🍞2〗ー5ーウクライナ戦争。食糧輸入国日本に農産物を売り渋る食糧輸出国。~No.6 

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 2022年4月28日号 週刊文春阿川佐和子のこの人に会いたい
 あれも高い、これも高い、もっと高い、もっともっと高い。スーパーで買い物すれば目を剝いて、ガソリンを満タンにするのも気が引けるご時世。この大値上がり時代を我々はどう生き延びていけばいいのか、お知恵を拝借!
 『貯蓄して、使わない』これが家計のサバイバル術。生き残るために国を頼らず利己的に振る舞って。
 荻原博子
 阿川 今日は荻原さんにお知恵を拝借したくて。
 荻原 世の中大変ですよ。
 阿川 まず、なんでもかんでも値上がりしているこの状況、どうなってるんですか?
 荻原 目立つところでいえば、小麦の値段ですよ。輸入小麦の政府売渡価格が、昨年の4月に上がったのをきっかけに・・・。
 阿川 え!小麦って、政府が売っているんですか?
 荻原 日本の小麦は9割が輸入なんですね。国産だけじゃ安定的な食糧供給がおぼつかないので、食糧法に価格統制含めて、国が流通を管理することが明記されてるんです。お国が輸入したものを製粉会社が購入して、各種商品にしたものがようやく消費者に届くんですよ。
 阿川 知らなかった・・・。
 荻原 政府が今期の小麦の値段はいくらいくらですと、半年ごとに改定する決まりになってるんですけど、5.5パーセント上がったのが去年の4月。同じ年の10月には19パーセント値上げ。
 阿川 そんなぃ~~~‼
 荻原 さらに今年の4月には17.3パーセント上がったんです。
 阿川 ウクライナの戦争の影響で小麦が高くなったと思ってたんですけど、その前から上がってたんですか。
 荻原 だから心配なのはこの10月ですよ。この1年半の値上がりの主な原因は、北米小麦の不作で説明がつくんです。でも、ロシアとウクライナは豊作だったから世界的にも価格調整が追いついていたけれど、なんとその場所で戦争が起こってしまった。現状、すでに1.5倍になっている小麦価格が、2倍以上になりかねない状況ですね。
 阿川 パン屋さん大変!
 荻原 ご苦労されると思うし、どう考えても、その苦労はしばらく続きそうです。遠いヨーロッアで戦争が起こったとしても、日本人の家計に直接影響があるんだってあらためて思い知らされますね。
 阿川 輸入に頼るだけの日本は国際情勢に振り回されますもんねえ。
 荻原 工業化の進みきった先進国、特に欧米にとっては、農業生産を維持・拡充することはすごく大事なことで、国家的な戦略の中にしっかり組み込まれてるんでしけれどね。フランスなんか農家を補助金漬けにして、所得の8割を保障しているんです。つまり、農家はほとんど公務員状態なのね。というのも、フランスは農家を安全保障の一環と位置付けていて、国内で消費しきれなくても輸出すればいいし、余剰が出たってかまわないという考え方。その分、戦争が起きたり世界情勢が変わったら、しっかり自分の国で囲い込む。自国民を飢えさせないのが、安全保障の第一歩という考え方なんですよ。
 物価高の原因は政府の無策
 阿川 日本は自給率が低いのをほったらかしですめれど・・・。
 荻原 そうそう。そして、ツケが回ってきたときに大慌てするのがこの国の歴史ですよね。普段は買えるんだから心配しなくていいじゃんというスタンスで、農家の保護なり育成を怠ってきました。怠るどころか、率先して農業を壊滅に追い込んできましたよ。田んぼだって、バンバン減反してきたし、後継者問題にもほっかむり。農業に限らず、日本はまるで先を見据えてない政策ばかりですよね。
 阿川 なんか、ワクチン供給の状況と同じですね。
 荻原 本当にその通り。外国から買えばいいやって思っても、そんなのいつ売り渋られるかわからないじぃない?それに、経済大国は今は昔。お隣の中国にはアクチンも農産物も買い負けている状況ですよ。
 阿川 中国も農作物を海外からたくさん買ってるんですか?
 荻原 全世界の小麦の備蓄のうち、実に51パーセントが中国にあるんです。あの国の政府の使命は、とにくか14億人を飢えさせないことだから、本気で穀物なんかを買おうと思ったら、日本は到底太刀打ちできません。とにかく国際的にはそういう状況になっちゃた。嘆かわしいのは日本政府ですよ。国民の家計に直結する物価高に全然対応しないんですもん。
 阿川 政府は物価の高騰には無頓着なんですか?
 荻原 小麦について言えば、政府が売り渡し価格を決めているんだから、補助金なんか入れて調製するやり方もあるはずなのに、やらない。それから頭来ているのはガソリンですね。
 阿川 高い高い。
 荻原 いま、170円くらいでしょう?
 阿川 これも戦争が原因?
