🍙35〗─2─敗戦日本。国家によって犠牲を強いられた女性達。特殊慰安所RAA。~No.236No.237 

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 2022年6月16日号 週刊新潮「読書万巻
 『進駐軍向け特殊慰安所RAA』 村上勝彦 ちくま新書
 臆面なく築かれた『性の防波堤』
 戦後の裏面史を暴く 
 評者 井上理津子
 私ごとだが20年前、大阪の元遊廓・飛田の老経営者から、『進駐軍ジープに乗って飛田全体を一大「慰安所」にできるかと見に来たが、建物が古いという理由ではねられた』と聞いた。慰安所とは占領軍専用の売春施設のこと。ところがその後、飛田のまず1軒を慰安所にすると決定され、改装を始めたものの慰安所制度自体が取りやめになった。『翻弄されたわけですな』とも聞いた。本書を読んで、その二つの伝聞が頭に蘇り、RAAからの流れだったと腑に落ちた。
 〈急告 特別女子従業員募集 衣食住及高給支給・・・〉と、仕事内容を伏せた求人広告が新聞に載ったのは敗戦直後だ。広告主は、政府肝煎りで組織された特殊慰安施設協会(RAA=レクリエーション&アミューズメント・アソシエーション)。『占領軍から婦女子を守る「性の防波堤」が必要』という論理で、東京に速やかに設けられる占領軍専用の慰安所で働く女性の急募。応じた女性は、押し寄せる米兵ら相手にセックスワークを強いられた。そうしたRAA慰安所で性病が蔓延したことと、米国で報道され非難を浴びたことから、わずか7カ月後の1946年3月に閉鎖された──。
 RAAをメインに扱った初のての新書だと思う。公記録を含む数多の資料を読み解き、RAAの実相が明らかにされた。同時期に内務省から全国の知事に宛て『占領軍向けの性的な慰安所を速やかに設けよ』と通達され、RAAと同様の慰安所が各地で同時期だけ稼働したとも示される。未遂に終わった飛田のような場所も少なくないのだろう。
 『性の防波堤』は、中国で日本兵がした蛮行から発想されたとは。『同じことをアメリカにやられた大変』と、時の東久邇宮総理の頭にあっただろうと警視総監が語る。設立の際に『「昭和のお吉」数千人かの人柱』との言葉が臆面もなく宣誓されたとは(お吉は、米国初代総領事ハリスに仕えた女性、唐人お吉のこと)。
 いざ運営が始まると、女性は1日に20人以上も相手にしなければならなかった。すぐさま自殺した女性がいたとも。さらには、慰安所が『防波堤』にならず、米兵による強姦などが頻発したと数字で示される。
 あっけなく閉鎖されるとどうなるか。女性の多くは街娼となる。世間から疎まれる。狩り込みに合う。売春防止法の制定で行き場を失う。本書の後半は、RAA閉鎖後の、いわゆる『闇の女』たちの生きた道を俯瞰する。
 戦後の裏面史の痛みを知ることで、現在が少し重層的に見えるようになると思う。」
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 敗戦国は国際法から見放され、戦勝国生殺与奪の権を握られ権利と自由が奪われ、されるが儘に耐え忍ぶしかなかった。
 勝てば官軍、負ければ賊軍。
 勝者は無罪で、敗者は有罪であった。
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 敗戦国の女性は、惨めで、悲惨であった。
 日本は、何時の時代でも女性を大事にせず庇わず冷たくあしらい犠牲を強いて見捨ててきた。
 それが、日本男子の本性である。
 日本の歴史は、男達が男尊女卑で自分達に都合が良いように書いてきた為に、男達の影で、女性達が如何に理不尽を強いられて泣かされてきたかは消されている。
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 戦国時代は、女性は奴隷として海外に売られていた。
 明治の近代化のうらで、女性達は「からゆきさん」として売らた。
 太平洋戦争では、従軍看護婦慰安婦は戦闘に巻き込まれて戦死するか自決した。
 満州では、ロシア人共産主義軍兵士、中国人や朝鮮人の暴徒に数万人が強姦され惨殺された。
 敗戦後の日本の主要駅では、戦争孤児達が飢え死にしていた。
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