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2024年8月25日 MicrosoftStartニュース ライフハッカー・ジャパン「【毎日書評】腹をくくれ。動く大地=日本に住む、私たちが大震災に備えるべき「リスクヘッジ」
印南敦史
2024年元日の能登半島地震をきっかけとして、首都直下地震への警戒感が強まってから8か月。去る8月8日には、宮崎県沖の日向灘を震源とするマグニチュード(M)7.1の地震が発生し、深刻な被害をもたらすであろう南海トラフ地震発生の可能性に注目が集まることになりました。
現時点で政府の地震調査委員会は「現時点でプレート境界に異変を示すデータはない」としているものの、大地震がいつ起きるかは予想できないもの。そのため、必要な知識を身につけ、しっかりと備えをしておく必要があります。そこで参考にしたいのが、『首都直下 南海トラフ地震に備えよ』(鎌田浩毅 著、SB新書)。
地球科学・火山学・科学教育を専門とする京都大学名誉教授である著者が、知っておくべきリスクや予想される災害のシナリオ、被害想定、命を守るためにすべきことを簡潔にまとめた一冊です。東日本大地震の翌年にあたる2012年に刊行された『地震と火山の日本を生きのびる知恵』(メディアファクトリー)〜2021年の改訂版『書と直下型地震と南海トラフ』(MdN新書)に次いで発行されたもの。
首都圏に暮らす4434万人を襲う首都圏直下地震はいつ起きてもおかしくない状況です。また、2030年から2040年の間にはマグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震が西日本を襲うと予想されています。
そこで本書では、南海トラフ巨大地震に向けて内陸地震が増えている事実、再び活発になっている活火山の状況、日本海沿岸の地下に集中する「ひずみ」によって警戒が必要な各地の直下型地震など、最新の科学的知見を取り入れて、全面的に見直した改訂版を『首都直下 南海トラフ地震に備えよ』として上梓することになりました。(「はじめに」より)
注目すべきは、地震や火山についての知識がない方でも無理なく読み進められる内容になっていること。そのため、いま記憶にとどめておくべきことをしっかり学ぶことができるわけです。
きょうはそのなかから、「これからの生き方」についての考え方がまとめられた終章「地球や自然とどうつきあうか」に注目してみたいと思います。
いまこそ私たちに必要な「発想の転換」
能登半島地震のあとには、深刻なインフラの遅れについて多くの報道がなされました。それらは私たちに、環境の脆弱性を実感させることにもなったのではないでしょうか。だからこそ、いまの私たちに必要なのは、これまで当たり前だと思っていた考え方を改めてチェックし、不合理なものは思い切ってやめる「発想の転換」だと著者は述べています。
そうした際に役立つキーワードとして「地球科学的フロー」を提案したいと思います。欲望の肥大による無駄な消費を促す資本主義のフローではなく、地球環境にとっても、また人間の体にとっても適切なフローです。(241ページより)
著者によれば現在の日本社会は、エネルギー問題に関して間違った選択をし始めているのだそうです。つまり、自分たちの生活を変えることなく、同じだけのエネルギーをどこか別の場所に要求しているということ。それは右肩上がりをひたすら維持しようとする考え方の表れであり、そんなことを続けていたところで問題はなにも解決しないわけです。
昨今は自然・再生エネルギーへの転換が強調されますが、実際には、自然・再生エネルギーが使えるようになるまでには、別の膨大なエネルギーが必要となるもの。もちろんそれは、エコカーの代表となっている電気自動車についても同じです。もし脱石油、脱ガソリンを極端に徹底しようとしたら、蓄電池を用意するために莫大な資源とエネルギーが消費されるのです。
たとえば、巨大な風車をつくるために必要なエネルギーを考えたことはありますか。また、太陽電池をつくるために、どれほどのエネルギーがいるでしょう。さらに、風車が耐用年数を過ぎて処分されるときのエネルギーも考えなければなりません。
地熱発電でも、地下から熱水を汲み出す坑井(井戸)は、時間とともに詰まっていくため、新たに幾つも掘り続けなければならないのです。
社会が全体で消費する資源とエネルギーの総量を減らさなければ、本当の解決にはなりません。(242ページより)
いいかえるなら、目先だけを部分的に改善しようとしてもだめだということ。結局のところ、高エネルギー消費を前提とした現代人の生活態度を変えないのであれば、根本的には問題の先送りにしかならないのです。(240ページより)
