いは明白
[図表4]各国の賃金の変化
図表4で比較している各国の賃金の変化を見ると、1995年から2022年の27年間、日本はほとんど増えていない。日本人はいくら働いても、否、働けば働くほど賃金が下がっていく国に住んでいる。真面目に仕事をするのが、ばからしくなる。そうした人々の気持ちが、日本を泥船のように沈ませている。
ドイツの賃金は、1995年から2022年の27年間で、19.4%増えている。アメリカのこの間の賃金上昇はプラス45.6%と素晴らしい。賃金だけを見ても、国民を不幸にする日本政府の経済政策は間違っている、と言わざるをえない。一方、ドイツもアメリカもこの間の政府の経済政策は間違っていなかったことがわかる。
日本の賃金水準は、1995年にはOECD平均であったが、2022年にはOECD平均の82.3%、アメリカの60%まで低下してしまった。今、「日本人の賃金はアメリカ人の半分」とよく言われるが、まさに正しい。日本政府の経済政策が日本人をここまで貧しくしてしまったのである。
日本企業は、外国人投資家による株取得が増えた結果、利益が株主への配当に回され、雇用者に支払う賃金が減っていった。
国内投資が減っている日本の衰退は必然?
日本は国内投資を抑え、雇用者数とその賃金、能力開発投資を抑え、非正規雇用を増やしてきた。その代わり、海外投資を増やし、海外での生産比率を高めてきた。日本の経常収支を見ればわかるように、その成果として海外で得た利潤が、国内の日本企業に戻ってきている。
2023年の日本の海外生産比率は36%である。一方、ドイツは約25%である。だがその内容を見ると、日本は、自動車が約5割、電機は約4割が海外生産となっている。戦後、日本の高度成長は、自動車と電機が車の両輪として支えてきたと言われている。だが、自動車生産の約半分は海外に出て行ってしまった。電機もまた4割が海外生産である。
1990年頃のバブル崩壊以降、国内市場だけでは売上増が見込めないため、海外市場を目指して、海外生産が活発化し、日本企業の海外生産比率が高まった。特に、資本力と技術力がある大企業ほど海外で生産するようになった。
業種では、自動車、電機、化学と、生産性が高く国際競争力がある業種から外国に出て行った。その結果、国内には、海外に出ていく力のない、生産性が低い企業・事業所が残った。国内需要の低迷で、製造業の雇用者数も減少した。
一方、ドイツは、生産性上昇分を輸出し、国内雇用は増え続けた。海外に出て行った日本と国内で生産を続けたドイツとでは、雇用に大きな差が生まれた。
岩本 晃一
経済産業研究所 リサーチアソシエイト
元日本生産性本部 上席研究員
・ ・ ・
12月2日 YAHOO!JAPANニュース マネーポストWEB「《チャイナリスク顕在化》進む日本企業の「脱・中国依存」 2012年のピーク時から1000社以上が中国から撤退、製造業だけでなくデフレで苦戦する小売り業も店舗閉鎖
伊勢丹は賃貸借契約終了に伴い上海の店舗を閉鎖(Getty Images)
高市早苗・首相の「存立危機事態」発言を批判する中国は「日本への渡航自粛」や「日本産水産物の輸入停止」など“報復”をエスカレートさせている。最大の貿易相手国である中国からの圧力にどう向き合うべきか。日本企業の取り組みをレポートする。
影響は日本の基幹産業に及ぶ可能性
中国側の今後の動きについて、第一生命経済研究所のレポートはこう警鐘を鳴らしている。
〈今後はレアアース及び関連製品(ネオジム磁石など)の輸出制限、アニメや映画などのソフトコンテンツの配信制限、日系企業の中国国内での活動制限などの追加措置を打ち出してくるリスクがあり、その影響は日本の基幹産業に及ぶ可能性がある〉
思い出されるのが2012年の尖閣諸島国有化の際の対応だ。対日批判を展開して国民の反日感情を煽り、暴徒化したデモ隊が日系企業の店舗や工場を襲撃、略奪を行なった。
これまで何度もチャイナリスクに振り回されてきた日本は今こそ経済面での「脱・中国依存」を急ぐべきだ、と指摘するのは前述のレポートをまとめた第一生命経済研究所のシニア・フェロー・嶌峰義清氏だ。
