⚡20】─1─日本はカーボンニュートラルとリサイクル技術で遅れている。~No.101No.102 ⑪ 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本は、食糧・資源・エネルギーの大半をアメリカの影響下にある海外に依存しないと生きていけない、自力・自給自足ができない周囲を海に囲まれた孤島国家である。
   ・   ・   ・    
 「歴史は繰り返す」は、日本を歴史では存在しない。
   ・   ・   ・   
 2021年10月号 Voice「気候変動問題を読み違えた日本
 いまや日本のリサイクル技術は優位性を失い、他国からライセンスを買わなければ効率の良いリサイクルができない。EV、再生可能エネルギーなどで競争を繰り広げる米中に、追いつけるのか
 夫馬賢治  聞き手・編集部(岩谷菜都美)
──2021年5月に上梓された『超入門カーボンニュートラル』(講談社+α新書)では、気候変動問題はいまや、産業構造を変える経済問題に発展していると指摘されています。『地球温暖化』や『カーボンニュートラル』という言葉は1990年代から使われていましたが、世界が本格的に取り組み出した契機は何だったのでしょうか。
 夫馬 金融界が推進しはじめたことが節目となりました。1997年の京都議定書によって各国には温室効果ガス削減の義務が課せられましたが、当時、気候変動の課題について訴えていたのは国連や環境系NGOだけでした。あくまでも『環境問題』として扱われていたわけです。しかし、やがて気候変動が経済構造にも影響を及ぼすと知った機関投資家たちが立ち上がり、グローバル企業に対して温暖化対策の強化を要求します。もちろん、世界経済を動かすほどの大きな力をもつ株主の声を企業は無視できません。金融界に牽引されるかたちで、グローバル企業がカーボンニュートラルを叫びはじめたことで、世界の潮目が変わったのです。
──投資家が気候変動問題を重視するようになった具体的な出来事は何でしょうか。
 夫馬 2005年にアメリカ合衆国南東部を襲ったハリケーンカトリーナです。この直後から、大企業が毎年発表するアニュアルレポート(年次報告書)には、気候変動への言及が大幅に増加しました。では、なぜカトリーナがしれほど大きな問題となったのか。われわれ日本人にとっての東日本震災に匹敵すると考えれば理解しやすいかもしれません。巨大ハリケーンルイジアナ州を襲い、ニューオーリンズの8割が冠水、死者1,800人以上という米史上最悪の自然災害となりました。被災総額は1,250億ドル(約13兆6,400億円)と推定されており、これはアメリカの国内総生産(GDP)の約1%に当たる額です。米国内の経済機能は停止し、金融界に大きな打撃を与えました。
 そのとき世界は、この大災害は人間社会によって引き起こされたものではないかと気づきます。つまり、人類が気候変動対策に真剣に取り組まなければ、たとえ災害支援をしても、将来的にまた同じ状況に見舞われてしまう。金融界では根本治療の必要性が認識され、『気候変動』という言葉が世界に発信されてきます。直後の2008年には、追い打ちをかけるようにリーマンショックが起き、従来の短期利益追求型の経営ではなく、持続可能な経営モデルの波が押し寄せたのです。
 ……
 ──近年、『AI(人口知能)に人間の仕事が奪われる』としばしば語られますが、それ以前に気候変動の影響によって消滅する職業も出てきそうです。
 夫馬 日本ではテクノロジーやデジタル化の話題ばかり取り上げられています。しかし海外では、気候変動のほうがはるかに問題視されている。われわれに身近な気候変動対策による余波の例を挙げるならば、ガソリンスタンドです。人びとが使う車がすべてEV(電気自動車)に替わり、EVスタンドを利用するようになれば、ガソリンスタンドは必要なくなる。EVは、給油所にわざわざ行かずとも、自宅やオフィス、ショッピングセンターの駐車場でも充電が可能ですから。これは大きな産業転換ともいえます。
 また、資源採掘業者も衰退していくでしょう。生態系への配慮から、将来、石油や金、銅などの採掘が縮小し、廃材のリサイクルが主流になるからです。実際にアップルは、2030年までにすべての製品を再生素材でしか製造しないと宣言しています。今後、サーキュラーエコノミー(循環経済)社会に本格的に突入していくのです。
 ……
 中国の急成長
 ……
 ──日本、アメリカ、欧州、中国のなかで、気候変動対策がもっとも進んでいる国・地域はどこでしょう。
 夫馬 欧州が一番進んでいます。日米中のなかでいえば、アメリカがもっとも気候変動対策を強化しています。……次ぎに進展しているのは中国で、最後が日本です。日本はGDP対CO²排出量でみれば三ヵ国のなかでいちばん優等生ですが、中国の環境汚染改善度合いの速さをみると、日本はすぐに抜かれてもおかしくありません。
