🗡36〗─1─日本の最新鋭戦闘機開発に非協力的な親中派日本学術会議。~No.115No.116No.117 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 戦前の軍国日本は航空強大国であったが、現代の平和国家日本は航空弱小国である。
 最先端航空技術力において、現代日本は戦前日本の足下にも及ばない。
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 2022年11月28日 YAHOO!JAPANニュース ZAKZAK「国防の危機
 日本の戦闘機開発は〝周回遅れ〟 中国は航空機産業に莫大な資金を投入…「軍民両用」の開発を急がなければ世界から取り残される
 三菱重工が公開した先進技術実証機「X―2」。岸田首相は「軍民両用の開発」を進められるのか
 中国広東省珠海で11月8日から13日まで、国内外の軍関係者やサプライヤーが集う「国際航空宇宙博覧会」が開かれた。今年は実戦配備されている第5世代のステルス戦闘機「J―20」が編隊飛行し、また多数の新型無人機が展示されて、各国の前で熱心に売り込みをかけた。
 同じ博覧会で8年前、ステルス戦闘機「J―31」が初披露され、実際に飛行した姿を見て、筆者は現地で軽いショックを受けたものだ。
 それから約1年2カ月後(2016年1月)、三菱重工が初公開した「X―2(先進技術実証機)」を、愛知県の工場で取材した。当時はメディアで「心神」と呼ばれ、「平成のゼロ戦」と騒がれていた。
 だが、X―2はあくまでステルス形状がレーダーにどのように映るかを計測するための実験航空機であり、それ以上でも以下でもなかった。
 この機体は、防衛省三菱重工を主契約企業として開発にあたった。しかし、現在の航空自衛隊「F―2戦闘機」の後継としての国産戦闘機が実用化されるのは、2030年代で別のプロジェクトである。
 中国政府は、国内の航空機産業に莫大(ばくだい)な資金を投入し、博覧会を2年に一度開催するなどの熱の入れようだ。これに比べると、日本の戦闘機開発は周回遅れを多少感じた。 
 ようやく日本でも、自民党国防議員連盟が今年6月、防衛産業や技術力の抜本的強化を図るための政府への提言案をまとめた。「防衛予算における研究開発費を5年以内に1兆円程度とする」ことなどを盛り込んだ提言を岸田文雄首相に申し入れた。現在、防衛省の開発予算は全体の3・2%の1644億円の低水準だ。
 岸田首相
 もちろん、予算だけで解決しないのは言うまでもない。
 技術開発には、官産学での協力が必要だ。軍事と日常生活での技術的な垣根が無くなりつつある現代では、民生技術の研究は重要だ。いまや官民挙げて「デュアルユース(軍民両用)の開発」を急がなければ、日本は世界から取り残される。
 例として挙げるならば、米国防総省の国防高等研究計画庁(DARPA)の日本版を創設することだ。大統領と国防長官直轄のこの組織は、インターネットやGPS、最近では掃除機ルンバや自動運転技術を開発したことでも有名だ。
 同庁の年間予算は約5000億円。アイデアなどの一般公募では、米国内外から3000人以上が参加する。職員を確保するリクルーターは来日もして、先端技術に携わる企業や個人にコンタクトしている。
 要は、国が成功失敗関係なくリスクを負ってでも、軍事や民生へ応用できる新技術を育てる仕組みである。
 日本の科学関係予算は年4兆円超だが、約5割は文科省が握っており、硬直化しているだけに省をまたいだ連携が必要だ。
 だが、政府の予算配分の司令塔である内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に、防衛省国家安全保障局(NSS)のメンバーは入っていない。省庁をまたいで科学技術関連予算に関与する仕組みをつくるのは政府の役目だ。
 「国力としての防衛力」を掲げる岸田内閣にとって、研究開発の多様化は不可欠要素である。 (軍事ジャーナリスト 世良光弘)
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 12月11日 YAHOO!JAPANニュース「日本学術会議と提携した時の中国科学技術協会副主席で習近平お気に入りの袁家軍が重慶市書記に
 遠藤誉中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
 日本学術会議(写真:西村尚己/アフロ)
 習近平三期目における中共中央政治局委員の人事異動が連続している。中でも新たに重慶市書記になった袁家軍は習近平のお気に入りで、日本学術会議と提携した時の中国科学技術協会の副主席だった。
◆袁家軍が重慶市の書記になるまでの経緯
 12月8日、中共中央は重慶市の書記に中共中央政治局委員である袁家軍を任ずると発表した。それまで重慶市書記をしていた陳敏爾は天津市書記に異動した。重慶市では同日、指導幹部の会議が招集され、中央組織部部長・陳希が来て、中央の決定を「宣布する」という形で通知されている。
 重慶市薄熙来が書記であった時代(2007年~2012年)に「唱紅歌(紅い革命歌を歌う)」運動を展開して文化大革命の再現に近い動きを見せただけでなく、その妻・谷開来がイギリス人実業家ヘイウッドを殺害する事件の裏で巨額の汚職事件があったことなどから逮捕されたことは有名だ。薄熙来の部下である王立軍が成都領事館に逃げ込んで助けを求めたのも世界を驚かせた(詳細は拙著『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』)。
 そのあとに重慶市書記になった孫政才は「“薄、王”思想遺毒」(薄熙来・王立軍思想が遺した毒)を徹底して流し去れという指示を受けていたのだが、孫政才は「毒に染まって」大規模汚職により2017年7月15日に重慶市書記を解任され、党籍を剥奪されただけでなく、2018年5月には無期懲役の判決を受けている。
 孫政才の後任として重慶市書記に就いた陳敏爾は、今度こそは「“薄、王”思想遺毒を徹底して流し去り、孫政才が遺した悪影響を消し去れ」、という絶対命令を受けていた。
 2021年2月に行われた反腐敗運動の一環としての中央巡視工作領導小組(中共中央が全国各地に派遣して不正がないかを調査する中央巡視活動指導グループ)の結果報告によれば、陳敏爾は一応「積極的な成果を収めた」と評価されたので、まずまずの合格点を得たと言えよう。
 だから下野させずに、天津市書記に異動させたわけだ。
 毒が一応消し去られた後なら、習近平が重要視している袁家軍を重慶書記に任命しても大丈夫だろうと、習近平は判断したものと思う。
◆航空宇宙学者 ・袁家軍を政界入りさせたのは誰か?
