🐙12〗─4─昆虫食(下手物食い)は日本民族の伝統食の一種であった。〜No.42No.43 ⑨ 

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 2023年2月19日 MicrosoftStartニュース J-CASTニュース「 「昆虫食」市場急拡大も...根強い拒否反応 なぜ受け入れられない?識者に聞いた理由と打開策
 食糧問題の解決策として世界的な注目を集める「昆虫食」。先進的な取り組みとしてマスメディアなどでしばしば取り上げられるものの、世間からの風当たりはまだまだ強い。外食市場の調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」の調査によれば、回答者のうち約9割が昆虫食を避けると回答したという。
 「昆虫食」市場急拡大も...根強い拒否反応 なぜ受け入れられない?識者に聞いた理由と打開策
 © J-CASTニュース
 昆虫食が世間から受け入れられるためにはどのようなきっかけが必要になるのか。J-CASTニュースは、昆虫食に関する情報発信などを行う食用昆虫科学研究会に詳しい話を聞いた。
 国内の昆虫食に対する注目は2020年辺りが転換点
 ホットペッパーグルメ外食総研は2023年1月19日、「『避ける』と思われている食品・食品技術」についてアンケート調査した結果を発表した。全国20~60代男女を調査対象にしており、有効回答数は男性517件・女性518件の合計1035件。調査期間は昨年11月18~20日
 調査結果によれば、さまざまな食品に対する選択肢「絶対に避ける」「できれば避ける」をあわせた数字が最も多かったのは「昆虫食」(88.7%)だったという。 「絶対に避ける」のみの選択肢が一番多かったのも「昆虫食」(62.4%)だった。なお、次に「絶対に避ける」「できれば避ける」の合計が多いのは「人口着色料」(73.5%)で、3位は「3Dフードプリンターで作った食品」(70.3%)だ。
 昆虫食に対する抵抗感を感じる人が多い一方、NTT東日本は23年1月19日、食用コオロギのベンチャー・グリラス(徳島県鳴門市)と共同で、食糧問題の解決に向けて「食用コオロギのスマート飼育」を確立する実証実験を開始すると発表。「今後の需要拡大を見据えて、飼育施設拡大も含めた事業化に向けての検討を進めます」ともしている。
 これ以外にも、無印良品を運営する良品計画(東京都豊島区)が2019年に「コオロギせんべい」の開発を発表し、実際に販売するなどの動きもあった。そのほかにも、食用コオロギを使った商品を開発・販売する企業は多数ある。
 そもそも「昆虫食」が注目されるようになったのはいつ頃からなのか。
 食用昆虫科学研究会の吉田誠氏は23年2月10日、取材に対し、国際連合食糧農業機関(FAO)が食用昆虫と温室効果ガスを絡めたレポートを2013年に発刊し、食用昆虫が世界的に注目を集めたと説明する。日本では、前述した良品計画敷島製パン名古屋市)がコオロギを絡めた商品を販売したことで、2020年辺りが転換点となって一気に認知度が高まったという。
 「昆虫は100万種以上おり、多様性の象徴でもあります」
 同研究会の伊藤貴広氏によれば、昆虫食の注目度は「かなり高まっている」という。昆虫食の市場規模は、2021年の国内では10億8000万円だったとし、2020年から約6割伸びているという。2019年の海外では70億円で、2025年には1000億円程度まで伸びると予想した。
 この理由について、伊藤氏は(1)食糧危機が叫ばれる中で、現在の畜産業と比較し、少ない餌や少ない水、狭い土地で育てられると期待されている昆虫への注目(2)ビジネスチャンスと考える人たちによる企業の増加、これに伴う情報発信量の増加による一般層への認知の高まり――があると指摘している。
 なぜ昆虫食に対して抵抗感を示す人が多いのか。吉田氏は「昆虫は嫌悪感を煽る形で報道されてきました」と指摘する。例えば、衛生害虫として取り上げられる場合などだ。また、罰ゲームとして食用昆虫を食べる、などの扱われ方があったことも理由として挙げた。
