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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
日本列島は、古代から世界の最果・どん詰まりとして世界中から人やモノそして文化や宗教など多くのモノが流れ着いたが、現代では海流に乗ってプラごみなど多くの廃棄物が流れ着いている。
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2022年7月19日07:00 MicrosoftNews 一般社団法人共同通信社 47NEWS「水深約1000メートルの海底、こんなところにレジ袋が… 有人潜水調査船「しんかい6500」が発見した千年以上残るかもしれない「ごみ」の数々
© 一般社団法人共同通信社 水深千メートルの深海で見つかった白いレジ袋=6月5日、相模湾(海洋研究開発機構提供)
「あれはなんだろう」。海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」のライトが海底を照らす。相模湾の水深約1000メートル。乗組員が目を凝らすと、見たことがある白いものが現れた。レジ袋だ。しんかい6500のアームが持ち上げると海底の泥が巻き上がる。
水深約750メートルの海底にはお茶のペットボトルがあった。賞味期限を示す「2013・4・27」の印字が残る。キャンディーの袋は「2015年7月」と、こちらも賞味期限が鮮明に読み取れた。
他にもインスタントラーメンの包装やポケットティッシュの袋、絡まった釣り糸に、中国製バケツ。分解されずに原形をとどめたままのプラスチックごみが大量に堆積していた。「千年以上このまま残るかもしれない」。調査船に乗り込んだ群馬大の粕谷健一教授は声を上げた。(共同通信=澤野林太郎)
▽プラごみの「墓場」
海洋機構は5月22日から6月9日まで、相模湾や伊豆諸島周辺で深海のプラごみの実態調査をした。海底にたまったごみの実態はほとんど分かっておらず、海洋機構はごみの種類や分布などを詳しく調べ、生態系への影響や海底の汚染状況の解明を目指す。プラごみの一部を回収し、海に流入して海底にたどり着いた経路や、素材の劣化の程度を調べる。
海底のプラスチックごみ回収に向かう「しんかい6500」=6月8日、支援母船から撮影© 一般社団法人共同通信社 海底のプラスチックごみ回収に向かう「しんかい6500」=6月8日、支援母船から撮影
今回の調査では、海底に大量のプラスチックごみが堆積しているのを確認し、レジ袋やバケツ、ペットボトル、釣り糸など約10点を回収した。
昨年秋の調査では相模湾の海底で1981年に製造されたとみられるソーセージの袋などを回収した。
海洋機構の中嶋亮太グループリーダーは「リサイクルされなかったプラごみは、河川に流れ込み最終的には海に排出される」と話す。レジ袋やペットボトルだけではない。タイヤや靴底に使われる合成ゴムや人工芝のほか、洗濯すると流れ出す合成繊維、洗顔料や歯磨き粉の微少な研磨剤もプラごみだ。
© 一般社団法人共同通信社 「しんかい6500」に乗り込んだ海洋研究開発機構の中嶋亮太グループリーダー=6月8日。相模湾の「しんかい6500」の支援母船で撮影
経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、2019年の世界のプラスチック消費量は約4億6千万トン。廃棄物の発生量は3億5300万トンに上り、2000年の2倍以上になった。九州大の磯辺篤彦教授の試算では、これまで約2500万トンのプラごみが海に流入したという。
海に流れ出たプラごみはどうなるのか。紫外線や熱などによって細かくなったものはマイクロプラスチックと呼ばれ、魚などの海洋生物が餌と間違えて食べてしまう報告が相次ぐ。しかし、多くは分解せずにそのまま海底に沈んでいるとみられる。「海底はプラごみの墓場です」。中嶋さんによると、中国や東アジアからプラごみが太平洋に流出し、黒潮に乗って日本近海に運ばれる。日本近海は「プラごみのホットスポット」(中嶋さん)となっている。
© 一般社団法人共同通信社 海底で見つかったバケツを回収する有人潜水調査船「しんかい6500」のアーム=6月4日、相模湾(海洋研究開発機構提供)
プラスチックは石油を主な原料とし、有害な添加物を使用するものもある。有害物質が流れ出れば、深海の海洋生物が体内に取り込む恐れがある。ごみの釣り糸に海洋生物が絡み、衰弱死させてしまうなど、生態系への影響が懸念されている。
© 一般社団法人共同通信社 「しんかい6500」が相模湾深海から回収したバケツの底=6月4日
▽分解される新素材の開発
群馬大の粕谷教授らと東大の研究グループは、環境への負荷が小さい「生分解性プラスチック」の研究開発を目指している。生分解性プラスチックは土壌中で自然に分解されるものがほとんど。粕谷教授らは海中で水と二酸化炭素(CO2)に分解される新素材の開発を目指している。内閣府や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が挑戦的な研究を推進する「ムーンショット型研究開発制度」の一環だ。
© 一般社団法人共同通信社 相模湾の水深約750メートルの海底で見つかったペットボトル=6月8日、相模湾の「しんかい6500」の支援母船で撮影
粕谷教授は植物などを原料に約70種類の生分解性プラスチックを試作した。海中で自然に分解するかどうかを確かめるため、2021年10月に相模湾などの水深約700~約5500メートルの海底に置いた。今回の調査で相模湾の深海から約半年前に沈めた生分解性プラスチックを引き揚げると、一部は付着した微生物の働きによって自然分解していた。粕谷教授は「使用しているときは十分な強度があり、海の中でスイッチが入って分解が進むような、使い勝手の良い新素材を開発したい」と話す。
相模湾の水深約750メートルの海底で見つかったペットボトル。賞味期限を示す「2013・4・27」の印字が残る=6月8日、相模湾の「しんかい6500」の支援母船で撮影© 一般社団法人共同通信社 相模湾の水深約750メートルの海底で見つかったペットボトル。賞味期限を示す「2013・4・27」の印字が残る=6月8日、相模湾の「しんかい6500」の支援母船で撮影
海洋機構の磯部紀之研究員は植物の成分のセルロースから透明で強度がある生分解性プラスチックのコップをつくり、海底で自然分解し一部が消失したことを確認した。磯部研究員は「100%天然由来の素材のため、環境への負荷はほぼない」と説明する。
▽加害者であり被害者
4月からは使い捨てプラスチックの削減を進める「プラスチック資源循環促進法」が施行された。フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワーキャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバーの12品目が対象だ。前年度に5トン以上提供した企業に、有料化や代替素材への転換などを義務付ける。ただ木製のスプーンや紙ストローなどの代替品により、プラスチックを全て置き換えることは難しい。
© 一般社団法人共同通信社 「しんかい6500」が相模湾深海から回収したキャンディーの袋。「2015年7月」と記載されている=6月6日
九州大の磯辺教授は「プラスチックを開発した人間は加害者でもあり被害者でもある。地球温暖化問題と同様に国際的な枠組みをつくり、具体的な数値目標を掲げ世界全体で削減に取り組むべきだ」と話している。」
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