💫4}─1・②─超圧縮 地球生物全史。大地に広がる菌類、ウイルス、バクテリア、細菌。〜No.25No.26No.27 

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 2022年12月2日 YAHOO!JAPANニュース「目に見えず侵入し、あらゆる場所に広がり、闇と土に埋もれる…総質量は10トン以上、1500年以上も生きる巨大な 「超生物」の正体
 ヘンリー・ジー
 竹内薫
 ライフ・社会
 超圧縮 地球生物全史
 地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」まで全歴史を一冊に凝縮した『超圧縮 地球生物全史』は、その奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書として、西成活裕氏(東京大学教授)「とんでもないスケールの本が出た! 奇跡と感動の連続で、本当に「読み終わりたくない」と思わせる数少ない本だ。」、ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」など、世界の第一人者から推薦されている。本書の発刊を記念して、内容の一部を特別に公開する。
 目に見えず侵入し、あらゆる場所に広がり、闇と土に埋もれる…総質量は10トン以上、1500年以上も生きる巨大な「超生物」の正体
 粘液のような海
 単細胞の真核生物も、バクテリアも、ふつうに存在しつづけていた。ただ、多細胞の状態が、奇異なものではなく、より一般的になったというだけのことだ。
 10億年前、粘液のような海のなかで、ときおり、海藻を目にしただろう。8億年前には、海藻はどこでも見られるようになった。
 5億年前には、海藻のまわりが動物でいっぱいになり、肉眼で確認できるほど大きな動物もいた。
 生命は複雑な進化の過程で、着々と次のステップへの準備を進めていた。
 はるかむかしに
 バクテリアが組み合わさって真核生物が生まれ、それが組み合わさって多細胞の動物、植物、菌類が生まれた。
 それと同じように、地球生命の最後の時代に、このような生き物たちが組み合わさり、想像もつかないような力と効率を持った、全く新しい種類の生き物が生まれることになる。
 その種は、はるかむかしに蒔かれていた。
 大地に広がる菌類
 上陸して間もない植物は、根に付着する菌根という、地中の菌類と密接な関係を結ぶと、より暮らしやすくなることを発見した。
 植物は光合成によって菌根の菌類に栄養を与える。菌類は地中深くから微量のミネラルを採取して植物に与える。
 現在、ほとんどの陸上植物は、菌根菌と関わりを持っており、それなしには生きていかれない。
 次に森を歩くときは、足元の地面で、さまざまな植物の菌根菌がつながって、養分を交換し、森全体の生育を制御していることに思いをはせてほしい。
 森は、木々も菌根菌も含め、一つの超生物とみなすことができるのだ。
 1500年以上も生きる
 菌類は、きわめて広範囲にわたり、生命を調節する能力を持っている。
 もっとも大きな生き物として知られているのは、ヤワナラタケという菌の個体で、その微細な菌糸は、ミシガン州北部の森林の15ヘクタールもの面積に広がっている。
 誰もそんなものがあることにすら気づかないが、総質量は10トン以上あり、なんと1500年以上も生きている。
 いま個体といったが、実は、この菌類を個体として定義することは難しい。
 菌類の糸は、目に見えず、侵入し、疑われもせず、あらゆる場所に広がり、闇と土に埋もれながら、ひそかに巨大な連合体を形成しているからだ。
 (本原稿は、ヘンリー・ジー著『超圧縮 地球生物全史』〈竹内薫訳〉からの抜粋です)
 『超圧縮 地球生物全史』には、「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」までの全歴史が紹介されています。ぜひチェックしてみてください。
 ヘンリー・ジー
 「ネイチャー」シニアエディター
 元カリフォルニア大学指導教授。一九六二年ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学にて博士号取得。専門は古生物学および進化生物学。1987年より科学雑誌「ネイチャー」の編集に参加し、現在は生物学シニアエディター。ただし、仕事のスタイルは監督というより参加者の立場に近く、羽毛恐竜や最初期の魚類など多数の古生物学的発見に貢献している。テレビやラジオなどに専門家として登場、BBC World Science Serviceという番組も制作。本書の原書“A(Very)Short History of Life on Earth”は優れた科学書に贈られる、王立協会科学図書賞(royal society science book prize 2022)を受賞した。
 訳者:竹内 薫(たけうち・かおる)
 1960年東京生まれ。理学博士、サイエンス作家。東京大学教養学部、理学部卒業、マギル大学大学院博士課程修了。小説、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍している。主な訳書に『宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか』(ロジャー・ペンローズ著、新潮社)、『WHOLE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方』(ジル・ボルト・テイラー著、NHK出版)、『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。
 地球生命史がわかると、世界の見え方が変わる――訳者より
 世界的に権威のある科学雑誌ネイチャーの生物学編集者ヘンリー・ジー(もともと科学者で専門は古生物学と進化生物学)による、その名のとおり『超圧縮 地球生物全史』である。最初、原書を手にしたとき、「ずいぶんと無謀な試みだなぁ」と驚いた覚えがある。
 目に見えず侵入し、あらゆる場所に広がり、闇と土に埋もれる…総質量は10トン以上、1500年以上も生きる巨大な「超生物」の正体
 なにしろ、約三八億年にわたる地球生命の誕生から絶滅(?)までをわずか二〇〇ページ(原書)で書くことなど、誰が考えても不可能な所業に思われたからだ。
 悠久の時をめぐる歴史書ということで、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかるにちがいないとも思った。だが、世界的ノンフィクション作家であり、進化生物学者ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』倉骨彰訳、草思社文庫)が推薦していることもあり、つらつらとページをめくりはじめたのである。
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