 さらに昆虫は「食糧危機の際に食べないといけないもの」「肉が食べられない際の代替のもの」という形で取り上げられ、「食べたくもないのに食べさせられるもの」と認識されているという。「昆虫を食べることを強制されていると感じた方には特に嫌悪感を抱かれているものと推測します」。
 一方、昆虫には次のような側面もあるという。
 (以下引用)
 「昆虫は様々な種類がいて、近年話題を集めるコオロギだけでなく、イナゴなどの伝統食・郷土料理としての側面もあります。食べた経験がある方も多くいますので、伝統的なものとしてポジティブなイメージを持たれていることもあるでしょう。さらに牛や豚と比べて環境負荷が低いことから、エコなイメージを持たれていることもあり、ポジティブな情報も報道されています」
 (以上引用)
 吉田氏は「昆虫は100万種以上おり、多様性の象徴でもあります」と述べ、「イメージする昆虫がバラバラになりがち」であるため、賛否両論になりやすいと指摘している。
 「さまざまな昆虫の美味しさが知られるようになると、世間から受け入れられていく」
昆虫食が受け入れられるためにはどのようなきっかけが必要になるのか。吉田氏によれば、(1)昆虫があくまでも嗜好品であると認知されること(2)美味しい昆虫が広く食べられること――が重要だという。
 昆虫食を「食べないといけないもの」という強制感を持って食べると反感を持つ人もいるだろうと答える吉田氏は、「昆虫は採捕にせよ養殖にせよ、安いタンパク源ではなく、高価な嗜好品です。タイではコンビニのお酒のおつまみコーナーで売られており、食べたい人が食べるものです」と説明した。
 (以下引用)
 「昆虫の味・香りはさまざまでイナゴの食感、タガメの香り、ヤシオオオサゾウムシのジューシーさなど、魅力を持った昆虫がたくさんいます。さまざまな昆虫の美味しさが知られるようになると、世間から受け入れられていくと考えます」
 (以上引用)
 吉田氏は、「昆虫の見た目という点は影響があるかもしれませんが、様々な海産物の見た目を気にして食べる方はあまりいないと思いますので、見た目より美味しさが大事です」とも述べた。
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 2月23日 YAHOO!JAPANニュース ENCOUNT「コオロギ食が議論 根強い抵抗と不安 専門家は安全性強調「アレルギーには注意すべき」
 大手企業続々参入も…ネットに「#コオロギ食に反対します」が拡散
 食用コオロギが話題になっている(写真はイメージ)【写真:イラストAC】
 急速に普及しつつあるコオロギ食を巡る議論が過熱している。学校給食に提供されて話題になり、養殖しやすく、たんぱく源になるなどの利点があるが、一方で、ネット上には「#コオロギ食に反対します」「#昆虫食に反対します」のハッシュタグが立つ。その見た目に抵抗感を持ち、口に入れることを不安視する声が収まらない。NPO法人食用昆虫科学研究会の吉田誠理事にコオロギ食についての気になる疑問を聞いた。
 【写真】蛇、カエル、サソリ、タガメが串刺しに…カンボジアの昆虫食屋台
 日本で食用とされているコオロギは、ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギという種類だ。フタホシコオロギは琉球列島に野生で見られるが、それ以外の地域では両種とも野生では見られず、本州でよく見られるエンマコオロギなどとは別の種類となる。欧州で食用に用いられているのも同じヨーロッパイエコオロギ及びフタホシコオロギで、素揚げやピザ、スープの具のほか、粉末パウダーに加工すればパンやコロッケ、菓子にまぜることができ、幅広い用途での利用が期待されている。
 吉田氏はコオロギ食のメリットについて、養殖しやすい点を挙げる。
 「コオロギは大量に高密度での養殖が可能で、かつ温かい室温下であれば、1年中養殖できます。このことからはちゅう類などのペットフードとして用いられており、すでに養殖技術が確立していることから、生産しやすいメリットがあります。また、養殖の餌も穀物主体(タイではニワトリの餌を流用)で手に入りやすい。他の家畜との比較では、飼育スペースが小さくて済むこと、養殖サイクルが短いこと、が利点として挙げられます。このことから、タイでは農家の所得向上策として食用のコオロギ養殖が取り入れられています」