「言論の自由を含めた人権に対する解釈が独善的で、中国政府が“敵対的”と判断すれば、制裁を加えて相手国の対応を変えようとする傾向が強い。日本のような民主主義国とは相容れない部分が多い。今後も日本の立場や考え方が中国政府の“逆鱗”に触れるケースは出てくる可能性があり、そのたびに貿易面で様々な障害が生じることは、個別の企業にとっても日本経済全体にとっても、安定的な発展のためには望ましくない。中国依存は低くするべきで、生産基地としても中国以外に工場移転を進めるべき」
とはいえ、中国は米国と並ぶ日本の最大の貿易相手国だ。日本企業がモノを売る世界最大級の市場であり、日系工場が進出する「生産拠点」であり、部品や材料を輸入するサプライチェーンも依存している。そして中国からの訪日観光客は年間800万人を超え、インバウンドの最大の担い手でもある。
果たして日本経済は中国依存から脱することができるのか。
実は、中国から撤退、事業縮小する日本企業は近年大きく増えている。
インド、タイの事業強化へ
製造業では今年7月に三菱自動車が中国でのエンジン生産を終了して完全撤退、ホンダも広東省の工場を閉鎖した。
中国進出の先駆者だった百貨店など小売り業界でも、伊勢丹が上海などの店舗を閉店した。
各社に理由を聞くと、三菱自動車は「中国の自動車産業と市場が急速に変化し、電動車への移行が想定以上に加速したから」(広報部)、ホンダは「四輪事業基盤の強化を行う為」(広報部)、伊勢丹は「賃貸借契約終了に伴うもの」(広報・IR部)と回答した。
帝国データバンクの調査では、中国に進出している日本企業の数はピーク時の2012年の1万4394社から2024年は1万3034社へと1000社以上も減っている。
その代表例は日本製鉄だろう。2024年7月、中国の鉄鋼メーカー宝山鋼鉄との合弁事業を解消すると発表し、中国の生産能力を7割も削減した。そのうえで同社はインド、タイなどでの事業の強化に取り組み、さらに米国のUSスチールを買収したことは記憶に新しい。
日鉄に合弁事業解消の理由を聞くと、「設立当初の目的は完了したこと、BNA(日鉄と宝山鋼鉄の合弁会社)を取り巻く環境変化を踏まえた」(広報室)と説明する。
投資理論が専門の経済学者、真壁昭夫・多摩大学特別招聘教授が背景をこう語る。
「製造業は競合する中国企業の製造技術の向上、労働コストの上昇、市場の変化などが撤退の背景にあります。デジタル家電、電子部品、半導体、自動車、自動車部品などは今後もチャイナリスクで距離を取る、あるいは完全に撤退する企業が増える可能性が高い。
一方、小売業は中国の不動産バブルの崩壊によりデフレ環境が深刻化し、値下げ競争が激化。とくに価格帯の高い商品を扱ってきた百貨店は苦戦を強いられている」
工場としても市場としても魅力が減じているという指摘だ。中国の景気悪化や日本企業の撤退に伴って日中貿易は輸出、輸入とも減少し、2023年からは米国が日本の輸出先1位に返り咲いている。
だが、単に中国から撤退するだけでは事業規模が縮小してしまう。
前出の真壁氏が語る。
「中国事業の縮小・撤退などに合わせて全社で構造改革を進め、事業運営の効率性を引き上げられるかどうかが、脱中国の成否を分けます。加えて、世界的に成長期待が高まっている分野で迅速に高シェアを手に入れる製造技術やノウハウがあるかも重要になります」
関連記事【《徹底検証》日本企業「脱・中国依存」の現在地 すでにピーク時から1000社以上が撤退 脱中国で生き残るか、中国市場でも稼ぐか──最大のネックとなるレアアース調達への対応も進む】では2024年以降に中国事業を撤退・縮小した主な日本企業の取り組みについてまとめるとともに、「脱・中国依存」を進める上での残された課題、レアアースやレアメタルの調達問題について検証している。
※週刊ポスト2025年12月12日号
【関連記事】
もっと読む→《徹底検証》日本企業「脱・中国依存」の現在地 すでにピーク時から1000社以上が撤退 脱中国で生き残るか、中国市場でも稼ぐか──最大のネックとなるレアアース調達への対応も進む
【脱中国】ホンダ・伊勢丹・日本製鉄・モスバーガー…中国から撤退・工場閉鎖する日本企業が続々
中国マーケットの売上比率が高い日本企業ランキング 中国依存度が高いゆえのリスクも顕在化
「申し訳なく思うが事情もわかってほしい…」日本で薬を爆買いする中国人観光客の本音と葛藤
なぜ日本人だとバレた? 海外で目立つ日本人ならではの行動
・ ・ ・