 荻原 日本の場合、輸入全体に占めるロシア産の原油の割合はそう高くなくて、原因はもっぱら中東の生産調整ですね。大元が生産を絞り始めたものだから、世界中で需給バランスが崩れて、いま値上がりの一途。日本がロシア産のエネルギーにそれほど依存していないと言っても、欧州なんかはかなりの部分をロシアに依存しているから、これからどうなるやら。日本のガソリンももっともっと値上がりしてくる可能性はありますよ。
 阿川 もっと値上がりするんですか⁉
 荻原 これも政府の無策のせいで国民にツケが回ってきているんですよ。
 ……
 阿川 あれは不思議ですよね。
 荻原 その点で言えば、やっぱり中国の商魂のたくましさはすさまじいものがありますよね。西側の国がロシア産のエネルギーを買わない選択をしたら、いま中国はロシアの石油や天然ガスを買い放題。漁夫の利って故事がありますけど、現代の漁夫の利は中国ですよ。
 阿川 野菜が高いのはどうして?
 荻原 悪いことは重なるものだけど、もっぱら国内要因。やっぱり北海道の天気がよくなかったから。タマネギやジャガイモは一時目玉が飛び出るほど高かったですよね。国内生産、国内消費のサイクルが回ってるから何とかなるんですけど、やっぱり穀物価格が上がるのが影響大きい。石油の代替でバイオエタノールを使っているけれど、その大元はトウモロコシ。これも値段が上がってます。トウモロコシは飼料でもあるから、食肉の値段に跳ね返ってきますよ。
 阿川 そうか。お肉も高くなるのか。
 岸田総理は『ケントウシ』
 荻原 あとは魚もね。
 阿川 魚も⁉
 荻原 燃料代も上がるわけで、船を出すような漁で獲れる魚は値上がりしますよね。ノルウェーあたりからはサバなんかがやってくるけど、ロシアやウクライナの戦争が長引けば、安定的に輸入できるかわかりません。それからカニ!タラバガニはロシア産が多いですから、もうお正月にカニは望めないかも。
 阿川 どうするんですか!何もかもが値上がりして。
 荻原 ホント、どうするんでしょう。給料だって全然上がってないていうのに。
 阿川 岸田総理のことはどう見てるんでか?
 荻原 あの人は『ケントウシ』。
 阿川 遣唐使?剣闘士?
 荻原 阿部元総理の路線から離れようとしているのは分かるけれど、それでも難しいところが多いでしょうね。課題や問題が見つかると、すぐ『検討します』っていうでしょ?だから『検討し』。
 ……
 荻原 いま、租税負担と社会保障負担を組み合わせた国民負担率って48パーセントなんですよ。ほとんど半分をお上に持ってかれるような状況にあります。江戸時代は四公六民で農民の生活はカツカツ、ちゃんとでも年貢が上がれば一揆が起こるって言われてましたけど、現代はそれよりも高いんです。税金を取るなら取るで、良い風に使ってくれるんならまだしもね。さっきの補助金の使い方ひとつとってもまるで納得できません。
 阿川 じゃ、庶民はどうやって生活を守って行けばいいんですか。
 荻原 やっぱり使わない。老人は子孫に美田を残さずで、どんどん使ったほうがいい。でも現役世代、何十年も生きていかなくちゃいけない世代は蓄えておかないと。
 阿川 経済を回すにはどんどん使えって話じゃなかったでしたっけ?
 荻原 そうなの。その常識に反することいってるから、よく叩かれるんだけどさ。今は国が率先して、貯蓄するな、投資に回せ、iDeCoだNISAだなんだかんだと喧伝するような時代じゃないですか。銀行や証券会社が儲からないと、日本の経済が上手くいかないと思い込んでいる金融庁の考え方は分からなくはないけれど、それをさも正しいことのように触れ回るのはどうかしら。日本経済が成長して、みんなの給料が上がって・・・そんな時代だったら国が振る旗に飛びつくのもアリだけど、そんな状況じゃないですもん。
 阿川 え。ちょっとわからない。みんなが消費してみんなが投資しないと、物は売れないし企業は儲からないし、ひいては給料も上がらないから、結局、自分の首を締めることになりませんか?
 荻原 マクロ経済としてはシュリンク(収縮)しちゃうでしょうね。
 阿川 でしょ?でも荻原さんは使うなと?
 荻原 そもそも私は、一般の生活者が日本経済全体を考えるような必要って本当のあるのか疑問なんですよね。マクロ経済の論理で家計のようなミクロはカバーできないはず。国の言っていることはあくまでマクロ経済的に妥当なだけで、我々が乗っかってあげる義理はないんです。基本的に貯蓄して使わないっていうのがミクロな家計にとってのサバイバル術だと思っています。
 阿川 家計が生き残ることが、めぐりめぐって国のためになるってことですか?