「分散」という知恵
人類が経てきた自然との関わりを振り返ると、今日の地球環境問題は、西洋で始まった「科学革命」の価値観から脱却しなければならないことを教えてくれます。
何事も進歩するという考え方にとらわれて物事を決める時代は、すでに終わったのではないでしょうか。(242〜243ページより)
こう語る著者は、東日本大震災以降、自然を支配する価値観は崩れ去ったように思うのだそうです。そして地球科学の最先端にいる科学者たちはいま、新しい視点で地球環境と人類の文明のあり方について多角的に考え始めているようです。
日本列島は世界有数の「動く大地」ですが、西洋の大地がこれほどまでに動くことはありません。しかし私たちの祖先は、変動帯の大地のうえで何十万年も生き延びてきたわけです。
そのため、大地の動かない西洋で生まれた考え方から脱却し、日本列島という変動帯の自然と向き合った生活スタイルが必要ではないかというのです。たとえば、「足るを知る」ということ、自分の身の丈に合った生き方をすること、地面が動いても動じない決心が、いまこそ要求されているのかもしれないのです。
文明の進展に従って、人と富と情報が大都市へ集中し始めました。この集中が何十年も継続し、東京やニューヨークなどのようにメトロポリタンが肥大化しすぎると、思わぬ弊害が生まれます。
超高層ビルは長周期の地震に対して非常に脆弱なのです。大事なポイントは、人口過密状態に陥った都市の過剰エネルギーをコントロールし、的確に「集中」と「分散」を図ることです。(243〜244ページより)
過剰エネルギーを合理的にコントロールしないと、自然災害を極端に増幅させてしまうということ。具体的には、「西日本大震災」が起きる前に、速やかに人口・資産・情報のすべての点で地方へ分散し、少しでもリスクを減らすことが大切だといいます。
そもそも生物は、エネルギーさえ得られれば際限なく増殖するものです。増え続けてある閾値を超えると、その瞬間から集団が崩壊し絶滅に向かうのです。もし放っておかれれば、すべての個体が「集中」する方向に進んでしまうでしょう。
しかし、こうした流れは決して不可避なものではありません。高度な脳を持つ人間は、意識的に「分散」を図ることができます。(244ページより)
これは地方分権といった行政上の話だけではなく、政治・経済・資源・文化・教育の全分野にわたって必要な行動だそう。
つまり、過度の集中の弊害に気づいた時点で、分散を敢行して「リスクヘッジ」を行うべきだということ。それこそが、世界屈指の変動帯である日本列島に住み続ける最大の知恵となるのかもしれないというのです。(242ページより)
著者によれば、地球で起きる活動では、災害と恩恵が表裏一体の関係にあるのだそうです。したがって、そうした両面を知っておくことは、迫り来る危機を避ける「心のゆとり」を持つことにつながっていくわけです。
いいかえれば、「災害を正しく恐れる」知識を身につければ、落ち着いて自力で行動し、被害を最小限に抑えられるということ。だからこそ、ぜひとも本書を読み込んでおきたいところです。
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Source: SB新書
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日本列島とは、同時多発的に頻発する複合災害多発地帯である。
日本の自然は、数万年前の旧石器時代・縄文時代から日本列島に住む生物・人間を何度も死滅・絶滅・消滅させる程の世にも恐ろしい災厄・災害を起こしていた。
日本民族は、自然の猛威に耐え、地獄の様な環境の中を、家族や知人さえも誰も助けずに身一つ、自分一人で逃げ回って生きてきた、それ故に祖先を神(氏神)とする人神信仰を受け継いで来た。
日本人は生き残る為に個人主義であり、日本社会は皆で生きていく為に集団主義である。
日本の宗教・文化・言語は、こうして創られてきた。
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日本民族の人間性である価値観・人格・気質を作り出したのは、人間(他国・異民族・異教徒)の脅威ではなかったし、唯一絶対神(全智全能の創り主)の奇蹟と恩寵ではなく、自然の脅威と恩恵(和食)である。
つまり、日本人と朝鮮人・中国人は違うのである。
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日本民族・アイヌ民族・琉球民族は縄文人の子孫ではあるが、アイヌ人琉球人が違うように、薩摩人と関西人と津軽人は違う。
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