💫7}─2─約750万年前の地球寒冷化に伴う日本海の海洋循環が化石生物の絶滅要因となった可能性も。~No.63 

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 2022年7月29日18:01 MicrosoftNews 日本経済新聞「東大、約750万年前の地球寒冷化に伴う日本海の海洋循環が化石生物の絶滅要因となった可能性を 発表日:2022年07月20日
 約750万年前の地球寒冷化に伴う日本海の海洋循環と化石生物の絶滅
1.発表者:
 松崎 賢史(東京大学 大気海洋研究所 海洋底科学部門 助教
 池田 昌之(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授)
 多田 隆治(千葉工業大学 地球学研究センター 嘱託主席研究員)
2.発表のポイント:
◆巨大サメ"メガロドン"や絶滅哺乳類デスモスチルスが絶滅した約750万年前に、日本海で多産した放散虫固有種化石が絶滅し、北方侵略種が増加した。
◆この原因として、全球的な寒冷化に伴う太平洋の深層水循環が弱化と冬季モンスーンの強化による日本海深層水循環の変化と考えられる。
◆750万年前の北太平洋の海洋環境変化は日本海の生態系に大きい影響を与えた可能性がある。
3.発表概要:
 北半球氷床が拡大した中新世後期(約790万年前から580万年前)、様々な生物が絶滅した一方、最古のヒト科が出現し、現代型の生態系が成立した。同時期の日本海でも、海洋環境や生態系が大きく変化したが、そのプロセスについて議論が続いていた(図1)。
 東京大学大気海洋研究所の松崎賢史助教東京大学大学院理学系研究科の池田昌之准教授らの研究チームは、日本海の深海堆積物コアの放散虫化石の種毎の産出率を万年オーダーで計測から日本海の海洋循環の変化を復元して、これが化石生物相の絶滅要因となった可能性を指摘した。
 中新世後期750万年前を境に太平洋底層水の影響が弱まる一方、北太平洋中層水の影響が強くなった。これは、北半球氷床拡大と冬季モンスーンの強化に伴う北太平洋中層水の強化に起因すると考えられる(図1)。
 さらに日本周辺では、いくつかの放散虫のみならず、メガロドン、海洋哺乳類デスモスチルスも絶滅し、代わりに珪藻やイルカといった現代型の海洋生態系へ移行した。本研究は初めて、中新世の現代型海洋生態系の成立と海洋循環の変動、地球の寒冷化との関係性を検討した。ただし、大型化石は産出記録が多くないため、今後、古脊椎動物学的研究を統合することで、現代型生態系の確立史についてより深い理解を得られると期待される。
 本研究成果は、2022年7月20日午前10時(英国夏時間)に「Scientific Report」のオンライン版に掲載される。
 ※以下は添付リリースを参照
 リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
 添付リリース
 https://release.nikkei.co.jp/attach/636789/01_202207201705.pdf
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