 荻原 ううん。生き残れるけど、国のためにはならないでしょうね。
 阿川 それでいいんですか?
 荻原 いいとか悪いとかじゃないんです。経済活動の単位は、家計であれ企業であれ使うお金の大小にかかわらず利己的に振る舞うものなんですよ。だって、企業を見ればわかるじゃないですか。バブル崩壊以降、日本企業がとってきた方策はただひとつ、借金を減らして現金を増やすということだけ。お国は企業に対して、設備投資しろ、給料増やせって言ってるでしょ?あれは家計に投資しろ、モノを買えって言ってるのと同じ。でも、企業の設備投資の伸びは本当に鈍い。内部留保が史上空前の額になっているというニュースを聞いたことがあると思いますけれど、企業はとにかく現金を手元に置きたがってる。自分たちのサバイバルのことだけを考えて、国のため、なんてロジックには乗ってないんですよ。
 阿川 私たちの実感よりは企業は儲かってるってことですよね。
 荻原 史上最高益を叩きだしている会社も少なくないですよ。それぞれの都合で経済活動をすればいいわけで、一般の人間が国のためなんてことを考えて経済活動をする義務はない。自分たちの家計がいかに生き残れるか、それを考えて利己的に振る舞うといいと思っているんです。
 阿川 うーむ。でも・・・。
 荻原 実際、国のことを信じてこの何十年も痛い目をみてきたじょない。たとえば年金。
 阿川 たしかに。もうニッチもサッチもいかないんでしょう年金制度は。
 荻原 小泉さんが言ってた『100年安心』は実質12年でほころびちゃった。給付額は下がり、給付年齢も引き上げられ。困ったもんだってことで、今度は徴収の対象範囲を広げ始める。じき、徴収額自体も引き上げると思いますよ。高齢化が進むし、人口も減少するのは分かり切ってるのに、どれも弥縫策(びほうさく)ばっかりですよね。
 阿川 じゃあもう日本は三流国になっちゃうと。
 荻原 いやあ、もうとっくになってるんじゃない?
 阿川 分相応でいいじゃないかって気もしますけどね。
 荻原 ただ、私たちの世代くらいまでは、大いに消費して食うに困らないような生活を送ってこられたけれど、これからの若い世代には気の毒な時代になっちゃったよね。
 年寄り世代の悲観はいらない
……」
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 ウクライナ戦争で分かった事は、日本の窮状はリベラル派・革新派そして一部の保守派やメディア関係者では救えないし、ましてや9条の平和憲法は空念仏で百害あって一利なしすぎないという事である。
 その現実があっても、現代の日本人は目覚めようとしない。
 何故か、それは現代の日本人には数万年・数千年という民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力がないからである。
 現代の日本人は、9条の平和憲法一つを信仰して、武器や食糧そして心や志、品位や品格、信念や信義、道義や道理など民族として命を捨てても持っていた多くのモノのゴミにして捨てて生きる事を選んでいる。
 その証拠に、先進国・経済大国・貿易立国の日本は湾岸戦争で解放されたクウェートからもウクライナ戦争で絶望的な戦争を続け多くの死者を出しているウクライナからも感謝されていない。
 現代の日本は武士の国でも百姓の国でもなく、日本に武士も百姓もいない、つまり現代の日本人は武士でもなければ百姓でもないし武士や百姓の子孫でもない。
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 アメリカが唯一の超大国と言われる理由は、他国に頼る事なく、海外から輸入せず、自国内だけで食糧、物資、エネルギーを自給できるからであり、もし足りないものがあれば北米、中南米大陸、カリブ海で他国の妨害を得ずに必要なモノを必要なだけ入手できるからである。
 アメリカは、地理的条件、地政学・地経学から唯一侵略されない絶対安全国家である。
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 アメリカは、軍事力・警察力そして経済力・通貨力で、国際法で世界の秩序と治安を守り、自国に都合の良いルールを決め、自由と民主主義で安定・安全・安心を保障するが、独り善がりの傲慢さから意に従わない他国に対して内政干渉を行い強引に政変を起こして変革を強要している。
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 米ドル貨は、リアル世界における唯一にして絶対の信用を持った国際通貨であった。
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 食糧・物資・石油は、戦略物資として、アメリカ・ウオール街やロンドン・シティのユダヤ系国際金融資本家らが支配していた。
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 日本が大国になれない理由は、生きる為に必要な食糧、経済に必要な物資、工場生産と日常生活に必要なエネルギーを自給できず、海外で米ドル建てで購入し、金融・経済、情報・サービス、インターネット、運輸、輸送、その他の各種サービスをアメリカに頼り、海上・上空・陸上の安全をアメリカ軍に依存しているからである。
 その厳然たる事実を忘れたのが、ジャパン・アズ・ナンバーワンと煽てられ有頂天になったバブル経済における世界第2位の経済大国日本であった。
 日本は、何一つとして自国だけで自力で賄えない。
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