 味については「食用昆虫には多様な味や香りの昆虫がおり、タガメのようなフルーティーな香りの昆虫やサゴムシのような脂が乗ってジューシーな昆虫などがいます。一方、コオロギは無難な味で、目立ったおいしさやまずさがないので取り扱いやすい種類と思っています。揚げるとサクサク感があり、スナックとして良いです。コオロギはえぐ味や苦味があまりなく食べやすい反面、うま味や香りなどの特徴が薄めです」と続けた。
 NTT東日本が食用コオロギを展開する徳島大学発のスタートアップ「グリラス」とのコラボを発表。大手企業も参入し、市場も広がるコオロギだが、調理や食べるときに注意点はないのだろうか。
 吉田さんは「注意点としては、加熱してしっかり火を通すことが求められます。加熱することで雑菌等のリスクは排除できます」と加熱の重要性を指摘した。
 また、昆虫アレルギーの発症にも気をつける必要があるという。
 「小麦アレルギーやそばアレルギーがあるように、昆虫を食べてアレルギー症状が出る可能性があります。昆虫は、イナゴなどの文化は残りつつも、穀物ほど食べられてきた食材ではないので、自身が昆虫にアレルギーを持っているかを知らない人が多いため、アレルギーには注意すべきです。EFSA(欧州食品安全機関)による昆虫種の安全評価でもアレルギーについての言及がなされています」。日本でも田舎ではイナゴを食してきた文化は残るが、昆虫は一般的になじみの薄い食材だ。アレルギー検査で事前に特定することは難しく、アレルギー物質を含んだ他の食品同様の注意が必要となる。
 TPCマーケティングリサーチ株式会社が行った国内の昆虫食市場について調査によると、2021年における昆虫食市場は、前年から約6割増の10.8億円に膨らんだ。20年5月に良品計画の「コオロギせんべい」が発売となったことで認知が拡大したとしている。
 昆虫食は13年に国際連合食糧農業機関(FAO)が人口増加による食糧不足を補う食糧源として示した。SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一つとして、欧州でも食用化の研究が盛んに行われるようになった。
 「見た目がNG」というのは仕方がないが、注意点に留意すれば食べることによる健康への影響は他の食品と変わらないというコオロギ。吉田さんは「個人的なオススメとしてはコオロギの揚げ物がおつまみとしてよいと思います。新鮮なコオロギにナンプラーで下味をつけて、レモングラスと一緒に揚げます。あとはお好みのドリンクとお供として食べます。コオロギのサクサク感が良いおつまみになるかと」と話す。
 食糧危機に備えた新食材というよりも、し好品としての位置づけが強いと吉田さんは言う。
 「各国で食べられてきたおいしい昆虫があり、日本でもフルーティータガメサイダーが販売されるなど、し好品としての扱いを強めつつあります。すでにタイではコンビニのおつまみコーナーにコオロギスナックが売られていたりして、し好品としての扱いが定着しています」
 世界に食用昆虫は2000種以上に上り、現代の日本人にとってはそのほとんどが未知なる食材だ。
 「ニュースなどでは、昆虫は安価なたんぱく源、また食糧危機に備えるための昆虫食といった扱いされることもありますが、養殖で飼料として穀物を消費してしまう昆虫が安価になることも、食糧危機の際に昆虫が率先して食べられることも、考えにくいです。どちらかというと、これまで無視されてきた2000種超もある未開拓食材として、し好品としての開拓が進むのではないでしょうか。し好品としての昆虫消費の裏で、昆虫生産者の所得向上や採取する環境の保全などが図られるなどもあるとは思いますが、新食品としては、新しい味や香り、食感として新しい価値を提供する面があります」と吉田さんは今後の見通しを語っている。
 ENCOUNT編集部
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