 習近平がなぜ袁家軍を重要視しているかというと、袁家軍は中国の宇宙工学発展に寄与した航空宇宙学者だからだ。テクノクラートを使って、習近平が描くハイテク国家戦略をさらに強力に推進していきたい。
 1962年に吉林省通化市で生まれた袁家軍は、1980年~1984年、北京航空学院で航空機の設計や応用力学の中の固体力学などを学んでいる。のちに中国航天科技集団の副総理などを務めながら、2006年から2016年まで、中国科学技術協会の副主席を二期務めた経験を持つ。
 その間に袁家軍は中国の宇宙工学発展に大きく寄与してきた。
 習近平は2012年11月に中共中央総書記になっているが、翌月の12月にはハイテク国家戦略の諮問委員会を立ち上げ、2015年に「中国製造2025」を発布している。その前の2014年に、それまでの袁家軍の功績を称えて、彼を自分の古巣である浙江省に派遣し、浙江省共産党委員会常務委員に任命し、2020年には浙江省書記に就任させている。
 袁家軍は本来純粋な航空学者で、中国共産党に入党したのも1992年と遅いのだが、興味深いことに2009年3月から2009年7月の間だけ、中共中央党校の中青年幹部養成班で学習しているのだ。
 その後の袁家軍は、突然政界入りしているのだが、それはなぜなのか?
 政界入りのスタートは2012年3月で、袁家軍はまず、寧夏回族自治区の党委員会常務委員になっている。
 この時期、習近平胡錦涛政権で国家副主席をしていたのでチャイナ・ナイン(胡錦涛政権時代の中共中央政治局常務委員の呼称。筆者命名)の一人であった。おまけに習近平中共中央党校の校長でもあったから、習近平が袁家軍を中央党校の養成班で学習させることは容易にできたことだ。目的は、袁家軍を政界入りさせることにあったと考えられる。
 背景には、「テクノクラートを増やすべきだ」と習近平にヒントを与えた男がいる。
 それこそが、このたび新チャイナ・セブン入りをした丁薛祥である。
 なぜ、そのようなことが言えるのか?
 まもなく出版される拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』が、その回答を示してくれるだろうと信じている。
日本学術会議と提携した中国科学技術協会
 問題は、我が日本の日本学術会議が中国科学技術協会と提携を結んでいることだ。
 2020年10月9日のコラム<「日本学術会議と中国科学技術協会」協力の陰に中国ハイテク国家戦略「中国製造2025」>に書いたように、中国科学技術協会は、1958年に設立された中国共産党指導下の「人民団体」で「中国共産党中央書記処」が管轄している。
 2018年3月のデータによれば、中国全土の210の学会が所属しており、地方の支部は3141支部に達し、550の大学が参加している。
 日本学術会議との提携は、袁家軍がまだ副主席をしていた2015年に締結された。
 日本学術会議は「実害がない」という意味で、実際の活動はないように言っているが、そんなことはない。千人計画だろうと、大学間協定だろうと、日本は有形無形の「中国科学技術」との「協力関係」の中に引き込まれている。
 最も恐ろしいのは、中国科学技術協会というのは「軍民融合」の中核を成しており、それはありとあらゆる細部にわたって「科学技術」という、一見「中立」の手段を通して、中国の軍事発展や宇宙開発に貢献していることである。
 その巨大な国家レベルのネットワークが、どれほど強固に、そして強力に張り巡らされているかは、拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』の【第四章 決戦場は宇宙に】で詳述した。P.176‐p.177には、本邦初公開の宇宙開発に関する組織図が示してある。
 組織図の中で区切った「軍民融合」関連組織の中核にいるのが、「中国科学技術協会」で、わが国の日本学術会議は、その巨大な組織の一コマとして組み込まれていることを、日本人は見落としてはならない。
 遠藤誉
 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
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