 ……
 中国はいまや最大の再生エネメーカー国です。世界の太陽光パネルの8割は中国で製造されており、風力関連のトップ10企業のうち半分以上が中国メーカーです。そして世界中で走るEVの半分は中国で販売されています。
 ……
 環境後進国日本は2035年の逆転を描け
──気候変動対策における日本の現状はいかがでしょうか。
 夫馬 東日本震災の影響で一時はすべての原発が停止し、主力エネルギーが石炭と天然ガスに移りました。以降、日本の石炭市場は鰻登りで、世界の潮流の逆を進んでいた。そんななか2017年、日本の投資家を含めた世界の投資家の団体から安倍政権に対して手紙が届きます。同時に、経団連をはじめ、トヨタ、日産、エネオスなどの企業にも封筒が送られます。『あなたがたと話したい。テーマは気候変動です』と。
 誰よりも素早く反応したのは、経団連と、日立元会長の故・中西宏明氏でした。やってきたカリフォルニア州職員退職年金基金カルパース)と話し合い、『気候変動対策に本気で向き合わなければ、日本経済はやられてしまう』と危機感を抱いた中西会長は、日本の経済界に向けて説明を試(こころ)みます。ところが鉄鋼、電力、化学メーカーなどから反発を受けます。そうした背景もあり、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の流れが圧倒的に遅れてしまったのが、日本の不幸です。
 日本も2008年ごろまでは科学技術先進国でした。たとえば、いま話バイオプラスチックを用いた製品開発をいち早く成功させたいます。当時は使う人が少なく大きな市場にはなりませんでしたが、研究開発のレベルや投資額は非常に高い水準でした。しかしリーマンショック後のコスト削減で『無駄な研究をしていてはいけない』と研究開発がしぼんでしまった。将来の世界の潮流を読み間違えてしまったのです。
──現在の新型コロナウイルスのワクチン開発と同じ状況にみえます。なぜ必要な分野に注力した戦略がとられないのでしょうか。
 夫馬 世界の動きを的確に把握できていないからではないでしょうか。そもそも言語力のギャップによって、国際的トレンド情報を読みとることができない。日本のすべての国会議員に英語力があり、日常的な英文メディアに接していれば、こんな状況にはなりません。
 ……
 いまや日本のリサイクル技術は欧米企業に及びません。……三菱ケミカル三井化学をはじめとして日本の化学メーカーは、自力でのリサイクル技術開発は間に合わないため、海外からライセンスを取得して工場を建設しています。日本はリサイクルをする技術を、海外に依存しているのです。
──GAFAにネット上のシェアを奪われ、さらにカーボンニュートラルの分野でも奪われたら・・・。
 夫馬 リサイクルもできない。EVも発電所太陽光発電パネルもつくれない。風力発電のメーカーは日本にはゼロです。これはやはり過去10年間、世界の流れを読み間違えたツケです。いますぐにでも技術開発を本格的に進める必要がありますが、すぐに話題になっている技術開発をしている他国に追いつけません。いまは実現できていなければ数十年後には実現可能といわれている技術にフォーカスして、2035年頃に逆転するぐらいのビジョンを描かないと世界で勝てない。
 日本政府は環境分野に注力するだけの予算を確保しなければならない。また企業は、国内の機関投資家投資銀行を惹(ひ)き付けるような事業計画を立て、彼らにとってメリットのある未来を提示するべきです。そうしなければ、日本円は中国や米国企業への投資に流れてしまいます。大袈裟な話ではなく、いまわれわれは『日本沈没』の成否を分ける岐路(きろ)に立たされているのです。」
   ・   ・    ・   
 バブル崩壊後の日本の後退、経済の低迷、モノ作りの衰退、政治の劣化は、高学歴の知的エリート・進歩的インテリらのメディアや評論家・専門家に騙されたからである。
 コロナ禍が、如何に、戦後民主主義教育世代が祖先の民族遺産を食い潰し日本を後進国並み・三流国並みに落ちぶれさせたかを炙り出した。
 日本の歴史で、ここまで体たらくになった日本国は初めてであり、戦後民主主義教育世代の様な日本人も初めてである。
 戦後民主主義教育世代には、破壊的イノベーションを生み出す能力はなく発展的インベンションを続ける才能もない。
 つまり、現代の日本は偶然ではなく必然である。
となれば、日本の再生ではなく新生には戦後民主主義教育世代を社会の第一線から引退させるしかない。
 つまり、明治維新の再演である。
 それは、軍部や右翼が絶望的戦争へと暴走した昭和維新とは違うし、リベラルや左派による醜悪で地獄のような共産主義革命でもない、縄文人の子孫による日本民族の変革である。
   ・   ・    ・